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第28次地方制度調査会第3回専門小委員会 次第



平成16年4月26日(月)
10時00分〜12時00分
ホテルルポール麹町「マーブル」
1   開会

2   議題

  1) 今後の審議事項に関する意見交換
  2) その他

3   閉会

配付資料(PDF)
 
第28次地方制度調査会審議事項に関する論点メモ





○松本小委員長 それでは、お見えになっていない委員もいらっしゃるようでございますけれども、時間がまいりましたので、第3回の専門小委員会を始めさせていただきます。
  議事に入ります。本日は今後の審議事項に関する意見交換を行いたいと思います。まず、今までの議論を踏まえ、審議事項に関する論点メモを事務局に作成させましたので、事務局から説明させます。自治政策課長。
○石川自治政策課長 配付資料をご覧いただきたいと存じます。これまでのご論議を踏まえまして、論点メモとしてまとめております。
  まず、「1 道州制のあり方」につきまして、(1)道州制の基本的性格、役割といたしましては、道州制を導入する意義、目的やその役割についてどのように考えるか。道州は、広域自治体と基礎的自治体の二層制を前提として設置することとするか。また、国と道州の役割をどのように考えるか。また、国と国の地方支部局の権限をどこまで、どのように道州に移管するかということでございます。
  次に、道州制の仕組みにつきましては、道州の議決機関、執行機関、補助機関のあり方についてどのように考えるか。また、道州は住民の直接公選による長と議会の二元代表制であることでよいか。道州制の区域、設置は法律で具体的に定めるのか、あるいは仕組み自体は法律で定めるということになると思いますが、都道府県の発意、イニシアチブを考慮した手続とするのかということでございます。
  次に、全国一斉に道州に移行するのか、一定の要件に合致した場合に順次道州に移行することとするのか。また、首都圏、近畿圏、中部圏など、人口や経済集積等において他の圏域と著しく異なる圏域につきまして、同じ制度でよいのか。あるいは国と道州の調整システムをどうするのか。道州制を導入するといたしましても、当分の間、都道府県を存続させ、一定の役割を持たせるべきかどうかという論点がございます。
  続きまして、第2の「大都市制度のあり方」についてでございます。まず、大都市圏における広域行政のあり方についてどのように考えるか。具体的には現行の指定都市のように、都道府県との役割分担の下に大都市制度を考えるのか、それとも、特別市のように広域自治体から独立した制度を考えるのか。また、現在の東京都と特別区といった都区制度についてどのように考えるのかということでございます。
  次に、大都市における住民自治の強化についてどのように考えるのか。また、中核市、特例市のあり方についてどのように考えるかということでございます。その他指定都市制度を見直すことといった論点がございます。
  次に「3 地方行政の弾力化」、これは、第1回の専門小委員会では地方制度の弾力化とお示ししておりますが、前回までの議論を踏まえまして、若干広く地方行政の弾力化としております。
  まず、長と議会の二元代表制以外の多様な制度の導入について議論するかどうか。次に国と地方公共団体との役割分担のあり方。例えば、国の法令と条例のあり方などについてどう考えるかということでございます。また、長を補佐する補助機関(副知事、助役、吏員など)、こういったあり方についてどのように考えるか。
  さらに出納機関(出納長、収入役等)でございますが、このあり方についてどのように考えるかということでございます。また、職員の兼職禁止、例えば、職員が議員となることができるかということについてどのように考えるかということでございます。
  次の3つは財務規定に関することでございますが、予算に関する基本的事項、歳入歳出予算の款項の区分とか、あるいは契約に関する基本的事項、例えば契約方式の多様化。
  次に財産に関する基本的事項、例えば、行政財産制度の弾力化という項目を掲げてございます。さらに行政委員会制度(教育委員会、農業委員会など)を見直すべきではないかという論点がございます。
  また、小規模な市町村のあり方についてどのように考えるか。そのほか地方公共団体の事務に関する個別の法令上の規制について見直しを検討すべきという意見がございます。
  4番「議会のあり方」につきましては、これも第1回目の専門小委員会では、「執行機関と議会のあり方としておりますが、よりわかりやすく議会のあり方としております。
  まず、地方分権の進展に伴い、議会に求められる役割についてどのように考えるか。次に住民参加と議会との関係についてどのように考えるか。議決事項、地方自治法では議決事件と規定しておりますけれども、この議決事項のあり方についてはどのように考えるか。
  議会の組織、例えば常任委員会、特別委員会ということでございますが、このあり方についてどのように考えるか。議会運営のルールのあり方についてどのように考えるか。議員の定数、報酬についてどのように考えるか。女性やサラリーマンなどの立候補を容易にするための方策を考えるべきではないか。議員の兼職禁止、兼業禁止のあり方についてどのように考えるか。その他執行機関に対する監視機能のあり方、小規模町村の町村総会への円滑な移行ができるような措置というようなことがございます。
  最後の5番目といたしまして、「地方税財政制度のあり方」につきましては、地方分権に対応した地方税財政制度のあり方でございます。
  以上でございます。
○松本小委員長 それでは、以上の説明を踏まえまして、この論点メモについて意見交換をお願いしたいと思います。皆様方、ご質問、ご意見等がございましたらご発言をお願いいたします。
  これはどうします? 項目別にやっていきましょうか。その方が良いかもしれませんね。それでは、まず「道州制のあり方」についてのところから。ひとつ皆様方のご自由なご意見、ご質問等をお願いしたいと思います。どうぞ紺谷委員。
○紺谷委員 何を地方に委ねるかということを決めませんと、道州制の形さえ議論できないんじゃないかと思うんですけれども、今日いただいた項目のすべての前に、何が中央の仕事で、何が地方の仕事なのかというような議論があってしかるべきではないかと思うんです。それから最も大事な税財政が一番最後にちょこっと付け足りのようにあるというのも何か変だなと。ここは財務省の審議会ではないんですから、ぜひ、その点よろしくお願いいたします。
○松本小委員長 今の質問に対して、まずは誰が答えますか。行政課長。
○久元行政課長 第1点のどういうような権限を道州に持たせるのかということは……。
○紺谷委員 地方の権限は何かということです。
○久元行政課長 この点につきましては、27次の調査会でも一応の考え方の整理がなされておりますので、その点について、さらに議論をより具体的に進めるというようなことが必要であると考えておりまして、その点につきましては、一番最初の「○」のところの目的とか役割とかということで、当然、国の役割をどうするのか、道州の役割をどうするのかということで、当然、議論は進められるだろうというふうに考えております。
  それから税財政の話は、一応、私どもの気持ちといたしましては、下から2つ目の国と道州の調整システムの中で考えています。この調整システムというのは、国の道州に対する関与の問題、あるいは係争処理手続の問題のほかに、この税財政の問題というものもこの中に入れてつくらせていただいたつもりでございます。
○松本小委員長 私の方からちょっと。関連して確認させていただきますが、「国と道州の調整システム」というのは、いわゆる国から地方に対する、一般的に言っている関与等ですね、それから地方から国に対して、道州から国に対する参画、政策決定への参加、それから道州の間の財政調整システム、この3つが入ってくる。その他にもあるのかもしれませんが、そういうふうに理解していいですか。
○久元行政課長 はい。
○松本小委員長 わかりました。いいですか、これで。
○紺谷委員 よくないですけど、とりあえずは。
○松本小委員長 わかりました。それではまた後で。
○諸井会長 いずれにしても、このペーパーは、今まで我々が議論してきたことについて事務局が整理をした、項目を並べただけの話だから、何を議論するかといったら我々の問題なんじゃないですか。
○松本小委員長 そのほか、道州制の問題でございますか。
○篠崎委員 この論点メモを拝見いたしますと、非常に大きなことと、小さくとは言いませんけれども、かなりディテールにわたることとが同じように併記されております。本来的には、先ほど紺谷さんがおっしゃいましたし、前回一番最初の会合で岩崎委員さんが10年間この委員をなさっていて、ここらで本来、国の役割、地方の役割、権限をどういうふうに考えるのかというような議論もすべきではないかとおっしゃったということを考えますと、今回の道州制をどう考えていくかということを幅広く、国の権限、地方の権限、あるべき論をさせていただけるのかなというふうに私自身は期待をしております。そういう意味では、ここには二層制を前提というふうに書いてございまして、27次でもそういうお話だったのかなと思うんですけれども、どの程度までをフレームにするのか。少しそもそも論に近いようなあるべき論からお話を進めさせていただければいいのかなと期待しております。
○松本小委員長 ありがとうございました。今のことについては、むしろ事務局というより委員の先生方の話なのですけれども、あえて言うならば、次のページの3の「地方行政の弾力化」というところの2つ目の「○」のところに、「国と地方団体との役割分担のあり方」というのが、今おっしゃっているようなことに近いことを論議しつつ、かつ具体的な個別の分野についても論議するつもりで、ここに書いてあるような気がするのですけれども、それはどうなのですか。
○久元行政課長 この論点メモは、小委員会で28次についてどういうような事柄を議論するのか5つの大項目を立ててあるわけですけれども、それぞれの項目についてどういうようなことを議論するのかということについて今日幅広くご論議いただく上での、あくまでも私どもが作成いたしました材料というふうにご理解いただきたいと思います。その点で、今、小委員長からお話がありましたような点、国と地方公共団体との役割分担についてですが、前回の小委員会のときに、私の方から説明いたしました考え方では、少し地方自治法といいますか、地方自治制度にやや特化され過ぎているのではないか、こういうご指摘もありましたし、前回の地方六団体からの意見の中からも、もう少し、基本的な論点を議論すべきではないかということがございましたので、「地方行政の弾力化」の中の2つ目のところに、この国と地方との役割分担のあり方という基本的な事柄を入れさせていただきました。なお、この点につきましては、道州制のあり方を議論する際にも、当然、基本的な視点ではないかというふうに考えています。
