第
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平成20年6月17日(火)14時00分〜16時00分 三田共用会議所第4特別会議室(4階) |
1 | 開会 |
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議題 議会制度及び地域自治区制度について |
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3 | 閉会 |
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配付資料(PDF) | ||||||
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○林小委員長 それでは、時間がまいりましたので、第11回専門小委員会を始めさせていただきます。
本日は、前回に引き続きまして、議会制度及び地域自治区を議題に意見交換を進めたいと思います。
まずは、事務局より30分程度御説明をいただいた後に、委員間での意見交換を行いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○行政課長 それでは、説明をさせていただきたいと思いますが、前回の資料に加え、今回提出させていただいた資料は、今回提出資料ということで印をつけさせていただいております。今回提出資料の部分と、前回時間が余りございませんでしたので、少し簡単に説明した部分を補足説明させていただきたいと思います。
まず、資料1「現行の議会制度について」でございます。
委員の選出について。この部分で選挙区のところを説明させていただきます。都道府県議会議員の選挙区は、郡・市の区域によるとされております。これは明治11年の府県会規則以来の制度でございますけれども、昭和10年に群・市の区域の人口が著しく少ないときは合区できるという制度が導入されました。また、昭和33年、町村合併の進捗の結果、区域に著しい変動が生じたことなどにかんがみまして、強制合区、任意合区、飛び地特例などが設けられているところでございます。
指定都市市議会議員については、行政区の区域が選挙区とされております。
その他、市町村議会議員につきましては、原則その市町村の区域をもって選挙区となりますけれども、特に必要があるときは条例で選挙区を設置できるとされております。この特に必要があるときにつきましては、昭和22年11月29日の実例におきまして、例えば、町村合併等のため区域が広大である等のことが考えられるが、その他、各市町村の実情に応じて判断すべきものであるという実例が過去に出されております。
また、現在選挙区を設置している団体数でございますけれども、統計としては平成17年4月1日現在で73団体ということでございます。これは市町村合併等に伴って選挙区が設置されているということでございます。ちなみに平成14年10月時点では選挙区を設置していたのは3町のみでございます。
2ページ目は、条例で定数を定めるに際しまして、自治法において人口区分ごとに上限が法定されているというものでございます。また、町村は条例で議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができるとされております。町村総会につきましては、それ自体が当該町村機関の議事機関でありまして、とりもなおさず憲法で言うところの議会にほかならないと解して差し支えないと解されているところでございます。
この町村総会に関しましては、地方自治法第95条によりまして町村の議会に関する規定が準用されております。権限、招集、会議、運営方法等町村議会に準ずるということでございます。なお、議員定数や議員の選挙、議員の任期、議会の解散に関する諸規定については、町村議会に関する規定は準用されないということでございます。
なお、町村総会が設けられた例でございますけれども、町村制施行時におきましては、神奈川県芦之湯村というところで行われております。このときには前回説明させていただきましたが、当時は公民という制度だったわけですけれども、公民数が6人にすぎなかったということでございます。
それから、地方自治法の施行後では東京都の宇津木村で、人口が65人、有権者数が38人ということでございまして、昭和26年4月から町村総会を設けておりましたが、昭和30年4月に八丈町に編入されたということでございます。
現在、町村総会の例はございません。
次に、4ページでございます。議員の報酬でございますけれども、今国会におきまして議員立法によりまして地方自治法の改正がされました。6月18日に公布ということでございます。そこで、議員の報酬につきましては、今まで非常勤の委員等と同様の名称、同一の条文になっていたものを分離いたしますとともに、地方議員に固有の名称として、今までは「報酬」だったわけですが、「議員報酬」という名称に改められたところでございます。
また、議会の活動として全員協議会あるいは会派代表者会議等、これまでは正規の活動として位置づけられておりませんでしたけれども、こういったものにつきまして会議規則によって正規の議会活動と位置づけることができるという規定が、新たに地方自治法に設けられたところでございます。
6ページでございます。「今回提出資料」という印を前回と異なった資料あるいは追加資料についてはつけさせていただいております。議会の議決事件につきましては、前回、制限列挙事項というような、これまで通常使われていた言葉を使っておりましたけれども、議決事件については必要的議決事件と任意的議決事件という形で表記する方が正確ではないかということで改めさせていただいたものでございます。
以上で、資料1の説明は終わらせていただきます。
次に、資料2「地方議会について」でございます。5ページをお開きいただきたいと思います。地方自治法第96条第2項の規定に基づく議会の議決すべき事件というものを、もう少し詳しく内訳を説明してほしいという委員からの御要望があったところでございます。現在、都道府県につきましては、条例を制定している団体数は47団体のうち30団体ということでございます。前回その議決事件としてはどういうものが多いかということについては、基本計画とか男女共同参画計画等の計画ものと定数といったものがあるということだけ説明させていただきましたけれども、少し例を詳しく説明させていただきたいと思います。
基本的な計画の策定としましては、県行政全般に係る基本的な計画、男女共同参画計画、環境保全計画等々がございます。また、労働委員会の事務局の職員についての定数を議会にかけているという例が幾つかございます。それから、法人に対する出資の割合が4分の1以上になる場合の出資または出捐について、予算とは別に単項議決として定めている例が三重県でございます。
それから、滋賀県の例でございますけれども、水資源開発促進法、ここにはこの法律を書いてありますが、そのほか幾つかの琵琶湖に関係する法律に基づいて、知事が大臣に意見を述べる際に議会の議決にかからせているというものがございます。
6ページは市町村議会についてでございます。市町村議会では1,804団体のうち228団体ということでございます。多い例としましては、名誉市民・表彰などが105、計画が88ということでございます。計画につきましては、先ほど都道府県の例がありますような基本計画のほかに、法律に定められた計画を対象にしているものもございます。都市計画マスタープラン、これは稚内、栗山町、四日市市等でございます。介護保険事業計画は、四日市市でございます。そのほか水防計画等を定めている例もございます。
それから、1件100万円以上の出資または出捐、市民憲章・都市宣言というのが28団体、姉妹都市が25団体、第三セクターの株主総会において重要事項の議決権力を行使することということで、これは旭川の振興公社とか歌志内の振興公社とか幾つか例はございますけれども、定款の変更とか会社の解散の際に議決権の対象としているものでございます。
それから、情報公開審査員の委嘱、個人情報保護委員の委嘱について対象にしているという例があるということで、委員委嘱については13団体でございます。
7ページは、前回、斎藤委員から御指摘のあった関係の資料でございます。住民訴訟の継続中に議会が対象となった権利を放棄する旨の議決をした条例でございます。
初めの事例は一審判決で住民が勝訴したということで、それを町側が控訴するということでございます。控訴審の判決は上記議決、上記議決というのは平成10年の放棄の議決でございますけれども、それを有効と判断しているという例でございます。
2番目の例は、町長が権利の放棄を提出して議会が可決したのですが、住民側が敗訴している。つまり議決は有効だとされている、そういう事例でございます。
その次は、一審判決で住民側が勝訴した、その後権利放棄をしたということで、その後の判決で全面敗訴しているということでございます。
4番目の例は、一審判決で住民が勝訴して、その後放棄したという事例でございます。
8ページをお開きいただきたいと思います。全員協議会の開催状況についてでございます。都道府県議会の数、開催回数等の資料でございます。
9ページは市区議会についての資料でございます。
町村議会については10ページでございます。
資料2については以上でございます。
なお、前回、英国の各選挙区の議員定数の根拠というのは何で定められているのかという御質問がございました。これはイギリスの各選挙区の議員定数は、セカンダリー・レジスレーションという二次的立法という、法律に準ずるものとして国会で決定されているということでございます。したがって、定数は立法で定められているということでございます。
次に、資料3をお開きいただきたいと思います。
7ページでございます。諸外国における地域自治組織の実態等についてでございます。前回の資料は余り詳しい資料ではなかったので、今回提出した資料に基づいて順次説明をさせていただきたいと思います。
まず、英国についてでございます。英国はパリッシュという名称でございますが、設置根拠は法律でございます。組織数が1万ということで、議会方式が8,700、残りはいわゆる日本で言う町村総会方式ということでございます。規模としては2,500人未満が8割強、500人未満が4割ということでございます。
委員の選出方法は直接選挙でございます。イギリスは委員数は人口によって5〜20名程度、5名以上は必要とされています。報酬は無報酬でございます。任期は4年。審議頻度は月1回程度で、曜日は定めず、夜間に開いているところが多い。
権限等でございますが、審議の結果について市に意見具申を行っているということで、具体的審議事項としては都市計画、地域における事業などでございます。また、市民ホールの管理とか地域交通、防犯などの事務を実施しているということでございます。
予算については、地方税に裏づけられた予算がある、国からの補助金が得られることもある。事務局体制としては、ほとんどいない。若干名の事務局員ということでございます。
