日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)−日本標準職業分類一般原則

第1項 用語の意義

(1) 仕事

 職業分類において仕事とは、一人の人が遂行するひとまとまりの任務や作業をいう。

(2) 報酬

 職業分類において報酬とは、賃金、給料、利潤(個人業主)、その他名目のいかんを問わず、労働への対価として給されたものをいう。なお、賃金・給料等には、現物(自家生産物を除く。)を含む。
 したがって、次のような収入は、報酬に当たらない。

ア 利子、株式配当、家賃、間代、小作料、権利金等の財産収入(ただし、アパート経営、貸金等により労働の対価として得ている場合を除く。)

イ 恩給法、生活保護法、厚生年金法、国民年金法、雇用保険法等の社会保障制度に基づく収入又はその他の年金収入

ウ 小遣い、仕送り金等の贈与

エ 競馬、競輪、競艇、パチンコ等の配当又は景品

オ 預貯金引出、保険金受取、借入、不動産等の売却による収入

カ 自己所有の株券等の売買差益による収入

キ 学生・生徒が受ける奨学金等の学資金

ク 職業訓練施設において、職業訓練生が受ける訓練手当・褒賞金

(3) 職業

 職業分類において職業とは、個人が行う仕事で、報酬を伴うか又は報酬を目的とするものをいう。
 ただし、自分が属する世帯の家業に従事している家族従業者が行う仕事は、報酬を受けているかどうかにかかわらず、一定時間(例えば、一日平均2時間、あるいは通常の就業者の就業時間の3分の1以上の時間等)当該仕事に従事している場合には、その仕事を職業とみなす。
 したがって、次のような仕事は、職業に当たらない。

ア 自分が属する世帯のため、家事や家庭菜園の作業を行う場合又は留守番等を行い小遣いを得た場合

イ PTA・子供会の役員、社会福祉活動、ボランティア活動等のように無給の奉仕活動に従事している場合

 また、窃盗、恐喝、とばく、売春、密輸等の違法行為及び公序良俗に反する行為並びに受刑者の行う仕事は、いずれも職業とはみなさない。

(4) (1)から(3)までに定めるもののほか、この職業分類において使用する用語は、統計法(平成19年法律第53号)において使用する用語の例による。

第2項 職業分類の適用原則及び分類項目の設定原則

 職業分類は、仕事を分類すると同時に人に対してその仕事を通じて適用し、職業別の統計を表示するために用いられるものである(注1)。

(注1)分類項目は、人に対して適用するため、従事者など人を表す表現を用いる。

 この職業分類の分類項目は、事業所の産業分類、個人の就業形態及び仕事の期間や継続性とは独立に設けられる(注2)。

(注2)産業と職業の内容が密接であると考えられる農林水産業については、この限りではない。

 また、分類項目は、仕事の内容の類似性、仕事に従事する人数等によりその仕事が社会的にどの程度一つの職業として確立しているかを考慮して定める。この考慮すべき仕事の内容の類似性は、次のとおりとする。

(1) 仕事の遂行に必要とされる知識又は技能

(2) 事業所又はその他の組織の中で果たす役割

(3) 生産される財・サービスの種類

(4) 使用する道具、機械器具又は設備の種類

(5) 仕事に従事する場所及び環境

(6) 仕事に必要とされる資格又は免許の種類

第3項 職業分類の分類表の構成及び分類符号の表記

(1) 分類表の構成

 職業分類の分類表の構成は、大分類(12)、中分類(74)及び小分類(329)の三段階分類とする。ただし、一つの中分類に設ける小分類の数は九個までとする。
 大分類の分類項目の名称並びに中分類及び小分類の数は、次の表のとおりとする。

大  分  類  中分類   小分類 
  (計) 12 74 329
A−管理的職業従事者 4 10
B−専門的・技術的職業従事者 20 91
C−事務従事者 7 26
D−販売従事者 3 19
E−サービス職業従事者 8 32
F−保安職業従事者 3 11
G−農林漁業従事者 3 12
H−生産工程従事者 11 69
I−輸送・機械運転従事者 5 22
J−建設・採掘従事者 5 22
K−運搬・清掃・包装等従事者 4 14
L−分類不能の職業 1 1

(2) 分類符号の表記

 職業分類の分類符号の表記は、次のとおりとする。

ア 大分類符号は、アルファベット大文字で表記する。

イ 中分類符号は、大分類符号がAの大分類から始まる二けた数字の一連の通し番号で表記する(ただし、大分類L−分類不能の職業を除く。)。

ウ 小分類符号は、三けたの数字で表記し、その上位二けたまでは中分類符号を表す。

エ 小分類符号のうち上から三けた目の数字は、1から9までの数字による十進法に準じた表記とし、その数字が9のものは、その項目が他に分類されない雑分類項目であることを表す。

