日本標準商品分類(平成2年6月改定)の意義、改定方針、概要等


1.日本標準商品分類の意義等
  日本標準商品分類(JSCC)は、統計調査の結果を商品別に表示する場合の統計基準として、 昭和25年3月に設定されたものである。現行の日本標準商品分類は平成2年6月に改定されたものである。 これは、昭和50年3月の改定以降15年を経過し、この間の産業構造の変化、技術革新の進展、消費者ニーズの高度化・ 多様化等を背景にして、ソフトウェア商品、マイクロエレクトロニクス製品、自動制御機器等の増大、新素材製品、 複合機能製品等の出現等に伴う商品事情の変化に適合するよう全面的に見直したものであり、第5回目の改定に当たる。
  日本標準商品分類における商品の範囲は、価値ある有体的商品で市場において取り引きされ、かつ移動できるもののすべてである。 したがって、サービス、土地、家屋(組立家屋を除く。)、立木、地下にある資源等は含まれない。 価値ある有体的商品には、従来、電力及びガスを含めていたが、今回の改定により用水を含めることとした。
  標準分類番号は、大分類、中分類、小分類等の順に配列されているが、各分類項目は、無数にある商品を類似するものごとに 集約し、「商品群」として表示しているものである。なお、基本コードは中分類番号としている。
  その例を示すと次のとおりである。
  (標準分類番号の例示)
  (3) 大分類 生産用設備機器及びエネルギー機器
  41 中分類 保安・環境保全機器
  415 小分類 警報設備及び信号装置
  4151 細分類 火災警報設備
  41511    細々分類   火災報知設備の受信機
  415111   6桁分類   P型1級受信機
   
2.日本標準商品分類改定方針(平成2年6月)
 平成2年6月の日本標準商品分類の改定については、平成元年1月13日総務庁長官から統計審議会会長に対し諮問が行われたが、 これに先立って、昭和63年6月10日第136回分類部会において次のような改定方針が了承され、これに基づき改定作業が行われた。
  (1)  見直しの対象は、原則として現行日本標準商品分類のすべてとする。
  (2)  本分類の目的は、商品を類似するものごとに集約し、商品分類を要する統計の作成・表示の基準とすることである。 このため類似商品を集約する分類基準としては、主として次によることとするが、 ひとつの基準のみでは望ましい分類が得られない場合は、 必要に応じ複数の基準を採用する。
        ○ 商品の用途
        ○   〃  機能
        ○   〃  材料
        ○   〃  成因
  (3)  改定分類は、原則として6桁まで細分するものとし、必要に応じてそれ以下の細分を行う。
  (4)  一つの商品は、一つの分類項目(以下「本籍」という。)に分類するが、統計上重要性の高い商品で、 複数の項目に分類することが必要等の場合、 同一商品を再掲する方法を採用する。
この場合、 商品の用途、 機能等からみて、 汎用性等の大きいほうに本籍を置き、 再掲箇所においては、 商品の後にかっこ書きで本籍の番号を記載する。
 (例)
[本籍] [再掲]
 55 電子部品  52 電子計算機及び関連装置
 557 メモリー部品  521 デジタル型
 5571 記録媒体  …… 記録媒体 (5571)

 55714 カード  …… メモリカード(55714)
 557141 磁気カード  …… 磁気カード (557141)

 557143 ICカード  …… ICカード (557143)
  (5)  複合機能商品の分類については、その主たる機能に基づいて所属を決定する。これにより難い場合は、 その製造費中の最も大きいウエイトを占める機能に基づいて所属を決定する。
   (例)    ●  ラジオ付DAT(デジタルオーディオテープレコーダ) 60214
            細分類(6021) デジタルオーディオテープレコーダ(DAT)に分類。
          ●  ゲームアンドウォッチ 895172
            細分類(8951) 金属製がん具に分類。
  (6)  用語は、公示文書、日本工業規格(JIS)、日本農林規格(JAS)、学術用語等によることとし、 外来語を使用するときは片仮名を用いる。
