画像:住民参画システム利用の手引き 〜地域SNS、公的認証対応アンケートシステム〜
トップページ導入検討編> 1. ICTを活用した住民参画の方法
目次
座長あいさつ
総論
導入検討編

1. ICTを活用した住民参画の方法
2. 主なICT住民参画手段
3.地域SNSとは
4.SNSと地域SNSの違い
5.地域SNSの費用
6.電子アンケートとは
7.電子アンケートの費用
8.高齢者などの参加
9.住民ニーズの把握
10.施策への反映
11.運営体制
12.議会との関係
参考1 実証実験地域の概要
参考2 実証実験関係者座談会


実践編 地域SNS

実践編 電子アンケートシステム
資料編
1. ICTを活用した住民参画の方法

ICTを活用した住民参画とは何ですか?

キーワード
・ 既存の住民参画手段の課題
ICT活用のメリット
ICT活用の課題と対応策

関連項目
【総論】 3 地域における住民参画の必要性

住民参画には、地域社会における課題解決に、地域住民がその担い手として参画していくよう、地域コミュニティを再生すること(=「地域社会への住民参画」)と、地方自治体における政策形成の過程に、地域住民が積極的に参画していくこと(=「地方行政への住民参画」)があります。

既存の「地方社会への住民参画」手段としては、自治会、町内会活動や、学校区を単位としたPTA活動などがあげられます。近所づきあいなども、地域社会への住民参画のひとつの手段と考えられます。最近では、特に都市部におけるコミュニティ意識の希薄化などが問題点としてあげられますが、ICTを活用することによって地域単位のコミュニティに加え、それぞれの住民が関心のあるテーマごとに複層的なコミュニティを手軽に形成することができるようになります。

・ 一方、既存の「地域行政への住民参画」手段(住民への情報提供を含む)としては、例えば広報紙、審議会、市政懇談会、市政モニター、住民投票などがあります。

・ これらの手段は、例えば広報紙の場合、紙面の制約による情報量の制限や発行頻度による情報更新頻度などが、また審議会、市政懇談会などは、開催場所・時間によって出席できない場合があること、開催頻度や討議時間が限られていることなどが、問題としてあげられます。

・ これらの既存の手段に対し、ICTを活用した地方行政への住民参画手段としては、例えばホームページ、メールマガジン、Eメールでの意見受付け、電子会議室、電子アンケートシステムなどがあります。

・ これらの手段は、従来の方法に比べて、24時間365日好きな場所から誰でも利用できる、情報量の制約がない、過去に遡って検索などもできる、頻繁に更新し常に最新情報を提供できる、議論が継続的であるなどの長所があります。

ICTの活用に関しては、高齢者などパソコン利用が苦手な人(世代格差)や、ブロードバンド(高速大容量)回線のサービスが提供されていない地域(地域格差)のような、いわゆるデジタルディバイド(情報格差)の問題があります。また、直接顔が見えないことから生じる成りすましなどへの対策や、電子会議室などで見られる誹謗中傷などの不適切行為への対応、行政内のルール(職員の参加や意見の集約・反映方法など)が未整備といった課題があります。

・ これらの課題に対応するため、バリアフリー技術の活用や研修、サポート体制の充実、公的個人認証サービスの活用、電子会議室の運営ガイドラインの作成、行政内ルールの確立、議会や既存の手段との関係整理などを行うことが考えられます。


既存の地方行政への住民参画手段(情報提供を含む)とICT活用との比較
項目 既存手段 ICT(情報通信技術)
活用例 ・広報誌 ・市政懇談会
・審議会    ・市政モニター
・住民投票 など
・ホームページ  ・メールマガジン
・Eメール     ・電子会議室
・地域SNS    ・電子アンケート
など
長所 ○パソコン等の知識が不要で誰でも参加できる
○行政担当者の対応がある程度成熟している
○住民からの意見の活用方策が比較的ルール化されている
○時間的、場所的制約がない
○継続して行政に関わる場の提供が可能
○障害者等の参加が容易(ただし、障害の内容に応じた対応が必要)
○速報性があり、情報の更新が容易
○時間・経費が比較的かからない
○いつでも、どこでも、誰でも参加でき、議論がオープン
○年齢、職業、居住地などの属性に関係なく議論が可能
課題
(→は考えられる対応策)
・時間的、場所的制約
・継続して行政に関わる場の提供が難しい
・障害者等が参加する場合には負担が大きい
・速報性がなく、情報の更新が難しい
・時間・経費がかかる
・市政懇談会等では参加者が地域的に限られる
・行政への苦情や要望など一方的なものになりがち

・パソコン等のリテラシーが必要(デジタルディバイドの問題)
 →バリアフリー技術やテレビ端末の活用、フォロー体制の確立
・成りすましや改ざんの危険性がある
 →公的個人認証サービスの導入
・誹謗中傷、ネット上の「あらし」
 →会議室運営のガイドライン策定(テーマ設定、実名か匿名か、ファシリテータの役割など)
・行政担当者の対応のルールが確立していない
 →行政内部でのルールの確立
・住民から提案された意見の活用方策が確立されていない
 →議会との関係の整理、既存の民意反映チャンネルとの補完関係の整理



ICTを活用した地域社会への住民参画の例(岡山市電子町内会)

・ 岡山市では、平成13年度から、コミュニティの活性化と地域からの情報発信を目的に、ウェブページによる情報発信と電子回覧板、電子掲示板などの会員専用コミュニティ機能を備えた「電子町内会」への取り組みを市民と協働で進めてきました。
・ 平成18年2月1日現在、市内48町内会、2807人が参加しています。


http://townweb.litcity.ne.jp/d-chounai/

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