会議資料・開催案内等



29次地方制度調査会第14回専門小委員会 次第



平成20年9月5日(金) 10時00分〜12時00分
全国都市会館 第1会議室(3階)


1   開会

2   議題

  1) 議会に関する意見聴取、質疑応答

       石井 正弘 全国知事会 総務常任委員会 委員長
岡山県知事

  石垣 正夫 全国市長会 行政委員会 委員長
岡山県新見市長

  山本 文男     全国町村会 会長
福岡県添田町長


  2) 委員間のフリーディスカッション

3   閉会

配付資料(PDF)
 
資料   地方議会制度に係る論点




○林小委員長 まだ、おみえでない方もいらっしゃいますけれども、時間になりましたので、第14回「専門小委員会」を始めさせていただきたいと思います。
 本日は、議会に関する意見聴取を45分、それから質疑応答30分、最後に委員間のフリーディスカッションといった組立てで進めたいと思います。
 本日、議会に関する意見聴取に3名の方に御出席をいただいております。御紹介をさせていただきます。
 全国知事会総務常任委員会委員長の岡山県知事石井正弘様でございます。
 全国市長会行政委員会委員長、岡山県新見市長の石垣正夫様でございます。
 全国町村会会長、福岡県添田町長の山本文男様でございます。
 それでは、まずは皆様からそれぞれ15分を目安に御説明をいただきたいと思います。
 それでは、石井様よろしくお願いいたします。

○石井氏 改めまして、岡山県知事の石井正弘と申します。本日は、この地方制度調査会に、お招きをいただき発言をさせていただく機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 日ごろから地方分権の推進につきまして、格別の御支援と御協力をいただいておりますことを、まずもって厚く御礼申し上げる次第でございます。
 それでは、早速、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 本日の議題でございます地方議会制度の在り方ということにつきましては、既に28次の地制調におきまして議論されておられます。そして、その際にも知事の間にはさまざまな意見が見られたところでございます。
 本日は、これまでの知事会における種々の議論等も踏まえまして、また、第2期の分権改革が山場を迎える中、真の分権型社会の到来ということも見据えながら、岡山県知事としての私の考え方も含めて意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、最初に基本認識についてでございます。申し上げるまでもなく、議会は首長とともに自治体運営における車の両輪でございまして、議決機関といたしまして、また監視機関といたしまして、地方自治制度の一翼を担ってこれまでも大きな役割を担ってきているところでございます。
 私自身、議会は直接選挙によって選出されます複数の議員によって構成される住民代表の合議体といたしまして、多様な意見を反映し得る存在であります。
 緊張関係を保ちつつ、十分な連携を図りながら地域の未来を考え、政策を実現していく上での大切なパートナーであると認識しているところでございます。
 議会制度につきましては、御存じのとおり28次地制調におきましても議論がなされまして、その答申結果を踏まえ、地方自治法の一部改正が既に行われているところでございます。
 その後、18年12月の地方分権改革推進法の成立がありまして、第2期の地方分権改革の議論が本格化をする中、これからの地方自治体は自己決定、自己責任の原則の下に、自主性、自立性を発揮し得る、一方で、ますます責任ある行政運営が求められていると考えております。
 そういう意味におきまして、議会に対しましても政策形成機能とか、あるいは執行機関に対する監視機能、このより一層の充実強化、強くこれが求められる状況になっていると承知をしているところでございます。
 次に、地方分権改革推進の観点ということにつきまして、まず、お話をさせていただきたいと思いますけれども、第2期の分権改革は山場を迎えているということは先ほど申し上げたとおりでございます。
 我々といたしましては、地方分権改革推進委員会の議論等を知事会といたしましてもバックアップをしながら真の分権型社会の実現に向けまして、全力で取り組んでいるところでございまして、地方制度調査会におかれましては、是非ともこの地方分権改革推進委員会の議論との連携を図りながら、地方分権改革を強力に推進していただきますよう改めて強く期待をさせていただく次第でございます。
 そういう地方分権改革という観点から3点申し上げたいと思いますが、まず、自主性、自立性の拡大というものが第1点でございまして、地方公共団体の自主性、自立性を高めるということが大変重要な観点でございます。
 特に、議会の組織及び運営につきましては、議会の自主性、自立性が拡大する方向での議論を是非お願いしたい。これが第1点でございます。
 第2点目は、自治立法権の拡大への対応ということでございます。地方分権改革推進委員会は、地方政府の実現ということで、自治行政権、自治立法権、自治財政権を有する完全自治体である地方政府の実現をとなえられておられます。
 この地方分権改革におきましては、自主的、自立的な行政運営が可能となる地方税財政制度の実現とともに、条例によって法令の規定を上書きする範囲の拡大など自治立法権の充実強化が重要なテーマでございます。
 こうした、自治立法権の充実強化に対応でき得る地方議会の機能、制度等の在り方につきまして、是非議論を行っていただきたいと存じます。
 3点目でございますが、住民自治の充実、拡充という点でございます。住民本位の豊かな地域づくりを目指すという意味におきまして、これまで以上に情報共有あるいは住民参加によりまして、透明性を確保した上で住民本位の政策を行う必要がございます。議会がこういった住民自治の充実、拡充に対応するために、より一層民意をくみ取って、住民にとって身近な存在になるということを期待しておりまして、そういった観点からの議論も是非お願いをいたしたいと思っております。
 以上、全体の前置きということで申し上げました。
 それでは、以下、各論につきまして今回種々御議論がございますが、私は、本日5項目につきまして意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、第1項目の契約締結及び財産の取得処分の議決案事件に係る政令基準についてでございます。
 この点につきましては、知事の間におきましては、いろんな意見がございます。1つは、地方分権推進の観点から、全国一律の基準というものを廃止して、各地方自治体の自主的な判断に任せるべきであるという意見がございます。
 その一方で、基準の廃止、緩和により議決範囲が拡大し、迅速な事務執行に支障が生じないように留意をすべきであるとの意見もあるところでございます。
 私自身は、できる限り議会の自主性、自立性を拡大すべきであるという立場でございまして、政令基準につきましては、何らかの議決要件は必要だと思いますけれども、しかし、全国一律的な規定というものを行う必要は必ずしもないのではないかと私はこのように考えているところでございます。
 続きまして、第2点でございます。法定受託事務の議決事件への追加、この論点でございます。
 これにつきましては、法定受託事務を議決事件に追加すべきであるという意見を述べておられる知事も多くございますけれども、しかし、また一方で、法定受託事務は国の責任において処理すべき事務であって、各団体の事情によって取扱いが異なることとすべきではないという意見あるいは法定受託事務の性質等を踏まえますと、議会の議決との関係につきましては、これは慎重に検討をすべきである等の意見、この方がやや多いような状況と私は承知をしております。
 私自身の考えでございますけれども、法定受託事務の性質等にかんがみて、議決事件から除外する旨の規定が設けられているということからもこの問題につきましては、国におかれまして、慎重に議論されるべきものであろうと考えているところでございます。
 次に、3点目でございます。議会への財政上の報告を要する法人等の範囲の拡大という論点でございます。
 この点につきましては、知事の間では、各自治体の自主的な判断に任せるべきであって、全国一律の基準を設けるべきではないとか、あるいは説明責任の充実強化や、財政の健全性の確保等の観点から対象法人の範囲を広げることは意義があるなどの意見がございます。
 一方で、自治体の財政に多大な影響を与えるものなど、範囲の拡大は慎重に検討すべきである、こういった意見もございます。
 私自身の考え方でございますが、自治体と密接な関係を有しております団体の設立状況等は、必ずしも全国一律ではございません。また、地方分権改革を推進していくという観点からいたしましても、それぞれの実情を踏まえました上で、各自治体が自主的に判断をしていくべきものであると考えおりまして、ちなみに、本県では、出資比率とか、あるいは県職員の派遣の状況など、独自の要件に該当する団体を外郭団体として指定をいたしまして、こういった団体の財務状況等の議会への報告を自主的に行っているところでございます。
 4点目、決算不認定の場合の首長の対応措置の義務づけについてでございます。この点につきましては議会での決算審査を通じて説明責任は十分果たされている。あるいは決算不認定の場合、住民に対する説明責任は当然なものでありまして、これを法定すべきものではない。あるいは決算不認定の場合、首長が政治的な責任を負うこととなりまして、その最終的な判断は住民が選挙で行うべきであるなど、これは知事の間におきましては慎重な意見が多いところでございます。
 私自身の考え方でございますけれども、決算の審議に当たりましては、当然これは十分な説明を行うということが求められておりまして、仮に決算が不認定となった場合におきましては、首長自身が大きな政治的責任を負うということになるということから、不認定の場合につきまして、あえて説明義務等を負わせる必要はないのではないかと考えているところでございます。
 5点目、議会招集権についての論点でございます。この点につきましては、先ほど申し上げました、第28次地制調の答申結果を踏まえまして、地方自治法の一部改正が既に行われ、議長への臨時会の招集請求権が付与されたということなどからも、現時点におきましては、見直し後の制度を支持をするという意見が多いところでございます。
 私自身も首長に専属しております予算提案権のように、議会に提案権そのものが帰属しない事項があるということなどからも、一般的に議長に議会招集権を付与することにつきましては、慎重に検討する必要がありまして、当面は見直し後の制度運用の状況を見守るべきではないかと考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、議決権の拡大とか、議会招集権の在り方など、長と議会の権限配分、抑制均衡の関係に関するこういった問題につきましては、これは地方政治システムの根幹に関わる問題であるということから、議会の在り方に関する根本的な議論を踏まえながら検討を深めていくべきものであると考えているところでございます。
 以上、5つの論点につきまして、知事の間の意見と私自身の考え方も併せ御説明を申し上げたところでございますが、地方分権改革を推進して真の分権型社会を実現していく上で、議会が果たすべき役割というものはますます大きくなっていると考えているところでございます。
 今次の地方制度調査会におかれましては、より適切な民意の反映とか、議会と首長との均衡ある適切なる関係の構築とか、更には自治立法機能の充実強化などにつきまして積極的な議論を行っていただき、また、地方分権改革推進委員会との議論とも相まって地方分権改革の一層の推進につながっていくことを強く期待をさせていただきまして、私の意見表明とさせていただく次第でございます。
 誠にありがとうございました。