○松本小委員長 それは何か取り出した形にできるかどうかですね。この中でまた議論していただいて。確かに、紺谷先生や篠崎先生がおっしゃるように、一面で共通することなんですね。今まで自治法に書いているようなことで、総論的なことは定められているけれども、一体、それを具体的に適用したときに、今までの制度の個々具体の分野について、そういう原則に従って見直されているものは非常に数少ないわけですね、これまでのところ。だから、紺谷先生や篠崎先生がおっしゃるように、それを具体的な分野で適用したら、一体どんなものが現実に国の仕事としてあり、地方の仕事となるのですかと。その上で道州がどういう役割を担うかということになるから、そういうことをもう少し整理をして、論議をしていくような考え方でどうでしょうか。どうですか、そんな感じでよろしいですか。
  それでは、そのほかございますか。
○薄井委員 このペーパー自体が、これまでの論議をまとめたものということですけれども、それは27次までのご議論をまとめたものと、整理したものという理解で伺いました。そういう意味で今回初めて参加した私には、それなりに関心を持ってはいましたけれども、なかなかついていけない部分がこの項目の中に−−ついていけないというのは、内容が私には理解しにくいということでして、あんまり基礎的なことをここでやるのはいかがかというご意見はあろうかと思いますけれども、できるだけ根本に、基本に戻ったところから道州制のご議論は始めていただきたいと思います。私自身、道州制にアレルギーがあるわけではありません。非常に大きな意味で、地方制度の本当の骨格の議論になるんだと思いますので、これはやったらいいと思います。
  併せて基礎的な自治体である市町村の仕事といいますか、これがしっかりしていくならば、今の県が要るのかなというような感じを持っております。とは言っても、すぐにそれは無理だとすれば、道州制というのは興味がある課題だと思っております。ただし、地方制度の根幹に触れるテーマでありますし、憲法論は避けるというような議論になっているやに聞くんですけれども、その辺も含めて、本格的に議論していくことではないかなと思っております。
○松本小委員長 今の意見について、憲法論を避けるということになっているというのは、必ずしもそうなっていないような気がしますが、どうですか委員の皆さん方は。
○今村委員 憲法論を避けるどころか、憲法論にならざるを得ないと私は理解しておりまして、そもそも道又は州というのが、現行制度を前提にした場合の憲法上の地方公共団体足り得るかどうかも私はまだ定かでない。少なくとも、現行自治法等あるいは地方分権推進委員会ができたころを考えましても、憲法上の地方公共団体というふうに、道又は州を断定することすらできないと思いますので、これは憲法論に、当然、波及せざるを得ませんし、真正面から取り組む問題であるというふうに認識しています。
○松本小委員長 そういうことでございますので。
○薄井委員 私の誤解のようです。今の今村先生のお話、私もそう思います。
○紺谷委員 前回、質問させていただいた地方公共団体という呼び方ですが、憲法にそうあるからといって、それを前提とせず、地方自治体とか地方政府とかというふうに呼び名を変えてもよろしいわけでございますよね。
○松本小委員長 それは一向に構わないと思うのですよ。どうぞ。
○室谷委員 道州制を考える場合に、この論点整理の広域自治体と基礎自治体の二層制を前提にするかというのがありまして、これを考える場合には、政令指定都市を除いては考えられないことになるわけです。今回整理していただいております大都市制度のあり方という形で、政令指定都市を別個に考えるのではなくて、やはり道州制を考える中できちんと政令指定都市のあり方といいますか、これを廃止していくのかどうか、この辺も併せて論議をしていただきたいというふうに思います。
○松本小委員長 よくわかりました。一応説明させていただきますと、これは事務局からもしれませんが、大都市制度のあり方の中に「現行の指定都市等のように、都道府県との役割分担の下に大都市制度を考えるのか、それとも、特別市のように広域自治体から独立した制度を考えるか」というところに、そういう含みが入っておりますので。そのほかございますか。
○浜田委員 もう第28次にもなっているのに、今更何を言うかと言われるかもしれませんけれども、道州制に切り替えれば何がどうよくなるのか、今の県・市町村のシステムだと何が問題なのかというのが私自身よく理解できていなくて、今まで自分が専門でなくて、非常に距離のあるテーマでも何らか常識的に想像ができて、あれは推進した方がいいな賛成だとか、あるいは反対だとか、あるいは条件付き賛成だとかという自分のポジションが何とか得られたんですけれども、これに関しては、実は現在私は賛成なのか反対なのか自分自身決めかねているんですよ。
  その辺を誰か教えていただきたいんですけれども、例えば、道州制を敷いたら、県というのは完全になくなるのか、何らか役割を何割か残して存続するのか。今日の1ページ目の一番下を見ていましたら、「道州制を導入しても、当分の間、都道府県を存在させ、一定の役割を持たせるべきかどうか。」という1項があるということは、行く行くはなくなるという方向が前提なんだなと何となく感じるんですけれども、ほんとになくせるのかどうなのか。九州という行政単位ができたときに、大分県、宮崎県、長崎県、鹿児島県という行政を完全になくすことできるか。州の鹿児島出張所みたいな形で今の県のスタッフたちがほとんど全員残った形になるのかならないのか。もし、それを本当になくした場合、長崎にも鹿児島にも離島がいっぱいありますね。あの辺の最終的なところまで州からストレートに行けるのか行けないのか。現在、国と県の関係というのは、47都道府県数が多すぎて輻輳しているのかしていないのか。それを7つか8つに絞り込めば、ものすごくよくなるのかよくならないのか。その半面、州と市町村の数というのはべらぼうな数になりますよね。そうすると、かつての県みたいな中間みたいなものがやっぱり必要だとなったら、単なる屋上屋で一つ層が増えちゃったということにならないのかどうなのか。基本的に何が変わるのか。アメリカの州のシステム、合衆国というあのシステムを一つ参考にするとしたら、例えば人口で比較して見た場合、アメリカは日本の2倍ですね。51ですか、53の州ができていますね。一方、アメリカの半分の47ですからほぼ同じ数ですね。だから、1県単位は、人口は向こうの州の半分ですね。アメリカレベルの人口単位の州をつくるとしたら、鹿児島と宮崎が合併して一つの州、熊本と大分が合併して、長崎と佐賀が合併して半分に減らせば、アメリカと同じぐらいの人口単位になるんじゃないの、これは州とは言わないんじゃないかな。県の合併と言うのかな。こんなのはナンセンスでしょうから、九州なら九州という州の単位を念頭に置いて、何か私もよさそうな感じがするんですけれども、頭でしっかり賛成、ぜひそうすべきだ、そのためにはという議論まで自分自身が行ききれていないのを告白しながらの質問なんですけれども。
○松本小委員長 まさに今、浜田委員がおっしゃったようなことをこれから論議しようということなんでしょうけれども。
○浜田委員 私だけが遅れているんじゃない?
○松本小委員長 27次の答申でも、一応、基本的な考え方は4点示しているのです。1つは、今の都道府県は廃止をして、道州という広域団体を置きますということ。それから、そこに国の権限の大幅な移譲をしますということ。3つ目は、長と議会の議員は公選制にしますということ。4つ目は、区域を広げますということ、一般的、原則的に。原則的にというのは、北海道が現にありますから。だから、原則的に現在の道府県の区域を広げますと。この4つだけは基本的考え方として、27次なりに取りまとめて一応示してあるわけですが。
○浜田委員 お言葉ですけれども、県というのは、廃止することになっているんですよと言われましたけれども、なぜ、県を廃止しなきゃいけないのかというのが、そもそも私はわからないんです、まだ。
○松本小委員長 ですから、もう一度ここで議論をしていただいて結構でございます。
○浜田委員 財政破綻状況になりかけているから、ごちゃ混ぜにしてしまえということじゃないでしょうね、まさかね。
○松本小委員長 そういうことではないと思います、それは。
○浜田委員 県単位で財政が逼迫したなら、県単位で責任を持って建て直してほしいですよ。わけがわからんようにしないでという感じもしなくもない。
○松本小委員長 そういう基本的な考え方を27次では示しておりますけれども、28次でもう一度そういうことも含めて論議をしていただいて、いいものにまとめていきたいと、こういうことでございます。どうぞ世古委員。
○世古委員 27次から参加させていただいていますが、論点メモは先ほど篠崎さんもおっしゃっていましたけど、大きい項目と小さい項目が一緒になっていると思うんです。できればというか、この論点メモの前提になる条件というか、どういう考え方でいくかということをここで合意しないと、この議論はいつまで経っても個別なところへ行ったり来たりすると思うんです。ですから、この28次の議論をする前提になるのは、それこそ憲法の問題も含めてどこに行くのかということだと思います。
  27次のときに、私も少し議論にかかわりましたけれども、地方自治の基本法みたいなものですね。本来、地方自治とはどういうものなのかということの議論というのをすべきだし、地方自治基本法みたいなものも必要があるんじゃないかという議論があったと思います。それは次の段階にということで今回来ているんじゃないかと思います。そういう意味では、今回、論点は個別に書いてありますけど、これは全部貫いて、それで道州制のあり方、1番、2番、3番、4番、5番とやっていけばいい問題と、それから全部に貫く問題とがあるので、それをもう少し小項目ごとにちゃんと整理するというのも必要じゃないかと思います。その上でどういう議論の組み立て方をするのかというもう一つのメモというのが出てこないと、ばらばらになるじゃないかと思います。
  まず、前提として質問したいのは、この論点メモの前提になっていること。今、皆さんがおっしゃっていることも含めてですが、何と何と何が一体前提になっているのかということを確認させていただけますでしょうか。
○松本小委員長 それは事務局はどういうお考えで取りまとめていますか。どうぞ林委員。