  (7)  分類法は、やむを得ない場合を除いて十進法を使用する。
  (8)  分類表は、原則として日英両文とする。
日本標準商品分類の改定状況
   設定・改定日
設定 昭和25年3月
第1回 昭和30年3月
第2回 昭和34年4月
第3回 昭和39年8月
第4回 昭和50年3月
第5回 平成 2年6月
 
3.日本標準商品分類の改定の概要等
(1)  日本標準商品分類改定に関する統計審議会への諮問
     (諮問第226号 日本標準商品分類の改訂について)(PDF:6KB)
(2)  統計審議会答申
     (諮問第226号の答申 日本標準商品分類の改訂について)(PDF:9KB)
(3)  分類構成
      日本標準商品分類は、大分類、中分類、小分類、細分類等からなり、その構成は次のとおりである。
分類項目数一覧
大分類 中分類 小分類 細分類 細々分類 6桁分類 7桁分類 8桁分類 9桁分類 10桁分類
1. 粗原料及びエネルギー源
 2. 加工基礎材及び中間製品
 3. 生産用設備機器及びエネルギー機器
 4. 輸送用機器
 5. 情報・通信機器
 6. その他の機器
 7. 食用品、飲料及び製造たばこ
 8. 生活・文化用品
 9. スクラップ及びウエイスト
10. 分類不能の商品
9
17
19
6
4
13
8
19
1
1
56
143
120
34
21
88
42
165
9
-
291
887
613
191
109
473
258
772
40
-
817
3,120
1,934
671
356
1,361
909
2,138
94
-
924
3,134
2,410
482
633
1,932
1,255
2,879
108
-
312
2,756
1,243
83
136
961
115
586
6
-
58
286
316
-
2
58
21
27
-
-
2
29
114
-
-
13
14
-
-
-
-
-
13
-
-
-
-
-
-
-
(計) 10 97 678 3,634 11,400 13,757 6,198 768 172 13
   (注)再掲品目については、計上していない(本籍で数える)。
(4) 大分類の整序
 ア  旧大分類のうち、自動車、電子計算機、テレビ受像機等のような完成された商品を集約し、 範囲が広すぎて従来分割することが懸案となっていた「4 最終製造品」を、生産・流通の実態を踏まえて 「生産用設備機器及びエネルギー機器」、「輸送用機器」、「情報・通信機器」、「その他の機器」及び 「生活・文化用品」に分割し、他方、「美術品、収集品及び骨とう品」を廃止 (「生活・文化用品」に集約)して、大分類項目を1〜9、0とした。
 イ  従来どおり「用途」で分類し、原則として、粗原料的な商品から最終製造品的な商品に、 最終製造品については、生産財的な商品から消費財的な商品の順に配列した。
(5) 中分類の整序
  ア  中分類は2桁(01〜99)の番号で整理することとし、今回改定では97分類(01〜96、99)とした。
  イ  大分類項目の名称・配列に合わせて項目を再編するとともに、汎用性の機能を有する商品から特定の機能を有する商品、 加工度の低い商品から高い商品等の順に配列した。
  ウ  技術革新によるエレクトロニクス化の進展、自動制御技術の発達等に伴い、新しく出現した商品、 生産量等が増大している商品について分類項目を新設した。
    (例)
       ● マニピュレータ、ロボット及びその関連装置 (新33)
         旧「運搬・昇降・貨物取扱装置,産業用ロボット及びその関連装置(42)」の小分類 「産業用ロボット及びその関連装置(428)」を格上げし、新しく項目を設定した。
       ● 電子計算機及び関連装置 (新52)
         旧「電子応用装置(通信装置及び関連装置を除く。)(68)」の小分類「電子計算機(687)」 及び「電子計算機応用装置(688)」を統合して格上げし、新しく項目を設定した。
       ● プログラム (新53)
         旧「印刷物、レコード及びその他の記録物(92)」の細分類「その他の記録物 (主として磁気又は光学的方法によるもの)(9279)」を格上げし、新しく項目を設定した。