○林委員長 ありがとうございます。それでは、石垣様よろしくお願いいたします。

○石垣氏 全国市長会行政委員会の委員長を務めております、新見市長の石垣でございます。
 本日は、発言の機会をいただきまして誠にありがとうございます。また、委員の皆さんは議会制度の在り方などにつきまして精力的に審議を重ねられておられることに対しまして敬意を表する次第でございます。
 さて、地方自治体を取り巻く環境は、行財政改革または近年の原油高の起因によりまして、物価の高騰により、以前よりまして行政運営は厳しい状況にありますが、地方分権に積極的に取り組むとともに、議会との均衡抑制の下に、民意を適切かつタイムリーに反映させる中で、行財政運営に緊迫感を持って懸命に取り組んでいるところであります。
 都市自治体におきましては政令市、中核市、特別市、一般市とその規模、財政力などは千差万別でございますので、本日は一市長の立場で御意見を申し上げたいと思いますので、お許しいただきたいと思います。
 まず、初めに論点につきまして意見を述べるに当たり一言申し上げたいと存じます。
 地方分権の進展に伴いまして、議会の果たすべき役割がますます重要となっておりまして、将来を見据えた議会の在り方等について議論することは意義があると存じております。
 また、地方自治行政は、各地方の実情に応じまして、自治体が自主的かつ自立的な判断で行うことを基本とすべきであり、地方自治の運営に関する事項につきましては、大枠にとどめるべきであり、こうした観点で検討を進めていただきたいと存じます。
 それでは、議会制度に係る論点について意見を申し上げさせていただきたいと思います。
 地方議会の在り方につきましては、議会制度と議会の運営に分けることができると思いますので、それぞれについて申し述べたいと思います。
 まず、議会制度としての長と議会の関係について4点ございます。長と議会の関係、自治法96条の議決事件について、第1点目は、第96条第1項の法定議決事項の追加についてでございますが、自治事務であれば条例により議決するものを定めることが可能であり、また、自治体の自主、自立権、自由度の拡大という観点からも慎重にすべきであると存じております。
 特に、契約議決及び財産の取得または処分については長の執行権の範疇であり、重要案件に限定すべきものと考えます。
 現在の契約の政令基準は平成5年以降、財産の取得、処分は、昭和38年創立以降改正されていないので、社会経済情勢の変化を踏まえつつ、引き上げ、見直しを行うべきではないかと考えております。
 議会への実地検査権の付与についてでございます。次に議会の実地検査権の付与についてでございますが、本調査会では監査機能の充実と議会の監視機能の両面の審議が行われますが、監査委員の監査と議会の監視の権能をどう考えるかという問題と認識しております。
 これまでの制度では、監査委員と議会との関係では少なくとも実地検査につきましては、監査委員の権能に委ねているところであり実地検査権を議会に付与することは慎重であるべきと考えております。
 決算不認定等における長への対抗措置でございます。次に、決算不認定等における長への対抗措置の指摘でございますが、決算は議会の議決を経て成立した予算の執行結果であり、最終的には政治的解決に委ねるべきと考えております。
 長の議案提出権の廃止、立法機能の議会の専属化の項目でございます。
 長の議案提出権等の廃止、立法機能の専属化についてでございますが、議会は憲法におきまして議事機関とされており、長の執行権、統轄権に関わることであり、首長制をとっている地方自治制度の根幹に係る問題であると存じております。
 次に、議会運営の在り方について3点ほど申し上げたいと思います。
 議会運営の在り方、会期議会運営について、まず、議会の会期や運営の在り方でございますが、各自治体におきまして、いかに効率よく、また集中して論議できるかをさまざまな工夫の下、地域の実情に応じて実施しているものと考えております。
 会期の廃止ないしは通年化等の議論がされていると承知しておりますが、議決案件の中には予算や決算、条例等、急務な議決案件もございます。また、執行機関の拘束、議会審議の効率性や、経費面の問題等もございますので、会期、議会運営につきましては、慎重に検討すべき課題であると思っております。
 基本的には、各自治体の判断や工夫に委ねることが適当と考えております。
 議長の招集権の付与でございます。次に、議会の招集権の議長への付与についてでございますが、長の統轄代表権を基本とした現行の地方自治制度の根幹に関わる事柄であるので、慎重に検討が必要と考えております。
 なお、臨時議会につきましては、第28次調査会の答申を受けて、その招集請求権が議長に付与されたものと承知しております。
 議会の定数について、次に、議会議員の定数についてでございます。市議会議員の定数については地方自治法第91条に規定されておりますが、行財政改革の下、各自治体におきましては、職員の定数の大幅な削減を求められており、併せて議員定数につきましても、見直すべきと考えております。
 本市におきましては、議員定数につきましては、上限未満で定めておりますが、こうした状況も踏まえて、地方自治法で規定する人口区分による上限を引き下げ、見直す必要があると考えております。
 透明性の向上と議会事務局の強化。次に、透明性の向上と議会事務局の強化について申し上げます。
 地方分権の進展により、基礎自治体の役割や権能はますます増大しております。
 そういう中、地方議会の向上、活性化を図ることは極めて重要であり、議会議員の資質を高めるための研修機能の充実や、議会事務局の強化等の議論を深めることは意義があると存じております。
 小規模自治体における議会制度、最後に小規模自治体における議会制度について申し上げたいと思います。
 小規模自治体の概念が定かではございませんが、初めに申し上げましたように、都市自治体におきましては、その規模は千差万別でございます。議会制度の差を設けるほどの権能の差はないと考えております。小規模自治体における議会制度は、今後の基礎自治体の在り方の論議を踏まえた上で検討をすべき事項ではないかと存じます。
 以上、発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○林委員長 ありがとうございます。それでは、山本様よろしくお願いいたします。

