会議資料・開催案内等


―速報のため事後修正の可能性あり―

独立行政法人評価分科会(平成19年9月21日開催)議事要旨


  1.  日時 平成19年9月21日(金)13時30分から18時20分

  2.  場所 虎ノ門パストラルホテル プリムローズ

  3.  出席者
    (独立行政法人評価分科会所属委員)
    富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫独立行政法人評価分科会長代理、森泉陽子独立行政法人評価分科会委員、縣公一郎、浅羽隆史、稲継裕昭、岡本義朗、梶川融、河村小百合、黒川行治、黒田玲子、鈴木豊、田渕雪子の各臨時委員

    (総務省)
    関有一行政評価局長、若生俊彦行政評価局総務課長、白岩俊評価監視官、清水正博評価監視官、岩田博調査官、細川則明調査官

  4.  議題
    (1)   見直し当初案に関する府省ヒアリング(経済産業省、環境省、財務省)
    (2) 報告事項

  5.  配布資料(PDF)
    資料1  見直し当初案<経済産業省所管3法人>
    ・日本貿易保険(概要説明資料本文
    ・中小企業基盤整備機構(概要説明資料本文
    ・新エネルギー・産業技術総合開発機構(概要説明資料本文
    資料2  見直し当初案<環境省所管1法人>
    ・環境再生保全機構(説明資料本文
    資料3  見直し当初案<財務省所管4法人>
    ・造幣局(説明資料関係資料参考資料本文
    ・国立印刷局(説明資料関係資料参考資料本文
    ・通関情報処理センター(説明資料本文
    ・日本万国博覧会記念機構(説明資料本文

  6.  会議経過
    (1)  経済産業省から同省所管の独立行政法人に係る見直し当初案についての説明が行われ、その後質疑応答が行われた。質疑等の概要は以下のとおり。
    (日本貿易保険について)

    ○ 見直し当初案に「原則として一般競争入札により行う」と書かれているが、「原則として」は何を意味しているのか。

    ○ 随意契約の基準を国の基準に合わせたとのことであるが、日本貿易保険は財団法人貿易保険機構と多額の随意契約を結んでいる。ワーキング・グループのヒアリングの際、財団との関係を明確化するとの議論を行ったが、その後どのような検討がなされたか。

    ○ 日本貿易保険への財団の内製化も含めて検討するとのことであるが、財団の収入の8割が日本貿易保険からの収入であり、経産省からの委託もある。役員についても経産省OBが就任しているようだが、誤解を受けないよう見直しを行ってほしい。

    ○ 大阪支店については、営業職員一人当たりの保険契約を件数ベースで見ても金額ベースで見ても本店よりも効率性が低く、廃止や人員削減等を検討する必要があるのではないか。

    ○ 人員を平成22年度までに5%削減とのことであるが、ラスパイレス指数が139.1と最高水準となっており、給与水準の適正化を検討すべきではないか。

    ○ 大阪支店は中小企業向けの保険契約が多いとのことであるが、大阪支店の引受件数が4万件あるうち、中小企業向け保険である中小企業輸出代金保険の件数が161件しかないのは少なくないか。

    ○ 行革推進法において特別会計及び貿易保険制度の見直しが求められているが、具体的にどのようなアクションプランを検討しているのか。


      (中小企業基盤整備機構について)

    ○ 見直し当初案で、インキュベーション施設整備の補助金、スタートアップ助成金、直接出資・債務保証等が廃止されるとのことであるが、それに伴って、どの程度組織・人件費が合理化されるのか。具体的な数字を示してほしい。

    ○ 中小企業大学校は、企業向け研修について、市場化テストを行うとしているが、なぜすべての研修ではなく企業向け研修のみを市場化テストにかけるのか。

    ○ 中小企業は地域に密着した存在であり、機構よりも都道府県支援センター、商工会議所等が行った方がよい支援も多いと考えられるが、地方の支援機関とのすみ分けはどのようになっているか。

    ○ ものづくり支援については、経産省においても同内容の事業を実施しているが、機構と国で重複して行う必要があるか。

    ○ 小規模企業共済、倒産防止共済事業について機構職員の業務内容と業務量を明らかにしてほしい。また、事業規模に対して事務経費がかかりすぎているのではないか。

    ○ 小規模企業共済と倒産防止共済事業では事業の性格がかなり異なっており、倒産防止共済事業は回収に手間がかかっているとのことであるが、86%の回収率は低いのではないか。また、加入件数よりも、解除件数が上回っているのも問題ではないか。


