会議資料・開催案内等


  37回政策評価・独立行政法人評価委員会議事録
  
(独立行政法人評価分科会との合同)


  
  1.  日時 平成18年11月27日(月)10時00分から10時50分

  2.  場所 総務省第1特別会議室

  3.  出席者
    (委員)
    丹羽宇一郎委員長、富田俊基独立行政法人評価分科会長、樫谷隆夫、新村保子の各委員、縣公一郎、浅羽隆史、阿曽沼元博、稲継裕昭、井上光昭、梅里良正、河野正男、河村小百合、黒田壽二、黒田玲子、鈴木豊、田渕雪子、玉井克哉、山本清の各臨時委員

    (総務省)
    菅総務大臣、大野総務副大臣、河合総務大臣政務官

    (事務局)
    熊谷行政評価局長、橋口官房審議官、伊藤官房審議官、若生総務課長、新井評価監視官、清水評価監視官、桜井政策評価審議室長、岩田調査官、吉田調査官

  4.  議題
    <独立行政法人評価分科会>
    (1)  役員の退職金に係る業績勘案率について
    <政策評価・独立行政法人評価委員会>
    (1)  平成18年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について
    (2)  平成17年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見(年度評価意見)について 

  5.  配付資料(PDF)
    (1)  各府省独立行政法人評価委員会の業績勘案率(案)について
    資料1−1(総括表)1−2(内閣府)1−3(総務省)1−4(文部科学省)1−4(参考1)1−4(参考2−1)1−4(参考2−2)1−4(参考2−3)、1−4(参考2−4)(※)、1−5(経済産業省)1−6(国土交通省)
    ※ 当該資料については新聞記事が含まれており、著作権の問題上、掲載しないこととする。
    (2)  平成18年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性(案)について
    資料2−12−22−3
    (3)  平成17年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見(案)について
    資料3−13−2

  6.  会議経過
    <独立行政法人評価分科会>
     富田分科会長
     それでは、ただいまから開会いたします。
     本日は、まず、独立行政法人評価分科会として、役員の退職金に係る業績勘案率(案)について、審議を行います。その後、政策評価・独立行政法人評価委員会との合同の開催として、「平成18年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」、及び「平成17年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見について」の二つの案件について、審議・議決を行っていただくこととしております。
     また、委員会の冒頭には、菅大臣、大野副大臣、河合大臣政務官にも御出席いただき、ごあいさつをちょうだいすることとなっております。
     それでは、まず、事務局から説明をお願いいたします。

