総務省は、情報通信分野の競争的資金である「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)」の平成29年度研究開発課題の公募を、平成29年1月6日(金)から同年2月6日(月)まで実施し、141課題の応募がありました。
四国からは、4件の提案があり、外部専門家・外部有識者による評価を実施し、その結果を踏まえて、別紙1の2件が採択されました。
また、これら新規提案のほか、平成28年度にフェーズI又はフェーズIIとして実施していた研究開発については、四国から別紙2の6件が提案され、すべて引き続き研究を行うことが認められました。
【別紙1】四国から提案し、採択されたSCOPE平成29年度研究開発の概要等
【別紙2】四国から提案し、選抜又は継続されたSCOPE平成29年度研究開発の概要等
【別紙3】平成29年度 戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)(PDF 360KB)
【関連報道資料】
・平成29年度ICT分野の競争的資金「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)」に係る研究開発課題の公募(平成28年12月19日付け)
・戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の平成29年度研究開発課題の公募≪電波有効利用促進型≫(平成28年12月26日付け)
【別紙1】
四国から提案し、採択されたSCOPE平成29年度研究開発の概要等
研究開発課題名 | 研究代表者 | 研究分担者 | 概要 | 期間 |
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有機物による200GHz超広帯域マッハツェンダ型光強度変調器の研究開発 | 【高知工科大学】 榎波 康文 (えなみ やすふみ) |
− | 統合ICT基盤分野のコア系技術である超大容量の情報を極めて安定的、高品質及びシームレスで広域接続するコア系ネットワーク構築のために必要な400Gbps通信用の200GHz超広帯域光変調器を研究開発する。従来のシリコン光変調器の光変調帯域幅(3dB光減衰帯域幅)は30−40GHzが限界であり、またInP光変調器帯域幅は70GHz程度まで広帯域化が可能であるがこれ以上の広帯域化は材料特性により極めて困難であった。これらの材料限界に基づく光変調器の高速化限界を打破するため、本研究では有機物を用いた光変調器(ポリマ光変調器)を用いて電極設計最適化及び光変調器長短縮により広帯域化を実現する。 (資料1) |
2か年度 |
研究開発課題名 | 研究代表者 | 研究分担者 | 概要 | 期間 |
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血圧波形を用いた心房細動診断プログラム新規開発とICTネットワークによる脳梗塞地域予防体制の確立 | 【香川大学】 南野 哲男 (みなみの てつお) |
【香川大学】 野間 貴久(のま たかひさ)、石澤 真(いしざわ まこと)、原 量宏(はら かずひろ)、横井 英人(よこい ひでと)、西本 尚樹(にしもと なおき)、岩藤 泰慶(いわどう やすよし)、岡田 宏基(おかだ ひろき)、竹内 康人(たけうち やすひと) |
高齢者化社会に向けて、心房細動の合併症である心原性脳梗塞の患者数はさらに増加することが予想される。心原性脳梗塞予防のためには、心房細動患者の早期診断による適切な治療開始が重要である。本研究開発では、より簡便で、繰り返し使用できる精度の高い心房細動スクリーニングプログラムの開発とすでに稼働しているK-MIX(かがわ遠隔医療ネットワーク)がデータ連携した心原性脳梗塞に対する地域予防体制の構築を目指す。 (資料2) |
1か年度 |
【別紙2】
四国から提案し、選抜又は継続されたSCOPE平成29年度研究開発の概要等
研究開発課題名 | 研究代表者 | 研究分担者 | 概要 | 期間 |
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単一周波数の小型気象レーダを複数用いた極端気象監視ネットワークのプロトタイプ構築 | 【高知大学】 佐々 浩司 (さっさ こうじ) |
【高知大学】 本田 理恵(ほんだ りえ)、村田 文絵(むらた ふみえ) 【古野電気株式会社】 木 敏明(たかき としあき)、武地 美明(たけち よしあき)、廣瀬 孝睦(ひろせ たかよし)、早野 真理子(はやの まりこ)、箕輪 昌裕(みのわ まさひろ)、石垣 雄太(いしがき ゆうた)、高島 祐弥(たかしま ゆうや) 【情報通信研究機構】 村田 健史 (むらた たけし) |
豪雨や突風など極端気象が多発する高知県に小型気象レーダを複数最適配置してネットワークを構築してクラウドにより一元的に管理・配信することにより、道路・鉄道の安全運行および一般市民の人命や財産を守るために有用な高解像度の面的な気象情報をリアルタイムかつ高頻度に提供するシステムの構築を最終目標とする。 最大6台の小型気象レーダを最適配置し、山岳部や建物による電波遮蔽、途中降雨による信号減衰を相互的にカバーするレーダネットワークシステムの構築をめざす。このうち最大5台の小型レーダは電波有効利用のため単一周波数とし、干渉除去を目的とするアンテナ協調回転機能を有するマルチレーダ制御装置などの開発を主要課題として実施する。また、複雑地形におけるクラッターの適正除去や降雨減衰の補正について改良するとともに、高度1kmの広域面の詳細な降雨・風情報をクラウドにより1分間隔で提供するアルゴリズムを開発する。 (資料3) |