○山本氏 山本でございます。私は第28次のときに、1時間以上話したものですから、後で随分悪く言われました。どうしてあんなに長く話したのか、ここにおられる方は皆さん知っている人が多いと思います。それほどあのころは町村としては、かくあるべきであるということについて、より具体的に話をしたから、長くなったんだと思います。
 しかし、だからといって今日短くやれと言われますけれども、そう簡単にはいかないのです。短くやるならば、この会議をやる必要はないのです。委員の先生方がよく実態を承知して、どうしたらいいかということを決めていただくのが一番大事なんです。
 ですから、知事会市長会のお二方とも遠慮して言われたのではないかと思いますが、たしか今から4年前になるかと思うんですけれども、第28次のときに最後でしたが、諸井委員長が、山本があんなに言うんだから、総務省の方で十分配慮をして、そしてできるだけそれが実現するよう努力をしてほしいということで、最後は結んでいただきました。
 そこでお願いなんですが、最初にそれを申し上げますが、お話されたお二方も暇で出てきたのではないと思います。忙しい時間を割いて今日は出てきた。それはそれなりの大事なことだから代表して出てきたものでございますから、申し上げた意見については、ひとつ十分御配慮願いたいと思います。
 私は、前回、1時間半ぐらいお話ししたと思いますが、あそこ(総務省)の人たちから随分文句を言われました。それで今日は4点ほどにまとめまして申し上げたいと思いますが、まず第1は、ここに私どもの福岡県で、昨日、一昨日の2日間にわたって、こういうことはどうだということで書いてもらったのがこれだけあるんです。これをちゃんと読みますと長いですが、全部現行のままでよろしいという意見がほとんどです。
 例えば極めて簡単なことですが、監査委員の独立性を強化する観点から、監査委員の選任についてどうしたらいいかというのがあるんです。ところが、町村長の皆さんたちは、現行のままでいいと言っているんです。特別に監査委員ともめたり、監査委員と意見が対立したりすることはないんです。ですから、監査委員のところもほとんどが現行のままでよろしいと言っている。
 もう一つは、議会の関係なんですけれども、議会の関係もさっきお話があったとおり、議会議長に議会の招集権を付与する必要はないということです。
 なぜかと言いますと、議会を招集する前は私ども議長とよく話をします。議会はいつ招集するか。そして今度の議題は大体こういったことが議題として出るだろうと。だから、この何時間ぐらいでやったらいいと思うので、一番議会の方で招集しやすい日はいつかと事前に協議をするのです。ですから何もそれを法制化して、議会の招集権を、特別なことでしょうけれども、議会だけの独自の招集権を持っている必要はないと思います。
 そうなりますと、議会だけが、自分勝手に考えて、議会の招集を行うことになります。だんだん執行部と議会との対立感情を生むことになると私は思います。
 ですから、そういう議論はやめるべきだと思います。そういうことを考えること自体が、市や県のことはよくわかりませんが、町村ではそういうことは必要がないということでございますので、あとは例えばいろんな事務局の体制、あるいはまたそのほかに監査の関係、議会というのはこういうことは全部やっているんです。それを何で今更文言でそういったものを決めてやるのか。
 例えば道路をつくった。それを議会が全然見ないという訳ではないんです。ちゃんと議会が開かれたときに、議会は議会としてその道路がよくできているか、どういうつくり方をしているか、あるいはつくる前にはどういうふうにしてやるのかということについて現地調査をちゃんとやるのです。ですから、殊更にこういう規則を決めてやるということは必要ないと思います。
 さて、議会と我々執行部というのは、常に協議をしながら議会運営をしているということでございますから、殊更に議会を意識し、あるいは我々執行部の方は、特別に議会に対して対抗意識を持ったりすることはないということでございますので、その点をよく御理解願いたいと思います。
 さきほどの議会の権限でございますけれども、議長への招集権の付与については、私どもの福岡県の町村長の皆さんは、みんなそういう必要はないと、さきほど申し上げたとおりです。
 また、専決処分も、十分意を通じ合いながら、議会を開いていくと間に合わない場合があるので、しかもこれは平素から十分協議をしている事柄であって、殊更に議会を開いて議決をする必要はないということです。これは執行者側の方にそれはお任せをするという信頼関係でこういうものは生まれてくるわけであって、あるいは急を要する場合がございます。一番国が悪いのではないでしょうか。今日は国の人がおりませんからいいですけれども、税の問題などはぎりぎりでないと決まらないのではないでしょうか。3月に決まるのですから。もし、それがいかぬというのなら、今日ここで決めてください。地方税の関係ですが、少なくとも2月前に決めろということを決めてください。それならばそれを専決しなくても済む場合もあります。
 ところが、専決処分はやらざるを得ない。時間がないのです。決めるのは3月の早くて20日ぐらいではないでしょうか。もう議会はほとんど終わっているわけです。その後に、地方税などが決まってくるわけですから議会を開いてやるなんていうことは到底できませんから専決なってしまうわけです。
 そういうことを考えて、我々地方の意見を聞くよりも、国側の意見を先に私どもに聞かせてください。その方が先決ではないでしょうか。ですから議会に間に合うように、地方が専決をしなくて済むような、そういうやり方をすることが大事ではないでしょうか。
 また、他にもどうしても専決をしなければならないことが起こります。これは4年間のうちに全くないとは言えません。しかし、それほど急な、しかも重要なことが起こった場合は、専決をして、その処理をしていくことによって、町民の皆さんたちに利益を与えていくということになるわけで、そういった場合もありますから、専決というのは大事なものであると同時に、いつも濫用するものではありません。このことに関していろいろ議論があるとするならば、さきほど申し上げたとおりですので、その辺りの御判断を願いたいと思います。
 議会としては専決処分してしまえば、議会は要らないんではないかと、そういうことも言えるかもしれません。しかし、そんな時間がない、ゆとりもない、そういうときに専決というものは起こり得るものであって、後で議会にはよく理解を求めて言っておりますから、いまだかつて私の長い経験からいって専決処分で議会ともめたことは一度もありません。長いといってもまだ40年にしかなりませんけども、その間に一遍ももめたことはありませんので、それだけは申し上げておきたいと思いますので、そのことについては十分な御理解を願いたいと思います。
 さきほどもお話が出ておりましたが、決算で不認定になった、議会が認めないということが起こり得ることもある。私は経験がありませんけれども、そういうことがもし起こったとしても、現行制度では、これを認めていただかなくても、決算というのは有効なんですね。
 ですから、私はいつも言うのですが、特別に悪いことをして使ったものであるならば、それは当然、対象事項になるから、みんなで協議をして方針を決めればいいけれども、普通の場合、使った数をいろいろ言って何になるかということです。
 例えば決算を出すでしょう。決算で出したものについて、色々議論があったとしても、元には戻りません。我々の方も審査がありますから、使うときに慎重な上にも慎重に使っているつもりでございます。無駄な使い方をするということだけはやっていないつもりでございますので、それは信頼していただきたい。
 決算のところは、十分そういうことを考えて現行のままでよろしいということで、措置をしていただきたい、特別な規定を設ける必要はないということでございます。
 さて、さきほども少し触れた議会の招集なんですけれども、これは議会と執行者との間に対立を生む大きな原因になります。ですから議会がうまくいかなくなります。従って、これは議長に招集権を与えるということはやめた方がいいと思います。悪口を言っているわけではありませんよ。必ず何かやると人間には感情がありますから、あなたがやっていることに対しては賛成ができない。それでは、議会だけで招集して、これを言おうじゃないかとなる。
 皆さん御存じのように、一般質問というのがあるんです。一般質問でもみんな向上のために質問をしてくれたり、あるいは不義なところを質問してくれたりするのが主たるものでございますが、もし感情的な質問するようになったら、これはうまくいくわけがありません。
 それと同じようになるとは言いませんよ。もしそういうふうに感情的に、町長のやっていることについては賛成できない。だから、この議会を議会として招集して、これを究明しようじゃないかというようなことが起こり得るんです。ですからそういうような紛争の種をつくるような制度は、私はつくるべきではないと思います。
 ただ、紛争してよろしいという考えであるならば、どうぞつくってください。その代わり私は責任を持てませんから、一切そういうことが起こらないようにするためにも、議会の招集というのは、現行の制度で私は十分であると思います。
 議会と長たるものは、常に連携を密にして、そして十分な意を通じながら、議会運営をやっている。あるいは執行をやっているということであるということを、まずお認め願いたいと思いますので、首長と議長が不仲にならないようにすることこそ大事ではないでしょうか。不仲な団体だったら、そんなことが起こり得るかもしれませんが、日本の国ではそういう団体や、首長やそういう議長さんはいないと思いますので、招集権を持つことは必要ないと思いますので、一つこの辺りは十分御配慮いただきたいということを再度お願いしたいと思います。
 最後になりますが、議会事務局の強化でございますが、事務局の職員というのは、優秀な、例えばうちの町ならば、百何十人しかおりませんから、その中の優秀な人を議会事務局に当てておるんです。言い換えますと、オールマイティーまではいかないけれども、十分知識を持った、しかも熱心な勉強よくする人を議会に当てております。
 市や県は知りませんが、町村は一所懸命やっています。県や市もちゃんとできているから、一番心配なのは町村だとお思いの先生方ばかりだと思いますけれども、決して怠けているということはありません。みんな一生懸命にやっておりますので、是非ひとつ御理解を願いたいと思います。
 さて、少し話しは変わりますが、国の方で地方分権や道州制などの議論が盛んに行われております。道州制を何故やるんでしょうか、全くわかりません。道州制をやればどんどん何処からか財源が浮かんでくるんでしょうか。ですから、道州制というものについても、私ども余り賛成はできませんが、大きいところがやるというのならば、そのときは町村だけは外しておいてください。道州制は県と市でやってください。私は道州制をやる必要はないと思います。何で道州制をやらなければいけないんですか。日本の国というのは村から始まったんですよ。今の人たちは、それを忘れてしまっているんではないでしょうか。村から始まり、そこに文化が生まれ、そしてその文化から新しい地域をつくってきたのではないですか。それを殊更に道州制をつくって、今は人口30万とか言っていますが、30万単位で合併して道州制を実施したらどうかというようなことを言っているように聞こえますけれども、決してそういうものではありません。原点に返るべきです。今、日本の国はどうしたらいいかということを考える場合は、日本の国というのは村から始まったんだということを忘れないようにすることこそ大事ではないでしょうか。
 ですから、そういうことを道州制のところでは、是非ひとつ考えていただきたいと思います。
 また、地方分権なんですけれども、地方分権で最も私どもが異にしているのは、こういうことを言われました。市だからこれはやりますというんです。町村にはやる根拠を持たないというんです。
 ということは、町村は要らぬということと同じことだと、私は思いましたので、さっき申し上げたように、日本の国の始まりは町村であるということをお忘れにならないようにして、地方分権についても十分な配慮をしてください。人口5,000人の市もあれば、5万人の村もあるんですよ。これを忘れているじゃないですか。5,000人しかいない市があるかと思えば5万人いる村もあるんです。5万以下の市は484あるんですよ。5万の市町村というのは80近くあるんです。ですから、そういうことをよく考えた上で、みんながうまくいく、言うならば、こういうような地方分権を行っていくことこそ必要ではないでしょうか。人口が少ないからといって、それはどうでもいいというような考え方で、これから分権を進めていくということであるというならば、これは不見識極まりないと思いますから、ひとつ十分先生方の方で御配慮いただいて、一人ひとりがおるからこそ1億2,000万人になるんです。1億2,000万人がいるから一人ひとりがいるんではないんですよ。そういうことを十分ひとつ御配慮いただいて、今回の地方制度については御配慮をいただきたいということです。
 要らぬことばかり申し上げましたが、前回に比べれば、わずかな時間です。前回は1時間半言いましたから、今回はうんと節約をして申し上げている。しかし、大事なことだけ申し上げましたので、その点を御採択いただきますよう、お願いを申し上げて終わらせていただきます。

○林委員長 ありがとうございます。予定よりも少し早目に議論ができるようになりました。ありがとうございます。
 それでは、地方制度調査会の委員から、今、御説明をいただきました皆様に対して質疑応答を、30分程度でございますけれども、お願いをしたいと思います。
 それでは、質問等がございます方、お申し出いただければと思うんですけれども、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○金子委員 金子でございます。3名の方にお伺いしたいんですけれども、予算策定過程についてなんですが、地方公共団体の場合の方が、国の予算過程に比べますと、一月ぐらいですか、もう少し遅い感じに始まりますね。2月の中旬から下旬というところから、次の年度の予算なので、3月31日までには通さないといけないということで、地方議会における予算審議が、結構時間がないと思うんですけれども、その中で、予算を議会に出される前に、議会の会派等と何らかの意見交換とか、情報交換、協議とか、これは多分非公式という形になろうかと思いますけれども、そういうことをやっておられるかどうか。それについてやっておられる場合に、その効果みたいなこと。やっておられない場合については、そういうことを実際にやろうと思うと、どういうメリット、デメリットがあるとお考えになるか教えていただけないでしょうか。よろしくお願いいたします。