  エ  中分類構成を2桁(01〜99)の番号で整序する必要等から、類似の機能等を有している中分類同士を統合した。
    (例)
       ●  非金属鉱物基礎製品 (新17)
         旧「非金属鉱物基礎製品(主として建設用)(28)」及び「非金属鉱物基礎製品(主として非建設用)(29)」 を統合した。
       ●  農林・漁業用機器 (新40)
         旧「農林用機械器具(49)」及び「漁業用機械器具(50)」を統合した。
  オ  他の中分類項目に比して統計上使用頻度の少ない分類項目を廃止した。
     (例)
       ● 製造飼料及び製造有機質肥料 (旧16)
       ● 動植物油脂ろう及びその誘導製品(旧22)
  カ  社会における呼称の変化、国産技術の進歩等に合わせて分類項目の名称を変更した。
     (例)
       ●  保安・環境保全機器 (新41)
         旧「保安・警報及び信号装置、公害防止及び浄水装置(59)」の名称を変更した。
       ●  航空機、ロケット及び人工衛星(新51)
         旧「航空機(人工衛星及びロケットを含む。)(75)」の名称を変更した。
(6) 小分類以下の整序
  ア  小分類以下は、 原則として小分類については3桁(011〜 )、細分類については4桁(0111〜 )、 細々分類については5桁(01111〜 )等の番号で整理することとした。
  イ  小分類以下における分類基準としては、 機能、 用途、 材料等のほか、 各中分類ごとの商品の生産・流通の実態等により、 加工度、 製造工程、 規格(JAS、JIS)、 既存の分類(商品の名称及び分類についての統一システム(HS)、日本標準産業分類)、薬効等の区分、 配列等によるものとした。
  ウ  小分類以下は、(ア)技術革新(マイクロエレクトロニクス化、光技術の進展、新素材開発、 バイオテクノロジーの進展、自動制御技術との複合化の進展等)により、新しく出現した商品、 (イ)国民生活の変化等(余暇の増大、環境保護の要請等)により生産量等が増大している商品について分類項目を新設した。
     (例)
      「技術革新によるもの」
        ● マイクロエレクトロニクス化
            ワードプロセッサ  (新細分類5922)
            デジタルオーディオディスク(DAD)プレーヤ  (新細分類6023)
        ● 光技術の進展
            光ディスク装置 (新細々分類52133)
            光ファイバ製品(心線、コード、ケーブル) (新小分類223)
        ● 新素材開発
            炭素繊維製品 (新細々分類17657)
            セラミックス繊維 (新細々分類17715)
        ● バイオテクノロジーの進展
            牛の受精卵 (新細分類0293)
            花きの苗 (新細分類0337)
        ● 自動制御技術との複合化の進展
            数値制御放電加工機 (新6桁分類321811)
            版下自動作図機(新細分類3724)
       「国民生活の変化等によるもの」
        ● 余暇の増大
            スノーモービル (新7桁分類4715991)
        ● 生活水準の向上
            チルド食品 (新細分類7532)
        ● 環境保護の要請
            アルミノけい酸ナトリウム(無りん洗剤の原料) (新7桁分類1524366)
    エ  生産量の減少又は生産が中止された商品の分類項目を廃止した。
        (例)
        ● 陸用、舶用、車両用蒸気機関 (旧細分類3821〜3823)  [生産量の減少]
        ● 三輪自動車 (旧小分類712)   [生産中止]
        ● SP盤 (旧細々分類92711)  [生産中止]
  オ  市場における商品名の変化、技術の進歩等を踏まえて、分類項目の名称を変更した。
        (例)
        ● メリヤス生地 (旧小分類217)  ニット生地(新小分類147)