     吉田調査官
     それでは、「役員の退職金に係る業績勘案率について」御説明します。
     お手元の資料の1−1という束でございます。業績勘案率につきまして、9月初旬の分科会でご説明をした際に、そのときに送付を受けていたもののうち精査をしているものがありまして、それはまた後日御審議させていただきますと申し上げておりました。1枚目の総括表のうちの宇宙航空研究開発機構、日本スポーツ振興センター、都市再生機構の3件がそれでございます。それ以外のものは、前回の分科会以降に送付をされてきたものでございまして、これらについては、当分科会が示した業績勘案率の方針に沿った各府省の方針に沿ってこの業績勘案率がはじかれておりまして、特段問題もないということで、「意見なし」ということで処理をさせていただきたいと思いますので先ほどの3件を中心に御説明をしたいと思います。
     まず、一番下の都市再生機構に係る分でございますけれども、お聞き及びかと思いますけれども、姉歯事件に端を発した構造計算書の偽造問題との関係で、都市再生機構が手がけた物件の構造計算書が紛失しているということがマスコミで報道されました。そういう情報を踏まえた業績勘案率の検討が行われているのかどうかというのが精査のポイントでありました。結論から申し上げますと、その構造計算書の紛失という問題自体の性質ですけれども、例えばマンションの管理の適正化に関する法律とか建築士法の体系の中で法令違反になり得るケースがあるわけですけれども、今回のこの都市再生機構については、そういった法令違反という該当はありません。
     何が問題だったかと申し上げますと、都市再生機構の内部の文書管理規則の、いわば文書保存規定との関係で、昭和40年代に手がけた物件から最近10年ぐらいまでの間の物件の中で、保存してなければいけないものの3割が見当たらなかったという事実はあります。それで、そうしたことについて社会的にいろいろ信用問題にかかわるような事件だったということで、現職の役員の方たちの処分は既に終わっております。この方々、今回その業績勘案率の対象になった方々に責任がないかというと、必ずしもそうとは言えないわけではありますが、そうした既に現職の方の処分が行われていることや、昭和40年代にかかっている物件からの事件なので、いつ、どういう状態で紛失したのかの、その特定もできないということもあり、いろいろ総合的に勘案して、特段今回の業績勘案率の対象になった人たちに、何か業績勘案率に影響を及ぼすような判断をするまでにもならないだろうということで、「意見なし」とさせていただいております。
     それから上の方にまいりまして、文部科学省の案件が2件ございます。これについては、資料1−4で説明いたします。
     まず、下の日本スポーツ振興センターからまいりたいと思いますけれども、この日本スポーツ振興センターの監事についてどのような精査をしていたかと申しますと、会計検査院が財務の処理を表す財務諸表の関係で指摘をしております。その具体的な指摘は、資料1−4の中に参考1というのがありますので、後ほど御覧いただければと思います。かいつまんで申し上げれば、りそな銀行にtotoのくじの販売の委託をしております。その販売の委託に当たっては、売り場など設備投資にかけたお金、それから、毎年度のランニングコスト、こうしたものを払っていくことになるわけですけれども、片側で、totoの設立根拠法である日本スポーツ振興センター法では、そういうくじの売り上げがきちんとスポーツ振興の財源に配られるようにするために、運営経費の支払いに一定の限度額を設けております。その限度額を超えた分の扱いを財務諸表上、注記で整理をするというような形になっていて、財政状態、いわば本来発生主義会計に基づいて経理をするとすれば、欠損金とかで事実上注記されるものがきちんと表に出ていないとか、そういったことが会計検査院の指摘のポイントでございます。
     そのことに伴いまして、16年度から貸借対照表を改めるであるとか、16年度の損益計算書については一度提出したものについて再提出しなおすというようなことまで起きております。その結果、お手元の資料1−4の参考1の7ページに資料を付けておりますけれども、参議院の本会議の決算決議で、「運営状況及び財政状況が財務諸表に適切に反映されていなかったことは、看過できない」とまで言われております。
     今回、業績勘案率の対象になっておられるのは監事です。したがいまして、そういう財務諸表で財政状況をきちんとディクスローズすることをチェックする立場にありながら、そのようなことが見過ごされていたのではないかという論点でございます。そうしたことが今回のこの監事の業績勘案率の算定に当たって考慮されていたかどうかという点を問題にしたわけですけれども、実はそういうことを明確に考慮した上で、この業績勘案率1.0を文部科学省独立行政法人評価委員会として出してきたというわけではない。したがって、そうした論点を織り込んでもう一度検討してくださいというのが意見の趣旨でございます。簡単に言えば、これについては差戻しをするということでございます。
     それからもう一つ、文部科学省関係で宇宙航空研究開発機構の理事です。この方は航空機の研究分野の担当の理事でございます。業績勘案率の仕組みが始まってから初めて1.0を超える1.1ということで意見が来ておりまして、結論から申し上げますと、これについてはそのまま特段問題がないということで、「意見なし」としたいと思っております。
     その文科省の業績勘案率の出し方は、機関業績勘案率と個人の業績勘案率にそれぞれ0.750.25というウエイトをつけて、加重平均しております。この1.1が出てきた計算のプロセスを追いかけますと、個人業績が良いのが結果的に引っ張っております。何故に個人業績が良かったのかということについては、我々もいろいろ文部科学省から資料を取りながら精査をいたしました。お手元の資料でいけば、資料1−4の参考2という束以降についております。要約して申し上げれば、機関業績として次世代の超高速旅客機などの研究分野で成果を上げているわけですが、個人業績という面で見れば、そうした研究成果を達成するに当たって、この役員の方がマネジメントの上で相当個人的な能力を発揮されておられると。いろいろ研究の途中でリスクがあったものをうまく解明して成功に導いていくであるとか、いろいろ実験をやっている現地にも何回も足を運んでマネジメントをしたとか、そうしたようなことをいろいろ我々としても確認しておりまして、そのようなことが彼らの評価作業の中できちんと手順を追って評価作業が行われた結果、こういう答えになっているということで、特段そうした手法・方法においても問題がないということなので、「意見なし」ということで1.1のまま通したいと思っております。
     ちなみに、こうしたことにつきましては、それぞれのワーキング・グループの先生方にあらかじめ御相談させていただいております。
     以上、勘案率についての御説明でございます。

