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「地域情報化広域セミナー2015in愛媛」を開催
≪オープンデータの意義及び先進事例を紹介≫

 四国総合通信局は、四国情報通信懇談会、一般財団法人 全国地域情報化推進協会(APPLIC)との共催、Code for DOGOの後援で、平成27年7月8日(水)に愛媛大学総合情報メディアセンターメディアホールにおいて、「地域情報化広域セミナー2015in愛媛」を開催しました。本セミナーは、オープンデータの意義について解説するとともに、地方公共団体及び鉄道事業者による先進的な取組事例を紹介し、四国におけるオープンデータの実現と活用の推進を図ることを目的に開催したものです。

 最初に、筑波大学システム情報系社会工学域 教授 川島 宏一(かわしま ひろいち)氏を講師にお迎えし「オープンデータの意義と地域活性化」と題した基調講演をいただきました。福岡市で起業した介護ITベンチャー企業は、行政が出したデータで新たなサービスを開発したと紹介し、自治体が保有するデータが雇用の創出や地域経済の活性化につながるとオープンデータの意義を話されました。
 また、具体的な2つの地域課題とその解決方法を紹介されました。1つ目は、データを使って人口の社会増を回復する方法として、新潟県長岡市のオリーブ構想を紹介されました。オリーブ構想は、若者創業のしやすい街「ながおか」を全国に発信し創業希望者を惹き込む構想で、創業のしやすさ指標を管理、提案し、関心を示した若者創業希望者一人ひとりとの関係性を構築、発展させていくといった特徴があります。2つ目は、アイデアソン・ハッカソンから地域ビジネス創出へつなぐため、課題となる真因を明らかにし、それらを解決する方法論について説明されました。

筑波大学システム情報系社会工学域 教授
川島 宏一(かわしま ひろいち)氏
【資料】オープンデータの意義と地域活性化(PDF 3.4MB)PDF

 

 次に、地方公共団体による先進事例として、徳島県政策創造部統計戦略課 主任 吉川 満(きっかわ みつる)氏より「徳島県におけるオープンデータ推進の取組について」と題し、徳島県がオープンデータ推進の先進県に至るまでの経緯や取組の成果について紹介されました。予算要求の段階では、オープンデータの意義について厳しい査定を受けたが、丁寧に何度も説明することで事業予算を確保することができたと当時の状況を話されました。昨年は数多くのアイデアソン・ハッカソンや利活用イベントを開催することができ、参加者との交流や地域課題の共有を通じて、国民参加・官民協働の推進につながったのではないかと取組の成果を話されました。
 また、今年4月にオープンデータポータルサイトが本格運用を開始し、OSS(※)によるデータの可視化やニーズの共有まで可能としているなど充実した環境整備について紹介されました。
 ※「OSS」=Open Source Software

徳島県政策創造部統計戦略課 主任
吉川 満(きっかわ みつる)氏
【資料】徳島県におけるオープンデータ推進の取組について(PDF 432KB)PDF

 

 続いて、鉄道事業者による先進事例として、東京地下鉄株式会社 常務取締役 村尾 公一(むらお こういち)氏より「東京メトロの「オープンデータ活用」の取組み」と題し、鉄道事業者におけるオープンデータ化のメリットや東京メトロ創立10周年記念行事の一環として開催された「オープンデータ活用コンテスト」について紹介されました。多様化する顧客ニーズに全て応えることは難しく、データをインフラ化しオープンにすることで、外部の人が多様な視点でサービスを補完するアプリを作ってくれることは低コスト低リスクであるとオープンデータ化のメリットを話されました。開催したコンテストには281件の応募があり、公開された各アプリのDL数の推移からは、自社が気づいていない顧客ニーズが見えてくるなど、サービスの検証にも繋がっていると話されました。また、多様な言語に翻訳し案内してくれるアプリは、東京オリンピックに向けた多言語化対応として期待ができ、日本を訪れた外国人がスマホを見ながら自由に東京を歩き回ることができればとても便利になると、データの活用について紹介されました。
 今後、関連する鉄道事業者とも協調して取組を進めていくことで、データの利活用がさらに進むのではないかと話されました。

東京地下鉄株式会社 常務取締役
村尾 公一(むらお こういち)氏
【資料】東京メトロの「オープンデータ活用」の取組み(PDF 3.8MB)PDF

 

 最後に、APPLIC事務局より「地域情報プラットフォーム標準仕様V3.0」及び「自治体業務におけるWi-Fi利活用ガイドブック」について説明しました。

セミナー会場の様子

 

 本セミナーには約80名が参加され、オープンデータの意義やデータの活用について学ぶことができました。四国総合通信局では、今後もセミナーや研修会等の開催を通じ、四国におけるオープンデータ利活用の推進を図っていきます。

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