会議資料・開催案内等



29次地方制度調査会第17回専門小委員会 次第



平成20年10月28日(火) 14時00分〜16時00分
三田共用会議所 第4特別会議室


1   開会

2   議題

    議会制度のあり方に関する意見交換

3   閉会

配付資料(PDF)
 
資料1   議会制度のあり方に係る論点(項目)
資料2 議会制度のあり方に係る論点(修正)
資料3 地方議会について(追加提出資料)





○林小委員長 それでは、時間がまいりましたので、第17回の「専門小委員会」を始めさせていただきます。
 本日は「議会制度のあり方に係る論点」につきまして、意見交換を行い、専門小委員会として一定の方向性をできれば見い出したいと思っております。
 まずは、事務局より20分程度御説明いただいた上で、委員間での意見交換を行いたいと思います。

○行政課長 お手元の「資料2」をごらんいただきたいと思います。「議会制度のあり方に係る論点(修正)」といたしております。前回、前々回の2回にわたりまして論点につきまして、特に対応策の検討についていろいろと議論をいただきました。したがいまして、今回は修正といたしておりますが、それぞれのところの「対応策の検討」の部分に、前回、前々回の議論を踏まえた方向性を少し変更して修正いたしております。
 「1 議決事件」のところでございますが、2ページに「対応策の検討」がございます。2ページの「対応策の検討」の一つ目の○は、議決事件のうちの契約の締結と財産の取得処分の議決事件でございますが、この政令基準をどうするかという問題でございます。これは御議論を踏まえまして、条例を制定するに当たっての裁量を現行よりも合理的な範囲で拡大する方向で検討してはどうかとさせていただいております。御議論の中では一方で裁量を自治体の条例に委ねるべきであるという御意見と、一方で、無制限に事業を認めることには反対という御意見がございましたので、このような形で記載させていただいております。
 2番目の○の法定受託事務でございますが、法定受託事務につきましては、自治事務と同様議決事件の追加を認めることが適当ではないか。大体こういう意見が大勢であったと思いますので、このように書かせていただいております。
 6ページ「2 議会の監視機能」でございます。
 一番下の「対応策の検討」のところで、議会の実地検査権でございますが、これにつきましても、議会の監視機能を向上させるため、実地検査権を付与することが適当ではないかという御議論を踏まえて書かせていただいております。
 8ページ「3 議会の経営状況の報告を要する法人の範囲の拡大」でございます。
 現在、地方団体が2分の1以上出資している法人等に対して、長の調査権と、議会への経営状況の報告などがあるわけでございますが、これを拡大するという論点でございます。
 一番下の「対応策の検討」でございますが、長の調査権の対象及び長が議会に経営状況の報告を要する出資法人等の範囲を、2分の1以上出資法人等に加えて4分の1以上出資法人等のうち、条例で定めるものにまで拡大できるものとしてはどうかということでございます。
 これは従来から御説明いたしておりますが、これは議会への経営状況の報告の拡大という意味と同時に、長の調査権、長の法人に対する調査権の拡大という2つの意味を持っておるところでございます。
 10ページ「4 住民訴訟と議会の議決による権利放棄」でございます。
 これにつきましても御議論を踏まえまして、一番下の「対応策の検討」のところで、住民訴訟の係属中は当該訴訟に係る損害賠償等の請求権の放棄を制限することが適当ではないかというようにさせていただいております。
 議会が議決をすることについて問題だということでございますが、住民訴訟の係属中は請求権の放棄を制限するということにいたしますと、結果として係属中は、権利放棄の議決の効果を生ずることができないということになるかと思います。
 11ページ「5 議会における財政統制、審議の活性化等」でございます。
 これは12ページのところで、決算不認定の場合の対応について、少し文章を考えさせていただくということになっておりましたので、3番目の○のところに書かせていただいております。
 「議会は、決算を不認定とする場合には、その審議等を通じ、長の予算執行や政策遂行上の問題点等不認定の理由を長や住民に対して明らかにすべきではないか。一方、長は、議会から指摘された問題点等に関しては、決算の審議において、その原因や善後策等を十分に説明するとともに、不認定となった場合には、住民に対しても、その前後策等を説明していくべきではないか」という形にさせていただいております。
 13ページ「6 議会事務局の体制、透明性の向上等」でございます。
 一番下の「対応策の検討」のところでございますが、前回委員会についてもできるだけ公開に努めるべきというお話がございましたが、そういったことで、真ん中の○ですが、「議会活動について、委員会等の活動も含め、住民にわかりやすいような形で情報公開に努めるべきではないか」ということで、「委員会等の活動も含め」の文言を加えさせていただいております。
 15ページ「第2 議会制度の自由度の拡大」の「1 議員定数等」でございます。
 下の「対応策の検討」でございますが、まず議員定数の法定上限は撤廃することが適当ではないかとさせていただいております。
 議事定足数につきましては、本来多くの議員の出席の下、十分な議論がなされることが期待されることから、現段階において議事定足数を廃止することは困難ではないか。こういった形にさせていただいております。
 18ページ「2 議会の招集及び会期」の問題でございます。19ページに「対応策の検討」がございます。
 まず、会期の問題でございますが、上の○で「議会について、会期制を採用せずに弾力的に開催できるようにしたいという団体については、会期制を採用しないことができるようにしてはどうか」。それぞれの団体の判断で、そういう裁量が与えられるようにしてはどうかということでございます。