     富田分科会長
     はい、ありがとうございました。
     それでは、ただいまの事務局からの説明につきまして、御意見、御質問などございましたら、どなたからでもご発言願います。

     山本臨時委員
     1点だけ確認でございますが、この業績勘案率1.1というのは、これはこれでいいと思うんですけれども、こういった業績の勘案ということと、後で審議にかかります事務・事業の改廃等との関係において、業績は非常に高かったんだけれども、事業の見直しがある場合も今後出てくると思うんです。そうすると、業績の勘案の考え方として、各府省の独立行政法人評価委員会が定めた方針に従った場合においても、なお事務・事業の見直しがある場合もあるかもしれません。そういった場合に、こういう方針でやるほかないと思うんですが、もしほかの皆さんの御意見があれば確認させていただきたいということだけで、全くこの内容については異存ございません。

     富田分科会長
     これについて、どなたか御意見ございますでしょうか。
     ちょっと私の感ずるところを申し上げますと、業績勘案率はこれまでの当該役員の任期期間中におけるその担当部門の業績評価を反映するということで、ある意味では事後評価であり、今度見直しはこれから先の話であるということで、両者にそれは微妙な関係はあるんだとは思いますけれども、それぞれは一応の独立した評価の作業、見直しの作業として切り分けていけるんではないかなと思いますが、ほかに委員の方から御意見などございましたら、よろしくお願いします。
     事務局いかがですか。
     
     吉田調査官
     業績勘案率の積算の方法との関係で、こういう場合には見直しとの関係もあるのかなという点を御説明したいと思います。
     例えば今の文部科学省の資料1−4の4ページ目に簡単な業績勘案率の答えが出てくる計算の要素がついております。ここの機関業績勘案率αが、この役員が在職していたときのその法人のパフォーマンスをどう見るかという点にかかわってきます。独立行政法人の見直しのポイントにもあるように、独立行政法人がやっていることの効率が悪かったり、目標の達成度が低ければ、当然この機関業績勘案率というのが低くなります。したがいまして、そういうケースの場合には見直しでも当然引っかかってくるだろうし、役員の業績勘案率として計算を置いていったときにも低い値が出てくる可能性があるという関係にあると思います。
     一方で、根っこの文部科学省の政策自体の必要性のようなことが問われるような案件であれば、独立行政法人に与えたミッションの目標達成度が仮に100%とか120%行っていたとしても、そもそもそんな業務は要らないみたいな議論があり得るわけで、そういうケースが仮にあれば見直しでは引っかかることになると思います。でも独立行政法人の与えられた目標達成ということでいけばパフォーマンスはいいので役員の業績勘案率にははね返ってこないと、そのような関係になるのかなと思います。
     以上です。

     富田分科会長
     はい、ありがとうございました。
     ほかに御意見ございませんでしょうか。
     それでは、「役員の退職金に係る業績勘案率」についてお諮りいたします。本件についての分科会の回答につきましては、案のとおりとさせていただくことで御異議ございませんでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

