画像:住民参画システム利用の手引き 〜地域SNS、公的認証対応アンケートシステム〜
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目次
座長あいさつ
総論
導入検討編

1. ICTを活用した住民参画の方法
2. 主なICT住民参画手段
3.地域SNSとは
4.SNSと地域SNSの違い
5.地域SNSの費用
6.電子アンケートとは
7.電子アンケートの費用
8.高齢者などの参加
9.住民ニーズの把握
10.施策への反映
11.運営体制
12.議会との関係
参考1 実証実験地域の概要
参考2 実証実験関係者座談会


実践編 地域SNS

実践編 電子アンケートシステム
資料編
2. 主なICT住民参画手段

ICTを活用した住民参画手段には、どのようなものがありますか?

キーワード
・電子会議室
・地域SNS
・電子アンケート

関連項目
【導入検討編】 3 地域SNSとは
【導入検討編】 6 電子アンケートとは

ICTを活用した住民参画手段としては、情報提供のためのホームページやメールマガジン、電子メールでの意見受付など様々なものがありますが、ここでは、「電子会議室」「地域SNS(ソーシャルネットワークサービス)」「電子アンケート」についてご紹介いたします。

電子会議室
・ 電子会議室とは、インターネットの画面(ウェブページ)上に、参加者が様々な書き込みをして意見交換や議論を展開するものです。議論を円滑にするために、進行役を置く場合もあります。
・ 直接集まる会議と違って、電子会議室は時間や場所の制約がなく、誰でも平等に発言できるメリットがあります。ただし、パソコンや携帯電話を持っていないと参加できないというデメリットもあります。
・ 電子会議室が開設されている地方公共団体の数は、平成16年4月1日現在では900団体を超えていましたが、平成17年4月1日現在では658団体となっており(総務省「地方公共団体における行政情報化の推進状況調査」より)、多くは閑古鳥が鳴いており、不適切発言などにより閉鎖に追い込まれるケースもあるなど、活発に活用されている例はほとんどありません。
・ 電子会議室を有効に活用している例として、藤沢市の市民電子会議室があげられます。藤沢市では1997年2月の実験開始以降、9年間にわたり試行錯誤を繰り返し、住民、行政双方が積極的に参加してきました。
・ 藤沢市の場合、電子会議室の登録者数は人口の約0.6%ですが、住民アンケート(約0.2%)や、市民モニター制度(約0.02%)よりは多い割合を占めています。ひとつの手段で全体をカバーするのではなく、様々な手段の中から住民が選択できることが有効と考えられます。

【地域SNS】
SNS(ソーシャルネットワークサービス)とは、ブログ(インターネット上で公開する日記風サイト)と電子会議室を組み合わせて、招待制(友人の招待がないと参加できない)にしたものです。アメリカではフレンドスター、韓国ではサイワールド、日本ではmixi(ミクシィ)が、それぞれ参加者数最大のSNSです。
・ これらのSNSは全国(あるいは世界)規模のサービスですが、これを地域での利用、運用に重点を置いたものが地域SNSです。
・ 日本の地方自治体で始めて地域SNSを導入したのは、八代市の「ごろっとやっちろ」です。八代市では、電子会議室から地域SNSに切り替えたことにより、参加者が約3倍(人口の約0.3〜0.4%から約1%)に増加しました。
・ 今回、開発・実証実験を行った地域SNSについては、別項で詳しくご紹介いたします。

【電子アンケート】
・ 電子アンケートとは、インターネットを用いてアンケート調査を行うもので、画面(ウェブサイト)上で回答します。
・ 紙で行う場合に比べて、印刷、郵送などの手間やコストが不要であり、より多くの人に、何度も繰り返してアンケートすることができます。また、印刷、郵送、回収、入力の時間が不要または大幅に短縮されることから、結果を得るまでの期間を大幅に短縮できます。
・ 今回、開発・実証実験を行った電子アンケートについては、別項で詳しくご紹介いたします。

・ 地域SNSや電子アンケートなど、インターネットを使って行うサービスについては、高齢者などより多くの人の参加を容易にするため。利用できる端末をパソコンから携帯電話、双方向テレビ(地上デジタル放送、CATV)などへと拡大していくことが有効と考えられます。