次に、米国でございます。これはピッツバーグの例でございますが、近隣協議会という名称で、州法で定められている。組織数が90でございます。ピッツバーグの人口は32万人でございますが、32万人のところに90あるということでございます。約3,500人程度でございます。これは任意で住民に参加してもらって、そこで互選しているということでございます。委員数は10〜20名程度、任期は2年。教員や退職者などがなっている。月1回、火曜日の19時から開始しています。
権限でございますが、市の委員会等への参加を通じて提案や主張を行っているということで、その審議対象としては都市計画等々であるということでございます。
一応、今回の各国は、英米と大陸のフランス、ドイツ、それと北欧ということでデンマーク、ノルウェー、スウェーデンを対象に説明させていただきたいと思います。
次にフランスは、近隣住区評議会という名称で、2002年の近隣の民主主義法という法律によって設けることとされたものでございます。パリにおきましては、人口が217万人でございますけれども、大体地域自治区の範囲1万8,000人、リヨンの場合は1万4,000人ということでございます。なお、大都市のパリ、リヨン、マルセイユにおいては、近隣住区評議会と自治体との間に地区というものが設けられておりまして、こちらは直接選挙で市議会議員と同時に選ばれているということでございます。
この近隣住区評議会は、名称はカルチェ、地区ということでございますけれども、市長からの提案によってコミューン議会の議決によって選出されるということでございます。
委員数は10〜20名程度で、任期は2年。50〜60代の男性が多い。総会は年に4回程度、テーマ別の委員会を月1回ということで、平日の夕方に行っているということでございます。
審議の結果を市に意見具申する。意見に拘束力はない。具体的には開発計画、道路の建設等を審議している。事務の執行は行わないということでございます。
予算でございますが、議長が150ユーロの予算を持つ。運営費は市が支出している。事務局員は3〜4人ということでございます。
ドイツのバーデン・ヴェルデンベルク州でございます。ここは地区、ベツィルクということで州法で定められております。この議員は直接選挙によって市議会の通常選挙と同時に施行されて選ばれているということでございます。
委員は10名程度で無報酬、任期は5年。地区評議会は少なくとも年3回審議を行うということでございます。平日の夜間に行っていると。
審議の結果を市に意見具申を行うということで、一般的に拘束力はないわけでございますけれども、ベルリンなどにおきましては直接決定できる権限を持っているということでございます。
次は北欧のデンマークでございます。コペンハーゲン市は区議会ということで、これは市の条例によって定めておりまして、区が10区設けられております。コペンハーゲンは52万人の都市ですけれども、10ですから約5万人の規模ということになります。市議会の政党が推薦するものと、団体の代表者が選ばれて、それを市議会が承認しているという2種類の区議会議員がいるということでございます。
それぞれの区には23人の議員がいて、無報酬、手当はない。任期は4年、団体の代表としては学校や
審議の結果は、市に意見具申を行うということでございます。区の交付金の予算の使途について決定ができるということで、事務の執行は行わないということでございます。
市から300クローネ程度の区交付金が出されているということでございます。
ノルウェーでございます。区議会で、オスロ市でございます。56万人の首都でございますけれども、ここに15区設置されているということですので、1区当たり3万5,000人という規模で、直接選挙で選ばれております。15人の議員がいる。そして、報酬もあるし、手当もあるということでございます。任期が4年。委員の属性としては、年金生活者、教員、主婦、エンジニア等々でございます。
月1回、火曜日の夜間に行っているということでございます。
この区議会は、かなり権限を持っていて、区の行政について意思決定をしているということで、高齢者福祉、児童福祉などを審議し、具体的な福祉業務を執行しているということでございます。
区に配分されている市からの交付金は、市の予算の約4割を占めているということでございまして、区役所の職員が1区当たり1,200人規模ということでございます。
スウェーデンのマルメ市でございますが、人口は27万人でございますが、10の区議会が設置されているということでございます。これは法律に基づくものでございます。ここはオスロと異なりまして間接選挙ということで、市議会による選出でございます。議員数は13名ということで、報酬は支給されている。4年の任期でございます。委員の属性は、市議会議員も含まれています。
審議の頻度は月1回で、水曜日の夜に行われているということでございます。
区の行政について意思決定を行っているということで、区の予算、教育、福祉等々、そして、事務、教育、福祉、文化行政などを行っているということでございまして、市から区に対する交付金は市の予算の77%を占めていて、1区当たり職員が900人いるということでございます。
次に、11ページをお開きいただきたいと思います。前回、地域協議会の構成員の公募につきまして、より具体的な内容について説明してほしいという要望がございましたので、今回提出させていただいております。
まず、北海道のむかわ町から構成員の選任日、公募枠、実際の応募者、公募期間、周知手段、応募方法、選定方法等について順次記載をさせていただいております。むかわ町については、公募枠が8人のところ9人が応募して、21日間公募したということでございます。
横手市につきましては、120人というのは非常に多い数字に見えるかと思いますが、最大の全体枠を120と設定したということのようでございます。42人応募があって35人選任したということでございます。
香取市は、8人の公募枠に20人応募した。
甲州市は、13人のところ19人。
飯田市は、58人のところ58人ということで一致しているんですけれども、飯田市に聞きましたところ、同一となったのは偶然で調整の働きかけは一切していないということでございました。
豊田市は、55人のところ62人の応募があったということでございます。公募期間は20〜30日間ぐらい大体とっているということでございます。
以上で、説明を終わらせていただきます。
○林小委員長 ありがとうございました。
それでは、前回余り時間がございませんでしたので、今日は追加の日程ということで議会及び、地域自治区制度について意見交換を行いたいと思います。
まず、関連しているんですけれども、議会につきまして意見交換を行っていただきたいと思います。まず、御質問等ございましたら、どなたからでも結構ですので。
○金子委員 議論の前提の話をさせていただきたいと思います。議会制度の在り方というのは、第29次地方制度調査会の審議項目の中のチェック機能の充実という大項目の中で、議会制度の在り方という項目が出ているわけですけれども、議会はとりもなおさず首長とともに地方公共団体の構成機関です。地方公共団体の事務について、地方分権をどう進めるかと点に関し、先日、地方分権改革推進委員会の方から第1次勧告が出まして、その中で国の主に地方支分部局から都道府県に権限を委譲するもの、都道府県から主に市に権限委譲するものということで勧告がなされたわけですが、そうなると、基礎自治体の事務も変わってくる。基礎自治体のあり方については、第29次調査会の審議項目にあるんですが、そういう権限委譲の流れの中で議会制度の在り方を検討するには、やはり議会及び執行機関を含めた基礎自治体の果たすべき役割について、しっかり議論しておかないと、議会制度の細かいところをグチグチ言ったって、それは枝葉末節にすぎなくて、制度の根幹たるところの議論にならないと思うのです。そこをしっかりととらえないと、どういうふうに議会制度を組んでいくのかというのも、うまく議論できないんじゃないかと思います。
そして、基礎自治体の果たすべき役割になりますと、基礎自治体といっても大きなものから小さなもの、小さなものは合併しようにもできないものから、一部の県を超えるような人口規模や、財政規模を有するような大都市も存在するという中で、これは審議項目にあった大都市制度のあり方とも関係してくるわけなんですけれども、その基礎自治体の果たすべき役割をきちんとここで議論しておく、それを踏まえてから議会制度の在り方ということを議論していくべきじゃないかと思います。以上です。
○林小委員長 私も、やはり今後の議会だとか執行機関を議論するときに、そもそも基礎自治体が分権時代にいかにあるべきかということを踏まえて議論しなければいけないと十分過ぎるほど承知しております。ただ、今後、基礎自治体の在り方を考えるときに、やはり税財政システムをどうするかといったようなことも当然議論が出てくるわけですので、とりあえず現行システムの中で今の議会の機能を強化する、あるいはそのための自由度をどこまで拡大するのか、あるいは幅広い階層に活動に参加していただくためには、どのような手だてが必要なのかということについて議論しながら、そして、これは議会だけではなくてあらゆる問題に関連していて、実は第29次地方制度調査会のできれば後半部分でそういうことを議論しながら、次の第30次に結びつけていくといったようなことをしたいと思っております。ただ、2年の任期ですので、しかも、課題が山積しておりますから、どの程度時間がとれるかということは、場合によってはもう少しこの委員会を開かなければいけないかもしれませんが、そういうつもりで運用させていただきたいと思っている次第です。金子委員がおっしゃることは、まさにそのとおりだと思います。
そして、分権改革推進委員会と両輪ですので、向こうが提案されたことに対して、こちらとしては制度づけをするということも非常に重要なことですので、それは強く意識しながら、とりあえず今ある足元の問題点に何とか決着をつけながら、並行的にというのはなかなか難しいかもしれませんけれども、その決着をつけるときに、少し議会のそもそもの在り方ということも含めながら御意見をいただければありがたいと思っております。
金子委員に今おっしゃっていただいたことは非常に重要なことだと思いますが、そういう形で進めさせていただければと思っておりますので、そのような形で行かせていただいてよろしいでしょうか。
○金子委員 当面の問題ということになってくると、事務局から出された資料を見ると、市議会、それも中規模の人口30万人とか40万人の市をイメージされて出されているような気がするんですよね。単なる印象ですけれども。それを前提に議論してしまうと、例えば、すごく小さいところとか、すごく大きいところに当てはまらないことは無視してしまうというか、いろいろな地域特性がすごくあるのに、それを無視して議論するというのは枝葉末節だけをやっているという感じがしていて、それこそ地方制度調査会でやるような話なのかなと、若干疑問に思わないでもない。だから、細かいところは行政部局の方でやっていただいて、地制調でやらなければいけないのは哲学というか基本的な考え方、細かい制度設計をするためには、基本となるのはこういう考え方なんだから、これを基に論理的に考えていけばこうなるよというような、そこは任せてもいいんだけれども、その根本をきちんとしておかないと、場当たり的な議論にしかならない。地方分権改革推進委員会の方からお願いされた審議事項は、第一次勧告の中にも書いてありますけれども、地方自治法制の見直しについては地制調でやってくださいと書いてあるので、この改革推進委員会の方からやってくれと言われているところをすり抜けてしまうというか、真っ向から行くのではなくて斜めに行くような感じになって、例えば、一般国民の方から見たら何なんだということにならないかと、私は若干心配するわけです。