     富田分科会長
     それでは、そのようにさせていただきます。
     なお、事後の処理につきましては、私、分科会長に御一任いただくこととさせていただきます。
     続きまして、会議の始めに申し上げましたとおり、政策評価・独立行政法人評価委員会との合同の開催といたします。

    <政策評価・独立行政法人評価委員会>
     丹羽委員長
     ただいまより第37回の政策評価・独立行政法人評価委員会を開会いたします。
     議論に入ります前に、本日御多忙の中、菅大臣、大野副大臣、河合大臣政務官に御出席をいただいております。大臣、副大臣、大臣政務官からごあいさつを賜りたいと存じます。
     それでは、大臣からお願い申し上げます

     菅大臣
     総務大臣の菅でございます。丹羽委員長を始め委員の皆様方には、平素より熱心に御議論いただいておりますことに、心から感謝と御礼を申し上げます。政策評価につきましては、皆様方の御尽力もありまして、評価を行うこと自体は政府内に定着しつつあると思っております。
     しかしながら、評価の内容、評価結果の分かりやすさ、そして評価結果の活用などについてまだまだ不十分な点があることも事実であります。引き続き皆様の御指導を賜り、私としましても積極的に評価充実の改善に取り組んでまいりたいと思っております。
     独立行政法人評価につきましては、今年度の見直し対象23法人の事務・事業の在り方などに関し、分科会、ワーキング・グループ等を延べ90回以上も開催をして、精力的に御審議いただいていると伺っております。本日も厳しい御指摘を取りまとめていただけるものと思っております。委員の皆様方に重ねて感謝と御礼を申し上げる次第でございます。
     安倍内閣の目指す、簡素で効率的な「筋肉質の政府」の実現のため、当委員会の役割は非常に大きいと考えております。どうぞ皆様方の御指導と、そして御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。よろしくお願いを申し上げます。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     それでは、大野副大臣、お願い申し上げます。

     大野副大臣
     皆さん、おはようございます。総務副大臣の大野でございます。委員長始め委員の皆様方には、大変お忙しい中を御出席いただき、まことにありがとうございます。そしてまた、日頃からこのことにつきまして格別の御尽力をいただいておりますことにも、心から感謝申し上げる次第でございます。
     私といたしましても、大臣を補佐して政策評価及び独立行政法人評価の推進に鋭意努力をしてまいる決意でございます。今後とも活発な御審議を切にお願い申し上げまして、あいさつに代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     それでは、続きまして、河合大臣政務官にお願いを申し上げます。

     河合政務官
     おはようございます。総務大臣政務官の河合でございます。政策評価及び独立行政法人評価の仕組みは、安倍内閣において更に加速させる必要がある行政改革の柱の一つでございます。従来の行政の在り方を変える重要な制度でございます。この制度の着実な推進のため、皆様方がこの委員会において高い御見識に基づき、中立・公正な立場から調査・審査が行われていることに対しまして、感謝申し上げます。
     私としましても大臣、副大臣を補佐し、政策評価及び独立行政法人評価の推進に全力を挙げて取り組む所存でございます。委員の皆様方の一層の御指導と御協力を賜りますようお願いを申し上げまして、あいさつとします。ありがとうございました。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     菅大臣、大野副大臣、河合大臣政務官は、公務のため、ここで御退席になります。どうもありがとうございました。
    (大臣、副大臣、大臣政務官退室)

     丹羽委員長
     それでは、議事に入ります。
     本日、これから「平成18年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性について」、また「平成17年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見について」の二つの案件について、政策評価・独立行政法人評価委員会及び独立行政法人評価分科会合同として、審議・議決を行っていただくこととしております。
     審議に先立ちまして、委員の皆様方には、御多忙の中、精力的な評価作業に取り組んでいただきましたことについて心から感謝を申し上げます。
     それでは、まず二つの案件につきまして、事務局から一括して説明をお願いいたします。