○林委員長 それでは、石井知事、お願いいたします。

○石井氏 石井でございます。本県の場合の予算の策定過程における議会との関係につきまして、お話をさせていただきたいと思います。
 私どもの県議会では、委員会での審議というのが大変活発でございまして、月2回御審議をいただいておりますが、予算につきましても、いわゆる事前審査制度という制度を設けておりまして、予算の要求過程におきまして、また、1回そこで審議をしていただきまして、また2回目の審議を委員会でしていただきまして、十分予算要求の段階で、議会で活発な御議論を委員会でいただきながら、それを参考にして、私ども執行部の方で予算を固めていくという、勿論これは公開された立場で行っております。
 なお、執行部が議論する過程の中で、各会派からも会派として予算の重点的な項目、要望も含めた、また県政の方向性ということも含めた、こういういわゆる各党からの要請、要望ということあるいは協議ということ事前に私ども執行部とやるということで、こういったいろんな手続きを経ながら、そういった面ではかなり透明性を高めて予算策定を行っている。本県の場合はそういう状況でございます。

○石垣氏 予算策定の前でございますが、まずは総合計画というものがあります。それに基づいて、予算を執行する計画を立てるということで、計画でやっておりまして、今、それを議会に提出する前には、県と同じように、各予算委員会で議論して、そこに行って説明して、それを本会議に上程するというようなことでございますし、また、特別な新しい問題等課題がありましたら、議長と相談して、そこで各委員と相談して提出するようにしておりますので、何らそういう問題は審議が遅れているとか何とかというのはございません。

○山本氏 予算を決める場合は、最初のときの予算と、途中でどうしても必要なものとが出てくるんですね。その場合、執行が年内で可能かどうかということを、まず考えるんです。年内に執行できるものについては、できれば必要なものであるならば予算化をします。そして、やっているうちにどうしても年内に完了しない、そういうものも出てきます。
 そういうものについては、これは議会と十分協議をした上で予算化を行いますから、ある意味では共同責任みたいにしておりますから、殊更に、そのために問題が起こることはありません。

○林委員長 ありがとうございます。ほかに御意見、御質問はございませんでしょうか。いかがでしょうか。
 どうぞ。

○片山副会長 石井知事にお伺いしたいんですけれども、これは石井知事だけではなくて、お三方とも議長による招集権には否定的である旨発言されたと思うんです。
 私は二元代表制の下で、どちらも住民の代表であって、その一方の議会が自主的に集まろうとしたら、現行の法律だと、長に請求をしなくてはいけないという、こういう非常に屈辱的な立場にあるわけです。これはやはり二元代表制にもとることだと思うんです。ですから、私は議長に招集権を付与した方がいいという考え方なんです。
 そこで伺いたいのは、何か困ることがありますか。議長に招集権が付与された場合に、致命的に困ることです。山本町長さんは、一緒に和気あいあいとやっているんだから、問題ないと言われましたけれども、その和気あいあいとやっていること自体が実は問題なんです。和気あいあいとやっているところから夕張市のようなああいうことが起きてくるわけで、やはりチェックをするということは場合によっては対立をしたり緊張関係があるということが当然求められるわけです。和気あいあいは、一般社会ではいいかもしれませんけれども、議会と長との関係では私はよくないと思います。
 それで、質問ですけれども、要するに不都合なことは何かあるかということをなんです。これを伺いたい。
 それから、専決処分の話は、山本町長が専決処分は非常に重要なんだと言われて、その例として、税法と税条例の関係を言われましたね。昔は確かにそういう面があったんです。3月31日に税法が変わって4月1日から新しい条例で税務を執行しなければいけない。そうすると、ほとんどの自治体は税条例の改正を専決処分でやっていたんです。今、その環境はかなり改善されたと私は思っているんです。自治税務局の人はおられませんかね。おられなかったら岡崎さんでも詳しいと思いますけれども、現状は皆さんの努力でかなり変わったと私は認識しているんです。ですから、山本町長が言われたのは一昔前の話で、今は全く皆無とは思いませんけれども、ほとんど専決しなければできないということはないと思います。前年度とかに、改正されるような慣行になっておりますからね。
 そうしますと、今、議会を開くいとまがないという理由で。専決処分を行わざるを得ないというケースが果たしてどれぐらいあるのだろうかと私は思います。
 というのは、議会を開こうと思ったら、例えば電話をすればすぐ明日にでも開けるわけです。集まるか、集まらないかは別ですけれども、メールだと瞬時に連絡ができるわけです。昔のように、昭和38年に体系ができたときに、郵便だと通信事情が悪いときは多分往復で1週間ぐらいかかったかもしれませんけれども、今はもう瞬時にできるわけです。
 そうしますと、少なくとも議会を開くいとまがないというのは、私はかなり限定的になっているんではないかと思うんです。招集しても集まらないというケースはひょっとしたらあるかもしれないけれども、そもそも議会を開くいとまがないというのは、それを理由にして専決処分をするというケースは、私の経験だとほとんどないんです。
 そうしますと、専決処分というのを、これまでと同じように、のんべんだらりとやっておくというのは、私は許されないんだろうと思います。
 そういう認識を持っているんですが、要するに税条例は、多分、専決処分するには該当しないと思います。現に北海道の町村の多くは、税条例を全部議会で審議されております。ですから、山本町長の認識は、私は違うと思うんです。
 その前提で、それ以外に、例えば専決処分をせざるを得ないような事情が、ケースが、どんなケースがあるかです。よく現場の実態を聞いてほしいと、さっき何回も強調されたんで、あえて伺いますけれども、どんなことがあるのかということであります。
 それから、新見市長さんが、やはり招集権のことで、長の統括代表権を侵してはいけないという趣旨のことを言われたんですけども、長の統括代表というのは、執行機関の総括のことだと思うんです。議会まで含んで統括ということではないと私は認識しているんですけれども、その点を少し指摘しておきたいと思います。

○林委員長 それでは、山本町長さんからお答えいただけますでしょうか。

○山本氏 今の専決のところは、私に聞くより、役所の人に聞いた方が早いんじゃないでしょうか。私のところはそのとおりです。今でもそうです。そのことしか来ないんですよ。その前に来ていますか。今、どなたでしたかね。

○片山副会長 私の方は来ていないじゃなくて、前の年などにあらかじめ税法は改正しているんです。ですから、地方税法の改正が3月になったとしても、すぐ4月から適用しなければいけないものというのは、前年度に、多くは改正されているんです。そうでもないですか。

○山本氏 全ては来てないと思いますけどね。

○総務事務次官 それはものによりますね。大きな税制改正で、新しい税を入れるということになるというのは、勿論準備期間が必要ですから、国会の方でも、そういう準備期間を考えて半年後あるいは1年後に実施になるから、それまでに条例を準備してくれという改正をする場合もあります。
 個別のいろいろな租税特別措置とかと考えますと、実際に、国会で3月の半ばか下旬に決まって、直ちに4月から地方団体に実行してもらわなければいけないものというのもまた当然あり得るわけで、副会長言われるように、国会の方がなっているかと言われると、なかなかそうなっていない面もあるかなと思います。

○片山副会長 私がさっき言ったように、すべてなっているとまでは言っていないんです。昔に比べたら随分改善されているんです。
 そうしますと、百歩譲って専決処分をしなくしてはいけないというものがあるとしても、まるっきり税条例を全部丸ごと専決処分ということは許されないと思うんです。現に北海道へ行きましてびっくりしましたのは、町村の多くはちゃんと議会で議決しているんです。
 そういう実態がある中で、さっき町村会長が言われたようなことは、少し認識が違うんではないかということなんです。

○林委員長 ありがとうございます。とにかく議会と長のよき緊張関係をどうやって築くかという話ですから、例えば、招集権を付与した場合にどのような不都合が起こるのか。むしろそれを自由に、権限を禁止するのではなくて、むしろ自由にすることによって、よき緊張関係を長と議会の間で構築することはできないだろうかということだろうと思うんです。ですから、付与することで、何か不都合があるんだろうかということについて、お三方からお伺いできればと思います。

○石井氏 何か具体的な、致命的な不都合があるのかというお尋ねでございますけれども、今回のお答えを申し上げる際にも、各都道府県の意見というものも聴取をさせていただきまして、これも参考にしながら、私は回答させていただいたわけなんですけれども、やはり我々知事会の中では、先般の28次地制調の答申結果を踏まえて、御案内のとおり自治法の101条が改正されて、そして議長が、長に対して会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。請求があったときには、当該長が請求があったから、20日以内に臨時会を招集しなければならない。こういう規定が設けられたわけでありまして、当面見直し後の制度運用というものの状況を見守っていただければというのが、非常に、そういう見解の方が多い。あるいは慎重に対応すべきだという方が多いというのが、知事会の全体の空気でございます。
 ただ、長と議会との関係という意味におきましては、先ほど申し上げましたとおり、長と議会の権限配分とか、あるいは抑制均衡の関係という根本的な、地方政治システムの根幹に関わるような大きな問題ではないかというふうにも、我々はとらえているわけでありますので、具体的に何が不都合かというようなことにつきましては、改正されました新しい自治法の事務改正の制度を運用していく中で、引き続き検討されるということでよろしいのではないでしょうかと、全体の空気がそういうことでございます。

○林委員長 ありがとうございます。それでは、石垣市長さん、よろしくお願いします。

○石垣氏 先ほども申しましたように、臨時議会につきましては、第28次の調査会の答申を受けて、その招集請求権を議長に付与されたわけでございますが、様子を見ながら今後対応していけばいいんではないかと思います。
 我々は直接議会といろいろと協議をしたり、問題があれば協議をやりますが、そういう中で、議会同士のねじれ現象があれば、執行部にそれが物すごくかかってくるわけです。
 例えば、あるか、ないかは別といたしまして、重大なこともまとまらなかったら招集できないようになります。
 だから、今は少し様子を見て、また、次の段階で検討したらどうかと思いますし、また、費用面で、いろんなことを議会に権限を委ねますと、議員さんはそれしかございませんので、たびたび出てこられる。費用がかかります。そうしますと職員も振り回されてしまうんです。そういう点も全体的にあるというような感じを持っております。