○林小委員長 よくわかります。だから、議会もやはり地域性だとか規模だとかというのがありますから、これは一律に語ることはできないということもそのとおりだと思うんですね。ですから、その辺りも当然議論していかなければならないことなんですが、さはさりながら、やはり共通している問題ということもあるでしょうし、枝葉末節かどうかというのはまだ判断するのは非常に難しいところですので、この辺り事務局いかがでしょうか。
○行政課長 今、金子委員がおっしゃられましたけれども、別に特定の規模の団体を想定して資料をつくっているわけではございませんし、それから、議会制度全体についてどうあるべきかというのが総理からの諮問事項で、監査についてもそうですけれども、きちんと議会とか監査が機能を果たしているのかという制度的な面をよく議論してくれというのが諮問事項でございますので、大きな団体、中規模あるいは小規模な団体全体を見て議会制度はどうあるべきかという、まさに地方自治制度の根幹を成す重要な事項だと考えておりますので、この事項を議論することと基礎自治体を議論すること、両方が重要だと思いますけれども、順次監査、議会という形で議論を進めていくということは、別に枝葉末節ということにはならないと考えております。
○林小委員長 今のは議論の根幹にかかわるような問題ですけれども、それ以外にまだ御意見・御質問ございませんでしょうか。
○江藤委員 今、金子委員の話を聞いていて、一応確認をした方がいいと思うんですけれども、議会の基本的なことで、まだまだ解決しなければいけないことというのはたくさんあるんじゃないかということを感じました。その点で、特に地制調に参加させていただいて議論のトーンというのが自由度を高める、恐らくは任意性とかそれぞれの規模ごとに選択的なことが考えられるんじゃないかと思っています。そういう意味では、末節なところというよりは、かなり本格的な議論を今回議会改革ではやらなければいけないのではないかと思いました。
その関連で言えば、地方議会改革のベースキャンプはどこなのかの確認なんです。今お話ししたように、特に片山副会長がずっと強調されていた選択制だとか自由度を高めてくるということであれば、議会の組織だとか運営についてはかなり自由にしていくんだよという確認をしたいと思っているんです。そういうことであれば、自治法について、従来、結構縛りを強く解釈していたと思いますが、この地制調では、禁止していなければ基本的に自由に決めていいんじゃないかというトーンで議論されていたんじゃないかと、私は思っているんです。そういうようなことをまずは確認していいのだろうか、禁止されていなければ創造的に組織や運営について自由にそれぞれの自治体で考えて実施するんだよと理解していいのか。私はしたい、できると思っているんです。
その上で、議論するのはどういう対象になるかと思うんですが、勿論それぞれの地方制度調査会というのは何次、何次と分かれているのでしょうけれども、第28次というのは、ここで残られている方もいらっしゃるんですが、そのときにかなり重要な論点について議論されていたんじゃないかと思うんですね。ですから、そこで何ができて、何がまだ不十分で先送りされているのか、そこの対象に上がっていないのは何かというところを報告していただいて、論点整理された方が議論が進みやすいんじゃないかという提案を含めてさせていただきます。
あと、1点、今日の資料ですごく勉強になったなと思ったのは、議決事件のところで必要的議決事件と任意的議決事件という区分は、もともとそういうふうに分けられていたんですか。必要的なものは制限列挙といい、従来は任意的なものはかなり消極的に理解されていたのとはかなり違います。必要的なものを義務的と置き換えてもいいなと思うんですけれども、より積極的に理解されている。こういうことへ進んだんだなということも含めて、ちょっと余計なことも言いましたけれども。
○林小委員長 1点確認ということですけれども、それはいかがでしょうか。
○行政課長 必要的議決事件、任意的議決事件というのは今回初めて使わせていただいたわけですけれども、これまで、自治法に書いてあるということではないんですが、議決事件を制限列挙事項という表現をしていたんですが、この用語ですと、制限していると誤解を与える面があるのではないかと。追加できるわけでございますし、ただ、法定受託事務については追加できないということがあるわけですが、そういう意味で、より今の制度に近い表現をした方がいいのではないかということで、必要的議決事件、任意的議決事件という形で表現を修正させていただいたということでございます。
○林小委員長 禁止されていないものは自由にやっていいのかどうかというのは、私もちょっとよくわかりませんけれども。
○行政課長 具体的には、個別に考えなければいけませんけれども、一般論としてはそういうことになります。
○林小委員長 第28次でも議会について議論をいたしました。ただ、そもそも議会とはとか、規模によってもっと多様であっていいんじゃないかといったようなことについてまで議論しておりません。そういう議論は、やはり私はそのときにも必要だなと思っておったものです。ですから、いずれそういうことをやらなければいけない。ただ、江藤委員におっしゃっていただいたように、やはり分権時代にもっと自由度を拡大しろと、そして、住民の参加をもっと呼び掛けるような制度にした方がいいということの中で、今日資料を出していただいておりますので、そういう視点から御発言をいただけると非常にありがたいと思います。できれば、議会の具体的な改革の論点のようなものも今日の意見の中で出していただければ、非常にありがたいなと思っている次第でございます。
○政所委員 私は、地域経済の観点から考えますと、やはり更に厳しさの増す条件がどんどん加速増大していますし、知財・専門職ストックの都市集中等、非常に大きな格差が出てきてくる。低い所得で高い教育費を負担しなければならないこと、スキルを活かす職場が少ない等複合的な条件が重層的にあります。これは今後地域経済が、地域分権として権利委譲され自由度を認められても、基礎的社会基盤は小規模地域は極めて厳しい状況が継続されていくと予想できる。そうした時代背景と現実を一方で忘れてはいけないと思いますね。ですから、議論しなければいけない項目は進めていかなければならないが、これまでと異なる点は社会経済環境が違う点。このことからすると、やはり一律に当てはめられないと同時に、自由度と言っても実はそこで自立できにくい状況と、それぞれ特性を反映して格差が存在している現実を認識すべきである。地域経済にとって基礎自治体の舵取りというのは極めて重要です。経営方針を間違えると非常に難しい状況が深刻化・長期化します。ですから、基礎自治体の役割をどう捉えるかというのも、金子委員がおっしゃっている意義は私も再確認させていただきたい。それが議論すべき項目と行ったり来たりするというところがあっても状況確認が同時併行されていれば、わかり易くなるかと思います。
○林小委員長 非常に重要な御指摘だと思います。地域が衰退する中で、やはり基礎自治体の役割というのは、これからますます大きくなっていくのだろうと思うんですね。ただ、それでもやはり人材がいないといったような問題が出てくると、幾ら制度的に自由度を拡大しても、その制度を十分に生かすことができないといったことにもなりかねないわけですから、その辺りは本気で議論しなければいけないという御意見だと承りたいと思います。
○西尾委員 議会について議論すべきことは非常にたくさんあるのだと思いますけれども、最も大事なことは現在の地方議会を構成している議員の顔ぶれが健全であろうかという問題だと思います。この顔ぶれを変えなければいけないのではないだろうかということが最も根本的な問題だと思っているわけです。性別で言えば圧倒的に男の社会になっている。女性が極めて少ない。特に町村議会になりますと、女性は極端に少ないという状況にあります。年齢から言えば老人の議員が多いということですね。若い議員は物すごく少ない。そして、職業ということで言えば、いわゆる普通のサラリーマンは議員になっていないということですね。ほとんどの国民・住民が代表されていないということです。地元で仕事を24時間しているような職種の人、中小企業の経営者、小売商店の商業主、そして、農家の方々、地元で働いている住職であるとか、お医者さんであるといったような方々になると。もっと極端に言うと、市町村、都道府県に何らかの利害関係がある業種の方々の議員が極めて多いということです。これは非常に大問題なのではないかと。地方議会議員というものが住民の意思を代表しているだろうかということに根本的な疑念を抱かせる議員構成だと思っているわけです。
しかし、選挙で選んでいるわけでありまして、もう少し多種多様な住民が正当に公平に代表されるような議員構成にならないのはどうしてなのだろうかということを根本から考えなければならないのではないかと思うわけです。何よりも制約になっているのは、会期制度ではないかという気がするんです。地方議会についても国会に倣って会期制というものを設けまして、定例会と臨時会というふうに分けると。定例会は年4回ぐらい開くと条例で決めたりする。そうすると、定例会の開かれる月には都道府県、市町村で日数は違いますけれども、少なくとも1週間から20日間は集中的に、その月には朝から夜まで議会が開かれるというふうになっている、これが定例会の実態ですね。これをサラリーマンが兼業することができるかというとできませんね。不可能ですよね。職場に出てこないで議会活動に行きますと、集中的に10日以上職場に出てこないというようなことを許容する事業所はほとんどないと思います。これでは公務員であろうとなかろうとですが、普通のサラリーマンが議員になろうという意欲は大体持ちようがないです。ですから、ここを何とかしなければならないのではないか。地方議会が開かれるときも仮に定例会でもいいのですけれども、必ず平日の夜間に開かれるのだということであれば、サラリーマンを昼間やっている人も、地元に返って夜から議会議員としての活動をすることは可能になるわけです。