     新井評価監視官
     それでは、まず勧告の方向性から御説明申し上げます。
     勧告の方向性につきましては、1113日の分科会で概要を御説明申し上げて御審議いただいたところでございますが、その際のペンディング事項等を中心といたしまして、各ワーキング・グループ所属の委員の先生方とも御相談し、また、各省とも議論を深めて、その結果、本日この委員会にお諮りするのが、お手元の資料2の中にございます「独立行政法人の事務・事業の改廃に関する勧告の方向性について」という、この冊子でございます。あわせまして、その上に数枚の簡略の資料として、報道資料を用意してございます。また、資料2−3と右肩に振ってございますが、行政減量・効率化有識者会議、こちらにおきましても指摘事項を取りまとめまして、1121日に総理に報告されたということでございます。この内容につきましては、当委員会の議論ともほぼ同内容のものと承知しております。
     これらも踏まえまして、また与党である自民党・公明党両党でも行革本部でのヒアリングを経て、本日の内容のものができ上がっているというところでございます。これにつきまして、本日の委員会、分科会合同会議での議を経ました後には、勧告の方向性として、丹羽委員長名で各主務大臣に通知することといたしたいと考えております。
     その説明に入る前に、まず、この冊子の1枚めくっていただきますと、「独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性の指摘に当たって」という、委員長談話を例年どおりさせていただいております。これにつきましては、1.のところでございますとおり、先ほど大臣からもお話がございましたが、ワーキング・グループ、現地視察も含めまして90回以上開催してきたこと、それから今回の移行独法、あるいは政策金融、融資等業務を行う法人について見直しの方針を決めて見直しを行ってきたということ、それから、今回の勧告の方向性を踏まえて見直しを行う各主務大臣において、業務見直しを具体化していただきたいという点、それから、あわせまして今回のポイントでございますところの業務の廃止・縮小・重点化、効率化、自己収入の増加、あるいは各法人の共通事項、こういったものについての概要が書かれてございます。
     最後にこれらの実行によりまして、国民に対して一層効率的で、質の高い行政サービスの提供が確保されることを当委員会で期待しているというような内容の委員長談話を付けさせていただいてございます。
     それでは、今回「勧告の方向性」について、基本的には1113日に御審議いただいたものをなぞるような形になりますが、こちらの報道資料で御説明申し上げたいと思います。この資料により後刻、富田分科会長、樫谷分科会長代理から記者発表を行っていただくことを考えております。
     1ページめくっていただきまして、見直しの結果のポイントというところでございます。先ほど申し上げた柱に沿って書いてございます。
     まず、業務の廃止・縮小・重点化というところにつきましては、幾つかの法人についての例が書かれておりますが、例えば最初の雇用・能力開発機構につきましては、助成金の廃止、あるいは職業訓練の重点化といった重点化を進めること、あるいは「私のしごと館」について非常に問題があるという御指摘がございましたが、これにつきましても廃止を含めて抜本的な在り方を見直すというようなことを求めてございます。
     また、2番目の科学技術振興機構、日本学術振興会の統合問題につきましては、前回ペンディングということで御説明させていただきましたが、あの場での議論も踏まえまして、今回統合ということは言わず、海外拠点の共有化など、あるいは両法人の連携を更に進めるということ、それと同時に研究費の重複排除とか不正使用防止対策の強化といった指摘でございます。
     それから三つ目の国際協力機構、JICAでございますが、JICAにつきましては従前、独立行政法人では一般的な事業費総額への効率化目標といったものがついておりませんでしたが、前回の御議論にもございましたとおりで、事業費総額に対して包括的かつ検証可能な効率化目標といったものを設定して、コストを削減するということにしております。
     それから2番目に融資等業務の見直しでございますが、こちらにつきましては対象法人の融資等業務、カテゴライズして59ほどのメニューと我々は考えてございますが、それらのすべてについて廃止・縮小・重点化・運営改善といった指摘を行うという形にしております。特に約半分につきましては、業務の廃止・縮小と、こういう形指摘を行っているところでございます。具体的には融資の大きなものが二つ目でございますが、福祉医療機構の福祉貸付、医療貸付、これにつきましては、500床以上の病院については特に政策上必要なものを除いて原則として融資をしないというような融資対象を限定したり、あるいは融資率を引き下げることによって新規融資額を大幅に縮減、厚生労働省ではフローで2割と試算しておりますが、縮減していくという指摘を盛り込んでございます。
     それから、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOでございますが、これに関しては今回、融資等業務のみの見直しということでございましたが、その中で、省エネルギー関係の債務保証を廃止するということにしております。したがって、これに伴って用意されていた基金、これは30数億円ございますが、これを国庫返納するという内容となっております。
     また、中小企業基盤整備機構につきましては、様々な根拠法に基づいて行っている債務保証や出資の事業について、時代に合わなくなったもの等を廃止するというものでございます。
     最後、日本学生支援機構、こちらにつきましては、奨学金の貸与というのが非常に大きなここの業務でございまして、融資等業務、融資の中では今回の見直し対象の中で最大のものでございますが、これにつきましてはいかんせん回収率が非常に悪いということもございまして、抜本的な回収強化策を図るように、また従前よりも厳しい回収目標を立てるということを「勧告の方向性」として申し上げております。
     そのほか、非公務員化の関係では、今回の見直し対象で唯一の公務員型独立行政法人でありました自動車検査独立行政法人、これにつきまして非公務員化について申し上げているというところでございます。
     そのほか共通事項といたしまして、一般管理費・事業費についての効率化目標の設定や総人件費の削減、随意契約の見直し等々を申し上げるということでございます。
     それから、これらによる資金面の主な縮減効果でございますが、今回移行独法の見直しということとなって、予算あるいは資金面でどういう効果があるかというのを精査していたところでございます。現時点までに幾つかのものは出ておりますが、なおまだ予算編成中ということもございまして、今回具体的な数字はなかなか申し上げられないところでございますが、先ほど申し上げたようなコストの削減や新規融資の規模縮小、あるいは余剰資金等の国庫返納、こういったものが見込まれる。今時点で概算しているところでは、コスト削減については次期中期目標期間全体で1,000億円のオーダーに乗るのではないかという状況でございます。
     以上がポイントでございます。2ページ、3ページに各法人ごとの主な指摘事項について書いてございますが、基本的には先日の分科会で御説明したものの結論を書いたようなものとお考えいただいて結構かと思います。
     以上が勧告の方向性でございます。
      引き続きまして、独立行政法人の業務実績に関する二次評価結果について御説明申し上げます。
     次の資料3に、横長の報道資料とそれから冊子となっております「平成17年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見について」があると思います。基本的には横長の報道資料で御説明申し上げたいと思います。
     いわゆる二次評価でございます。これにつきましては従前から、中期目標期間終了時の事務・事業の見直しをも踏まえた業務の在り方、こういったものの検討に資する評価が行われているか、あるいは財務内容、あるいは主要な事務・事業の改善に資する評価がなされているか、それから他の府省評価委員会等において参考となる評価、こういったものがなされているか。制度ぶりではこういった面を重点的に政独委では見てきたというところでございます。内容については基本的に1113日の分科会で御説明したものと同じでございますが、2ページを御覧いただきますとお分かりのとおり、冊子となって通知するのは、一番右側にございますような当委員会の意見、二次意見というところだけでございます。わかりやすいように、こういう問題があって、それに対して、各省の評価意見はこのような意見を持っている、当委員会としてはそれに対してどう思うというような形で並べて書いてございます。
     一つ一つは前回の分科会で御説明しましたが、例えば最初のスポーツ振興投票業務、先ほども議論になりましたtotoの関係でございますが、これにつきましては真ん中の欄、文部科学省の評価委員会の意見としては、スポーツ振興に関する助成についてはtotoの売り上げは減少し、十分な助成財源が確保できていないということで、平成18年3月から取り組んでいる改善方策を通じて、今後、業務運営の効率化・売り上げ向上に最大限努めなさい。それによって助成財源を確保することを期待するというような評価しかしていないのですが、一方で、既存の指摘事項として、先ほどの業績勘案率の審議の際も御議論がありましたが、参議院決算委員会の議決では左側のところ、toto制度そのものの在り方を再検討するべきであると言われている。こういう事実を踏まえれば、当委員会といたしましては、右のところ、黄色で塗ってあるところでございますが、改善方策の実施状況を検証した上で、制度そのものの在り方の再検討が可能となるような評価を行うべきである。要すれば、助成財源の確保、あるいは今までやっていることの努力も大事であるけれども、制度そのものの在り方の再検討も必要なのではないかと。特にこの日本スポーツ振興センターにつきましては、来年度、19年度末において中期目標期間は終わり、来年度の見直し対象となってまいりますので、そういったときにこれの改廃も含めた議論をしなければならないということを踏まえまして、このような意見を申し上げるというようなものでございます。
     以下、前回御説明したものの中から主要なものにつきまして、こういう形で取りまとめたものでございます。これにつきまして本日、御審議、御議決をいただきました場合には、委員長名で各府省評価委員会の委員長、あるいは国立大学法人評価委員会の委員長に通知をすることといたしたいと思います。
     なお、先ほどの事務・事業の見直し、勧告の方向性につきましては、本日御議決をいただきましたならば、今後の段取りといたしまして、まず明日、1128日の閣僚懇談会におきまして、各主務大臣に対し、これに沿って適切な措置をとっていただくような御発言をいただきたいと思っております。また、各主務大臣はこの勧告の方向性を踏まえまして、見直しの案を再度作成いたしまして、各府省独立行政法人評価委員会の議を経て、それを作成するということになっております。政府行政改革推進本部から当委員会にこれらを取りまとめたものについてがありますので、12月に再度委員会を開きまして、その場で各府省の最終見直し案に対して意見の有無を申し上げるということを考えております。その後、政府行政改革推進本部の議を経て、見直し案が最終のものということで決定させていくということを考えております。
     なお、18年度が見直し期限となる法人につきましては、2月頃になるかと思いますが、その後中期目標、中期計画を年度内に作成するということになりますので、そういったものについてそれをチェックするような分科会を開催したいと考えておりますので、よろしくお願いします。
     御説明は以上でございます。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     それでは、富田分科会長からも一言お願いをしたいと思います。