 この場合、執行機関の職務遂行に支障が出ないような対応が必要ではないか。これは議論の中で会期制を採らない場合には、執行機関の職務執行に支障が出ないようなことが必要であるという議論もございましたので、こういう形にさせていただいております。
 それから、招集権でございますが、ここにつきましては、議会の招集権をどのように考えるか。
 議長の臨時会の招集請求権の行使についての運用状況を見つつ、引き続き検討することとしてはどうかということにさせていただいております。ここにつきましては、招集権を議長に認めるべきであるという御意見もございましたが、第28次地方制度調査会答申で、招集請求権を新たに制度改正したばかりであるという意見もございましたので、そういったところが1つでございます。
 もう一つは、その上の○で会期制を採用しない選択肢もできるということにいたしておりますが、もしそういう採用をしないという選択肢がありますと、現実には招集ということを、一々考えずに弾力的に会議を招集することができるということも念頭に置きまして、このような表現にさせていただいておるところでございます。
 21ページ「第3 幅広い層が議員活動できるための環境整備」の「1 議員の役割、あり方等」でございます。
 「対応策の検討」のところでございますが「議員活動については、議会における審議・討論を充実させるとともに、住民の意見を適切な形で行政に反映させることが議員の重要な活動ではないか」という議員活動に対する基本的な考え方を書かせていただいております。
 23ページ「2 勤労者や主婦等の立候補や議員活動を容易にするための環境整備」ということで、24ページの「対応策の検討」に考え方をできるだけ盛り込ませていただいております。
 1つ目の○ですが、「幅広い層が議員活動ができるよう、夜間・休日議会を積極的に開催するよう工夫すべきではないか」。
 2つ目の○で「多様な人材が議員として活動できるようにするためには、立候補に伴う休暇を保障する制度や、議員活動を行うための休職・復職等の制度を導入することが考えられないか。そのためには、地方議会の議員の活動を社会全体で支えるという意識の醸成が必要であり、企業の側も一定の協力をしていくことが望まれるという社会的合意が形成していくよう努めていくべきではないか」。
 一つ飛びまして公務員の関係でございますが、「地方公務員が地方議会の議員として活動することについては、そのことについて社会的な理解を得ることにも配慮しつつ、公務員の職務の公正な執行や職務専念義務等との関係について、公務員の立候補制限に関する問題点も含め、引き続き議論を進めていくべきではないか」という形で書かせていただいております。
 26ページ「3 小規模自治体における議会制度(町村総会の活用等)」の関係は、今後基礎自治体の在り方そのものにも関わりますので、そちらと併せて検討するということで、特段の議論はなかったと思いますので、ここについては修正をしておらないところでございます。
 以上が論点に係る修正でございます。
 あと、前回幾つか御質問なり、御要請がありました点につきまして御説明申し上げます。
 まず資料3といたしまして、(追加提出資料)となっているものでございますが、こちらは諸外国の女性議員増加のための取組みがいろいろあるのではないか。この辺りを資料で出していただきたいという御要請がございましたので、手元に入る範囲内で調整をさせていただきまして、ごらんのような資料になっております。
 ノルウェー、スウェーデン、ドイツ等、このあたりは主に政党の規約の中で、比例代表の名簿につきまして、いろんな割合を決めているといったものが中心でございます。
 フランスは、特に憲法を改正いたしまして、パリテ法というものをつくって、憲法法律レベルで、こういったものを推進しているということになっております。
 2ページの英国は党でございますが、韓国におきましては、法律で一定の目標といったものを定めているという仕組みがあるということでございます。
 3ページは参考でございますが、内閣府の男女共同参画局で、ポジティブ・アクション研究会の報告書が平成17年に出されておりまして、上の方に線を引いておりますが「ポジティブ・アクションの導入が望まれるところである。この際、法律でクォータ制を導入する手法については、憲法上の平等原則、主権の在り方、立候補の自由などとの関連で、どのような手法が合理的なものであるかをさらに検討する必要がある」という記載がございましたので、参考までにここに掲げさせていただいております。
 資料はございませんけれども、前回幾つかございました関係で、追加でお話しさせていただきますが、1つは選挙区を条例でも設けている団体がどれぐらいあるかというケースの話がございました。これは以前も小委員会で若干御紹介したことがございますけれども、平成17年の4月現在で、73団体が条例で選挙区を設けております。ほとんど市町村合併等に伴いまして、選挙区を設置したもののようでございます。
 それから、供託金の関係で、前回町村議会議員の話がございましたが、町村議会の議員だけは供託金制度がございませんので、念のため付け加えさせていただきます。
 もう一点、地方自治法に基づきまして、国の各省庁が地方団体の連合組織に、情報提供する。地方公共団体に、事務を義務づけるような法律などをつくるときに情報提供するという地方自治法の仕組みがございまして、この運用状況はどうなっているのかというお話がございまして、私ども地方6団体の方に照会をいたしましたところ、これは平成18年の11月に制度が施行されておりまして、それ以来2年弱、今年の9月時点までの状況でございますが、大体40〜50件程度の情報が来ておるということでございました。
 情報提供の時期が直前かどうかというお話がございましたが、いろいろあるようでございすが、お聞きいたしますと、法律案の閣議決定直前に情報提供されているというものもあるようでございますが、一方で審議会の答申があったような場合に、その答申を踏まえて、法律案の立案作業に入りますという旨の情報提供があるということで、いろいろなケースがあるということでございます。
 御説明は以上とさせていただきます。よろしくお願いいたします。