ですから、むしろ普通の自治体、特に、基礎自治体、普通の規模の市町村であれば、特に会期というものを設けないで、一年中議会はあるのだと。そして、毎週定例曜日に議会が夜間開かれるという議会の開催形態にしてくれれば、サラリーマンも立候補ができるようになるわけです。ここが根本的な問題なのではないかと。もしかしたら、都道府県議会や政令市あるいは中核市の議会というのは、定例会・臨時会という会期を決めて昼間からやらざるを得ないのかもしれませんけれども、一般の市町村に関する限り、会期制の必要はないのではないか。年中議会がある、そして、定例曜日に夜間に開いていくというようにしていただければ、先ほどの資料にもありましたとおり、多くの国々の基礎自治体の議会というのは、そういう形態で開いている方が当たり前の姿だと思うんですよ。そうすれば、多様な人たちが議員に立候補するようになってくれるのではないかと思うということです。
もしかしたら、会期制の問題を見直しただけでは、まだ多様な人が出てこないかもしれません。もしかしたら、議員の選挙制度から見直さなければいけないのかもしれないという気もしています。都道府県議会議員の選挙方法になっている群または市を単位にして、そこから都道府県議会議員を選ぶという方式、これは基本的には小選挙区になるか、中選挙区になるかは区域によるんですけれども、基本的には中選挙区制になっている、かつて国会の衆議院議員の選挙がそうであったように、一選挙区から数名の人が選ばれるという選挙区になっているわけです。この議会議員の選挙方法が果たしていいのだろうかということに強い疑念を持っておりまして、私はこれは女性が非常に進出しにくい選挙制度だと感じているんです。それよりは、市町村の場合には市町村全区を一区にした大選挙区制になっていますので、まだ女性が出やすい可能性というのはありますけれども、最も女性が進出しやすいのは比例代表選挙にすることだと思うんですね。もしかしたら、選挙制度の在り方も併せて考えなければいけないのかもしれませんけれども、最も多様な議員が出ることに一番障害になっているのは、議会の開催の仕組みなんじゃないかと思っていまして、こういう現在まで行われてきた制度が、果たして合理的な理由があるのかということを根本的に議論していただきたいと思っています。
以上です。
○林小委員長 ありがとうございます。
○名和田委員 今の西尾委員のおっしゃっていただいたことは、まさしく問題意識としては私が議会についてほとんど専門的なことを言えないので、一番大事なことは何かというと、多様な属性を持った住民が議員になれるようにすることだと思い定めてここに参ったので、非常に西尾委員の御発言は大歓迎をしております。では、具体的にそのためにはどうしたらいいかということにつきましても、西尾委員は非常に重要なことを幾つか言っていただいたと思います。それに附帯する形で簡単に述べさせていただきたいと思います。
今、西尾委員がおっしゃったことの中で、多様な属性を持った住民が議員になるということは民主主義にとって基本的に重要であるのに、そうなっていないということであるわけですが、西尾委員が御指摘になった議員を輩出している層についても、偏りがあるというか、一言で言うと地域の人たちが余り権威を感じていないという事実があると私は感じているんですね。
例えば、地域で実際に汗を流していらっしゃる自治会長さんとか民生委員さんとか、その他諸々のいわゆる地域の役の方々は議員になられる方もいらっしゃいますけれども、余り多くないと思っております。そうすると、地域の中では民主主義の根幹にかかわる地方の政治というものについて、冷めた目で多くの人が見ているという、非常に不健全な状態に今なっていると思います。その意味でも、多様な属性の住民がごく普通の形で政治というものに向き合うという仕組みをつくることが重要だと思います。このことは、西尾委員の御指摘の中にも、大都市の場合はというような御発言が途中でありましたけれども、例えば、大都市の場合はかなり専門性が高い議員が必要で、どうしても仕事に忙しい方々はなりにくいということがひょっとしたらあるのかもわかりません。その場合は、この後の地域自治区の問題にもかかわりますけれども、例えば、政令指定都市の行政区のレベルぐらいだったら、そこに選挙制の住民組織を置いて、そこはやや多様な住民、現実に誰でもなれるというような仕組みを考えるとか、そういう重層的なやり方、多様な住民層の意見が政治に反映されるという仕組みを大胆に考えていくべきだと感じております。
そのためにどういう工夫があるのかというのを、ここで幾つか出さなければならないと思うんですけれども、西尾委員がおっしゃった会期制度についてもう一回考え直してみるというのは、大変目からうろこの御指摘であったと思います。それから、夜間開催ということについても言われましたけれども、例えば、ヨーロッパの議会などは夜間と言っているけれども実際には4時ぐらいとか、ドイツはみんな4時には帰っていますのでいいのでしょうけれども、例えば4時くらいから始まるとすると、仕事を半日休むみたいになるわけですね。そうすると、仕事を休んだ分の給料を補てんする仕組みが、ドイツの幾つかの州には憲法で定められております。そういった仕組みとか、あるいは公務員で議会議員になったら公務員を一時辞めるけれども、議員を辞めたらまた元の職場に戻れるという保証があるところもあります。それから、議員に立候補するに当たって障害になっていることを思いつくままに考えてみますと、これはなかなか難しいんですけれども、制度上何と言うか知りませんが、保証金を払い込んで法定得票数に達しないと戻ってこないとか、たしかそういう仕組みがあろうかと思うんですけれども、これもかなり現実にはネックになっていて、勿論、乱立候補を防ぐための措置でしょうから難しいところですけれども、そういった小粒な制度的な工夫も含めて、なるべく多様な属性の住民が議員になれる、身近なところで政治と向き合うという政治文化を日本でもつくっていくべきではないかと私も考えております。
以上です。
○小林委員 西尾先生と名和田先生のお話の補完的な位置づけで、ちょっとお話をさせていただきたいと思います。
今お二方とも立候補する側のお話だったと思うんですが、立候補した人を選ぶ側も問題があるんじゃないか。もうちょっと言うと、顔ぶれが健全かどうかというお話がありましたが、そもそも住民が健全な議員を選べる状態になっているのかどうか。もうちょっと言うと、例えば、選挙公報というのが選挙前によく配布されていますが、それを読んで投票するという方はいらっしゃると思いますが、それよりも何よりも、ふだんの議員さんの活動をよく知った上で、あの人はすばらしい質疑をしていたとか、質問をしていたとか、こういう政策提案をしていたとか、そういうことを知った上で投票されている方がどれほどいるのか。私はかなり少ないのではないかと直感なんですが、感じています。
つまり、そういう選ばれる人の側の情報を住民がきちんと持った上で選んでいる状態なのか。現行は多分ほとんど白紙委任の状態。何もよくわからない状態で地域の代表、その地域から立候補が出たから、その人を一生懸命応援して当選させようというような雰囲気が結構多様な要素としてあるのではないかと。
では、実際に住民が議会を傍聴しに行っても、先ほど西尾先生が会期の問題を話されておりましたが、それと関連して、非常に長時間にわたって、見るのも大変ですし、話の内容自体も非常に形式化、本会議などは特に形式化されてしまっているところがあると思うんですが、住民が聞いていて本当に面白いというか、自分たちの生活に密接に結びついた話とうまくリンクしているのかどうかというと、結構怪しいところがあると思います。
そういった中で前回、もうちょっと実質的な議論をしている場ではないのかなと思って、全員協議会と委員協議会の資料をあったらお願いしますというお話をさせていただいたんですが、この辺の実質的な議論をしている場かもしれないと思われる全員協議会とか委員協議会も、もうちょっと住民の目に触れるような形で、実際にどういうふうに首長部局と議会の議員さんたちが意見交換を率直に交わしているのか。ふだんの地方自治法上に定められた質疑だとか質問という場以外に、もうちょっと多分実質的な議論をしているかと思うんですが、そういうものをもうちょっとさらしていくというのも、ひとつ住民が健全な議員さんを選ぶという観点から重要なのではないかと感じて、前回資料がありましたらお願いしますというお話をさせていただきました。できれば、今申し上げたような視点なども議論に加えていただけたらと思います。
以上です。
○大山委員 会期のお話が出ましたので、それに力を得て枝葉末節的な議事手続の話をしたいと思うんですけれども、私は前から地方自治法というのは議事手続を書き込み過ぎていると思っていまして、しかも、その書き込んでいる内容が国会に引っ張られているんですけれども、国会の議事手続というのがグローバルスタンダードから見てかなりおかしいことをやっているので、それをそのまま持ってきて全地方自治体の議会が引きずられてたがをはめられていると感じています。
そもそも国会の方も国会法でかなり衆参両院の議事手続を書き込んでいるんですけれども、そういうことはほかの国ではなくて、各議院規則に任せている、法律では書かないというのが普通なんですが、それをなぜか地方自治法でも議事手続を書いてしまっているという気がします。
もうちょっと具体的な中身を申し上げますと、まさしく会期の問題もそうなんですけれども、日本の国会がそもそも細切れ会期で、会期不継続の原則でやっていますけれども、そんなことをしているところはほとんど国レベルでもございませんで、大体通年会期で曜日を決めて開催して、別に会期不継続の原則もなく、次の選挙まで継続というのが当たり前になってきているので、そういうものはそれこそ地方議会でそのようにしたいというところがあれば、できるような制度にしていくべきだと思います。
それから、本会議ですけれども、国会の本会議が全然機能していないのですが、何も地方議会までそれに倣う必要は全くないので、特に小規模町村の場合は本会議中心でおやりになった方がよほどいいんじゃないかと思うんですね。ところが、定足数の縛りが非常に厳しくて、議決定足数ならわかるんですけれども、議事定足数で過半数になっているものですから、議決に至らないときに少人数で開くということができないので、本会議がすごくやりにくくて、そのために全員協議会になったりというような、どんどん住民の目から遠くなって、そういうこともあろうかと思います。
それから、もうちょっと大きな話で言えば、議会の定数などについても、もうちょっと自由度があっていいし、小規模町村だったら、極端なことを言えば町村総会と併置してもいいと思います。そういうことがもっと自由にできるようになればいいかなと思います。
それから、議事手続から外れますけれども、これも国会横並びなのか知りませんが、議員活動を有権者、自分たちを選んでくれた人にフィードバックしていくということが地方議会も非常に弱いです。それはどういうところに現れているかというと、報告書が出ないんです。何を議論しているかというのは、議事録を見ればわかるというものではないと思うんです。もうちょっと議論したことをいろいろ資料をつけて報告書を出して住民にフィードバックすべきだと思うんですが、これは法律に書いてどうこうということではなくて、自覚の問題だと思いますが、そういうことをもっと自由にできるようにしたらいいのではないかと考えています。
以上です。
○林小委員長 ありがとうございます。かなり具体的な提案をいただきました。