     富田分科会長
     丹羽委員長から御指名を受けましたので、一言申し上げます。
     独立行政法人評価分科会では、今回の独立行政法人の事務・事業の見直しに当たりまして、例年以上に精力的な審議を重ねてまいりました。従来からの各府省別の五つのワーキング・グループに加えまして、今年2月に横断的な政策金融ワーキング・グループを新たに立ち上げ、融資等業務を含めました業務全般の見直し方針の策定に向け、積極的な議論を行いました。また、4月に分科会で4回にわたり、各府省から見直し対象法人の業務に関するヒアリングを実施し、7月には18年度における独立行政法人の組織業務全般の見直し方針を委員会決定するに至りました。
     このように本年前半の段階で既に相当の問題意識を形成してきたわけでありますけれども、9月以降、各府省から提出されました見直し当初案を土台に、分科会ヒアリング及びワーキング・グループを集中的に開催し、個々の法人ごとに事務・事業の見直しの議論を深めてまいりました。また、年度評価についても同様に精査を重ねてまいりました。
     今回の勧告の方向性及び年度評価意見を取りまとめるまでの間、分科会、ワーキング・グループ、そして実地調査を開催した回数は、大臣からもごあいさついただきましたとおりですが、延べ90回以上に上ります。各関係委員におかれましては大変御尽力をいただき、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
     以上でございます。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     それでは、審議に入りたいと思います。両案につきまして御意見、御質問ございましたらどうぞ。