電子会議室の例:藤沢市市民電子会議室 






主な住民参画の手段と特徴(藤沢市(人口約38万人)を例として)

項目 参加人数 人口割合 属性 特徴
市民電子会議室 登録者2,600人 0.6% 男性66%、20〜30代で59% 時間・場所に関係なく参加できる。双方向の議論ができる。
住民アンケート
(くらしと情報化に関する市民意識調査(2005年実施))
有効回答702票(発送2,000票) 約0.2% やや高齢者・女性に偏る 科学的に標本抽出を行っており定量的な結果の信頼性が高い。
くらし・まちづくり会議 (運営委員の数、開催数党は13地区毎に異なる) 地区内の細かなテーマに対して、議論や活動を行うことができる。
市民モニター制度 90人(登録者数) 0.02% 簡単にアンケート等を行うことができる。
電話・窓口(要望、クレーム、問い合わせ) 不明(未集計) 不明(未集計) 気軽に思ったことを言うことができる。
パブリックコメント (数件〜数十件?) 必ず意見への返事があり、内容により、きちんと計画等に反映される。
選挙(H16市長選) 投票数97,573人 31.3% 不明
地域コミュニティ PTAを通じた親、高齢者、自営業者の参加など。学生・勤務者の参加は少ない。

資料:藤沢市へのヒアリングなどをもとに作成



国内の電子会議室の現状と対応策

画像:国内の電子会議室の現状と対応策



地域SNSの例:ごろっとやっちろ(八代市) 

画像:ごろっとやっちろ



ごろっとやっちろの会員属性

画像:ごろっとやっちろの会員属性画像:ごろっとやっちろの会員属性
資料:八代市



ごろっとやっちろの利用状況の推移

ごろっとやっちろの会員数とアクティブメンバー数

画像:会員増加とアクティブメンバー数



ごろっとやっちろと行政ホームページのページビュー(閲覧件数)


画像:ごろっとやっちろと行政ホームページのページビュー(閲覧件数)
資料:八代市



地域SNSの特徴 (他ICTを用いた住民参画手段との比較)
項目 地域SNSの特徴 他の手段との比較
安心感(発言しやすさ) ・招待制、プロフィールによる安心感がある。
・発信者のプロフィール等により、情報の信頼性が生まれる。
・招待制の場合、招待してくれた人に色々と教わることができる。
・招待してくれた人の手前、マナー違反などは抑制される。
・メールアドレスを明かさずに、メッセージのやり取りができる。
・足あと機能により、誰が訪問してきたかがわかる。
・特定の人からのアクセスをブロックすることができる。
・プロフィールや日記などについて、段階的(友人まで、友人の友人までなど)に自己情報の公開範囲を設定することができる。
・会議室(コミュニティ)ごとに参加承認制とするかどうか、公開・非公開を選択して設定することができる。

【電子会議室】
・匿名を許容した場合、情報の信頼性が欠如したり、荒れる可能性がある。

【ブログ】
・公開範囲の設定ができない(原則一律公開)。

利便性(使いやすさ) ・マイページとして、自らの関心事項に係る新着・更新情報を一覧できる。
・SNSの中に、掲示板やブログなどの必要な機能を集約できる。
・地図情報との連携も可能。
・写真や位置情報付きで携帯電話からの書き込みも可能。
・発言内容などの修正、削除ができる。
・メッセージや新規書き込み等があったことをメール配信で通知できる(プッシュ型のメリットも兼ね備える)。
・RSSを用いて、他のSNSやブログなどの新着情報を集めたり、他に配信することができる。
・新しい情報が優先的にトップページに表示され、古い情報から表示されなくなる。
・個人を紹介するポータルサイトになる可能性がある。

メーリングリスト
・情報が埋もれやすく、整理しにくい。
・メールボックスが情報であふれる恐れがある。
・画像などの添付ファイルが利用しにくい。
・発言内容の修正、削除ができない。

【電子会議室】
・プル型なので、魅力がないと閑古鳥が鳴く可能性がある。

【ブログ】
・ブログ作成者対読者間の議論になりやすく、多人数での本格的な議論は行いにくい。



電子会議室と地域SNS


画像:電子会議室と地域SNS



電子アンケートの例 (今回の実証実験で行った電子アンケートの画面)


画像:電子アンケートの例 (今回の実証実験で行った電子アンケートの画面)

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