        ● 磁気録音再生機器 (旧細分類6513)  テープレコーダ(新細分類6022)
        ● 電気蓄音機 (旧細分類6514)  ステレオセット(新細分類6028)
        ● 動脈硬化用剤 (旧細々分類81218)  高脂血症用剤(新細々分類87218)
  カ  細分類以下の旧分類を配列替え、新設、統合、廃止等を行い全面的に改定した。
        (例)
        ● 中分類「木製基礎材(竹製基礎材を含む。)」(新12)の小分類「合板」、「改良木材、 集成材、積層材及びパーティクルボード」及び「フローリング(木質等)」中の細分類以下の項目
          旧細分類以下の区分は、 商品規格の変化、新商品の出現等により生産、 流通の実態に合わなくなったことから、 JAS等の品目区分に基づいて全面的な改定を行った (旧細分類以下の項目数 308→新細分類以下の項目数143)。
        ● 中分類「時計」(新64)の細分類以下の項目
          旧分類では、ムーブメントの大きさ別等の区分であったものを、新分類では、機能、 用途別に区分を変えたことによって、 細分類以下の項目数を大幅に集約した(旧細分類以下の項目数394→新細分類以下の項目数61)。
        ● 中分類「履物」(新80)のうち、小分類「革靴」中の細分類以下の項目
          旧分類が詳細な材質別区分であったものを、材質別分類の集約を図ったことにより、 細分類以下の項目数を大幅に集約した(旧細分類以下の項目数76→新細分類以下の項目数24)。
(7) 今後の課題
 平成2年6月の日本標準商品分類の改定についての答申においては、今後の課題として、 商品分類を含め標準統計分類については、効率的な改定、利用の高度化、国際化の進展を図るため、 次の措置を講ずる必要があるとされている。
  ア  日本標準商品分類について、商品事情の変化に応じた適時の見直し及び機動的対応方策の検討
   (ア)  平成2年6月の改定は15年振りのため、この間の急激な商品事情の変化等により現行分類を統計基準として 使用することが困難となったため、商品の生産・流通の実態に合わせ、全商品の分野にわたり見直しを要することとなり、 大規模な改定となった。
   (イ)  短期間による大規模な改定は、関係省庁、関係業界団体等に多大な負担を課することから、 今後は技術革新の進展に伴ういくつかの中分類項目ごとの見直し、枝番号(亜分類)の必要性など 商品事情の変化に応じて機動的に対応できる方策を検討する必要が生じた。
  イ  内外の標準統計分類に関するデータベースの早急な整備
     分類部会の審議において及び関係団体等から主として以下のような問題点に対応していくために、 標準統計分類に関するデータベースの整備を行う必要があるとの意見・要請があった。
   (ア)  近年、国際標準統計分類の改定、 創設が相次いでいるが、 日本と国際間の標準統計分類のコンバータ (対応表) 未作成のため、 国際機関への統計データの迅速な提供が十分でない。
   (イ)  産業構造の変化、商品の多様化により、新産業、新商品が増大していること、 また標準統計分類の利用分野が拡大していることにより、事業所等の適用業種等の照会が増大していることに対して、 迅速な対応が十分でない。
   (ウ)  統計作成者、利用者に対する標準統計分類の提供サービスが十分でない等内外の要請に適時的確に対応できない。
  ウ  中央生産物分類と我が国標準統計分類との比較性の確保等の対応の検討
   (ア)  1989年2月に開催された第25回国際連合統計委員会において中央生産物分類 (CPC:Central Product Classification−財、サービス等を包含した分類)が承認され、 これらのデータの国際比較性を確保するため、暫定分類として、CPCを使用することが加盟国に対し勧告された。
   (イ)  これに伴い、日本標準商品分類、日本標準産業分類等の改定等に当たって、CPCとの比較性の確保の検討とともに、 これらの使用の結果に基づく評価等を要することとなる。

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