     新村委員
     政策評価分科会に所属しております新村でございます。
     途中何回か参加させていただいたのと、資料をお送りいただいたのを拝見いたしまして、二次評価も勧告の方向性につきましても、こうやって横並びで見ることの重要性ということを非常に強く感じました。私はもともと役人でございましたので、多分これは縦割りの中で、これまでの特殊法人体制の中ではこういう見直しがほとんど行われなかったような、非常に画期的なことをこの委員会がやっているんだなということを実感いたしましたというのが感想でございますと同時に、各分科会なりワーキング・グループがさぞや大変であったろうということで、おねぎらい申し上げたいと思っております。
     ただ、一つ思いましたことは、これもやや役人的な発想かもしれませんけれども、各独立行政法人が整理縮減、どちらかというと小さくなる方になっているわけでございますから、そこでそれに対してどのようなインセンティブといいますか、一生懸命やるような気持ちをどうやったら持っていけるか、整理縮減の目標達成、要するに何か褒めてあげたいというようなところをどのように今後持っていくのかというところは、独立行政法人における一つの問題かなと思っています。大きな方向としては、財政支出の合理化・効率化で非常にいいわけでございますけれども、個々の団体におられる方たちのモラール(士気)をどのように維持していくのかというところについて、政策評価フォーラムなどで御質問を受けたりしたんですけれども、やはりなかなかうまくモラールが高まらないというようなお話を承りました。
     だから、今日、たまたま退職金の業績勘案率で初めて1.1というのが出たというのは、ある意味一つの画期的なそういう評価ではないかと感じた次第でございます。
     以上でございます。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     業績勘案率が1.1というのは初めてですか。