      (新エネルギー・産業技術総合開発機構について)

    ○ 機構には特別会計からもかなりの金額が投入されているが、特別会計であっても国民負担であり、有効な資源配分を行なわなければならない。機構は様々な産業分野に研究開発資金等をばら撒いており、研究開発支援が総花的でメリハリがないのではないか。

    ○ 大学や中小企業だけでなく日本を代表するような大企業に対しても多くの助成が行われている。大企業に対する支援は必要ないのではないか。

    ○ 機構は先端技術開発の支援を行う機関とのことだが、先端技術開発プロジェクトへの支援において、プロジェクトの中止率が20%〜30%と高く、リスクの見積もりが甘いのではないか。

    ○ 機構はナショナル・プロジェクトをはじめとして多くの分野で研究開発支援を行っているが、これまで産業競争力強化に画期的な貢献を行ったものはどの程度あるのか。

    ○ 太陽光発電や電子機器などは機構の支援なくしてはここまでの発展はなかったとのことであるが、新エネルギー導入普及事業では、未だに太陽光発電や風力発電の導入普及事業を行なっている。これらの技術は既に実用化段階に達しており、機構が行う事業としては中止すべきではないか。

    ○ 毎年1,500億円もの研究費の助成を行いながら、収益納付は平成17年度で4,000万円ほどしかない。科学技術振興機構等で行われているように、委託型研究開発における収益納付についても義務化するなど、自己収入の拡大を図るべきではないか。

    ○ 委託型研究については、受託先である民間企業等は全くリスクを負わない仕組みとなっているが、共同研究型のウエイトを高めるなど、もう少し委託先とリスクを分担すべきではないか。

    ○ ラスパイレス指数が123.6と高いのではないか。

    ○ 白金台の研修センターの売却について検討されるとのことであるが、購入時よりも、地価が下落しており、今売却すると欠損金が発生するのではないか。

    ○ 共同研究のテーマ選定に関して、参加企業から参加費用を徴収し、魅力がなく、参加費が集まらないテーマについては中止するなど、研究開発に市場原理を導入する方法も考えられるのではないか。


    (2)  環境省から同省所管の独立行政法人に係る見直し当初案についての説明が行われ、その後質疑応答が行われた。質疑等の概要は以下のとおり。
    (環境再生保全機構について)

    ○ 見直し当初案において、PCB処理基金業務、廃棄物最終処分場維持管理積立金、債権の管理回収業務については、整理合理化計画の策定に係る基本方針において官民競争入札等の適用対象となっていないため導入しないとのことであるが、例示されていないだけで市場化テストの対象となっており、こうした業務についても官民競争入札等の適用対象となるかどうか検討してすべきである。

    ○ 予防事業を実施する上で、ぜん息患者数等を把握することは必要ないと回答されているが、有効な予防措置を講じるためにはぜん息患者数の推移等を把握すべきではないか。実態も分からず、効果も把握できない事業を継続することについて、環境省としてどのように考えているか。

    ○ ぜん息患者数の把握は難しく、文部科学省や厚生労働省の調査結果などを参考にして予防事業を行っているとのことであるが、予防事業の対象地域を含まない鳥取県や宮城県などでぜん息の有病率が高いという調査結果があり、全国的にもぜん息被患率が上昇していることを踏まえると、現状の対象地域のまま予防事業を実施するのではなく、環境省として必要な対策を検討すべきではないか。

    ○ 予防事業は公健法改正により新たな患者認定を打ち切る代わりに導入した事業であり、財源についても対象地域において予防事業を実施することを前提にばい煙排出事業者から拠出されており、対象地域以外で予防事業を行うことは難しいとの回答であるが、事業開始から約20年経過しているため、現在必要とされている政策はどのようなものかを考えるべきではないか。

    ○ ぜん息は大気環境に限らず様々な要因によって引き起こされるとのことであるが、説明された予防事業はぜん息一般に対する取組であり、有病率が高い地域で実施すべきではないか。