○林委員 恐らく、これは論点メモですから、今までに出てきた意見をこういう形でまとめておられるので、これを議論するための前提だとかということでは、多分ないんじゃないかという気がするんです。ですから、これを踏まえて、この委員会で議論するための前提はどうなのかということは、これから、ここでまた固めていかなきゃならないことだろうしということで、私自身は、今、小委員長がおっしゃった府県を廃止してというような話は、多分、道州というのが今の権限の中で道州をつくるのではなくて、やはり国から地方への権限を移譲するその受け皿として道州があって、そして、今道府県が抱えている様々な仕事は市町村に下ろしましょう。そして市町村はもう少し規模が大きくなってというようなことがある程度前提になって、そういうシステムができ上がるんだろうと思うんですね。ですから、今日書いていただいている論点メモの中で、やはり、ある程度前提としなければならない、私たちが議論していく上での前提としなければならないようなものは、既にもう27次のところである程度固まっているものと、そうじゃないもの。そういうものを整理した上で、やはり議論の流れというのがあるんだろうと思うんです。ですから、そこをもう少し、これは議論の中でそういう流れをつくっていくのかもしれませんけれども、そのあたりを整理していただけると、大きいものと小さいものとの整理ではなくて、むしろ、この中にも前提になるようなものもあるし、という整理の仕方をしていただけると非常にわかりやすいしということではないか。
  例えば、国から地方への権限を移譲しなければ、今、広域行政としての道州ということであれば、私自身は道州のそんなに大きな意義はないのではないかという具合に思っています。今の県の権限ではですね。ですから、そういう意味で、やはり国と地方の役割分担だとかといったようなことをきちっともう一度ここで確認をした上で、道州制ということを考えていく必要があるといったようなことの、もう一度ここで再確認をしなければならないのではないか、そんな感じがいたします。
○松本小委員長 何か意見ありますか。今の林委員の意見等を踏まえてご意見ございますか。
○貝原委員 若干、私のひとりよがりな意見になろうかと思いますけれども、今の地方自治のあり方について、この地方制度調査会は2年間ですね、そんなに間口を広げても、とてもじゃないけど、結論を出すようなことは不可能だと思うんです。総理の諮問事項にも、ちょっと手元にないのであれですけれども、道州制のあり方その他について議論してくださいというような諮問ですから、そこの諮問を受けて私たちは議論する責任があるんだろう、このように思います。
  そういうことを前提として、今、林委員も言われましたけれども、今の流れ、私も27次のときにも委員をさせていただきましたので、その流れの中で私が理解していることから申しますと、大きく言って3つぐらいの、もっともっとありますけれども、3つぐらいかなという感じがします。
  その1つは、税財政の問題ですね。地方分権一括法によって権限については、機関委任事務廃止等でかなり地方自治体に責任を持たせるようなシステムができたけれども、財政について、依然として国の方の調整権限が強過ぎるので、財政的な自治という面から議論がされるであろうとみんな期待していたんです、少なくとも地方自治側は。ところが三位一体改革の実体がどうも期待していたほどではなかったと。今後、これについて経済財政諮問会議なんかでも急いで議論するというようなことが新聞報道されていますが、このことを地方制度調査会としてやるのかやらないのかということが1つあると思います。
  それから、2つ目に今議論になっていますことは、これは西尾先生の論文でもちょっと拝見したような気がするんですが、三位一体改革ですとか介護保険制度なんかが、見ておりましても地方自治の根幹にかかわるようなことが、国が一方的に法律だとか財政の制度をつくってしまわれて、その間、地方の意見がほとんど入れられるようなシステムになっていない。この前もちょっと議論があったようですが、例えばヨーロッパなんかでは、ここにも出ていましたけれども、国会議員と地方自治体の首長が兼務することができるとか、いろんな知恵があって調整のシステムがあるわけです。そして今、現に知事会あたりも非常に活性化していろんな議論を言っておられますし、政治のバランスとして、地方の政治と国政、国の政治との調整を今のまま放っておいていいのかという問題がかなり先鋭になってきつつあるのではないか。この部分を、一体、制度論としてどう受けとめていくのかということが問題なのではないか。先ほど多くの委員から、国と地方のあり方について大項目を立てるべきじゃないかというご意見がありましたけれども、そういった意味で、私もそこのところはきちっと議論すべき項目として出してやるべきじゃないのかというように思います。
  それから、第3点として道州制の問題ですが、これは私の第27次での議論の経過の理解からしますと、今、我が国で東京一極集中という状況が非常に大きな課題になってきて、地方の活性化なくして日本全体の将来はあり得ないのではないか。そういった意味でそれぞれに地方の活性化を図る上において、今、47に分かれている都道府県でそういうことをし得る能力があるんだろうか。むしろ、関西とか九州とか中・四国とか東北とか、一まとまりとして地域の活性化を図らなければいけないような、経済的あるいは社会的な構造になっている。ところが、それを担う地方の意思決定機構、あるいは住民参画の機構があるのかということになると、今はばらばらに分かれていますから、それでは不十分なのではないか。それに代わるべき組織として国の出先機関がいっぱいありますけれども、そういったものを統合して、地域住民の意思決定のシステムにするような行政の仕組みをつくっていく。そして、たまたま先ほどもご意見が出ましたように、市町村合併がどんどん進むことによって、現在の都道府県の事務は市の方に下りていく。まさに地方自治という観点からすると、意思決定でできるだけ住民に近いところでやっていくという意味で、その方向に進むべきでしょうから、そういった意味で、新しい道州の仕組みというのをつくるべきじゃないかというようなことが27次の答申の根幹にあったように思うんです。
  現に一部ですけれども、自治体にもそういう動きがありますし、国政政党の中でも道州制を導入するというようなことを公約に掲げて、自民党と民主党も書いておられるというようなこともありますので、これについてきちんとどうすればいいのか、今、浜田委員がおっしゃった疑問点も含めて、やはり意見としてはきちんと出すべきなのではないか。そういった意味では、この3点ぐらいが大きなテーマで、これだけやるのは2年間ではとても難しいんじゃないかなという感じがするんですが、私の感想としてお聞きいただければと思います。
○松本小委員長 今の貝原委員の意見は、例えばこの中に出ている、「道州制」と「大都市制度」というのは、これは総理の諮問の中に具体的に出ております。しかも「その他」と書いてあり、「その他の」じゃなかったですから、この2つは必ずとり上げるということなんだと思うんです。後の「地方行政の弾力化」とか、「議会のあり方」とかというのは、こういう形でじゃなくして、さっきもおっしゃったような、具体的なそれぞれの地方団体の仕事、役割が具体的にどうかということとか、恐らく貝原委員がおっしゃったのは、規律密度の問題をおっしゃっていたと思うんですが、国の法令等による規律が非常に細かいところまで決めてしまって、しかもそれに関与をつけるというようなことが少なくないから、そういうことをどうするんだと。ほか、地方税財政の問題というようなこと。
○貝原委員 基本的に、小委員長がさっきちょっと整理されかけましたけれども、この中にも、1ページの下から2つ目の国と道州の調整システムをどうするかとか、2ページの真ん中辺に国と地方公共団体の役割分担のあり方、ここで国の法令と条例のあり方、それから3つ目下の職員の兼職禁止のあり方についてどう考えるか。これはまさに私は2番目に申し上げたことですから、言っていることは、要するに立て方が、そういう立て方にきちんとしないと、今おっしゃったように、いろんな疑問とか誤解が出てくるんじゃないかということで申し上げたんです。
○松本小委員長 横串のものがあるじゃないかと。その横串のものを少し真正面に取り上げて、そしてそういうことを論議するというように審議項目の整理もしたらいいのではないかとおっしゃっているのだと思いますが、それでよろしいですか。
○貝原委員 はい。
○松本小委員長 先ほどの紺谷委員も篠崎委員のご意見にも同じような感触があるのですが。ちょっと違いますか。
○紺谷委員 はい。本来でしたらば、今、貝原委員がおっしゃった特に第2点は、国会で議論されるべきことであると私は存じております。国民の代表である国会議員が、地方分権のあり方も、国と地方との関係も本来決めるべきなのです。それをこういう行政の1審議会みたいなところで議論することが、そもそも間違いであるというふうには思いますが、今すぐそれを変えようと思っても無理でございますから、だから、せめてここではそもそも論から始めたいと。つまり小泉改革と同じで、目標なき改革なのですよ。郵政民営化だ、道路公団の民営化だ、じゃ、民営化は何のためにやるのかということはさっぱり見えないと大勢の方がおっしゃっているわけです。初めに町村合併ありき、初めに道州制ありきではなくて、地方分権というのは、なぜ必要なのか。そのためには、どういう仕組みが最も適切なのかという、そもそも論から立ち上がって、それはある程度、ここでメンバーの皆さんと共有させていただかないと議論が始まらないと思うのです。だけれども、実際問題としては、財政危機先にありきということであったろうと思っています。市町村合併はまさしく、先ほどどなたかおっしゃったように、銀行合併と同じように、くっつけてしまえば、コスト削減できるのではないかというような隠れた目的があったわけでありまして、最初から目標がずれ、財政危機というのは現実問題としてありますけれども、この際、それは放っておいて、本来、地方分権はどうあるべきなのか、何のための分権なのかということをぜひ議論させていただければと存じます。
○松本小委員長 それでは、西尾委員の方から先に。
○西尾委員 道州制のあり方に限って、今までのご議論を聞いていて私が思うことなのですけれども、ここに改めてたくさんの論点が出ているわけですが、このうちの幾つかの基本的なことについては、第27次地方制度調査会では一応の取りまとめをしているところがあるわけです。もちろん、27次地方制度調査会でも全員の意見が完全に一致していたかと言えば、そうではなくて、多様な意見があったけれども、概ねの方々のご意見はこの辺だといってまとめたものがあるわけです。その中で最も重要なことは、我々が考える道州というものは、現在の都道府県に代わる広域自治体であるという定義をしているわけです。ですから、これは国の地方出先機関ではありません。自治体ですというふうに決めている。今の憲法の言葉で言えば地方公共団体ですと決めている。これは最も重要なところなのです。その上で、現在の都道府県はなお残るのか残らないのかと言えば、それに代わる広域自治体と言ったわけですから、原則としては、いずれ都道府県は廃止されるという前提でものを考えたということなのです。