○林委員長 山本町長さん、先ほど招集権を付与すると執行部と議会の対立につながるのではないかというふうにおっしゃったと思うんですが、それ以外に何か付与することによって出てくる問題というのはございますでしょうか。

○山本氏 何て言ったんですか。

○林委員長 招集権を議長に付与するということです。

○山本氏 通常の場合は、心配するようなことはないとは思うんです。さっきどなたかが言っておりましたか専決はあるんです。幾ら言ったってあるんです。
 例えば、次回の招集日というのは法的に決まっているんです。3月12日に開会するんです。そうしますと、我々のような小さな町は、10日もすると議会が終わってしまうんです。そうすると、20日前後に、それまでにさっきの税のいろんなものが決まればいいんですが、その後に来るんです。ですから、また議会を招集してやるのが一番いいのかもしれませんけれども、年度末ですから、さっき言ったように専決をしてしまうわけです。
 専決をするときに、こういうことで来るだろうと思われますから、こういうことで専決をしますよということは予測をした上で議会に説明しておくんです。ですから、そこに対立感情が生まれることは、まずありません。
 それから、議会と執行者が、例えば議長と町長が仲が悪かったら、これはうまくいきません。絶対にいきません。町長が山と言えば、片一方は川と言うんです。これは人間の性分でしようがない。
 私はそういう経験がありませんからそんなことはありません。しかし、よその町にときどきお邪魔をしますと、仲が悪いところがあるんです。そうしますと、議会を招集してこういうことやろうと思うと言ったら、片一方が受けない場合があるんです。そういうところがありますから、今、御心配をなさっているようなことは、いわゆる個人的な感情対立が、その影響を与えているんではないでしょうか。ですから、県や大きな市なりますと、そういうこと言ったって通りませんから、それはスムーズに行くんです。
 ところが、町村のようなわずかな人間しかいないような議会と執行者ですから、言うならば、感情対立をしていると、いろいろなことが起こり得ることがあるということです。
 ですから、そこら辺りを考えていくならば招集権はやはりに町長が持っていた方がやりやすいんです。町村の場合はです。市や県のことは知りませんよ。私はそういうふうに思いますので、そのように御理解を願いたいと思います。

○林委員長 ありがとうございます。では、事務局の方からお願いします。

○行政課長 先ほど片山副会長から、地方自治法の第147条、長の統括代表権の解釈につきまして、これは執行機関だけではないかという御発言がございましたので、その点の考え方だけ申し上げさせていただきますけれども、地方自治法の第147条は、普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体を統括し、これを代表するとなってございますので、執行機関だけではなくて、団体全体を統括代表するというのが法の規定になっておりますので、その点だけ御説明させていただきます。

○林委員長 では、斎藤委員。

○斎藤委員 質問といたしましては、石井知事さんと、石垣市長さんに1つずつあるんですが、ただいまの事務局からの説明について、私はその点については片山副会長の意見に賛成でございます。つまり、団体の統括と書いてありますが、これは戦前からのそのまま引きずっているわけでして、規定としては団体を統括するとありますが、それは現在では執行機関の統括に限って読むべきではないかと思います。つまり、教育委員会など行政委員会との関係ですね。
 代表についても、これはあくまでも法的代表ですね。つまりだれかが、自治体の意思決定をして対外的に表示するには法的代表が必要である。議会も政治的代表であることは当たり前ですから、その点は意見を申し上げておきたいと思います。
 質問なんですが、1つは石井知事さんの御説明で、法定受託事務についての部分です。ここで知事会全体としても慎重な検討をということで、石井知事の方もそういう御意見と伺いました。
 しかし、法定受託事務も、確かに国の関与は自治事務よりも強いわけですが、法定受託事務についてもいろいろなタイプのものがあるわけでして、それを自治法で法定受託事務について一切議決できないとするのは、そこまでの必要ないんではないかという議論があると思います。
 もし、法定受託事務について本当に議会の議決が必要ないというのであれば、法定受託事務の根拠法によってそう規定すべきであって、それは現在、自治事務について分権改革推進委員会で、個別法の義務づけが本当に必要なのかどうか一生懸命作業やっているわけですから、そことの平仄で考えても、自治法で概括的に排除しているのは平仄が合わないのではないかと思います。しかも法定受託事務について条例を制定できると、法律による授権なり委任がなくても、制定できるという解釈になっておりますから、そことの整合性でも、現行法には問題があるのではないかと考えますが、それはいかがでしょうかというのが質問でございます。
 石垣市長さんには、法96条の契約締結なり財産処分の政令基準について、これは随分以前につくられたものですから、むしろ引き上げてしかるべきではないかという趣旨でおっしゃったと思うんですが、ただ、自治体の自主性なり独自性という意味では、これはむしろ緩和して、契約の締結についてもう少し細かく見てみようという自治体もあれば、契約の締結についてはもっと大きな金額のままでいいけれども、ほかのところをしっかりやろうというように、むしろ緩和なり廃止した方が自由度は高まると思うんです。
 契約の締結について例えば金額を上げてしまうと、その以下の金額のものについては、議会の議決ができなくなってしまうので、そこを引き上げとおっしゃる趣旨というか、引き上げた方がいいんだというのであれば、もう少し具体的に、現行法で問題があるという理由を御教示いただければありがたいと思います。

○林委員長 それでは、石井知事お願いいたします。

○石井氏 お答え申し上げます。法定受託事務に関わる議決案件の追加の件につきまして、知事会の中でも、これは、意見が分かれているのが実情だと承知しておりますが、私は先ほど自分の意見として申し上げさせていだきましたのは、法定受託事務はいろんな事務が、確かに斎藤先生がおっしゃるようにあると思います。
 いろんな事務があろうかと思いますけれども、そのいろんな事務の性格、性質、こういったもの等を議論される中で、これは国の方におかれまして、このような規定を設けられているのではないかと思いますので、いずれにしましても具体的な事務につきましていろいろ議会で議論することは当然我々真摯にやっておりますし、またすべきだと思います。国の方に対しましていろいろ議論して、地方または住民の声というものをしっかりと、法定受託事務であっても国の方に対して強くそれを主張していくと、また、協議をしていくという、これはこれからも地方分権型社会の中で重要だと思います。
 ただ一般論で言えば、法定受託事務という根本的な国と地方との関係で整理されておられます性質論、本質論というところからいたしまして、このような規定になっているのではないかということを私は申し上げたわけでございますが、決してこれは斎藤先生がおっしゃるように、全く議論の余地がないということではなくて、まさに詳細に法定受託事務の中身を調査されまして検討されまして、その中で一定の者が、議決事件としてふさわしいものがあるのかどうか。この点につきまして具体的に我々に提示をしていただきまして、国の方におかれまして議論される。その際には我々地方からも意見を述べさせていただくということで議論を進めていただければと思います。
 こういう意味におきまして、全体としては、私は慎重に国の方におかれまして、御議論をしていただく。その際、是非地方の意見も聞きながら議論を進めていただきたいとこういう考え方を述べさせていただいたというところでございます。

○林委員長 斎藤委員、今の御意見いかがでしょうか。よろしいですか。

○斎藤委員 はい。

○林委員長 では、石垣市長よろしくお願いいたします。

○石垣氏 ただいま契約議決と財産の処分等の問題でございますが、これはもう時代がかなり変わりまして、物件の単価もかなり上がっているような状況でございます。そうしますとたびたび我々も議会へいろいろ諮って、議決をするというような状況で、その前に委員会等ではすべて説明しているわけです。ですから理解もできておりますし、予算も議決してやるわけですから、それをもう少し下げていただければ、たびたびこういう問題で議会を開いたり、協議しなければいけなくなり時間もかなり無駄になる気がいたしております。
 買収するとか契約議決は、議会は十分予算も付けてわかっているわけですから、その辺はある程度緩和する必要があるのではないかという気がしております。

○林委員長 どうぞ。

○片山副会長 今のに関連して、和歌山県とか福島県で首長が不祥事を起こして、福島はまだ裁判をやっていますね。和歌山は終わりましたけれども、実はあれは首長のモラルの問題だという話になっているんですが、実は、工事請負契約の締結の承認案件なんです。福島はダム、和歌山はトンネル、どちらも議決しているんです。その結果ああいうことになっているんです。
 実は、議決しているんですけれども、審議が全く形骸化しているんだと思うんです。きちんと審議をしたらああいうのは未然に防げたと思うんです。
 対象範囲を広げるとか、広げないとか以外に、形骸化しているという面が私はあるんだと思うんです。その点はいかがでしょうか。どなたでも結構ですけれども、きちんと審議されていますでしょうか。提案したことに対して契約の相手方とか、それから、落札金額が予定価格に比べてどうかとか、そういう問題についてきちんと審議をされているという実態があるでしょうか。
 もう一つは、これは、新見市長さんにお聞きしたいんですけれども、さっきと同じで、契約についての議会承認案件の範囲を広げるとした場合、今、狭めてほしいと言われたんだと思うんですけれども、広げたときに何か不都合がありますか。さっきは何回も開かなければいけないから面倒くさいということを言われたんだと思うんです。だけれども、公正にチェックをするということは、やはり面倒くさい手続きをやるということなんです。面倒くさいからやめようといったら、チェックとか全部要らなくなるので、やはり面倒くさいことをやらなければいけないんです。ですから面倒くさいこと以外に何か対象範囲を広げたら困るということがあるかどうかということを少し伺いたいんですけれども。