○斎藤委員 手短に済ませたいと思います。一方で、議会も含めた自治体の自立なり自由度の拡大というのがあって、他方でチェック機能の強化、これはどちらも推進すべき理念だと思います。ですが、現行法でできることであればどんどん自治体でおやりいただければいいので、ここでの大きな任務は制度的な、あるいは法令上の制約があれば、それをできるだけやめていって、それによって自由度を拡大するという話だと思うんですね。ですから、会期の話もそういうものだとして理解いたしました。
そういう観点から、大きく言うと2点指摘させていただきたいんですが、一つは、議会の議決事項です。先ほどから出ていますが、資料2の5〜6ページで都道府県、市ともにいろいろ工夫されて計画を策定したり、その他第三セクターのチェックに議決を使っていると。その中には国の法令との関係が出てくるものもあるわけです。そうしますと、前回の繰り返しになって恐縮ですが、やはり法定受託事務について、自治法で概括的に議決の対象から外しているというのはおかしいと言わざるを得ないと思います。つまり、前回の御説明で法定受託事務については処理基準なり法律で議決できないようにする、あるいは条例ができないようにすることもできるはずだというのがありましたが、それならそれで、その根拠法の方でそう書けばいいわけです。本当に全国一律でやらなければならないというのであれば、そういう理由をつけて法定受託事務の母法で制限をかければいいわけでして、それを自治法で概括的に法定受託事務については議決を除くと、第96条で書いておく必要性は全くないのではないかと思います。それは、法定受託事務について法律の委任がなくても条例が制定できると、これは政府の公定解釈でもありますが、これともやはり平仄が合っていないと思いますので、再考する機会があればと考えます。それが議決についての1点目です。
それから、関連しますが、やはり第三セクターのチェックを一生懸命やろうとなさっているところがあると。そうだとしますと、資料1にも出ていましたが、第三セクターの経営状況書類の提出、これは長から議会になされる、これが2分の1以上の出資法人に限られているわけですね。これは監査委員の監査については4分の1なわけで、たしか第28次でも話題には出ていたと思いますが、これはやはり監査と合わせて4分の1にするというようなことが今回の全体の課題である、チェック機能の強化という面でも求められるのではないかと考えました。4分の1しか関与していないものについて、長がどれくらい書類を要求できるというかという議論はあるかと思いますが、それは第三セクターと自治体の間の協定を最初に結んでおけばできるわけですので、この辺りも検討課題かなと考えます。
それから、議決について最後は自治体が定める基本的な計画や法定計画について、議会の現在の関与が世界標準という言葉を使うとおかしいですが、これぐらいでいいのか、それとももっと議会を比較してみると関与しているということになるのか、今まで出していただいた資料の中でそういう切り口で並べられるものがあれば、議会における自治体計画への関与の度合いがわかるものが、もし簡単に出てくるのであれば、追加していただければということです。
もう一点は、前回私が述べまして資料を今回出していただいたわけですが、資料2の7ページです。議会が住民訴訟の権利を放棄するのがこれだけあるんですね。基本的な方向性としては、議会なり自治体の自由度を高めて、法律でギリギリ縛るべきではないと、これは十分理解しています。しかし、こういった議決を議会がしてしまう、あるいはこの中には自分が損害賠償を求められた町長が、自分に対する損害賠償請求権を放棄してくれと提出しているわけですね。これは論外というか、利益相反だと思いますが、しかも、それに議会が乗ってしまっているわけです。こういうことをやっていると、自治体に対する住民の信頼というのは失われてしまいますし、遺憾ながら最高裁はほとんど理由なく、この議決について、適法だと正面から認めたわけではありませんが、住民からの上告について上告不受理にしておりますから、ここはやはり自治法上、住民訴訟係属中の債権、あるいは確定した債権については放棄を制限する、あるいは禁止する方向で考える必要があるんじゃないかと思います。
以上です。
○眞柄委員 今の斎藤先生の資料2の7ページの御指摘というのは、私も非常に驚いてしまったんですけれども、こういったところで現れているのは、地方議会に非常に限界があるということだったと思うんですね。
そこで、先ほどの西尾先生のお話にもう一度立ち返らせていただきたいと思うんですけれども、いかに地方議会を魅力的なものにするか、今現在、非常に魅力がないものになっているということは、斎藤先生の御指摘からも見てとれるように、客観的に割と多くの人が感じていることだと思います。恐らく西尾先生が提案されたことが正しいのではないかと思います。すなわち、現行の制度を抜本的に改革しなければ、魅力的な地方議会というのは生まれないのではないかという御指摘だったと思います。
その場合、今、議会について見ていますので、ちょっと次元が違ってくるんですけれども、今日の御説明の資料3で、先ほど西尾先生もおっしゃいましたが、これは地域自治組織なので諸外国の例が出ていて、完全に次元は違うと思うんですが、例えば、西尾先生がおっしゃった会期の問題、毎週定例曜日に夜間にする、一年中やった方がいいのではないかということをおっしゃったと思うんです。私はすごく資料3の諸外国の例が興味深くて、よく見ていましたら、8ページをご覧いただきたいと思うのですが、英米系と大陸ヨーロッパ系と北欧、やはり次元が違いますが、この中で委員の属性が現在最も幅広く参加していると思われるのはノルウェーのオスロ市ですね。ここでは、年金生活者の方から主婦の方、エンジニア、自営の方、それから、市役所の方までいろいろな方が本当に入っていらっしゃって、さすが北欧だと思うんです。ところが、アメリカのピッツバーグとフランスでは、意外とこういった次元のところでも参加者が偏っているんですね。米国ピッツバーグは教員とか退職者に限定されているようです。フランスは50〜60代の男性が多く、女性は非常に少なくて若者は参加していないということです。
では、この違いはどこから生まれてきているのかすごく気になりましたけれども、同じ8ページの下を見てみますと、平日の夜間に審議を行っている場合が圧倒的に多いので、従来の日本の議会に比べて1年じゅう毎週定例曜日の夜間に開くということは非常に大きな進歩で、これは改革に値するものだと思うんですけれども、恐らくそれは非常に重要ではあっても、それだけでよくなることが保証されているわけではなくて、では、どこが違うのかを更に見てみますと、7ページの一番下の選出方法。結局、地方議会で選挙の在り方というのが非常に重要になってくるのではないかと思いますが、やはり諸外国の例は次元は違いますが、オスロ市は直接選挙になっていて、しかし、米国ピッツバーグは任意で参加している住民による互選、フランスの場合は市長からの提案によって、コミューン議会の議決ということで若干選出方法も違うと思うんです。私はもう一度この地方議会の方のお話に立ち返らせていただきますけれども、西尾先生が御指摘になった選挙制度が非常に重要であるということは、私も全く同感です。実態として、女性が進出していないし、若者もそれほど多くないような気がしますけれども、この場合、中選挙区制から比例制に変えるのは恐らく非常に大きな前進かとも思われるのですが、比例制ということですとやはり政党関係者ということになって、いかにより多くの人がもっと自由に参加できるかということを少し考えてみますと、この選挙のときの参入障壁をいかに低くするかという一点に尽きるのではないかと思うんです。ですので、魅力的な地方議会の在り方というのはやはりその辺のところを具体的に考えることがとても重要なのではないかと思いました。
○片山副会長 地方分権時代になりますと、従来国がかなり統制してしいた面が権限委譲にしても、税財源の委譲にしても、自治体の自由度が増して自治体で事実的に決めるということになるわけで、それでは誰が最後の正当性のよりどころになりますかというと、議会であるはずです。権限委譲というのは国法で決めていたものを条例で決めるということですし、それから、税財源の委譲というのは国の官僚が補助金等の使い道、配り先を決めていたのを、自治体の議会で最終的に予算で決める、これも議会の権限です。そうすると、議会に正当性がなければいけないということに当然なるわけです。さっき西尾先生が言われたのは、選ぶ母体と選ばれた人たちとの間に正当性がないのではないか、薄れているのではないかということで、そのとおりだと思うんですね。やはりシャバの老若男女の構成、職業も含めてですけれども、それをある程度バランスよく反映したものでなければ、自治権の最終のよりどころにはなかなかなりにくいのだろうと思います。
私も会期制の見直しとか、今のような顔ぶれにならざるを得ない制度的枠組みというのは、この際大いに見直すべきだと思います。よく北欧などに視察に行かれた方が、自治体の議会を見に行って、非常にレベルが高いというのを率直な印象として持ち帰られます。夜やっていて、質が高い。夜やればレベルが高くなるというふうに錯覚をされるんですけれども、それは全く逆でありまして、夜にやったって顔ぶれが変わらなかったら、やはりレベルは低いままです。そういう意味で、会期制をやめるということは、議会の質を高める一つのきっかけになるのだろうと思います。
もう一つ、兼職の禁止というのが別途の法律であります。例えば、公務員の場合には地方公務員も含めて立候補した途端に失職しますから、公立学校の教員なども事実上選挙には出られないわけです。北欧などに行くと住所地では教員がやっていますから、そういうところも含めて検討の対象として視野に入れたらいいのだろうと思います。
それから、正当性を持つと言ったときに、私は今の地方議会は立法機能が著しく低いと思います。この資料にもありますけれども、刺身のつまみたいに議員立法というのがあるわけです。大半は執行部提案なんですね。議会は膨大な立法行為をしているんです、ふうふう言いながら。ですが、自分たちが何を通しているのかということについて、ほとんど理解していないですね。主権者である住民も何も理解していないです。住民も代表もほとんど理解しないまま、大量の立法がローカルルールとして自分たちのルールとしてできてくるというのは異様なことだと思うんです。これはまさしく正当性を欠いていると思います。では、立法機能をどうするのかというのは、本当に真剣に考えなければいけないんです。住民が選んだんだからと言っても、その結果が自分たちで全然認識もしない、理解もしない、同意もしていないようなものがスッスと大量に通るという事態は、やはり変えなければいけないと思うんですね。