  ただ、今度は改めてメンバーのかわった28次地方制度調査会になっておりますので、この基本的なところが概ねの方のご了解が得られるのかどうか出発点として大問題だと思うのです。ここがもし全員ではなくても、概ねそこまでは承認できるということなら次の論点に行ける。次の論点にどんどん細かく入っていくことができると思うのですが、まずそこが了解できないという話だったら、そこからもう一遍やらなきゃいけないということだと思います。
  次に私から見て大きな問題は、ここにもございますように、道州制にいずも移行するとすれば、それが全国一斉に道州に移行するのか、一定の要件に合致した場合に、順次道州に移行することとするのかという問題提起が出ています。この点は第27次地方制度調査会で意見が一致していない点なのですね。両論あったということなのです。これをどちらで考えるかというのは、すべての制度設計にかかわる基本的な問題だと思うのです。ここは多分、28次地方制度調査会で改めて一人一人が意見を述べて議論をしたとしても、意見は分かれ続けるのじゃないかという気が私はするわけです。それほどの重大問題だと思うのです。そこを議論して、きりのない議論をするのか、ちょっとそれは置いておいて、もう一つ道州制の構想をもうちょっと深めてみようという議論をするのかということが問題だと思います。
  もう一つ深めるのだとすれば、この国と道州の役割をどのように考えるのか、国の地方支分部局の権限をどこまで、どのように道州に移管するのか、ここをもう少し議論して詰めてみないと皆さんのイメージははっきりしないんじゃないだろうかというふうに思います。ここが最も重要なところで、ここを間違えると地方公共団体ではないものになってしまう可能性がある。
  現に、先日、自民党の道州制議連に呼ばれまして話をさせられまして、その後ちょっと質疑があったのですが、道州制議連のある議員の方は、既に北海道について道州制法案のようなものを私案としてご用意になっておられましたが、その方の考え方から言うと、地方検察局から国税局、全部道州に移すという考えを出していらっしゃるわけです。そうしたら、これは国の地方総合出先機関をつくろうとしていらっしゃるということであって、地方公共団体などという枠を越えてしまうものであるわけです。それは27次地方制度調査会が考えていた道州制とおよそ異質なものです。ここで世の中の理解は全く分かれているわけですから、そういうところをはっきりさせていかなくちゃいけない。地方公共団体であれば、国の専管事項であるような国税を徴収するとか、検察という司法とか、そんなことをもらいたいなどとは誰も考えていないわけです。しかし、それもあげるのだと言ったら、もうそれは公共団体ではないでしょうということになるわけで、この問題はもう少し詰めていく方が生産的なんじゃないかと私は思います。
○松本小委員長 ありがとうございました。そのほかはございませんか。
○小幡委員 私も27次の方は参加いたしておりませんでしたので、今、西尾委員のお話で大分よくわかりました。ただ外から、27次に参加していないで27次の答申を見せていただいた立場から申せば、27次は基礎的自治体について非常に注目されましたし、大変精力的に時間もかけられて議論なさって答申をまとめられたと思いますが、第2の大都市のあり方、それから第3の広域自治体のあり方についてもまとめていらっしゃいます。第3のところで道州制について一応の結論を、27次のところで結論が出たところはお書きになっていらっしゃいます。今、西尾委員がおっしゃいましたように、全部一致していないけれども、ほぼ一致しているところは書かれているという理解だと思うのですが、まさにここで頭出しという言い方をしては大変に失礼ですけれども、明確に答申として出されていらっしゃって、28次はさらにそれをというふうな動きになってきているわけですが、27次の答申を出された後の六団体のヒアリングは、ずっとここのところしましたけれども、国民各界といいますか、道州は非常に大きな話ですので、経済界とか、あるいは一般の方、道州制の問題についてどういう声が上がったかということを、もし整理したようなものがあれば、ぜひ拝見したいと思います。
  私は別に道州制に消極的ということでは全くございませんし、都道府県のあり方について、そろそろ変容を求められているということには同感しておりますけれども、全体的に、国民レベルでどういうふうな印象を道州制というものについて持たれているかということは、答申として明確に頭出しを27次でされているわけですから、ぜひ、そのあたりを知りたいなと。まとめていらっしゃるものがないかもしれませんけれども、今日でなくてもよろしいのですが、整理があれば、ぜひ伺いたいなと思います。
  その上で、やはり一律の制度して仕組むのか、府県合併ぐらいからいって自発的なのでいいのか、あるいは仕組むにしても徐々にやっていくのかとか、いろいろそういうことをまさにここで詰めていくのかなというふうに思っておりますが、やはり1回答申が出ておりますので、ぜひ感触をお聞きしたいと思います。余りこの地制調だけで国民と離れた議論をしてもいけないと思いますので。
○松本小委員長 それでは今のことについて、資料の要求は、今のことを整理して次回でも出していただくことにして、事務局として言うことがありましたら言っておいてください。これで次の議題に行きますので。
○久元行政課長 道州制をめぐる議論につきましては、27次のときにまとめて資料として提出をさせていただきましたが、古くからいろんな提言がありまして、特に二、三年前には相当いろんなところからの、各政党あるいは各県、あるいは経済団体からの提言がございました。ただ、不思議なことに去年の11月13日に答申がなされてから、その後はそういう具体的な提言は余りないような気がしております。ただ、新聞の社説などには幅広く取り上げられておりますので、この辺の資料につきましては、また小委員長の指示に基づきまして提出させていただきたいと思います。
○松本小委員長 それでは、まだいろいろあろうかと思いますが、時間の関係がありますので、次に第2の「大都市制度のあり方」について、皆さん方の質疑、意見を伺いたいと思います。ここの問題についていかがですか。
  これはわざと避けたんですか。政令指定都市区域の、県会議員の問題の論点は出ていないですけど、意識的に避けたんですか。
○久元行政課長 この点につきましては、27次で相当議論がなされまして、また有識者からの意見陳述などもありまして、当面の考え方というのは、27次で整理をされたのではないかというふうに私どもは一応考えております。
○松本小委員長 27次は何にも書いていないんだけど、整理されたと考えているわけですね、事務局は。ああ、そうですか。そういうことも踏まえて、委員の先生方の……。後にもありますから、また後で言っていただいても結構でありますが……。
○小早川副会長 今、整理されたと言われましたけれども、今日のペーパーで言えば、そもそも第1の「○」、都道府県の役割分担の下に置くのか、それとも、独立の特別市のようなものにするかという、そっちの方が制度設計の基本問題であるわけです。、だから、これを議論していけば、27次でどういう議論したにせよ、議員の問題というのは、もう押し流されてしまうかもしれないし、どこへ行くかわからない。多分そういう位置関係ではないかと思います。その意味では、それも含めた大きな問題設定を今回もされているというふうに理解しています。
  それからもう一つは、大都市制度という場合に、3番目の「○」で中核市、特例市まで出ていますが、大都市制度というときに、正確に今の指定都市の問題にどの程度焦点を絞るか。そのすそ野の話、中核市、特例市の制度をさらに拡大せよという意見も当然あるわけですが、その辺、すそ野と言ってはいけませんけれども、視野を広げて議論するのか、それとも、こうやって絞ろうということなのかその辺の立案趣旨を。
○松本小委員長 では、事務局として、一応整理されたところの意見で結構ですから。
○久元行政課長 中核市、特例市の問題につきましては、27次の答申でも、「少なくとも合併特例法の期限内においては現行の中核市、特例市の指定要件を維持することとし、その後における要件緩和について引き続き検討すべきである」とされ、27次からの宿題になっているという理解で、こういうふうに書かせていただきました。
  それから、指定都市のあり方をどういうふうに考えるのかということは、やはり道州制の議論とも大きく関連するわけで、指定都市よりもさらに強い特別市の制度ということを考えるのか、あるいは都区制度、特別区の制度を考えるかということによって相当大きく方向性が変わる問題でありまして、中核市、特例市の問題とはちょっと違う、もちろん関連するわけですけれども、広域自治体のあり方、広域行政のあり方といったこととも関連する大きな問題で、道州制のあり方とも大きく関連させながら議論が行われるようなテーマではないかということで、「大都市制度のあり方」の「○」のところにも書いておりますのと同時に、1ページの道州制の仕組みの中の下から3つ目の「首都圏、近畿圏、中部圏など」といったような記述に、そういう気持ちを盛り込ませていただいたということでございます。
○小早川副会長 わかりました。私も道州制とそれから大都市制度、1、2と分かれていますけれど、大都市制度の中でも指定都市というか、本当の大都市問題というのは特殊であって、道州制をとるにしろとらないにせよ、また独自に考えなきゃいけない話なんですね。だけど、今の中核市、特例市、あるいはそれに準ずるような基礎自治体がどうなっていくかということは、まさに道州制の意味合いと表裏一体をなす話なので、そっちの方はむしろ大きな1と不可分のテーマではないか。一応、頭の中ではそういうふうに整理したんですが、いろんなことがテーマとしてはあり得るんだなということだけ確認させていただきます。
○松本小委員長 この大都市の問題は、一応、道州制を前提とするのかしないのかということで相当違ってくるから、その辺の論点も分けて整理されたらどうですか。これは後の話ですけどね。
  次に、「地方行政の弾力化」についてのご質疑、ご意見を伺いたいと思います。
○今村委員 先ほどの冒頭のご説明の中で、このテーマ、表現ですね。地方制度の弾力化から行政の弾力化に変えたと。その理由は「行政」という言葉を使った方がやや広範ではないかということのように私は理解いたしましたが、むしろ、そのことにちょっと違和感を感じます。すなわち、長と議会の二元代表制を含めて、これはまさに自治体の政府としての基本的な構成、あるいは行政委員会制度につきましても、これは執行機関の組織編成原理にかかわる項目でありまして、それを単に「地方行政の弾力化」として一括することについてはいかがなものだろうか。むしろ、やはり「地方制度の弾力化」の方がどちらかと言えば適しているように思います。この地方行政の弾力化の中に、もう一つ出納機関、予算、契約、財産等々のことが書いてありますが、恐らく、弾力化の課題とは別になろうかと思いますけれども、私はむしろ自治体の公会計の制度の見直しが必要ではないか、今後の地方自治制度について考える際には、極めて戦略的な重要性を持つというふうに認識しているのですけれども、弾力化というような形だけですべてを括ること自体が適切かどうかについてもどうなんだろうと。これは積極的な意見というよりも、自分自身で、さあ、どうなんだろうかというように感じているということだけ申し上げます。