○林委員長 では、どなたからでも、ということでいきましょうか。

○石垣氏 今の契約を広げたら問題があるかどうか、今言われましたけれども、実際に、我々といたしましたら、全部どこの財産でも、面積や図面を出して十分審議をするわけなんです。予算のときもしますし、委員会もそれを出してまた審議してやっているわけです、よそはわかりませんけれども、我々の地域は、またするのかという声も、実際に議会の方からも出ます。そうかといってまとめてするわけにはいきませんので、単価も上がっておりますし、面積も、山なんか本当に広い面積を買ったりするわけです。
 そうしますと、たびたび議会へ提案しなければならないので、その辺を少し狭めていただければと思います。
 それから、財産を買うときには、金額が少なくても、予算がありますので、委員会でも審議するので、その点は御理解いただきたいと思います。

○林委員長 時間も経ってきておりますので、ほかの委員から、御意見、御質問はございますか。
 小幡委員、どうぞ。

○小幡委員 今も議論がございましたけれども、地方自治制度の下では首長さんと議会の二元制ですから、緊張感を持って、チェックができているという体制が大事だと思うのですが、そうなりますと、議員さんの方でもしっかり勉強していただかないといけない。勉強されると首長のほうは対応が大変かもしれませんけれども、それが本来のシステムだと思うのです。
 そうであると、勿論議員さん自身の問題もございますけれども、議会の事務局体制も問題になると思います。
 先ほど山本会長さんからは、事務局はしっかり優秀な方を選んでいるから大丈夫だというお話がございましたけれども、県あるいは市の方ではいかがでしょうか、結局人事というのは、おそらく知事部局の方で選んで付けていると思いますが、その選び方ですが、多分ローテーションで普通の人事としてやっていて、議会にいってくるようにという形で付けられていると思うのですが、そこで、例えば選び方などについて、議会の方で何かインセンティブを持って選べるようなシステムとか、そういうことはお考えになっているのでしょうか。
 山本会長さんの方は、先ほどございましたので、ほかのお2人にお願いしたいと思います。

○林委員長 では、石井知事。

○石井氏 実際は議会事務局の職員の皆さんと知事部局の皆さんとの中で、全体で同じように、人事交流が行われております。
 その際、当然議会事務局の人事につきましては、議長さんですね。一番の責任者でございますから、その御了承がないと、勝手に発令とかはできないわけでございまして、事前にお諮りをさせていただきまして、御了承をいただく。こういった中で、人事の異動は行われているわけでございます。
 勿論議会の方でも、今のお話ではございませんが、優秀な職員がいて、非常に議会の議員の皆さんの政策立案とか、いろんな相談に十分役に立っておられる職員の方は、どうしても引き続き議員側の方が残してほしいと、是非その人を議会事務局の中で、ずっと育てていきたいという、まさに優秀な方は、そこの中でかなり重用されるということがございますので、それは、そういった全体の中で、御本人の意向というものを忖度をしながら、人事異動が行われているものと、私はこう考えております。

○石垣氏 今、議員が勉強されれば大変というのは、全く逆なんです。勉強していただけないならば大変なんです。我々が提案したものが説明に苦慮しておるわけです。どこでもそういうことがあると思います。
 ですから、勉強していただきまして、いい関係で本当に進めていくのが市民のためになるという気がしております。
 人事案件でございますが、我々も優秀な人を選んで議長と相談して決めます。これも、やはり議会側へ付いてもいけないし執行側にも付いてもいけないんです。判断ができて、議会の議員でも厳しく言うような人を選んでいく。そうしますと、常にいい関係になるということで、大体相談しています。

○林委員長 お三方、時間の方はまだよろしゅうございますでしょうか。予定よりもオーバーしておりますけれども、山本町長さん、まだよろしいですか。

○山本氏 はい。

○林委員長 それでは、小田切委員。

○小田切委員 今日のお話は分権改革の下で、議会の強化をどうすべきか、そういう視点からのお話をいただいたと思うんですけれども、私はもう一つ、住民自治の前身の下で、議会をどうするべきか、そういう視点も必要だと思っております。
 その点で石井知事が、3番目に前提としておっしゃったことを、少しお尋ねしてみたいと思いますが、石垣市長さんにお尋ねしてみたいと思いますが、地域自治組織、これが全地域を張りめぐらされるような、そういう状況になったときに、議会についてどういう状況が起こるのか。あるいは新しく考えなければいけないような論点があるのかどうか。
 特に最近では地域自治組織の代表がまちづくり委員会という形で集まったり、あるいは勿論俗称ですが、まちづくり議会というふうに自ら呼び始めているような、そういう地域もあります。
 特に新見市では、合併前から支所単位で住民自治組織をつくるということに力を入れていらっしゃっていることをよく知っておりまして、私ども調査に参上したことがあるわけなんですが、そういう状況の下において、議会の制度を何らかの形で変えるような必要があるのかどうか、あるいは課題があるのかどうか、その点のお話をしていただければと思います。

○石垣氏 住民自治のことでございますが、我々も1市4町で合併いたしました。そういう中で、各支局に地域審議会、委員を15名ぐらい選んで、地域のことは地域で考えてそれを議会や執行部で反映していこうということで、今までずっとやっております。
 しかしながら、本当に今どうしようかと考えているんですが、審議をしてもなかなかいい案が出ないと、欠席が多くなり非常に苦慮しております。
 しかしながら、今からは、どうしても住民自治というものを基本にやっていかなければいけないという気がしておりますので、粘り強くやっていこうと、その上で、それが本当に充実しましたら、議員の定数減らしてもいいんではないかという気がしております。

○林委員長 ありがとうございます。それでは、どうぞ。

○片山副会長 地方自治法に、100条という有名な条文があって、これは100条調査権と言われますけれども、その最後の方に議会図書室を置くべしという条文があるんです。必置義務があるんです。皆さんお三方のところで、議会図書室はちゃんとありますか、あるだけではなくて機能していますでしょうか。
 機能しているかというのは、どういうことかというと、さっき勉強してもらわなければいけないと言われましたが、それと関係があるんですけれども、要するに執行部が提案した議案について、例えばそれを客観的に評価しようと思うと、執行部以外のところから資料、情報を整えることが公正・中立になるわけです。大体今まで全部執行部から持ってこさせて、それで判断することが多いと思うんですけれども、本来は対抗軸的な情報拠点として図書室を置くべしというのが100条に書いてあるんです。それはいかがでしょうか。ありますか。機能していますか。

○林委員長 では、簡潔にお答えください。

○石井氏 それは、議会側の方に御質問されるべき質問だと思いますが、私も知りませんでしたが、今、事務方に聞いたらあるということのようです。実態はよくわかりません。

○石垣氏 新見市はございません。(発言訂正:後日100条に基づき附置してあることを確認)

○山本氏 私のところはない。

○林委員長 ありがとうございます。それでは、予定の時間を少し過ぎております。
 どうぞ。

○石垣氏 1点だけ申し上げたいと思います。今、市民の中、これは新見市だけではなく、我々もいろんなところで聞いております。議員の報酬がありまして、政務調査費があります。また委員会視察の経費もあります。海外へ行くとか今、何をしているかと市民に我々は言われるわけです。最近新聞等に出ております。
 これは、私は、統合して報酬なら報酬で決めて、ある程度いかなければ、住民の不信感は免れない。何をしているのかとたびたび言われるわけです。この辺も十分検討して、県民、市民にわかりやすいような支出をし、当然必要なものは、私は払ってもいいと思いますけれども、本当に疑問が多いと思います。
 よろしくお願いします。

○林委員長 ありがとうございます。今日は、お三方からは議会と長との関係についてお話を中心に伺ったわけです。議会それ自体の機能をもっと強化するためにはどうすればいいだろうということも含めて、基本的には不都合があるから制度で縛ろうというのではなくて、むしろできる限り裁量の範囲を広げることで、自治体内でよき関係をつくっていただくとか、あるいはよき行政に努めていただくという方向で、地方自治制度を考えられないだろうかというのが、今の29次の基本的なスタンスでございます。議会につきましても慎重かつ大胆に検討してまいりたいと思いますので、今後ともひとつよろしくお願いいたします。
 今日は、どうもありがとうございました。

○山本氏 ちょっと、お尋ねしたいことがあるんですが、諮問をしたときは、実態の事実という事が1点目でしたね。
 2点目は、せっかく地方に権限を与えているんではないかと、その権限の行使が十分ではないんではないかというのは、たしか安倍総理が、それふうに言ったと思いますよ。
 それらについては、御検討をしていただいていると思いますけれども、そこら辺りの情報が、我々のところには全く入ってこないんですね。入ってきません。ですから、検討しているのか。どこまでどういう検討がされているのかというのがわかりません。
 今日のこのテーマなんですけれども、これは4年前に確かにありました。ですから私にしてみれば、同じことを言うのが2回目なんです。ですから、ある意味では、気のりがしないんです。同じことを2回も言うのはね。おわかりでしょう。
 ですから、もっと進んだ斬新的な議論がされるのかなと思って、私は今日出てきました。ところが、諮問をされた中身については、一言もお触れにならないし、同時に、4年前にああしましょう、こうしましょうと言ったけれども、それは実際には実現をしなかった。
 その間、世の中はどこで何をしておったんでしょうねというのをお聞きしたいんですが、どうなっているんですか、何かそれを知らせる方法、我々に教える方法はありませんか。