そこで、どうするかということですけれども、一つは、例えばちょっと極端だと思うかもしれませんが、立法作業も議会専属にしてしまうということもあると思うんです。やらざるを得ないような仕組みにしてしまう。例えば、アメリカは概ねそうですし、かつて我が国でも沖縄県が琉球政府だった時代の立法院がそうだったんですね。執行機関は提案権はなかったわけです。ですから、どうしたかというと、議員の方にこういう立法をしてくださいという立法要請をしていたわけですね。こういうことも一つ検討対象としていいのではないかと思います。そうなったら勢い立法機能を高めざるを得なくなりますから、それにふさわしい人が出ざるを得なくなるということですね。
もう一つは逆の面ですけれども、立法機能を議会専属にしないで、例えば、住民の発議に基づいて住民投票で決める。今は条例の制定改廃の直接請求制度がありますけれども、結局署名を集めても最後は議会に行って議会が決めるということですから、3遍回ってワンと言ってまた元の木阿弥になるわけです。この際、住民投票で立法をするかどうかを決めるということも視野に入れたらいいと思います。
それから、財政統制ができていない。これは夕張市が典型的ですけれども、大阪府もそうですし、大半のところがそうです。議会が財政統制をしていなくて、財政統制がまがりなりにもされているのは執行機関の自制と国の目配りだろうと思います。本当は議会がやらなければいけない。これができていないのをどうするかということも、正当性を議会が持つためには重要なポイントだと思います。
そこで、議会が財政統制できないなら、その権限の一部を住民に返すべきだと思うんです。具体的に何かというと、住民投票で決めるということです。これは規模の大きい自治体は無理かもしれませんけれども、例えば、夕張市ぐらいだったらちゃんとできると思います。大型の箱物をつくるとか、巨額の起債を発行する、その是非については住民投票で決する仕組みを検討したらいいと思います。これは議会制度そのものではありませんが、議会と密接に関連する周辺のシステムとして、この際、地方制度調査会で検討対象にすべきだと思います。
もう一つは税です。日本の議会は、税率を論じない、税率を事実上決定しない議会なんです。これはグローバルスタンダードから見たら全く異様な議会です。財政というのは入るを図って出るを制す、最後は税率でもってあんばいする調整弁になるわけですけれども、日本では税率は最初から固定してしまっていて、足らないものはどこにツケを持っていくかというと、国に持っていって起債を発行させてください、退職手当債とか調整債とか、起債が調整弁になっているわけです。特別交付税もその機能を果たしているでしょう。本当は納税者が最後の調整弁の役をしなければいけない、そこで初めてこの事業は必要だとか、不要だという判断を真剣になし得るわけです。そこが全く機能していないというのは、やはり議会の正当性にもとるのではないかと私は思うんです。
ですから、これはどうするかということは明らかですけれども、税率はもっと自由に柔軟に議会で毎年、毎年可変的に処理できるようにする。今でもできることになっているんですが、例えば、標準税率制度があって標準税率を下回った場合には、ペナルティ的な面が起債発行上あったりして、事実上可変的になりえない。こういうものはやはり解除すべきなんですね。だから、議会制度を論じるときには、議会と密接な周辺の財政制度とか税制度というものも含めて検討対象にしていただきたいと思います。
○林小委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
○大山委員 今、副会長の御発言で、全部立法作業を1から10まで議会がやるということをおっしゃって、それは多分荒療治としておっしゃっているのだと思うんですけれども、私も今の地方議会の発案の少なさというのは本当に困ったことだと思いますが、私は必ずしも議員立法万能論ではなくて、仮に1から10まで立法府として議会がやるんだということにしても、結局、案はいろいろな依頼立法みたいな形で町の側から出てくると思いますし、それこそアメリカの議会でも重要法案は大部分が大統領側から出ているという話もあるので、そこのところは変えても国会でも依頼立法ってやったことがありますので、同じことになってしまう気がします。それよりむしろ、案がどこから出ていても実質的に審議しているかどうかということがすごく大事だと思うんですね。だけれども、それができていないから荒療治をしたくなるというお気持ちもわかるんですが、では、どうやって実質審議させるかという工夫がもうちょっと必要なので、それは例えば、もっと修正したらいいということもありますけれども、修正の前提として本当に委員会レベルでもしやるなら、逐条的に審議をして、いろいろな資料ももらって、それを議会側からこういうことで議会は認めましたと、ここに賛成したんですというようなことをちゃんと文書で出させるように義務づけたらいいんじゃないかと思うんですね。それは本当に国会でもやってもらいたいことなんですが、そうでないと、ただ本当にそれこそラバースタンプ的に判こを押しているようになってしまうという気がします。
それから、財政監視についても監査委員のところでもちょっと申しましたけれども、もうちょっと例えば、決算委員会と監査委員をどういうふうに連絡をとるかというようなことも検討されてしかるべきかなと思います。
以上です。
○林小委員長 ありがとうございました。
私も議会で随分質の差があるんじゃないかというようなことも感じているんですね。先ほど斎藤委員が現行制度でもできることと、できないことがあると。そこの見極めが非常に重要で、一つは拘束があるためにできないという話を根本的には議論をするのだろうと思うんです。ただ、やれるのにやっていないところがある場合には、やはり地方制度調査会としても何らかのインセンティブを与えるという制度をつくるのか、あるいはそういう先進的な試みをやっているところの事例を提示する。これだけではどうもだめなんじゃないかという気もします。
それから、もう一つは、先ほど小林委員が言われた住民側の状況の問題、ひいては恐らく行政と住民との間の距離が随分大きくなってしまっているんじゃないかという気もするわけです。ですから、その辺りも含めて考えなければいけない、それは投票率の非常に低い実態にまで反映してしまう。これはどちらに原因があるのかということを問う前に、やはり制度的な環境整備と誘導的な政策ということをとり得ることがあれば、積極的にやっていく必要があると思います。
今日は論点整理のための自由な御発言ということでございますので。
○西野委員 ただいま地方議会の改革につきまして、大変よいご意見が出ましたので、私もこれに賛意を表明したいと思います。現行制度の下では議員の構成が地域の実態とは乖離した状況もしばしば見受けられます。特にサラリーマンや主婦層は人口の相当の比率を占めながら議会活動に参加し難いため、そのニーズは無視され勝ちです。この点を是正する1つの方法は、議会会期や議会開催の時間帯を、サラリーマンや主婦層などの参加可能領域に変更することだと思います。
それに加えまして、議会の議論の内容につきまして、住民にディスクローズすることも非常に重要だと思います。とくに重要事項につきましては、場合によっては固有名詞も出して、賛成意見、反対意見を提示し、住民に十分な議会情報を与えて次の選挙に活かしてゆくことも重要だと考えます。我孫子市などの例ではこのことが住民の自治意識を高める方向に作用したと感じております。
○名和田委員 今までの御議論の中に出てこなかったので、私が言うのも変なんですけれども、西尾委員の御発言の中で女性の過少代表という問題を指摘されていて、これはやはり今後、機会があれば是非議論していただきたいと思っています。いわゆるクォーター制のようなものをとるのは法理上どうなんだという問題もあるかもしれませんが、例えば比例代表制にすれば、その比例名簿を提出する党派ないし選挙人団体がそういうことを配慮するとか、やり方はいろいろあると思うので、是非女性を増やすということについてもこの調査会で議論をしていただきたいなと思います。
以上です。
○江藤委員 この議会改革の論点というのが徐々に見えてきたなという気がします。ただ、ちょっと引っ掛かっているといいますか、委員長は議会にもいろいろな開きがあるよ、議会によっても違うよというお話をされたので、その確認も含めてなんですが、議会を議論するときに魅力的な議会がないとか、議会と住民がかけ離れているということがよく言われます。そうかなというところも確かにあるんですけれども、第1次分権改革以降、いろいろなところで議会改革をやられているわけですね。模索しながら努力しながらなんですが、例えば、林小委員長が言われた住民参加型の議会などというのは、幾つかのところで試みられていることですし、通年議会ということも白老町あるいは三重県議会もそれに類似したこととか、夜間で通年というのは矢板市議会などで議員提案で結局否決されていますけれども、議論されています。それから、議会基本条例というのは栗山町議会を出発点として全国に広がっているということで、そういう意味では、先ほどから出ている運用でもできるところと、それを突破してやらなければいけない制度改革のところと少し仕分けをして、地制調としては理念として議会はこうあるべきものなんだ、運用でできるんだよというメッセージとともに、制度改革論は議論しなければいけないところだなとは思います。その意味では、それこそ先駆的に頑張っているところに、どこが問題なのか聞かれるのも一つのやり方かもしれないと思います。
制度改革の議論からすると、斎藤委員が言われたように、私は前の地制調の積み残しだと思いますけれども、第96条第2項の括弧づきは絶対になくすべきではないかと思っています。
あと、斎藤委員が言われている訴訟中の権利放棄についても、法律で縛るのか斎藤委員も悩ましいところだという議論がありましたけれども、それこそ住民に近い議会ならばそんなことやらないと思うんですね。そういう意味では、西尾委員が言われたような多様な住民に近い議員をどのようにつくり出していくか。そのときに、夜間というのは今でもできないことはない。今までの制度設計の中でもできないことはないと思うんですけれども、問題になってくるのは恐らく兼職禁止の問題とか、あと、日本の制度というのは立候補するときには公務員とか議員を辞めなければいけないわけですね。そこを当選したら辞めなければいけないとか、そのように直せるかというのも多様化の中での議論かなと思います。
それから、選挙制度改革についても、県レベルと市町村レベルと両方そろそろ見直さなければいけない時期かなというので、私も大賛成です。
それから、恐らく第28次の積み残しなのかもしれないんですが、招集権はやはり議会にはあるんじゃないでしょうか。統括代表権ということで首長が招集するというのは、勿論今までは議案が首長から出ているということで、不都合が生じなかったかもしれないんですが、議員同士で議論する、先ほどの立法の議論をするのだったら、自分たちで集まれるということを権利として持っていないとだめなんじゃないでしょうか。蒸し返しになるようなんですけれども、そのような制度設計の在り方というのも俎上にのせていただければと思います。
○林小委員長 ありがとうございます。