     新村委員
     初めてだそうです。びっくりいたしました。

     丹羽委員長
     画期的ですね。

     樫谷委員
     よかったと思いますのは、年度評価のところで焦点を絞る、今まではだらだらと言うと語弊がありますけれども、全般的な見直しをしていたんです。引いて細かく見ていたんですけれども。
     今回は焦点を絞っているんですね。御説明いただいたように、見直しに向けて焦点を当てて年度評価をしたというところが非常によかったのではないかと思っております。
     以上でございます。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     大体よろしいでしょうか。
     それでは、御意見がないようですので、勧告の方向性と年度評価意見について、一括してお諮りをいたしたいと思います。「平成18年度に見直しの結論を得ることとされた独立行政法人等の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性」、及び「平成17年度における独立行政法人等の業務の実績に関する評価の結果等についての意見」については、政策評価・独立行政法人評価委員会及び独立行政法人評価分科会として本案のとおり決定するということでよろしゅうございましょうか。

    (「異議なし」の声あり)

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     本件につきましては、案のとおり委員会及び分科会の決定といたしまして、勧告の方向性については主務大臣あてに、また、年度評価意見については関係独立行政法人評価委員会の委員長あてに通知をいたすこととします。
     なお、公表など事後の処理につきましては、富田分科会長と御相談の上、対応させていただくことで御異議はございませんでしょうか。

    (「異議なし」の声あり)

     丹羽委員長
     ありがとうございます。
     それでは、そのように取扱いをさせていただきたいと思います。
     それでは、今後の日程等につきまして、事務局から報告をお願いいたします。

     若生総務課長
     それでは、今後の日程でございますけれども、この後12時から今決定いただきました事項につきまして、富田分科会長、樫谷分科会長代理から記者発表していただく予定になってございます。
     それから、次回の委員会ですけれども、本日と同様、独法評価分科会との合同で、1219日火曜日でございますが、16時から1時間程度という方向で今、調整をいたしております。場所等については追って御連絡したいと思います。
     案件につきましては、先ほど新井監視官から説明がありましたように、今後、政府の行政改革推進本部から最終的な見直し案について、当委員会に対する意見照会がございますので、それに対する意見の有無等について御審議をいただくということでございます。よろしくお願いいたします。

     丹羽委員長
     ありがとうございました。
     それでは、以上をもちまして、政策評価・独立行政法人評価委員会及び独立行政法人評価分科会の合同会議を終了いたします。本日は、御多忙の中、御出席をいただきましてありがとうございました。
    (了)






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