○林委員長 これは私がお答えできるがどうかというのは、余り自信がないんですけれども、29次の諮問内容が、基本に関わる部分から足元の問題まで非常に広範囲にわたっております。
 委員の中でも、いわゆる基礎自治体の在り方、根本的にどうあるべきかということも議論をしなければいけない。それを踏まえた議会の議論もしないといけないということは共通の認識なっております。
 ただ、今、足元に前回28次で、例えば議会の場合に積み残した問題だとか、その後、やはり議会に関して、さまざまな問題が提起されていることを踏まえて、今一度基礎自治体の自立の一つの要素として議会をどうするか、あるいは監査をどうするかということを当面の問題に特化して議論をしているという状況であるということは、正直申し上げて、そういうことだと思うんです。
 ですから、今後、更に基礎自治体、分権の流れも踏まえて、これをどうするかということについて、更に議論をしていかなければならないという具合に思っているというところでございます。
 したがいまして、今後とも恐らくその点に関して御意見を伺ったりするということも出てくる可能性がありますので、そのときには是非ひとついろいろな御意見をお出しいただければと思っております。

○山本氏 もう一つ付け加えてお願いしておきたいのですが、教育委員会と農業委員会については、それぞれの市町村の自主性にお任せするという結論になっていたんです。ところが、あれから4年の時間が経ちましたけれども、何の変化もありません。では地方制度調査会というのは一体何なのかと思うんです。私はですよ、ほかの人は知りませんが、そう思うんです。結論が出ていたんです。教育委員会も農業委員会も廃止をしましょうというのが委員会の大勢の意見でした。その後、何か変化があって、農水省と文科省の方で、それに対してこうだああだということを聞きました。
 しかし、地方制度調査会としては決めたんですから、それをどうする、こうするという議論があってしかるべきだと思います。それは全然いまだかつてありません。もうあったかもしれませんが、我々は知りません。
 ですから、そういう経過等々についても、お知らせをしていただくことが大事ではないでしょうか。

○林委員長 ありがとうございます。山本町長さんがおっしゃったこと、私もまさに同感でございまして、それについて実現したもの、あるいはそれは今、一体どのような状況になっているのかということも、これはまた事務局の方からも御説明をいただかないと、答申を出しっぱなしで、どうなっているんだということになりますので、これはまた私自身もそのように思っておりますので、そういう方向で今後できる限り努力をしていただきたいと事務局にお願いしたいと思います。
 どうぞ。

○石井氏 私からも、最後にお願いなんですけれども、今、石垣市長が、最後に言われた意見と関係するんですが、やはり今かつてないほど議会あるいは執行権との関係等において、住民の皆さんの関心というのが高まっていると思うんです。
 今、具体的に御指摘のあった定数の問題とか、旅費とか調査費とか、いろんなことで各県の動き、各自治体の動き、それを知りながら非常に自治体の住民の皆さんの関心が高まっておりますので、是非とも一般の住民の皆さんの意見をどんどん聴取していただきまして、この地方制度調査会の方向性をまとめる際には、是非そういうことをお願いを改めてさせていただきたいと思います。

○林委員長 どうもありがとうございました。長時間おつき合いいただきました。
 それでは、この辺りで審議を終わりたいと思っております。
 本当に今日は長時間にわたりまして、どうもありがとうございました。

(石井岡山県知事、石垣岡山県新見市長、山本福岡県添田町長退室)

○林委員長 それでは、11時37分でございまして、残り二十数分ですが、議会に関しましては、また次回、次々回と続けて議論をしたいと思っております。
 今日は、論点整理をしていただくということが今後出てきますので、それにこういう論点があるということを、幾つか出ておりますけれども、更にこういうこと加えるべきであるということが、もしございましたらお話をいただきたいと思っております。
 その前に事務局の方から御説明がありますので、お願いいたします。

○行政課長 前回の小委員会の最後に、2点ほどお話がございましたことについて報告をさせていただきます。
 1点は、前回、小林委員から地方自治法の改正が前回の通常国会でありまして、議会が会議規則の定めるところによりまして議案の審査または議会の運営に関し協議または調整を行う場を設けることができるということになったわけでございますが、この場について、自治法の115条の会議公開の原則、この条文が適用になるかということでございました。
 この点でございますが、自治法の115条につきましては、本会議の公開についての適用の規定というふうに解されておりますので、新しく設けられた場合については直接この規定が適用になるのではないというふうに考えております。これが1点でございます。
 もう一点は、小田切委員から論点として追加的に書き込んでいただきたいてことで、議会と地域自治区なり、あるいは地域自治組織の関係ということについて、特に小規模自治体について、このつなぎの部分が大変重要ではないか、こういうふうのお話がございましたので、今日お配りしております資料「地方議会制度に係る論点」の3ページ目の真ん中辺りのところに、議会と地域自治組織その関係についてどのように考えるかということで下線を引いてありますが、この分を追加させていただきましたという2点でございます。
 よろしくお願いいたします。

○林委員長 ありがとうございます。それでは、かなり論点は出てきております。今日3団体のお話を伺って、それを踏まえて御議論いただければというふうに思っておりますので、残されました時間はわずかですが、御議論いただければと思います。いかがでしょうか。
 どうぞ。

○金子委員 今、地域自治組織との関係についての論点を、小規模自治体における議会制度の項目に入れられたというお話なんですけれども、実は私も地域自治区等について調査研究をやっているわけなんですけれども、結局これというのは別に小規模自治体に限る話ではない。地域自治組織は合併に伴って導入するというタイミングでやっていますけれども、私は今研究中ではありますけれども、今、持っている情報で考えると、既存の市なり大規模な市にも合併とは関係なくても、地域自治区を設置して、地域における住民自治の強化を図っていける制度にできるのではないか、そういう非常に大きな可能性を秘めているのではないかという感じがしておりますので、ここにだけ限定しないでいただけないかなと。もっと全体についての項目にしていただけないかというふうに思います。

○自治行政局長 全くおっしゃるとおりでして、修正いたします。

○林委員長 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

○金子委員 私も議会制度についていろいろ勉強させていただいているわけでございますが、さっき石井知事の話で、議員の定数の話がございましたね。財政が厳しい折、定数がというお話があったんですが、戦前の制度とか諸外国の制度とか調べておりますと、議員の兼職、例えば市議会議員が県議会議員の一部を兼職するとか、諸外国では地方公共団体の議員が国会議員を兼職するとか、フランスの例では、地方公共団体の長が県議会議員を兼職するとか、そういう制度もあるわけですから、各レベル間の議員の兼職の可能性みたいなものも少し議論していくのもアイディアではないかなという感じがしております。
 以上です。

○林委員長 それは、今後議論するとして、論点の1つとして追加をしていただければと思います。
 ほかにいかがでしょうか。できましたら次回から少し落としどころも踏まえて議論をしてまいりたいと思っておりますので、現時点では相反する意見も、並列的に並んでおります。そういうことでも結構ですので、どのようなことでも結構ですからお気づきの点、御発言をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○小林委員 論点の資料に少しチェックをしておりましたら、私が前々回だか、その前だかよく覚えていないんですが、今、現行の自治法施行規則に定められている予算調整の様式というのがあると思うんですが、それと加えて予算に関する説明書というのを議会に提出して、議会の議決を経て予算が決定されるという2つの資料が、要するに行政評価とか、そういう政策効果を踏まえたことが一切記入されていないので、そういったものが予算審議の中で生きるように、少し改めるべきではないのかという話を、私は申し上げたと思うんですが、そういうことも、是非、加えてほしいと思うんですけれども、もう少し実質的な、住民が見てもわかりやすいように、住民が見て予算書とか予算に関する説明書を見ても、非常にわかりにくい面はあるので、前の年あるいはそれ以前の年の評価を受けて、こういうふうな予算になっているんだと、もう少し行政評価が生きてくるような資料というか、実質的な審議と加えて、住民にもう少しわかりやすいような話とうまくブリッジできるような、そういう形に何とかできないのか。
 では、具体的にどうすればいいのかというと、私もなかなかそこは非常に複雑化して、予算とのつながりの部分で難しいとは思ってはいるんですけれども、もう少しその辺が予算審議と行政評価等々がつながってくるような資料づくりというのが、もう少しできないのかというのを論点に是非加えていただきたいと思うんですが、無理ならば、今後の検討課題でも構わないとは思うんですけれども、その辺も是非よろしくお願いいたします。

○林委員長 議会制度だけの問題ではないように思うんです。これはいろいろなところに関わってくるし、現時点でもやろうと思ったらやれないことはないだろうし、そういうことですので、その辺り非常に重要な御指摘だと思います。
 議会に関して言えば、決算不認定のときにどうするかという話が関わってくるんだと思うんですが、今日は、もう元に戻らないんだからという御発言があって、でもそれは、次に生かしてほしいというのが我々の気持ちなんですけれども、そういうこととも関わって議会に関してはそういうことなのかなと思いますから、それは非常に重要な視点なので、どこで議論するかというのは別の問題、また検討させてください。そういうのは非常に重要だと思います。
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