第4項 職業の決定方法

 職業の決定方法は、以下の判断基準によるものとする。

(1) 仕事が単一の分類項目に該当する場合

 個人が単一の分類項目に該当する仕事に従事している場合は、その仕事により職業を決定する。

(2) 仕事が複数の分類項目に該当する場合

 複数の分類項目に該当する仕事に従事している個人を、一つの分類項目に決定する場合は、次の原則により行う。

ア 二つ以上の勤務先で、異なる分類項目に該当する二つ以上の仕事に従事している場合

(ア) 報酬の最も多い分類項目による(注3)。

(イ) (ア)により難い場合は、就業時間の最も長い分類項目による(注3)。

(ウ) (ア)及び(イ)により難い場合は、調査時点の直近に従事した仕事による。

イ 一つの勤務先で二つ以上の分類項目に該当する仕事に従事している場合(注4)

(ア) 就業時間の最も長い分類項目による(注3)。ただし、大学における研究者、医師及び歯科医師については、研究、診療等の仕事を行っている場合でも、教育活動を行っている限り、大学教員として位置付ける。

(注3)報酬又は就業時間により一つの分類項目に決定する場合は、報酬又は就業時間を仕事の内容に応じて大分類毎に集計し、その合計が最多又は最長となる大分類を選択する。次に、当該大分類の中で同様の基準により中分類及び小分類を決定する。

(注4)経営・管理以外の仕事にも直接従事する事業主、店長、支配人及び管理職員については、経営・管理の仕事も行っている場合は、二つ以上の分類項目に該当する。

(イ) (ア)により難い場合は以下による。

a 二つ以上の大分類項目にまたがる場合

 財・サービスの生産に直接かかわる職業を優先するという観点から、次の大分類項目の順位による(注5)。ただし、大分類符号がEからKまでの大分類は、財・サービスの生産に直接かかわるものであり、これらの大分類間の優先順位はないものとする。

  • E−サービス職業従事者
  • F−保安職業従事者
  • G−農林漁業従事者
  • H−生産工程従事者
  • J−建設・採掘従事者
  • K−運搬・清掃・包装等従事者
  • I−輸送・機械運転従事者
  • B−専門的・技術的職業従事者
  • D−販売従事者
  • A−管理的職業従事者
  • C−事務従事者

(注5)大分類符号がIからCまでの大分類の職業は、大分類符号がEからKまでの大分類の職業が行う財・サービスの生産活動を管理・支援し、又は生産された財を流通させる仕事と考える。

b 一つの大分類内又は中分類内の複数の分類項目に該当する場合

(a) 該当する複数の分類項目が、生産工程における組立て及び検査又は飲食物の提供における調理及び給仕のように、一つの財・サービスを生産する過程における異なる段階である場合は、主要な段階又は最終の段階に該当する分類項目による。

(b) (a)により難い場合は、該当する複数の分類項目の中で、十分な業務遂行のために必要となる経験年数、研修期間等が最も長い分類項目による。

(3) 資格及び見習い等の取扱い

ア 公的資格又はこれに準じた資格を要件とする仕事については、原則として、当該資格の名称をもって分類項目としているこ とから、有資格者のみを当該分類項目に該当するものとする。ただし、会計士補は小分類181公認会計士に分類する。こうした仕事に関する無資格の見習い、 助手、補助者等は、有資格の本務者と同じ内容の仕事はできず、異なる仕事を行っているものとみなし、有資格の本務者とは別の仕事の内容に即した分類項目に 決定する。

イ 公的資格又はこれに準じた資格を要件としない仕事であって無資格の見習い、助手、補助者等が行う仕事については、その 内容が本務者のものと類似している場合には本務者と同一の分類項目に決定し、その内容が本務者のものと異なる場合には、その内容に即した分類項目に決定す る。

(4) その他の特殊な取扱い

ア それぞれの職業の一般従事者と同じ仕事に従事する傍ら管理的な性質の仕事にも従事している職場のリーダー、スーパーバ イザー、責任者等の仕事は、当該一般従事者の仕事に応じて決定する。ただし、第4項(2)イの基準に照らして大分類A−管理的職業従事者又は大分類B−専 門的・技術的職業従事者に該当するものは、それぞれの大分類における分類項目に決定する。

イ 保安職業従事者の特例

 自衛官、警察官、海上保安官又は消防員として任用されている者は、仕事の内容のいかんにかかわらず、それぞれ分類項目の自衛官、警察官、海上保安官又は消防員に該当するものとする。

ウ 専門的・技術的職業従事者の特例

 研究所長、病院長、診療所長、歯科診療所長、歯科医院長、裁判所長、検事総長、検事長、検事正、公正取引委員会審査長、海難審判所審判長、特許庁審判長及び校長は、仕事の内容のいかんにかかわらず、大分類B−専門的・技術的職業従事者に該当するものとする。

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