    ○ 廃棄物最終処分場積立金管理運用業務については、ワーキング・グループのヒアリングにおいても指摘したが、200億円のお金を決済性預金など利子のつかない預金にしておくのは勿体無いため、安全性を考慮した上で運用すべきではないか。

    ○ 地球環境基金事業については、過去に採択されたことのない団体の割合が平成15年度までは30%を超えていたが、平成16年度以降は15%程度に減少しており、助成先の固定化を懸念している。地球環境NGOの裾野を広げるためにも幅広く助成すべきである。

    ○ 地球環境基金事業については、助成採択にあたって政策の重点課題に適合し、助成効果の高い事業へと配分計画を重点化するとのことであるが、当該事業は基金運用益だけでは賄うことができず運営費交付金を投入している。事業規模については環境問題への関心の高まりを背景に十分ではないとのことであるが、環境省としてどの程度の事業規模が必要と考えているか。

    ○ 個々の事業の必要性については理解できるが、機構としてこれらの事業を行う必要性をきちんと説明してほしい。国立環境研究所とのすみ分けを考えた上でも、機構のミッションを明確にしなければ事業の寄せ集めにしかみえない。

    ○ 債権の管理回収業務の終期はいつか。

    ○ ラスパイレス指数が昨年度より高い理由は何か。


    (3)  財務省から同省所管の独立行政法人に係る見直し当初案についての説明が行われ、その後質疑応答が行われた。質疑等の概要は以下のとおり。
    (造幣局について)

    ○ 業務の重要性については理解できるが、コスト情報が開示されていないため、コスト削減がきちんと行われているかがわからない。国の資産債務改革が行われ、職員数も減少している中で、大阪、広島、東京の3工場を維持する必要があるか。

    ○ 緊急改鋳が必要になった場合などに備えて現在の体制が必要とのことであるが、職員宿舎についても利用率が低く、廃止すべきものもあるのではないか。

    ○ 勲章については内閣府との随意契約を結んで製造しており、また、経済合理性を超えたところに勲章の意味があるとのことであるが、必ず造幣局が製造しなければならないものか。造幣局が必ずしも製造しなくて良いのであれば、コスト計算を行い、市場化テストを導入する方法も検討すべきではないか。

    ○ 職員数が減少している中、5〜10年の期間で見たときに、客観的に3工場を維持するのは難しい。公務員身分だから工場の整理合理化という発想に至らないのではないか。非公務員化して合理的な経営を行うべきではないか。

    ○ 緊急改鋳が必要になったときには、発注から発行までに要する期間はどの程度なのか。また、貨幣の在庫はほとんどないとのことだが、在庫の必要性についても見直しが必要ではないか。

    ○ 政治判断であり、発行までに要する期間については回答できないとのことであるが、貨幣が偽造されないように対策を行いつつ、偽貨が発生した時に備えて生産体制に余裕を持たせているのは、矛盾していないか。


      (国立印刷局について)

    ○ 関連公益法人である財団法人朝陽会との随意契約が100%となっているが、詳細については、今後、事務局を通じて照会したい。

    ○ 既に民間に開放された製品、偽造防止等の問題が少ないと思われる製品について、民間開放がなかなか進んでいないが、どのように考えているか。

    ○ 印刷局は東京病院の運営を行っているが、これについてはどうする予定か。

    ○ 紙幣の発行枚数はあまり変化していないが、工場はフル稼働しているとのことであるが、どのような状況をフル稼働といっているか。改刷時をフル稼働とするならば、現在はそのときよりも印刷枚数は少ないのではないか。

    ○ 改刷時は100%以上の稼働率とのことであるが、印刷局の職員数は減少しており、5年先、10年先を考えると現在の7工場体制を維持できるのか。また、非効率と思われる工場のレイアウトを変更することなどによって集約ができるのではないか。また、そういった視点で効率的な経営について考えることができるのではないか。

    ○ 虎ノ門工場で官報や白書などの製造を行っているとのことであるが、虎ノ門という立地の良い場所にあれだけの規模の工場が必要なのか。

    ○ 電子入稿の増加などによって以前よりは業務量が減少しているものの、緊急発注への対応が必要であり虎ノ門工場は必要とのことであるが、費用対効果について情報を開示できないか。