論点がかなり出てまいりました。大方の委員の御賛同をいただける部分と、もっと議論しなければならない部分というのがあると思います。そして、制度的に変えなければならい部分と、運用次第でできるというようなこともありますので、その辺りを整理しながら論点という形で出させていただきたいと思います。それは次回以降ということになろうかと思いますので、議会に関しましてはとりあえずここで終わらせていただいて、地域自治区制度について、これから御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
○名和田委員 地域自治区制度につきましては、ずっと学問的に関心を抱いてまいりましたので、その観点から幾つか今の審議項目に関係する限りで簡単に申し述べたいと思います。
第27次地方制度調査会で地域自治組織という名前で提言がなされまして、そこの位置づけは2つあったと思います。一つは、住民自治を充実させる仕組みである。つまり、身近な地域に民主主義のインスタンスをつくるという趣旨と、もう一つは、地域協議会は協働の活動のかなめとなるということで、身近な地域に公共サービスを十分確保するために行政と市民とが協働するときの一つの役割を果たすんだという、協働の装置としての意味合いがあったと思うんです。ところが、実際に制度化されたのは、かなり住民自治の側面、身近な民主主義のインスタンスをつくる、身近なところにある決定の場をつくるということに重点がかなり置かれた感じがします。その制度的な現れの大きな一つが、市域をくまなく区分するという制度設計であったと思います。これは、法案をつくる過程でかなり内閣法制局がこだわられた点であると聞いております。内閣法制局は、住民自治という文脈にかなりこだわられたんだなと思っております。
しかし、これが実際には非常に使いづらいと。協働の装置を今、各自治体は求めているんですね。協働の装置としてつくろうとしたときに、この法律の仕組みは余り魅力的に見えない。だから、調べていただいた資料3の23ページぐらいから、地域自治区制度によらないさまざまなコミュニティレベルの協議会組織がたくさんできていて、むしろ自分が制度設計してそっちの方を選ぶという自治体が圧倒的であるわけです。その理由はいろいろとあったと思います。例えば、区に住所を有する住民で構成するとなっているところが、在勤・在学・在活動も含めたいというようなところがあって、これは住民自治という観点からすれば、住んでいる人から選ぶのが当然だとなりますけれども、協働装置だという観点からすると、在学・在学・在活動者でもいいんだという発想になって、そこのところの考え方によっては法律の仕組みが使いづらいというのがあったかと思います。しかし、やはり先ほど申しました自治体の区域にくまなく立ち上げるという制度設計が、どうも受けが悪かったという点があろうかと思います。
例えば、昔の西尾委員も多分かかわられたと思いますけれども、中野区の住区協議会という類似の仕組みがありまして、これは中野区のすべての住区で住区協議会が立ち上がるのに数年要しているんですね。それから、横浜市にも区民会議という、やはり類似の仕組みがありますけれども、これも現在のところ区民会議は存在しない区が2つか3つあります。そのように、やはり市域にくまなくつくるというのはややハードルが高いというので、ここは少し変えてもいいような選択肢をつくるということが必要ではないかと思います。
それから、今日出していただいた資料の中に、神戸市のまちづくり協議会という例が22ページにありまして、神戸市は実はこの手の地域自治区類似制度を3つ持っておりまして、その中の一つです。まちづくり協議会は都市計画というかなりハードルの高いテーマを扱っているために、全域で組織するなんてとんでもなくて、条例上の協議会は12しかないと思います。それに対してふれあいのまちづくり条例という1990年にできた条例に基づくふれあいのまちづくり協議会というのは、すべての小学校区に設置されております。こちらの方が取り組みやすいテーマだったということですね。
ただ、22ページに資料として出していただいている都市計画のまちづくり協議会というのは、やはり独自な重要性があると私は思っておりまして、私有財産権の規制について住民自身が議論をして、事実上の決定を行うという経験をコミュニティがしているという点ですね。こういった政治文化が日本にもあり得るんだということで、非常に重要な実験だったと思います。
それとの関連で、今の協働の装置としての地域自治区の意味合いという問題から、2番目の民主主義の装置としての地域自治区の意味合いということについて、簡単に意見を申し述べたいと思います。
やはり協働の装置というだけではなくて、身近なレベルで政治的な決定に参加する、自分に影響を与えることについては、自分が参加できるということが必要だと思います。私は横浜市民ですけれども、いつもこの調査会でも引き合いに出されますが、私の1票の重みは360万分の1なのかと。勿論、有権者はもっと少ないですから象徴的に申し上げているのですけれども、360万分の1しか政治に参加できないというのは、やはり民主主義の国家である日本としては非常に不満なわけでありまして、よりしかるべき権限を持った民主的な決定の場を身近なところにつくるという課題をやはり逸することはできないと思います。
そこで、選挙制の地域自治区制度をつくって、それによって決定権を正式に委譲するということが課題となっていると思います。特に、先ほど御指摘になった諸外国の例の比較表がありますけれども、これは実態を見ないとどこがどう違うのか実はよくわからないところがあるかと思うんですが、一つだけ言えるのは、地域自治区に決定権があるということと、その地域自治区の住民代表組織が直接に選挙されるということの間には法理上の必然的な関係があるということです。今の日本の地域協議会は選挙で選出されておりませんので、したがって決定権がない。常に勧告的な意見を出せるにすぎないということになっています。ここを突破するためにはどうしても選挙制の地域自治区を置かねばならない。
しかし、他方で選挙ということになりますと、先ほどの議会の議論にもありましたけれども、かなりアレルギーが日本国民の間にはあると一般的には言われております。それではどうなのかというと、一つは、上越市の経験、上越市は投票で準公選のようなことをしているわけですけれども、そこの経験をどう見るかということがあると思います。今回上越市は結局、立候補を募りましたけれども、立候補者数がどの区でも定数に達しませんでしたので、投票は実際には行われておりません。このような結果をどう見るかということはあると思うんです。
あるいは私はいろいろなところに調査に行って、選挙制の地域自治区みたいなものができたらどう思いますかということを役所の人とか住民の方に問いかけたりしてきました。それは、ここで詳しく申し述べるわけには勿論いきませんけれども、一つの感触として、例えば横浜市のような巨大自治体においては、行政区レベルは選挙制の代表組織、区議会みたいなものを置くけれども、更に下の連合自治会のようなコミュニティレベルは従来型の任意的な協議会組織でいくといったような実践をしている自治体が既に現実には存在します。新潟市もそうですし、北九州市もそうだと言えると思います。ですから、こういう導入の仕方を考える自治体は結構制度ができればあると思うんですね。もし、もっと政治が身近であるべきだと考えられる自治体があれば、本当にコミュニティレベルに選挙制の地域協議会を置くということを可能にするような法制があってよろしいと思うんです。ですから、必ずそうしなさいというのではないけれども、一つの選択肢として選挙制の地域協議会を置くような地域自治区のパターンを用意するということが好ましいのではないかと思います。協働の側面に重点を置くか、それとも民主主義の充実に側面を置くか、その辺のバランスのとり方をそれぞれの自治体の地域の実情に合わせてパターンが選べるような地域自治区制度にすれば、もう少し使われる制度になるのではないか。使えば使ったでメリットがございますのでということです。
それから、最後に1点だけ非常に小さいことを関連して申したいと思います。実は地域協議会は開催回数が少ないということで、少し文句を言われる地域協議会の委員の方がいらっしゃいました。具体的には私が聞いたのは宮崎市だったと思います。つまり、無報酬ですけれども、手当を若干出しているんですね。予算の制約があるために年4回しか開かれない。これでは地域は困るとおっしゃるんです。その辺もちょっと課題かなと。課題だけれども、どうしたらいいのか私にはわかりませんが。
以上です。
○林小委員長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
○片山副会長 これはお尋ねですけれども、地域自治区をこの制度に乗らないでつくるということは今でも可能でしょう。逆に、自治法で改正になってできたこの制度に乗っかって地域自治区をつくったときに、この制度に乗っからないでつくったときと比較して、どんなメリットがあるんでしょうか。
○行政課長 自治法に乗らずに地域自治組織をつくるということはできるわけでございまして、現に先ほど名和田委員が引用されました資料にありますように、全国で地域自治区によらない協議会というのが二百幾つも設置されているということでございます。ただ、それは協働という観点からの地域自治組織でしたらどのような形ででもできると思いますけれども、今の名和田委員のお話に即して言いますと、構成員を選挙で選んで、決定権をそこに与えるという制度は法律によらなければできないと考えています。
○片山副会長 そういうのを自主的につくろうとしたら、どこに制約がありますか。選挙で自治体が独自に代表を選んで、地域自治区的なものを条例でつくろうとした場合に、どこに制約がありますか。地方自治法第何条違反とか、憲法違反とか思い当たらないですけれども。
○行政課長 現在の地方自治法上、議会があって選挙で選ばれると。それから、執行機関の首長が選挙で選ばれて一定の事務を行うという制度があるわけですが、これとは別に、一定の権限を持った選挙で選ばれる者というのが、現行の地方自治法で認められるかどうかという論点かと思うんですね。
○片山副会長 逆に言うと、禁止していないでしょう。例えば、鳥取県では地域自治区じゃないんですけれども、一番へんぴなところに郡民会議という群議会みたいなものを条例でつくっているんです。これは選挙ではなくてオファーした人から抽選で選んでいるんですけれども、つつがなくやっていますよ。今の自治法の中に、確かに直接選挙で選ぶというのは長と議会、あと海区漁業調整委員会とか農業委員とかありますけれども、それ以外のことをやってはいけないという決まりはないので、だから必要に応じて当該自治体だけで選挙で代表を選ぶということはあり得るでしょう。何かペナルティとか罰則はないでしょう。
○行政課長 ちょっと法制的なこともございますので、調べまして次回に説明させていただきたいと思います。
○片山副会長 私は何が言いたいかというと、要するに、調べてもらったらいいんですけれども、禁止していないからやろうと思えばできるんですよ。そうすると、今の現行法でもできるという領域なんです。それをたまたま地域自治区制度に乗っかったら、やたら規制が大きくて不便この上ないことになるので、そうすると、ない方がいいのではないかという問題提起なんですけれども。