○松本小委員長 今のことについては、行政課長、何かありますか。
○久元行政課長 公会計と呼ばれている問題ですけれども、地方公共団体の財政状況をいかに住民に的確に示すのかといったような視点が大きいかと思いますが、地方自治法上の会計システムを前提としながら、地方公共団体のそれぞれの判断で、いわゆるバランスシートですとか、あるいは行政コスト計算書ですとか、そういった手法を使いながら、発生主義的な観点からの情報公開がかなり行われております。さらに、それから進んで、民間に近いような発生主義の会計制度に転換するかどうかということにつきましては、これは私どもの理解では、なかなか地方公共団体サイドだけでそれができるのだろうか。国の会計、国と地方公共団体というのは非常に密接なお金のやり取りがあるということを前提にいたしますと、やはり、国の会計制度の動きというものに相当影響されながら、それと調整をとりながら進めていかなければならないテーマではないかというふうに一応考えております。もう一つは、非常に広範なテーマを28次に議論しなきゃいけない中で、会計学ですとか、あるいは民間の会計基準とか、そういったようなことを相当研究しなければいけないテーマということを独立して取り上げるのかということにつきまして、やや正直言って躊躇を覚えたところでございます。
○松本小委員長 最初の問題は、今村先生、六団体ヒアリングのときお見えになっていましたか。
○今村委員 いいえ。
○松本小委員長 あのときに、六団体の各先生方が、制度の問題というより、個別の各行政分野における規制が強過ぎて、ちっとも自己決定、自己責任というようなことにならないんだというようなことをおっしゃったことを受けて、制度というだけではなくて、少し幅広くそれが取り上げられるようにする論点という形で整理したのですが、この中に書いてあるのは、それに属するものは、2番目しかないんですよね。2つ目の「○」以外、ほかはみんな制度だから。ですから、その辺のところの論点整理をされるときに少し浮き彫りになるようにしたらどうですか。この問題は、さっきもちょっと言いましたが、役割分担議論と規律密度議論とがありますから、その辺をうまく整理された方がいいかもしれませんね。
  それから、ほかに意見ございますか。どうぞ林委員。
○林委員 先ほどの大都市制度も、それから地方行政の弾力化の話も、これは道州制とは切り離して議論できない部分がかなりあると思うんですね。ただ、道州制と連動させて議論していると、ほんとに道州制っていつできるんだろうかという、当面の大都市制度の問題だとか、あるいは小規模市町村の問題だとかというのは、これは喫緊の課題というのがありますから、そういう意味ではある部分切り離して考えなきゃならないところがあるだろうというように思います。
  例えば私自身は、3ページの小規模な市町村のあり方についてどのように考えるかというときに、これは随分、27次ではどうも合併との関係で小規模自治体が議論された部分があって、ただ、最初の方では、私は市町村の規模によってもっと制度が弾力的であってもいいんじゃないかと。西尾私案が出て随分反響を呼んで、本当に小さな自治体が、人口数百万の自治体と同じような権限を持たなきゃいけないんだろうか、あるいは県と小規模市町村との役割分担ももっと多様であってもいいのではないかというようなことも含めて議論していくということが、私は27次でもそういうことがもっと詰められていくのかなというような気もしていたわけです。それがどうも、合併の一つの構想の人口の目安だというようなことになってしまった嫌いがあるような気がして仕方がなくて、したがって、小規模な市町村のあり方について、もっと弾力的な多様な仕組み、これは県と基礎自治体との間の税源の配分も含めてもっと多様であってもいいのではないかというような気がしておりまして、そういうことをもう一度議論するようなことが可能なのかどうか。私はどうも西尾先生が出されたものの決着がまだついていないのではないかという気がするんですけれども。
○松本小委員長 薄井委員どうぞ。
○薄井委員 「地方行政の弾力化」という表題なんですけれども、弾力化がいいに決まっていると思うんですね、硬直しているよりも。そういう意味で国の規制が強過ぎるならば、それを弾力化していくということは方向として当然と思いますが、ただし、弾力化すればいいということでも逆になくて、地方行政とか地方の財務とかそういうことも含めて、効率性とか透明性とか健全性、これは住民が求めているものだと思います。そういうものを実現するための弾力化でないといけないというふうに思います。
○松本小委員長 そのとおりですね。これも「等」としたらどうですか、そういうものを含めて。そのほかございますか。
○小幡委員 冒頭からいろいろご指摘ございましたように、道州制の議論等は非常に大きい話ですので、それと比べますと、この地方行政の弾力化は、多少性格が違うような気もいたしますが、ただ、今現在の地方団体においては非常にこれは切実な問題だと思いますので、やはり何らかの形で取り上げるべきであろうというように私も考えております。ただ、何を取り上げるかという話になろうかと思いまして、先ほどございましたように、小規模市町村については、何を自分の事務としてやるかというと全部義務づけることはないのではないかという議論などもできればしていただきたいというふうに私も思います。
  それから、2つ目の「国と地方公共団体との役割分担のあり方(国の法令と条例のあり方など)」とありますが、これはここに挙がっている趣旨は、法令に違反しない限りという条例の制定範囲がありますが、それを例えば審査システムなどをつくるとか、そんなことまで視野に入っているんでしょうか。
○松本小委員長 これは当然そういうものも入ってくると思います。今、ヨーロッパの方でこの問題は先進的にやっていますよね。だから、フランスのようにそういう規定を入れたりしています。そういうことも踏まえて弾力化ということを考えていくということでいいんじゃないかと思います。
○薄井委員 先ほど弾力化の表題を直してくれという意味ではなくて、これはこれで私は構わないと思います。
○松本小委員長 よろしいですか、はい。
○薄井委員 むしろ弾力化の意味が、そういう意味の弾力化であってほしいという主張です。
○松本小委員長 そのほかございますか。西尾委員。
○西尾委員 3の「地方行政の弾力」と4の「議会のあり方」に両方にかかわってしまうかもしれなのですけれども、「3 地方行政の弾力化」の中に職員の兼職禁止のあり方についてどのように考えるかという問題提起が出ています。4の「議会のあり方」の方には、今度は議員の兼職禁止、兼業禁止のあり方についてどのように考えるかという問題が出ています。これから地方議会を、本当に住民代表機関にしていくということが極めて重要なんですが、そのときに、議員の定数とか議会の権限とかそういう問題もありますけれども、何よりも議員の質と住民との一体性といいますか、代表制というものを確保することが非常に重要なので、率直に言って、もう少し多様な人たちが地方議会議員になり得るような制度に何とかして工夫する必要があるのではないかと前々からそう思っているわけであります。この問題は選挙制度にもかかわりますけれども、国家公務員、地方公務員が議員を兼職できないという制度に日本の場合はなっているわけですが、果たしてその必要があるのだろうか。むしろ、ここを解除して、公務の世界で日ごろ働いている人たちが自治のあり方について積極的に発言し、参画するという道を開いた方が地方政治、地方行政の質はもっと上がるのではないかというふうに思っているわけです。
  ただ、ある市の市役所職員がそこの市議会議員になるということは、被用者と雇用者の立場を兼ねるようなものでありまして、これは適切なことではないというふうに思うわけですけれども、当該団体の代表機関の議員になるということはやめた方がいい、禁じた方がいいと思うのですが、例えば、東京都職員が武蔵野市議会議員になるとか、武蔵野市の職員が東京都議会議員になる、それは構わないのではないかというふうに私は考えているわけであります。そういうことになっていけば、自然、議会はどこで定例会を開くのか開かないのかとか、そういう職業との関係の調整という問題がいろいろなところで出てきますけれども、私はそこは自由化した方がもっとよくなるのではないかというふうに思っておりますので、この兼職禁止なり兼業禁止という問題が職員と議員の双方から出てきたことは非常にありがたい問題提起で、ぜひ取り上げて議論していただきたいと思っているわけです。その問題は、もう一つの点に出ている女性やサラリーマン等の立候補を容易にするための方策の一環である。公務員の世界だけがそういう特権を持つということではありませんが、それの一助ではないかというふうに感じている次第です。
○松本小委員長 ありがとうございました。そのほかございませんか。
○貝原委員 この弾力化ということの中に、私、行政と市民といいますか、住民との間の境界の弾力化といいますか、具体的に言うと、27次のときも相当議論があったと記憶していますけれども、NPOとかNGOとか、ああいった住民団体が公的あるいは公共的領域へかなり参画をしつつある。参画というよりは、むしろ主体になりつつあると。そういうことは国政レベルではなかなか難しいのかもしれませんが、地方自治レベルではもっと大胆にやれる可能性はあるのではないか。これは林委員がおっしゃった小規模自治体と関係もあるのかもしれませんけれども、確かに専任の職員はいなくても、住民自体がそのことを自分たちでやるよというような仕組みだって、結構、全国的にいろんな報道を見ますとなされているように思うんですね。そういった部分はこの検討項目の「○」のどこかに入っているんでしょうかね。
○松本小委員長 事務局はその点はどうですか。入れたつもりですか、入れていませんか。ちょっとこの中には入りにくいかもしれませんね。
○大野総括審議官 実はその議論は、前回の地制調でも随分議論していただきましたので、今、私どもは、国会に法案を提出していますけれども、地域自治区という新しい仕掛けを考えまして、そこで、地域協議会というものをつくることができるようにしているわけですが、その構成員につきましては、当然その区域の中の住民もいますし、それからNPOなどで活躍しておられる方、そのNPOが区域の中に住所を持っているという前提が必要ですけれども、そういった方たちも入れるようにして、いわば住民自治を強化するための仕組みとして今法律を出しておりますので、これを少し動かしてみていくことか大事ではないかと思っておりますけれども。
○松本小委員長 世古委員。
