不動産取得税

不動産取得税の概要と歴史

(1) 不動産取得税の概要

 不動産取得税は、不動産の取引に注目し、土地や家屋の購入、贈与、家屋の建築などで不動産を取得(相続などの場合は除く。)した際に、取得した方に対して課される税金です。2021(令和3)年度の税収は3,921億円です。

(2) 不動産取得税の歴史

 不動産取得税は、大正時代に府県税として創設されました。その後、1950(昭和25)年のシャウプ勧告の際に、戦災の復興と固定資産税の創設による不動産に対する租税負担の増加などを考慮して一旦廃止されましたが、1954(昭和29)年の税制改正の際に、固定資産税の税率の引き下げ(1.6%から1.5%に引き下げ)に併せて復活し、現在に至ります。

誰に納めるのか

 納税義務者は、取引された不動産の所在する都道府県に納税することになります。

納税義務者(税を納めなければならない人)

 不動産を取得した方が納税義務者になります。では、どのような資産が課税対象の「不動産」となり、また「取得」とは具体的に何を指すのでしょうか。

(1)不動産

 不動産とは、土地と家屋を総称したものをいいます。

不動産 種類
土地 田んぼ、畑、住宅地、塩田、鉱泉地(温泉など)、池沼、山林、牧場、原野など
家屋 住宅、お店、工場、倉庫などの建物

(2)不動産の取得

 不動産の取得とは、不動産所有権の取得をさします。不動産の取得は、お金を払ったか(有償)、払ってないか(無償)を問わず、不動産所有権を得た事実を意味します。

不動産取得税の納税額の計算方法

 不動産の評価額×税率(4%)=税額

 不動産取得税の税額は、不動産の評価額(原則として固定資産税課税台帳に登録された固定資産の評価額と同じです。つまり、固定資産税の税額算定に使用される課税標準額が用いられることになります。) に税率を掛けて算定します。税率は4%ですが、現在、土地と住宅については、軽減税率として3%が適用されています。

 なお、税負担を軽減する特例措置が適用される場合もあります。例えば、次のとおりです。

新築住宅・住宅用地特例

新築住宅を取得する場合
・新築住宅の場合、評価額から1,200万円を控除します。ただし、住宅の床面積が50m2(一戸建て以外の住宅で貸家の用に供する場合は40m2)以上240m2以下であることが必要です。
住宅用地を取得する場合
・住宅用の土地を取得した場合は、次の(1)(2)のいずれか高い方の額を土地の税額から軽減します。
  • (1)150万円×税率
  • (2)土地1m2当たりの価格×住宅の床面積の2倍(1戸当たり200m2を上限)×税率
ただし、土地を取得した日から一定の期間内に、その土地の上に住宅が新築されているなどの一定の要件を満たすことが必要です。

 なお、例えば東京都の平均的な一戸建住宅の場合2022(令和4)年)は、住宅の評価額が1,052万円(床面積は97.9m2)で、住宅用地は144.1m2であるため、特例が適用されて実質非課税となります。

不動産取得税収の動向

 不動産取得税は1996(平成8年)年度をピークに減少傾向にありました。しかし、2012(平成24)年度以降、堅調に推移しています。(図「不動産取得税の決算額等の推移」)

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不動産取得税の動向。
平成元年の不動産取得税の税収は6309億円です。平成2年の不動産取得税の税収は5962億円です。平成3年の不動産取得税の税収は6044億円です。平成4年の不動産取得税の税収は6695億円です。平成5年の不動産取得税の税収は6140億円です。平成6年の不動産取得税の税収は6611億円です。平成7年の不動産取得税の税収は7876億円です。平成8年の不動産取得税の税収は8073億円です。平成9年の不動産取得税の税収は7311億円です。平成10年の不動産取得税の税収は6348億円です。平成11年の不動産取得税の税収は5795億円です。平成12年の不動産取得税の税収は5667億円です。平成13年の不動産取得税の税収は5375億円です。平成14年の不動産取得税の税収は5240億円です。平成15年の不動産取得税の税収は4805億円です。平成16年の不動産取得税の税収は4564億円です。平成17年の不動産取得税の税収は4767億円です。平成18年の不動産取得税の税収は4851億円です。平成19年の不動産取得税の税収は4845億円です。平成20年の不動産取得税の税収は4453億円です。平成21年の不動産取得税の税収は4042億円です。平成22年の不動産取得税の税収は3789億円です。平成23年の不動産取得税の税収は3415億円です。平成24年の不動産取得税の税収は3356億円です。平成25年の不動産取得税の税収は3570億円です。平成26年の不動産取得税の税収は3633億円です。平成27年の不動産取得税の税収は3768億円です。平成28年の不動産取得税の税収は3967億円です。平成29年の不動産取得税の税収は4065億円です。平成30年の不動産取得税の税収は4035億円です。令和元年の不動産取得税の税収は4042億円です。令和2年の不動産取得税の税収は3743億円です。令和3年の不動産取得税の税収は3921億円です。令和4年の不動産取得税の税収見込みは3911億円です。令和5年の不動産取得税の税収見込みは4204億円です。
図「不動産取得税の決算額等の推移」

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