    ○ 官報については内閣府との随意契約であるからコスト情報を開示できないとのことであるが、官報を随意契約で受けなければならない理由はないのではないか。官報の編集については、他国においても国が行っているとのことであるが、印刷については印刷局以外でもできるのではないか。

    ○ 印刷局の工場はフル稼働しているが、一方で造幣局は緊急改鋳等に備えて余裕を持った操業を行っているとのことであるが、緊急改札が必要になった場合などには印刷局ではどのように対応するのか。造幣局と矛盾するのではないか。

    ○ 機械を管理する人たちの管理者や、総務部門の管理者が多すぎるのではないか。そうした間接部門に従事している人数を示してほしい。

    ○ 行政改革推進法第52条に、国家公務員の身分を有しない者が業務を行う場合の問題点を検証することとされているが、印刷局・造幣局ともに公務員身分でなければならない明確な理由がわからない。

    ○ リスク管理の観点から、工場を分散して配置されていると思うが、静岡工場と小田原工場は地理的に非常に近くリスク分散が行えないのではないか。


      (通関情報処理センターについて)

    ○ 見直し当初案において組織の在り方について検討するとされているが、民営化を行うと理解してよいか。また、民営化した際に他に同様の事業を行っている企業がなく独占状態が発生するのではないかと危惧されるが、料金設定など主務官庁としてどのように対応されるのか。

    ○ NACCSシステムは民間のみが利用する部分もあり、その部分についてはパッケージを民間に提供しているところもあるとのことだが、その場合、次期システムの料金はどのように設定されているか。

    ○ 料金設定については、利用者である民間事業者から敏感に反応があるとのことだが、センターは企画部門などに多くの職員を配置してシステムの仕様書の作成などを行っており、より多くの部分をアウトソーシングして効率化することができるのではないか。

    ○ 組織について、本部機能を品川から川崎に移転させたとのことであるが、依然として品川にNACCSシステム及びシステム管理部門が残されている。なぜ品川に残す必要があるのか。川崎に統合すべきではないか。

    ○ 地方事務所は4か所あり、NACCSシステムの普及事業や電話相談などを行っているとのことであるが、既に大手企業はほとんどNACCSシステムを利用しており、更なる普及の必要性は低いのではないか。

    ○ 給与については、税関職員の出向が多く、このためラスパイレス指数が116.2と高くなっているとのことであるが、税関職員が税関手続に精通しているのは当然であり給与を高くする必要はないのではないか。


      (日本万国博覧会記念機構について)

    ○ 財務省所管の独法が公園事業を行う理由が分からない。また、機構において国際交流の促進や文化活動に対しての助成を行う必要性を感じない。

    ○ 大阪府に公園の維持管理を委託した場合には府の財政負担が生じるとのことだが、これまで機構に対して国や大阪府から補助金等を一切入れていないとの説明と矛盾するのではないか。

    ○ 機構と株式会社エキスポランドとの間で締結されている業務委託契約書を見ると、第5条第2項において、機構は必要があると認めたときは、株式会社エキスポランドと協議して業務の一部の中止又は内容の変更等をすることができるとされているが、遊戯施設の安全運行に疑義があると認められた場合も「必要と認めたとき」に含まれるのか。

    ○ 第5条第2項の「必要と認めたとき」は、事後だけではなく事前に安全に疑義がある場合についても排除するものではないのであれば、機構は株式会社エキスポランドが安全上の検査を実施しているか報告を受け、安全に運行ができるか確認しておく必要があったのではないか。

    ○ 信義則に従って、株式会社エキスポランドが当然に施設の点検を行っていると信じているとのことであるが、再度事故がおきた後も、きちんと検査が行われていることについて相手を信じるだけでいいのか。

    ○ 独立行政法人以外の形態で公園の管理運営を行う場合には、固定資産税の減免は難しいとのことであるが、固定資産税の減免については、課税庁たる吹田市の判断で固定資産税を減免できるのではないか。

    ○ 公園事業と基金事業で区分経理を行っているにもかかわらず、基金勘定から公園勘定に繰入れを行っている。年間1,500万円という小額の繰入れを行う理由が分からない。


    (4)  事務局から、今後の分科会の日程等についての報告があった。

以上
(文責:総務省行政評価局独立行政法人第一担当室)


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