○世古委員 地域自治区をつくって、地域の自治の仕組みというのは、もちろんそうなんですけれども、弾力化のとき、国と地方公共団体との役割分担じゃなくて、地域へ分権するということになったら、地域の担い手は地方自治体と、それからNPOも含めてですけれども、その地域の住民組織という形の組み方が必要なので、この弾力化の中に市民への分権、市民セクターの分権の視点というのは必要だと思います。つまり、それは地域自治区という、住民が住んでいるところだけじゃなくて、もっと広域にわたるようなものについても、市民センターへ分権というのは今始まっていますし、今、公の施設の管理についても、いろんな指定管理者制度等々も始まっているので、ぜひ、「地方行政の弾力化」のところに入れるのがいいのかどうかわかりませんけれども、基本的には、地方分権という言葉からもうちょっと地域への分権、地域の担い手はどことどこなのかという形の組み方をしていく、それは27次のときもかなり議論したと思います。それは地域自治区ができたからといって、それで終わっているというふうには思いませんけれども、論点としては弾力化の中に国と地方公共団体との役割分担のあり方、それに加えて、地方における地方公共団体と地域組織との役割分担のあり方というのを入れるべきだというふうに思いますが。
○松本小委員長 ありがとうございました。はい、どうぞ。
○紺谷委員 この3と4に関しては、どのように考えるのかとございますけれども、100 %地方自治体の意思決定に委ねるという可能性も含めてのことと解釈してよろしいですか。
○松本小委員長 当然、そういう議論もあっていいということです。
○紺谷委員 そうですか、はい。
○松本小委員長 はい、どうぞ。
○世古委員 「大都市制度のあり方」のところで、大都市における住民自治の強化についてどのように考えるかというのがありますね。ここについては、例えば27次のときに私も2回ぐらい言ったかと思いますが、大きくなり過ぎた都市をどうするかという問題も含めての議論というふうに考えていいんでしょうか。例えば、横浜市などは350 万を一括やっているわけですね。合併の議論ばかりしてきましたけれども、住民自治の強化という観点から言えば、そういう基礎的な基礎自治体というものがどういう規模であったらいいのかという議論というのは必要だというふうに思っているので、大きくなることがいいことということではなく、大都市における住民自治の強化という点では、大きな大都市についての分割のあり方とか住民自治の観点というか、住民の意見の反映の仕方がしっかりできるようなやり化をどういうふうにしていくのか考えて議論するということでよろしいでしょうか。
○松本小委員長 意見で何かあります? 大都市の中にそういう視点も入れて……。
○大野総括審議官 入っております。
○松本小委員長 「住民自治の強化について」というのが一応入ってはいますけどね。
○世古委員 それが分割の方向もあるのかということで。
○松本小委員長 そういうことが浮き彫りになるような表現を少し入れていただきたいと、こういうことですね。
  それでは次に「議会のあり方」について、このことについてご意見等ございますか。
  先ほど西尾委員から職員の兼職と関係してご意見もありましたが、そのほかに。そのことでも結構でございます。
○今村委員 もう既に出ているご意見だろうと思うんですが、ここの「議会のあり方」は、特に現行の自治法制のあり方を見直すという大きな仕事にかかわってくるのだろうと思うんです。先ほど来、小委員長も繰り返し言われているように、各省所管の法律、個別法の規律密度が非常に強すぎるという、これは非常に重要な論点だと思いますが、各省だけではなくて、やや失礼になるかもしれませんが、総務省所管のこういう基本的な自治法制のスタンスといいますか、それが議会のあり方に如実に私は反映しているように思うのです。ですから、議会運営等についての法規制というのは、やはり根本的に見直すような視点が必要になってきているのではないか。そういう視点からの議会のあり方の取り上げ方というのが求められているように私は認識しております。
○松本小委員長 そのほかございますか。
○西尾委員 今、今村委員がおっしゃったことは私も全く同感でありまして、これからこの問題は非常に重要な問題として議論していかなきゃいけないのであろうと思っています。ただ、これはこの調査会の運営の仕方についての質問なんですが、この問題については、前回地方六団体からヒアリングをしましたときに、都道府県議会議長会も市議会議長会も、町村議会議長会も議会を代表しておられる三団体は、いずれも、たしかこの問題について研究会をおつくりになっている、あるいは、つくられようとしているというふうにおっしゃったと思うんです。そして学識経験者その他を集めてだんだん検討してこられて、提言案をおまとめになってここへ出してこられるおつもりではないかというふうに私は伺ったわけです。
  そこで、この問題の議論の仕方なんですが、3つの議長会からまず提言が出てきて、議会側はこことこことここをどうしても変えてほしいのだというような、あるいは、できればここまで変えてほしいのだというような当事者からの意見が出てきたときに、それを受けて審議を始めた方がいいか、あるいは、そんなものを待たずにどんどんとここの主体性で、これとこれが重要だといって議論をしていくべきか。いつから取り上げてどういうふうに議論するかということをちょっと決めておいた方がよくはないかと思っております。
○松本小委員長 なるほど。今、西尾先生がおっしゃったことについて、委員の皆様方ご意見ありますか。西尾先生のおっしゃったことで、進め方の問題ですけれど。ちょっと事務局にお尋ねしますけど、三議長会の意見、それぞれの研究会、町村長会は持っておられましたか?意見についていつごろ出てくる予定になっております? わかりませんか。
○久元行政課長 まだ聞いておりません。
○諸井会長 これは相当時間がかかるということも考えておかなくちゃいけない。ですから並行してやったらいいんじゃないですか。それを待ってから議論を始めているんじゃ、ちょっと時間的に間に合わないんじゃないですかね。
○松本小委員長 恐らく、議長会は来年の制度改正で反映してもらいたいという気を持っているでしょう。ということは、早く取り上げていかないと。それから、今、会長がおっしゃったように並行してやっていくというぐらいの気持ちを持っていないと対応できないのじゃないですか。そういう感じがしますが、どうですか委員の皆様、並行してやっていくということで。
○小早川副会長 私も結論としては並行してやった方がいいのではないかと考えます。既にこの議会の問題についてはいろんな現状の問題があって、いろんな改善方策を、多分、今のお話の各議会、関係団体では検討しておられるんだと思います。それともう一つ、先ほど今村委員から、これは自治体に任せるという視点も重要であるというのもあって、それもおっしゃるとおりだと思うんですけれども、やはり、私、地方議会の最初の議会に求められる役割についてどう考えるかというときに、自ずと幾つかのパターンがあるわけですね。世界各国の制度を見ても、小ぶりでもって自ら政策立案、そして行政執行まで責任を持つようなそういう議会、それから、もっと大型で政策のチェック機能に特化するようなものとか、あるいは監視・批判機能に重点を置くようなものとか、それぞれによって議会のサイズも違ってくれば、選出方法、選挙制度だって違ってくるでしょう。そういうのがある程度理論的といいますか、類型論的な整理も必要で、日本の地方議会が今後どういう方向に進んでいくべきなのかというところは要ると思うんですね。そうでないと、細かな一つ一つの論点ばかりやっていると、しかも、それを議会の方、大変失礼な言い方ですけれども、いいとこどりばっかりしてしまって、全体として住民から見るとどうなんだということにもなりかねない話だというふうにも−−ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、そういう気もしますので、大枠の議論というのは一方でやっておいて、それと、議会筋から出てくるご意見と突き合わせて考えていくというのがいいのではないか。
○松本小委員長 結局、大枠的な議論について、議論をしながら、個別のいろんな、恐らく三団体から出てくる意見というのは非常に具体的なことでしょうから、それを踏まえてまた検討すると、こういうことですか。どうぞ。
○紺谷委員 今、地方議会のお話ですね。それは当然、地方自治体にどれだけの権限を持たせるかということと重なってくる問題ですね。今のところは、中央の規制が強くて、議会で議論すべき事柄が余りにも少ないのですけれども、地方分権の問題として考えると、何を行政の長の権限とし、何を議会で決定するかということだって、それをここで決めていいのかどうかまで含めて大きな問題ではないかと思うんです。
  それで、ちょっと教えていただきたいんですけれども、不勉強でちらっと聞いただけでなんですが、アメリカでは大統領が非常に強い権限を持っている代わりに、予算案を除いては法案の提出権がないと聞いておりまして、基本的には議員立法ですね。なぜそういう形になっているのか。日本はほとんどが政府提案でありまして、議員立法がむしろ例外的になっているのですけれども、そのことへの評価も含めて、行政法のご専門でいらっしゃる西尾先生と小早川先生もそうだというふうにお聞きしたんですけれども、ご意見を……。
○松本小委員長 憲法論ならば長谷部先生ですね。
○紺谷委員 つまり、専門の方のご意見を伺わせてください。失礼しました。
○長谷部委員 私が専門家どうか怪しいんですけれども、アメリカの場合、確かに先生がおっしゃるとおり、制度上は大統領の行政府の側には議案の提案権はないことになっております。ただ、少なくとも重要な法案に関して申しますと、やはり、それは行政府の方でちゃんとその議案を、少なくともアイディアとその起草の大体のところはつくってあげた上で、それで気心の知れた連邦議会の議員に提出してくださいというふうにお願いをして出すというのが大部分であるというふうに通常言われておりますし、アメリカのいろいろな方々に聞いても大体そうである。恐らくそういう慣行がないと、あれだけ大きな国ですので、その行政と立法との協調関係をつくっていく、それから一貫した政策をつくっていくというのもなかなか難しいということで、そういう慣行ができているんだというふうに考えております。
○紺谷委員 拒否権はありますね、大統領には。
○長谷部委員 大統領には拒否権がございます。
○紺谷委員 すべての法案に関して拒否権があるわけではございませんね。
○長谷部委員 議会の議決したものについては拒否権がございます。
○紺谷委員 すべてに関してですか。
○長谷部委員 はい。もちろん拒否権を行使した後に特別多数で再議決された場合は別ですが。
○紺谷委員 それから、今は事実上はこうだということをご説明いただいたんですが、大統領に法律上は議案の提案権を与えていないという理念はどういうことから来ているんでしょうか。