○名和田委員 私も法制的にはよくわかりませんけれども、要は、民主主義の基本の問題なんですね。要するに、自分にとって気にくわない決定があった場合に、次の選挙で落とすやつがいるかどうかということなんですよ。だから、自分が気にくわないことをやっている市長は、次の選挙で多数を獲得すれば落とせる、それが民主主義の基本で、もし、条例で独特の制度をつくって市長の決定権からもある事項を外して、その区域だけで決められるというようなことができた場合に、果たしてその原則を配置しないかどうかということを検討して、次回お答えしますとおっしゃったのかもしれませんが、それは私も今頭が回りませんので、しばらく考えてみたいと思っております。
○行政課長 よく調べてみたいと思いますが、たしかドイツの判例ではできないとなっていたと思います。
○片山副会長 ここはドイツではないから。
○行政課長 わかりました。
○林小委員長 ほかにいかがでしょうか。
○金子委員 今、名和田委員のおっしゃった点についてなのですが、地域自治区は住民自治の強化と地方政府と住民及び
○行政課長 済みません、何の資料でしょうか。
○金子委員 地域自治区を舞台として地方公共団体と住民なり
○行政課長 少し前に、安塚の事例について
○名和田委員 地域自治区制度を採用した、例えば、協働の仕組みを探っていたときに地域自治区制度ができて、これに飛びついたのは宮崎市なんですね。だから、そういう自治体があるということはちゃんと認識すべきだと思います。あるいは、上越も一緒ですが、地域自治区は審議機関であって意識決定機関なんですね。これはドイツなどもそうなんですけれども、意思決定だけにかかわるわけです。意思決定だけに興味がある人がそろっているかもしれない、その意味では議会と同じかもしれない。ところが、地域社会というのは自ら汗を流している人がいるわけですよね。自治会とか民生委員協議会とか
○林小委員長 私も協働の組織という機能を評価するためには、今、全市的に設置しなければならないという、それが障害になっているので、一部でもいいのではないかと。
もう一つは、要するに選挙制で意識決定機関としたときには、これも一部でいいというようにお考えですか。それともそれは全市的に考えるということでしょうか。その辺りを教えていただければと思います。
○名和田委員 事務局あるいは斎藤先生にお考えいただいた方がいいと思うんですけれども、私はそれらを選択できるように幾つかメニュー化するということになるのだろうなと思うんですが、法制的におかしい選択肢ができては困るので、そこはちゃんとしなければいけないと思いますが、少なくとも現行制度でもタイムラグがあってもいいと考えられていると思うんですね。全域で立ち上げるまでに数年を要したとか、それはそれでもいいと。もっと正面から一部でもいいというふうにしても、別段今の地域協議会には決定権がありませんから、それはそれでいいと思います。
問題は今、委員長がおっしゃったように、選挙制の決定権を少なくとも少しは与えられている地域協議会を設置するといった場合に、それは各市の中の一部の区域でもいいのか。やりたいですと言ったらそこでいいのかということがあって、内閣法制局見解はそれはおかしいんじゃないかとおっしゃっているように聞いておりますが、例えば、先ほど事務局の整理の中にありましたパリッシュというのがイングランド・ウェールズにございますけれども、これは住民が手を挙げてつくるわけですよね。ああいう仕組みもあるわけで、勿論ここは日本であってイギリスではないわけですけれども、そういう仕組みもあっていいのではないか。住民の中から幾つか声が上がれば設置すると、それでもいいのではないかと私自身は思っております。
○林小委員長 それも論点ということで今後議論をさせていただきたいと思います。
いかがでしょうか。
○斎藤委員 一つだけ。全域設置でないといけないか、あるいは地域によって差異があってはいかんかどうかというので、現行法でもたしか大都市については区に地域協議会を設けてもいいし、分けてもいいというのがありますし、それから、合併したところだと一部地域に合併特例区をおき、一部に地域自治区をおくこともできるから、そこまでの差異は内閣法制局も通ったわけですよね。そうだとすると、そちらの資料ももしできればそこも次回出していただいて、それと現在やっている一般型の地域自治区について、区域割をしないことに何か特段の差があるかどうかという方向で考えていけば、一つ出てくるかなという気がします。
それから、決定権を持てるのか、あるいはもともと諮問機関にとどまるのか、これは仮想事例ですけれども、都市計画決定のようなものを地域自治区に下ろせるとすれば、地域自治区がないところとあるところがあってもいいのか、それも、そこに市から授権あるいは委任がなされていればできるのかということで、必ずしも一かゼロかで考える必要はないので、資料も含めてお願いしたいと思います。
○林小委員長 ほかにいかがでしょうか。
○大山委員 わからないので教えていただきたいんですけれども、決定権を持ったら公選制じゃないというのは、本当にそうなんでしょうか。その辺が法制的にはどうなんでしょうか。たまたま必要があって今、フランスの住区評議会というのを調べ始めていましてあやふやなんですけれども、2002年に法制化されたんですが、日本と同じようにやはり選考してやっているところがあって、その事例で見ると、別に選挙で公選制ではないんだけれども、予算の一部をそこに丸投げみたいに渡してしまって、使い方を決めてくれみたいなこともやっているところがあったような気がするんですが、公選制じゃないとまずいんですかね。その辺はどなたか御存じだったら教えてください。
○片山副会長 それは例えば、地域自治区とは違いますけれども、例えば、自治法の中で内水面漁場管理委員会だとかあるんですよね。選挙じゃないんですよ。でも、決定権はあるんですよ。今は選挙ですか。海区が選挙でしょう。内水面は選挙じゃないですよ。
○行政課長 はい、海区漁業調整委員会は選挙です。
○片山副会長 あと、労働委員会も行政委員会、行政委員会は一般にそうですけれども、選挙がなくたって決定権がありますから、そこは特にこだわる必要はないのではないかと思いますけれども。
○名和田委員 それは選挙じゃないというのは、法律がちゃんとあるからなんです。つまり、国民の総意としてそこはそうするとなっているから、すべては国民に正当性の淵源があって、そこから連続でつながっていればよろしいわけですよ。ところが、市長は選挙民が選んでいて、その市長が自らの判断で私は決定をこの協議会に与えます、では、その協議会の決定に不満がある人はどうしたらいいか。市長を落としても市長は権限を渡してしまっているから知りません。そこで、市長を選んだという市民の正当性がそこで切れてしまうわけですね。市長の決定に不満があったら市長を落とせるけれども、協議会の決定に不満があったらどうしようもないと。その協議会がもし選挙で選ばれているならば、次の選挙でその協議会を落とせばいい。こうやって選挙でつながっていないということが問題。
○片山副会長 その意味はわかります。それなら、地域立法である条例でその枠組みをつくったらいいだけのことでしょう。別にここでなくても。市長が勝手に選んであなたに決定権と言ったら、それは問題だけれども、条例でもって枠組みをつくって一定の組織に決定権を与えるというルールをつくればいいんじゃないでしょうか。
○行政課長 制度的なものを整理させていただきたいと思いますが、大山委員がおっしゃられた交付金の話は、フランスの住区協議会、カルチェだけじゃなくて、その上の三大都市の区にも交付金は出していて、交付金について自由に使えるということは根源である市が決めているということです。
○大山委員 勿論そうです。公選制じゃなくて、私が言いたいのはむしろ、市町村レベルで条例で決めればいいじゃないかと思ったものですから、御質問したんです。パリ、マルセイユ、リヨンだけじゃなくて、それ以外の全く法律の根拠はなくて、幾つかグルノーブルとかそういうところでもやっていたのもそのようにしていたようでした。やはりそれも市議会は通っていました。
○行政課長 市に根源があって、そこでやっているということは、市の方で変えられるということなんですけれども、先ほどの名和田委員などがおっしゃられているのは、それとは別に独立した権限を協議会とかに与えて、市の方でひっくり返せないというようなことだと思いますが、条例の権限を下位区分に下ろしているというところは基本的にないわけなんですね。ヨーロッパで。また、正当性の根拠として、選挙が必要かどうかということが一つ論点ではないかと思いますので、法制的なことも含めて整理をした上で説明させていただきたいと思います。
○林小委員長 ほかにいかがでしょうか。
○金子委員 先ほどの話で、地域自治区は今の制度は使いにくいというお話があったのですが、今は17団体で導入されていて、そこではそれなりに機能しているということがあろうかと思うんですけれども、なぜ導入しようと思ったか、その辺りの背景とかがわかれば、次回で結構ですので教えていただければと思います。
あと、一般制度の地域自治区と合併特例制度の地域自治区で、住民の目から見てどちらがどうなのかという比較みたいなもののデータでもあればと思うのですけれども。住民自治の反映の方法として、一般制度がいいのか、合併特例の方がいいのかという辺りは、今、公選みたいなお話もちょっとあったので比較するのに参考になるのかなと思ったものですから。
○林小委員長 これは非常に難しいと思います。
そろそろ予定の時間に近づいておりますけれども、論点整理を今日の議論を踏まえてしていただきますので、この点は是非盛り込んでもらいたいということがございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。時間も残り少なくなってまいりましたので、意見交換はこの程度にとどためいと思います。
それでは、事務局から今後の日程等について説明をお願いいたします。
○自治政策課長 次回の日程でございますが、既に御案内いたしましたとおり6月27日金曜日、午後1時から、中央合同庁舎第7号館、これは新しくできたビルでございまして、金融庁が入っているビルでございますが、ここの共用会議室1で行います。初めて使用する会場でございますので地図を入れておりますが、財務省との間の坂を進んでいただきまして、地図に示してある金融庁側の入り口からお入りを願います。入り口に職員がおりまして対応させていただきます。
次に、7月の日程につきましては、7月29日火曜日、午後3時から、ここの三田共用会議所で行います。また、8月についてでございますが、8月19日で案内申し上げていたところでございますが、申し訳ございませんが、昨日メールでお知らせいたしましたとおり、8月は開催しないこととさせていただきましたので、よろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
○林小委員長 それでは、これをもちまして本日の専門小委員会を閉会いたします。長時間どうもありがとうございました。