最長2か年度 |
研究開発課題名 | 研究代表者 | 研究分担者 | 概要 | 期間 |
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認知力トレーニングを目的とした事例ベース雑談音声対話システムの研究開発 | 【徳島大学】 北岡 教英 (きたおか のりひで) |
【株式会社ヴィッツ】 渡邉 友裕(わたなべ ともひろ) 【徳島大学】 泓田 正雄(ふけた まさお) 【阿南工業高等専門学校】 太田 健吾(おおた けんご) |
高齢者向けの雑談対話システムの構築を行う。高齢者音声データによるDNN音響モデル構築と話し言葉適応、話者適応法により音声認識性能を向上する。事例ベース音声雑談対話システムにおける事例のWeb検索に基づく話題適応の研究を行う。雑談を継続して楽しませるための応答内容(相槌、盛り上げ、話題転換など)の選択方法を研究する。高齢者が聞き取りやすい間を開けたり有声休止を加えた応答を生成する方法を研究する。 (資料4) |
最長2か年度 |
地理空間情報と環境情報を活用した災害避難共助支援による減災力向上に関する研究開発 | 【愛媛大学】 都築 伸二 (つづき しんじ) |
【愛媛大学】 二神 透(ふたがみ とおる)、山田 芳郎(やまだ よしお)、渡部 正康(わたなべ まさやす) |
南海トラフ巨大地震による地震火災や津波被害の懸念に備えて、共助・自助による減災力を向上させることが目的である。地域住民による災害避難計画の立案を支援し、その結果を住民どうしで共有するためのクラウドシステムを開発し実践する。また、環境および防災教育用教材を充実し、住民によるハザードマップ作りや、まち作りコミュニティ活動等を支援する機能も開発することによって、平時から使えるシステムとする。 (資料5) |
最長2か年度 |
研究開発課題名 | 研究代表者 | 研究分担者 | 概要 | 期間 |
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養殖現場と連携した双方向『水産情報コミュニケーションシステム』による赤潮・魚病対策技術の開発 | 【愛媛大学】 武岡 英隆 (たけおか ひでたか) |
【愛媛大学】 松原 孝博(まつばら たかひろ)、小林 真也(こばやし しんや)、黒田 久泰(くろだ ひさやす)、樋上 喜信(ひがみ よしのぶ)、遠藤 慶一(えんどう けいいち)、入野 和朗(いりの かずお)、吉田 則彦(よしだ のりひこ)、Mohapatra Sipra(マハパトラ シプラ) 【愛媛県農林水産研究所】 川上 秀昌(かわかみ ひでまさ)、久米 洋(くめ ひろし) |
養殖現場で問題となっている赤潮・魚病について、ICTを利用して警報や注意報を生産者へ情報発信するとともに、生産者から養殖魚や海洋環境の情報をフィードバックし、生産者、愛媛大学、宇和海周辺の自治体が連携して情報を共有する、赤潮・魚病に関する双方向の水産コミュニケーションシステムを構築する。また、宇和海全域でのシステム構築を目指す。 (資料6) |
2か年度目 |
センサーネットワークを活用したPHRとEHRの統合による個別化糖尿病疾病管理プログラムの開発 | 【徳島大学】 松久 宗英 (まつひさ むねひで) |
【徳島大学】 黒田 暁生(くろだ あきお)、田蒔 基行(たまき もとゆき)、森 博康(もり ひろやす)、谷口 諭(たにぐち さとし)、玉木 悠(たまき ゆう) |
糖尿病治療において生活習慣の改善を実現するためには、患者自身の病状に対する理解と、治療への動機付けは不可欠である。その支援ツールとして、治療目標、検査値、自己測定値に基づく個別化糖尿病疾病管理プログラムを開発し、血糖測定器や体重計などとのセンサーネットワークとEHR(Electronic Health Record)を連携するシステムを構築した。平成29年度は多施設共同研究により、患者・医療者支援のツールとしての有用性を検証し、事業化をめざす。 (資料7) |
2か年度目 |
「日本一の健康長寿県構想」に資する高度脳画像クラウドの研究開発 | 【高知工科大学】 岩田 誠 (いわた まこと) |
【【高知工科大学】 中原 潔(なかはら きよし)、松崎 公紀(まつざき きみのり) 【高知大学】 森信 繁(もりのぶ しげる) |
高知県が掲げている「日本一の健康長寿県構想」に貢献するために、高知県内の健診センター・認知症疾病医療センターの既存MRI設備を有機的にネットワーク化して、高齢者の認知症等の疾病予防や早期治療、さらには健康増進に資する高度な脳画像クラウドABIC(Advanced Brain Imaging Cloud)を研究開発する。 (資料8) |
2か年度目 |
(重点領域型研究開発及び地域ICT振興型研究開発について)
四国総合通信局 情報通信部 電気通信事業課
担当:竹田課長、丸岡課長補佐
電話:089-936-5041
(電波有効利用促進型研究開発について)
四国総合通信局 無線通信部 企画調整課
担当:山課長、日野上席企画監理官
電話:089-936-5071