○長谷部委員 これは建国当時の権力分立の考え方というのが、これは当時のイギリスの国政というのも参考にしておりますし、それをモデルにしたと言われているモンテスキューの権力分立の考え方も前提にした、そこの立脚点でそういう権限の形式的な分割がなされておりますけれども、これは諸先生方ご案内のとおり、当時のイギリスにいたしましても、アメリカ合衆国にいたしましても、現在のような行政国家ないし福祉国家ではございませんでして、国家としての役割というのもかなり限定されていたということを前提において考えないと、なかなか憲法の仕組みの理解としては十分ではないところもあるかなというふうに考えております。
○紺谷委員 つまり、連邦制だからと。
○長谷部委員 それとはちょっと違う話なのかもしれないとは思いますけれども。
○紺谷委員 併せて、日本の現状に対してのご評価も伺わせてください。
○長谷部委員 いろいろな評価もございまして、その点は私、この会議での諸先生方のご意見を含めて、これからも考えさせていただきたいというふうに考えております。
○松本小委員長 いずれにしても、この中に、例えば「議決事項のあり方はどう考えるか」という中にこれは入っているんだろうと思うけれども、やはり議会と執行機関の権限分割、そのことも一つの論点としては入れておいたらいいかもしれませんね。議決事項だけじゃないですから。それはよく検討してみてください。
  それでは、時間の関係もございますので、次に「地方税財政制度のあり方」について、質問なりご意見を伺いたいと思います。
○紺谷委員 質問が幾つかあるんですけれども、よろしいでしょうか。
○松本小委員長 どうぞ。
○紺谷委員 地方財政法を素人ながら読んでみましたらわからないことだらけということなんでございますけれども、例えば、10条ですけれども、地方が法令に基づいて実施する事務であって、国と地方相互の利害に関係がある事務のうち、以下のものについては、国が進んで経費を負担する必要があるとなっているんですけれども、まず、国と地方相互の利害という言い方に異和感があります。そうでないものがあるのかと言いたいぐらいです。そこで、いろんなものが列記されていて、経費の全部又は一部となっているんですけれども、この全部と一部の仕切りはどうなっているのでしょう。国と地方相互の利害に関して、その定義、運用規程というんでしょうかね、それをまず教えてくださいませんでしょうか。
○松本小委員長 ただいまの紺谷委員からのご質問につきましては、あらかじめ事務局が資料を用意しているように伺っておりますので、資料を配付させます。
  
(資料配付)

○松本小委員長 それで、この資料に基づいて、再度質問していただかなくても、事務局から、質問については差し当たり答えられますか。もう一度……。
○紺谷委員 質問した方がいいです。
○松本小委員長 それではもう一度、この資料に基づいて紺谷委員から質問していただけますか。
○紺谷委員 それから28条および9条には、都道府県知事が市町村に委任した事務に関しては、その経費は全額都道府県が負担しろとあるんですけれども、一方、国が都道府県及び市町村に委任した事務に関しては、必ずしも全額ではなくていいようなんですね。その違いはどこから来ているのか。
○松本小委員長 それではそのことについて。
○椎川財政課長 まず、地方財政法の考え方でございますけれども、9条が基本だと思っておりますけれども、事務の実施主体がその経費を全額負担するということによって、責任を明確にしようという考え方だと思います。その例外といたしまして、10条以下の規定があるんだと思っております。先ほどご指摘ありましたように、国と地方相互に利害の関係がある事務のうち、これは限定列挙でございますけれども、こういう各号に列挙されたものにつきましては、国がその経費の全部又は一部を負担する。何が相互に利害の関係ある事務であるか、あるいは、その全部又は一部はどういう考え方であるかということにつきましては、11条の方に規定がございまして、そういう国と地方公共団体とが経費を負担すべきものにつきまして、その経費の種目でありますとか、算定の基準でありますとか、あるいは2分の1であるのか、3分の2であるのかといったような負担割合については、法律又は政令でこれを定めるということで、個別法でそういうものを一つ一つ定めているわけでございます。
  それから、もう一つのご質問でございましたけれども、県が条例の定めるところによりまして、市町村の処理することとした事務等につきまして、この規定が除外をされているということでございます。国と地方との関係におきましては、考え方としては、先ほどの9条の関係、それから10条の4というところに、地方公共団体が負担する義務を負わない経費という、もっぱら国の利害に関係のある事務を行うために要する各号列記の経費につきましては、公共団体がその経費を負担する義務を負わない。要するに事業の実施主体が経費負担をするのが大原則という考え方で整理されておりますので、国と地方との関係におきましても、考え方としては同様のことかというふうに思っております。
○紺谷委員 この10条の4は当たり前のことですよね。費用を負担すべきは実施主体ではなく、権限を有する主体ではないかと思うのですが。国が100 %ないし100 %に近い権限を持っていることに関して、経費負担が半分ないしそれ以下ということが多々あるのではないですか、そのことについてお伺いしているわけでございます。
○椎川財政課長 要するに国と地方の関与の関係、国が実質的な決定権を持つかどうかということとは別に、地方財政法は、基本的には事務の実施主体がその経費を全額負担する。ただし、この10条以下の規定にございますように、双方に利害の関係がありまして、その経費を持ち合う必要がある場合には法律をもってそれを定める、こういうふうにされているものでございます。
○紺谷委員 国が都道府県とか市町村に実施しろと命令したときには、実施主体がその経費負担の義務を負うんですか。
○椎川財政課長 基本的な考え方としては、まずは実施主体が全額経費を負担するということでございます。ただし、先ほど来ご説明しておりますように、双方に利害の関係がある事務で、その円滑な運営を期するために国が進んで経費を負担する必要がある各号列記されました、限定列記されました経費については国が負担をすると、こういう立て方でございます。
○紺谷委員 例えば、12条というのもありますね。これは警察とか防衛庁とかこんなものだけなのかなというふうに思いますけれども、地方公共団体が処理する権限を有しない事務を行うために要する経費に関しては、その経費を負担させるような措置をしてはならないというような文言がありまして、要するに基本的には、地方に過分な負担を強いるなという理念が地方財政法にはあるような気がいたしまして、今のご説明とは真っ向から対立するような印象を私は受けましたが、いかがでございましょうか。
○椎川財政課長 12条の規定は処理する権限を有しない、例えば、国が処理している事務でありますとか、あるいは独立行政法人でありますとか、従来でありますと、特殊法人が処理している事務について、法律の規定がありましたら、それは解除されるわけでございますけれども、その経費を地方公共団体が負担する義務を負わない、そういう基本原則を書いたものだというふうに理解をしております。
○紺谷委員 先ほどの実施主体というお話からいきますと、第28条に先ほども申しましたけれども、都道府県が市町村に実施を委任した事務に関しては、100 %都道府県がその経費を負うというふうにありますけれども、その不整合はどういうふうに解釈なさっていますか。
○椎川財政課長 これは地方公共団体の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担するわけでございますけれども、特殊な例として、県が条例によりまして、市町村に処理をすることをお願いすると、そういうようなものについて、本来、これは県の事務だというふうに法律上整理されているわけでございますから、その限りにおいて、括弧書きで除外をしているのではないかというふうに理解しています。
○紺谷委員 お話しいただいていることが、全然私には理解できません。こう決まっているということではなく、なぜそう決まっているのかを教えていただきたいのですが。もう一つ知りたいのは、13条の1条でその経費を地方公共団体が負担する国の機関に関して、不服がある場合、内閣を経由して国会にその問題点を言えと書いてありますね。一方、17条の方に関しては、自治省を通して、自治大臣でしたか、というふうになっていて、どうして内閣を通すものと自治省を通すものと両方あるんでしょうか。
○椎川財政課長 今の13条の規定と、もう一つは何条……。
○紺谷委員 17条の2項の3。
○椎川財政課長 ちょっと今、手元に17条ないものですから調べてお答えをいたしたいと思います。
○紺谷委員 一種の前置主義というんでしょうか、内閣とかあるいは行政府を通さないと国会に文句を言えないというのは、一般に国民が当該行政府に不服審査をした後でなければ、司法に言いつけられないというのと似ているような気がするんですけれども、これはどういう理由からこうなっているのでございましょうか。
○椎川財政課長 ちょっと突然のご質問で、私も今すぐお答えできませんので、また調べてお答えさせていただきたいと思います。
○松本小委員長 紺谷委員、まだいろいろございましょうけれども、委員の皆さん方、まだご質問があるかもしれませんので。
○紺谷委員 はい、結構でございます。私もなおよく勉強したいと思います。
○松本小委員長 すみません。それではほかの委員の方、ご意見やご質問ございますか。
○貝原委員 私、前回欠席しましたので、地方六団体のご意見はお聞きしていないんですが、一番最初の総理が見えになった会のときには、地方自治体から財政の問題について非常に厳しい意見がたくさん出ていましたですね。先ほどもちょっと申し上げましたけれども、財政制度審議会、税制調査会等もありますし、経済財政諮問会議でまたこの問題についてもいろいろ取り組みが始まるというような報道を見るんですが、地方制度調査会としては、この問題については大体年末ぐらいに、今までですと緊急に提言なんかをやるケースが多かったんですが、そういうようなスケジュールでこれは考えておられるのでしょうか。
○松本小委員長 これはむしろ、まず事務局の意見を聞かせてください。財政局長の方がいいですか。
○瀧野自治財政局長 経済財政諮問会議等でいろんな議論が今されているわけでございますが、我々といたしましては、そういった議論について、どういう方向になるかということについて、まだはっきりしたところがないわけでございます。したがいまして、一言で申し上げますれば、状況を見させていただきたいということでございます。今日、総務大臣が経済財政諮問会議の方に大臣の考え方をまとめて出すというようなこともございますので、適当な機会にまた、それについて状況報告をさせていただければと思っております。