○片山副会長 今日の話で、私の感想は、お三方もいろいろ言われたけれども、みんな現状維持なんです。基本的には、今のままで何の問題もない。
 1つだけ石井さんが言われたのは、条例による法律の上書き権をちゃんとしてくれということですが、要するにこれは、議会と首長の関係ではなくて、実は霞が関というか、国政と自治体との関係なんです。ですから議会の権限を強化するということなんですけれども、要するに自分たちの権限を強化することなんです。あとは、お三方とも現状維持なんです。
 一番典型的だったのは、町村会長で、何が問題あるかと言われていましたね。決算は使ってしまったものは元に戻らないし、ちゃんとやっているんだから信頼してもらったらいいんじゃないかということですが、それだったら議論は何も要らなくなるんです。こういう意見もあるんですね。びっくりしましたけれども。
 私は、これからこの議会の問題を議論するときに、一つの視点を持たなければいけないと思いますのは、議会側から聞いたら権限を増やせという話になるし、今日の首長側の話は現状でいいという、こういうせめぎ合いになるんですけれども、一番肝心なのは住民から見てどうかということだと思うんです。地方自治制度というのは住民のためにあるわけです。そうすると、住民から見て例えば決算の不認定だった場合にどうあるべきかというのは、一つ考えるポイントとしてあると思うんです。
 例えば、私なんか住民から見ると、決算不認定には、いろんな対応がありうるんでしょうけれども、例えば無駄遣いだとか、不正があったといった場合に、元に戻らないんだからどうしようもないじゃないかと言われても、これは困るんです。
 1つは、やはり現状を回復してもらわなければいけないというのがあると思うんです。不正とか無駄があったら、だれか責任者がいるわけですから、首長の責任というか、職員の責任かもしれないし、これは住民監査請求と絡んできますけれども、要するに無駄があって、明らかに不正があったら、それはちゃんと損害賠償してもらわなければいけないという意味での責任はあると思うんです。
 それから、委員長が言われたように、次からはなくしてもらいたいというのがあります。改善に結び付けてもらいたいというのがあります。ですから、そういう切り口でいくと決算の不認定の場合の取扱いというのは、少し開けてくるんではないかと思うんです。
 私も議会の人たちに話をして、決算不認定の話を皆さん言われるんですけれども、その動機はいまいましいというのが多いんです。不認定したのに、のほほんとしていると、けしからぬという感情論が議会側にあって、それから、今日の話にあるように、何が問題なんだと、もう元に戻らない、こういうレベルの話なんですけど、もっと実利的に、プラグマティックに現状を回復してもらいたい。損害を賠償してもらいたいという視点があると思うんです。
 招集権なんかも、議長はやはりちゃんとしたポジションが欲しいというし、今日の人たちは、私が代表なんだから、代表がちゃんとするんだと、こういうレベルなんですけれども、住民から見たらどうかということを考えてみたらいいと思うんです。議会にあった方がいいのか、ない方がいいのか。これからいろんな議会の論点を整理していくことになると思いますので、常に住民から見てどうかという視点を、自分自身を含めて忘れないようにしたいと思います。

○林委員長 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

○小幡委員 今のお話とも絡みますが、この論点整理のところで、5ページのところの議会の権限のところですが、勿論議会が実質的に形骸化してはいけないのですが、やはり議会がチェックするというシステムを持っているというのは大事なので、3つ目ぐらいまでは、すべての自治体に課すということではなくても、少なくとも方向としては、議会のチェックを増すという方向での自由度を高めるという考え方で、やった方がよろしいのではないかと思います。
 5つ目のところの住民訴訟のところの放棄の話ですが、これはなかなか難しいところですが、確かに議会の意味合いを考えると、単に放棄するということはやはりまずいのであって、放棄するのはどういう場合にということをある程度はっきりさせておいた方がよいのではないかと思うのです。
 ただ、確かに住民訴訟の中には、政策判断についての、首長さんの責任を問うというようなものがあって、そのときに議会も関与している場合もあります。議会も承認した政策について、結局、結果的にはよくなかったという場合に、単に首長さんの個人責任が問われるというようなケースについて議会としてどういうことをするかという問題はあります。
 確かにやむを得ない場合もあるのかもしれませんが、本来は、単に放棄というのではなく、もう少し何か工夫をした上で、単に放棄をするという単純な結論ではないように、もう少し制度上書き込めないかという感じがしております。
 少なくとも、放棄をするときには、こういう場合というような要件的なものを抽象的にでも書き込むということもあるのかもしれませんし、議会の監査機能、チェック機能という観点から、放棄ということももう少し考えた方が良いように思いました。

○林委員長 また、少しアドバイスをお願いいたします。
 ほかにいかがでしょうか。
 どうぞ。

○斎藤委員 今、小幡先生が御指摘なった点ですが、他方では、まさに住民訴訟の判例で、この支出については、議会で予算をちゃんと見たものだということは裁判所が考慮の上、判断している部分があるわけです。日韓高速船の最高裁の判決とか、ところが住民訴訟の途中で放棄してしまうと、裁判所がそういう判断をする機会も封じられてしまうわけですから、やはり原則的には制限する方向で、例外的に放棄があり得るのはどういう方向でと考えた方がいいのではないかと思います。

○小幡委員 私もそういう趣旨で、つまり単に放棄するのではなくて、どういうときに放棄ができるのかとかを含めて、もう少し加重した方がいいのではないか、そういう趣旨です。

○林委員長 ありがとうございます。
 どうぞ。

○政所委員 既に論点に書き込まれています5番の透明性の向上についてですが、その中で、文章の中に盛り込まれてはいますが、重要な点ではないかということで確認をしたいのです。地方議会について、もっと目の届くような形での情報公開のあり方とか、普段の議員の取組みを住民が知るための工夫等の、そうした具体的手立てです。実際に住民が判断する上で、例えば予算等々も情報公開がされているとは言うものの、やはり部分的公開になっていないのかです。例えば国税とか交付金とか補助金等々の流れは、地域住民にとって全体の収支がわかりにくい、縦割で部分的な公開がされている。
 住民らは、これらの情報を積み上げて理解した上で深読みしなければ、体系的に把握出来ないということに課題があるようと思っております。
 そういう視点で、既に盛り込まれている言葉ですが、非常に重要ではないかということを痛感しています。この辺りを具体的にどのように議会及び事務局の方に義務づけをすればこれらが改善されるのか、強調しなければならないという意味でお願いしたいと思います。

○林委員長 これは、先ほど小林委員がおっしゃった行政評価とか、こういうものもいかに住民にわかりやすく、議会にわかりやすく提示するかということとも関わってくるだろうと思います。
 これもまた非常に重要な情報公開というか、情報を開示、説明責任の中での非常に大きな重要な課題だと思いますので、それはまた、この議会のところで、うまく盛り込めるかどうかというのはちょっと別ですが、検討させていただきたいと思っております。
 ほかにいかがでしょうか。
 では、西野委員から、お願いします。

○西野委員 論点の3の議会の権限に関するところでございます。「現在の議会は、税率を事実上決定していないけれども」という指摘がございますが、私もこの点について、もう少し議論にのぼってよいと考えております。つまり、課税自主権を強化するということが、これから地方分権の第2段階の仕上げとして非常に重要だと思うのですが、議会でそれが実現しているようには見えないのです。
 例えば税率についても議論し、地域に必要な財源の確保あるいは公共財サービスのコストとの関係で、必要があれば税率を自由裁量で決めて行くことが重要だと思います。
 議会は事実上の決定権を持っているはずですが、国が上限税率とか標準税率を決めていて、一部が青天井になってはいても、議会で議論されることはほとんどない状態なのではないでしょうか。
 法定外税が入ってきて、地方独自の税がつくられていますけれども、それ以外の基幹税についての税率など、例えば地方の最も重要な税源である固定資産税の税率などについても、課税標準で負担を調整するのではなくて、税率設定で地方ごとに調整するという観点もあり得ると思いますので、大きく取り上げてほしい問題でございます。

○林委員長 これは、片山副会長の御意見でしょうか。

○片山副会長 そうです。同じ意見です。

○林委員長 大体標準税率で決まってしまっているというところですかね。
 先ほど、お手をお挙げになったので、それも併せてお願いします。

○片山副会長 第1次分権改革で青天井になっているものもあるんです。住民税なんかはそうですね。だけれども活用できていない実態があるんです。それは那辺に活用できていない背景があるのか、そこは実は問題なんです。それは地方債との関係だとか、標準税率といって、それ以外が標準でないということになってしまいますから、何か悪いことというイメージがあったり、その辺をどうするかという問題があると思うんです。それは、最終的に議会に事実上の決定権が備わるようにするというときに重要な論点になるんだろうと思うんです。
 私は、最近議会の議員さんといろいろお付き合いしてみると、議会基本条例というものに皆さんすごく関心が強いです。それで、どうしようか、こうしようかといろんなことを議論されているんです。
 ちょっとこの論点と切り口が違うんです。というのは、議会基本条例というものをつくったらこういう論点の中から幾つかつまみ食いしたみたいなものを盛り込むんだろうと思いますから、切り口が全然違うんですけれども、非常にホットな問題だし、多くの議会で関心を持っている事項ですから、議会基本条例というものを一つ論点にしたらどうかと思うんです。
 それはどういうことかというと、例えば議会基本条例といったって、基本条例といったって、普通の条例と形態的には何も変わらないわけです。効果もです。それでいいのか、それとも、例えば憲章というような位置づけで、例えば議会基本条例を地方自治法の中で何か枠でもつくってあげる必要があるかどうかということが、問題意識にあるんです。
 それは、議会基本条例に限らず、自治基本条例というのもあって、未分化の状態で、今、いろいろ草の根的に出ていますけれども、そういうものを、自治体のチャーター的なものとして、地方自治法で位置づけるかどうかという論点を含めて、取り上げてみたらどうかと思うんです。
 そうしますと、全国の議員さんたちは非常に熱心に関心を持って見てくれるだろうと思うんです。

○林委員長 ありがとうございます。時間は12時になりましたけれども、是非これだけはということがおありでしたら、お伺いしたいと思いますが、よろしいですか。
 それでは、今日の意見交換をこれで終わらせていただきたいと思います。
 次回、次々回におきまして、更に議会についての議論を深めてまいりたいと思っております。
 事務局から、今後の日程等について御説明をお願いいたします。

○事務局 次回の日程でございますけれども、既に御連絡させていただきましたとおり、次回は9月30日、10時から12時までを予定してございます。場所は、三田の共用会議所でございます。第4特別会議室で開催を予定してございます。
 それから、委員の皆様方の資料の中には、次々回の日程についての資料を入れさせていただいてございます。次々回でございますが、10月7日、15時から17時まで、場所は同じく三田の共用会議所第4特別会議室を予定してございます。
 どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

○林委員長 それでは、これをもちまして本日の専門小委員会を閉会いたします。
 長時間どうもありがとうございました。



戻る

ページトップへ戻る