(1)本実証実験では、フィリピン宇宙庁等との協力により、海外における超小型衛星共有ネットワークの事業展開の
実現性を探ることを目的としています。具体的には、地上で計測されたスペクトルデータの蓄積・管理、それに基づく
衛星の機動的運用を実現するサーバーを設置し、これを国際的にネットワーク化するための実証を行い、農林水産業
や自然災害のモニタリングなど各分野における解析環境の構築及び衛星情報の収集等を検証する計画です。
(将来的な事業構想:
別紙1
)
(2)衛星リモートセンシング分野で我が国が海外展開を進めていくためには、「観測頻度・機動力」及び
「提供情報の信頼性」を向上させ、その優位性を示す必要があります。これまでの衛星の多くは、衛星直下のみの
観測しか行わないために、同じ場所を再び観測するまでの時間が長く、また可視から近赤外の範囲では広帯域の
3-5バンド(波長)に限られていたため、植生の病害診断や収量予測や汚染、土地利用に関する推定精度には限界が
ありました。
アドバイザーである北海道大学大学院理学研究院 教授 高橋 幸弘(たかはし ゆきひろ)氏は、衛星の真下以外にも
高精度で自在にカメラの視野を向けるターゲットポインティング技術によって観測頻度を10倍以上に改善し、また
液晶技術によって世界最多となる約600の狭帯域バンドから目的に応じたバンドを選択する衛星からの撮像方法を
実証しています。今回、提案が採択されたBlue Planet Sensing 株式会社は、これらの技術を利用して、
高頻度高精度の地球モニタリングを可能にします。