○松本小委員長 貝原委員それでよろしゅうございますか。ほかの委員の先生方も、とりあえず今の財政局長の答弁でよろしいですか。
  それではそういうことで。それでは次のご質問なりご意見ございませんか。
○紺谷委員 地方財政の危機が非常に重要な課題となっているようでございますけれども、地方財政危機の原因の分析ということをぜひしっかりおやりいただかないと、その対策は論じられないんじゃないかと思うんですね。なぜ財政危機に陥ったのかということです。放漫財政をしたからなのか、税収が減ったのか、という問題は非常に大きいと思うんです。何となくマスコミなんかの報道を見ますと、地方が中央にぶら下がって何でもかんでも、ちょうだい、ちょうだいと言って補助金をもらっていたというようなイメージなんでございますけれども、そもそも補助金も負担金も、必ずしも地方の意思決定によらないものが多かったと思うんです。まして義務的経費の負担をどんどん国が削ってきたという現状がある上に、景気運営を誤って税収が極めて大きく落ち込んだという事実があるわけですね。その辺の原因分析をせずに、財政危機なんだから町村合併だというふうにお考えになったんではよもやないと思いますけれども、まずは原因分析をきちんと、どこかで総括しておくということは必要なんじゃないんでしょうか。
○松本小委員長 そのほかご意見ございますか。
○室谷委員 今の紺谷委員の質問ですが、私は地方自治体の出身でしたものですからお話させていただきますと、国と地方との税財源の徴収の仕組みが違いまして、経済が疲弊してきますと、県税である法人事業税というのが入らないという、それが一番大きな問題です。ですから、経済の動向にものすごく影響されるという、地方の税金の構造的な仕組みを変えなければならないということが基本にあるかと思います。すみません、そういうことでよろしいですか。
○紺谷委員 そういうご意見をいただきたくて申し上げました。
○室谷委員 すみません、私の方から1つ。やっぱり道州制を考える場合には、先ほども出ておりましたけれど、権限と財源をきちんと地方に移譲していただかなければ、本当の意味での道州制を考えることができないということがあるわけです。この論議の中で、多分この税財源をどういうふうにしていこうかという議論が出るかと思うんですけれども、税財源を移譲した場合でも地域間格差がすごく出てくるだろう。その場合には、やはり地方交付税の問題と併せて考えていかなければならないだろう。その辺も併せて検討していただきたいし、きちんとした何が移譲できるかというところまで議論していただきたいというふうに思っております。
○松本小委員長 ありがとうございました。そのほかございますか。
○諸井会長 次官ね、財政の問題について、地制調として何か言うような場面というのが出てくる可能性はあるんじゃないですか。今、貝原先生からのご質問があったんですけれども。
○松本小委員長 次官どうですか。
○香山総務事務次官 どのタイミングで出てくるかはわかりませんが、おっしゃるとおりあると思います。差し当たっては、6月の初旬に「骨太の方針2004」に、三位一体の改革についてどういうふうに書くかというのがちょっとした小競り合いになる可能性があります。それから概算要求時期、それから、私どもが具体的に交付税の要求等をする時期、それから暮れの大詰め、それぞれの節目節目で、財政についてはやはり地方サイドというとあれですが、国家全体のために、地方財政はどうあるべきかというご意見を当然ちょうだいすべきだと思っておりますので、私どもその状況に応じてご相談をさせていただきたいというふうに思います。
○松本小委員長 それではそのほかございませんか。
  それではよろしいですか。この税制財政のところは議論があると思っていましたので、ちょっと早く進め過ぎたかもしれませんが……。
○諸井会長 三位一体は具体的に議論になっていかないとなかなか展開しないですから、今日はこれでいいんじゃないですかね。
○松本小委員長 それでは、次官も用事があるようですし、財政局長もおられませんので、ちょっと早いですけれども……。
○貝原委員 財政の問題じゃないんですが、前回もそうだったんですが、地方分権の基本的なあり方についての議論、共通認識を持つべきだという意見が非常に多いんですね。それがこういう場合には、私の経験からすると、今までこれはどういう流れでここまで経過進んできたかという資料を、大体、冒頭説明をしていただくのが普通なんじゃないかと。そういった意味では、私の記憶では第3次行革審から分権問題は始まっていると認識しているんですが、あのころからのずっと、各審議会とか調査会の意見ですとか、それに対して政府がどういう措置をとったかという経過を一回ご説明していただいた方が、みんな今後議論する上でコンセンサスがつくりやすいんじゃないかという気がするんですが、いかがなものでしょうか。
○松本小委員長 そのことについて、委員の皆さんから特段の異議はないと思いますが、そういうことは皆さんわかっておられることを前提に議論をしているんだという意見もあるかもしれませんけれども、よろしいですか。それでは、ご苦労ですけど、事務局、そういう資料を……。
○石川自治政策課長 承知しました。
○紺谷委員 併せて地方税財政の仕組みの基本についてもいろいろお教えを受けたいと思うんですよ。個人が勉強するには限りがありまして、特に私は頭が悪いのかなかなか入らないんですよね。だから、補助金とか負担金とか、今の地方財政法に関しましても、交付税法に関しましても、きちんとそもそもの理念とか、実際の運用のあり様とか、どういう基準でこうなっているというようなことをわかりやすくご説明願えませんでしょうか。併せて、外国がどうなのかということも教えてください。日本は極めて特殊なような印象を受けておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○松本小委員長 それでは財政局の方、税財政ですね。よろしくお願いします。
○西野委員 5番のところの「地方税財政制度のあり方」について一言意見を申し上げさせていただきます。税財政制度の検討に加えて、地方自治体の歳出なり財源の使い方に関しての「評価システム」についての議論も必要だと考えます。税財政制度の改革を効果あるものにするには「評価システム」の整備が不可欠だと思います。この問題を議論するゆとりがございますでしょうか。
○松本小委員長 委員の先生方、今の意見について、ここで要するにそういうことも取り上げて議論するべきだと。評価システムですね。そういう方向で、事務局、そのことについて特に何かございますか。それでいいですか。
○世古委員 税財政の問題ではなくて、議会のところなんですけれど、「議会のあり方」について4番というふうに出ていますが、これは1番、2番にも大きくかかわることで、横軸を貫く問題だと思うので、一括で議会が、例えば道州について議会をどうするか、それから大都市についてどうするかということについては、議会のあり方というのは、それぞれのところにきちんと入れていただくことと、それから、ぜひ資料として、議会のあり方について、小規模の市町村のあり方についてを考えていくと、私などは、本当に小さな小規模なところは、議会はボランティアでもいいのではないかと考えることもあるわけですね。そういう意味では海外の事例も含めて、どんな議会制度のあり方を検討する前提としてチョイスというか、選択肢があるのか。そういったことは多分、議長会からも出てくるのかもしれませんが、事務局の方でもご存じだと思いますので、一回整理して教えていただけるといいかなと思います。私が申し上げたいのは、「大都市のあり方」のところで、特に議会制度をどう考えるか、道州制についてどう考えるかという論点の項目をきちんと入れていただくということをお願いしたいと思います。
○松本小委員長 ただいまの委員のご意見で、特別に委員の先生方から何かありますか。事務局、何か今のことについてあります? 特にないですか。
  それではよろしくお願いします。篠崎委員どうぞ。
○篠崎委員 ちょっと違う観点なんですが、あり方を議論するわけですね。そして、その上で実際にどう実施していくのかというあたりで、前回、岡山県知事さんからは、道州制は全国一斉にお願いしたいというご意見がございました。ここにも一斉にするのがいいのかどうかということがありましたけれども、やはり、実際に道州制を実現するとすれば、その持っていき方というのは非常に重要だと思いますので、私は、例えば特区のような形で実際にできる地域からやっていって、その上で移行するというふうなことも選択肢の一つではないかという気がいたしますので、そのあたりはあり方と同時に、実現に向けてどういう方策を選択をするかということも議論させていただければなと思っております。
○松本小委員長 今のことについて委員の皆様から……。
○紺谷委員 ちょっと難しいと思いますよ、わかりませんけど。ドブロクとはわけが違いますから。
○松本小委員長 篠崎委員の御意見も踏まえて議論することとしてはどうですか。要するにプロセス論でしょう。論議をして、難しければ、難しくて結論が出なかったということでしょうから、そういうことにしたいと思います。
  それでは、たくさんの意見をいただき誠にありがとうございました。本日いただきましたご意見を踏まえながら、引き続き論点をまとめていきたいと思います。
  では最後に、次回以降の日程について事務局より説明をお願いいたします。
○石川自治政策課長 本日ご審議いただきました審議事項に関する論点でございますが、さらに、事務局におきまして整理を行わせていただきたいと存じます。また、次回の専門小委員会でございますが、5月下旬に開催できればと考えております。具体的な開催日時につきましては、調整の上、事務局より案内させていただきたいと考えております。
○西尾委員 5月20日というのはありません?
○石川自治政策課長 5月20日も一応候補でございますが、まだ確定ではございません。また後日連絡させていただきます。
○松本小委員長 会期末になって国会の状況等いろいろ出てくるものだから、事務局も日程を決めにくいのですよ。
  それでは、事務局の説明どおり、次回の専門小委員会は5月下旬に行っていただくことといたしたいと思いますが、具体的な日時については事務局よりご案内いたしますので、よろしくお願いいたします。
  なお、その際に、ただいまたくさん資料等のご要求がありましたが、なかなか一度に皆さん方の方へ整えるのが難しいこともあろうかと思います。そのときには、そういう資料を要求なさった先生によく連絡をして、打ち合わせておいていただきたいと思いますが、そのことをよろしくお願いいたします。
○石川自治政策課長 了解しました。
○松本小委員長 それでは、これをもちまして、第3回の専門小委員会を終了させていただきます。長時間たくさんのご意見をいただいて誠にありがとうございました。

閉会

 

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