○林小委員長 どうもありがとうございました。
 それでは、意見交換を行いたいと思いますが、今日は、今、御説明いただきました「対応策の検討」について御議論をいただきたいと思います。基本的には、自由度を高めるという方向で進んでいると思います。やはりメリット、デメリット、あるいは両論があったりする場合に、もう少し慎重に検証等をしていかなければならないというものにつきましては、さらに議論を進めるということで対応するということにしておりますけれども、一定の方向性が見出せればという具合に思っております。
 分量が多いものですから、ある程度区切って意見交換を行いたいと思っております。
 まず、第1ステージでは、資料2の1ページの「1 議決事件」から8ページの「3 議会に経営状況の報告を要する法人の範囲の拡大」まで、4つに区切りたいなと思っておりますので、大体25分くらいで御議論いただければと思っております。
 それでは、どなたからでも結構でございますので、よろしくお願いいたします。

○斎藤委員 2点指摘をさせていただきたいと思います。
 1つは、議決事件の対応策で、法定受託事務について、追加を認めることが適当ではないか。ここは私は賛成なのですが、もう一つ、自治事務につきまして、これは「論点」の方で議決事件の追加について積極的な活用を図る必要がある。これは従前からの、28次の地方制度調査会のものを引き継いでいるんですが、その具体的な内容として、第12回の本調査会の会合で自治事務に関して、自治体が法律により作成が義務づけられている計画の例を事務局から提出していただき、そこで私と事務局の間でやりとりがありまして、自治事務については、第1次分権改革後は、明示の追加は認めないという法律上の規定がない限り、議会の議決対象にすることが可能であるということが確認されておりますので、論点の議決の追加、積極活用というだけでは前回の繰り返しにとどまりますので、せっかく第12回で自治事務に関する法定計画については、法令で明示の排除がない限りは、議決の対象になることがはっきりしたので、これは都市計画でありますとか、国土利用に関する計画ということで、政策形成に関する重要なことでもありますので、それの確認といいますか、それが対応策の方に入ればいいのではないかというのが1点です。
 もう一点、8ページですが、議会に経営状況の報告を要する法人範囲の拡大の対応策で、2分の1以上出資法人に加えて、4分の1以上で条例で定めるものにまで拡大できる。この方向にも私は基本的に賛成でございます。
 ただ、条例で4分の1であれば、調査の範囲などについてすべて自由に決められるのかといいますと、長の調査権については現行法で、第三セクターについても、必要な措置を講ずべきことを求めることができる。民間の法人である第三セクターに対して必要な措置を講ずべきことが求めることができるというかなり強い権限を認めているので、ここを考えますと、4分の1以上に拡大した場合に、調査権の内容や出資の在り方によって何か条件が必要になることかもしれないと考えます。
 その点、条例で定めるということには賛成ですが、要件について、なお検討する必要があるのではないかと考えます。
 以上です。

○林小委員長 ありがとうございます。事務局、何が御意見ございませんか。

○行政課長 今の出資の在り方につきましては、多分お話のところは条例で定めるものまで拡大できるけれども、そこに何らかの、どういう考え方でやるかとかいうことを、制度化のときに考えていただきたいということであれば、このあたりにつきましては、これはまだ現段階でございますけれども、最終的に御意見をちょうだいした後で具体的な法制化に当たってはいろんな検討があるかなと思っております。

○斎藤委員 結構です。基本的に4分の1で条例で要件設定するという点については結構です。

○林小委員長 武田委員、どうぞ。

○武田委員 今の斎藤委員と同じ点で質問させていただきたいんですが、ここは私もよくわかっていないところなので、例えば今回の財政健全化関係で、三セクへの債務保証なり、損失補償という点で問題が生じるという場合もあるかと思いまます。
 その場合に4分の1以上という出資要件で、コントロールの上で事足りるかどうかというのが1点。
 もう一つは、これは別の制度でなされるのかどうかということですが、一部事務組合や、広域連合のケースは、この議決事項のところに書かれている2分の1や4分の1という出資の関係、出資に類したという書き方になっていますので、その適用で考えるのか。別の枠組みで考えられているのかというところをお聞きしたいと思います。

○行政課長 4分の1以上で足りるかどうかというのは、むしろ委員の皆さんで御議論いただいていることかと思いますので、これまでの議論の中で、一方では監査委員については4分の1まで必要と認める場合の監査権がある。
 一方で、長の調査権というのは、先ほど斎藤委員の方からもございましたけれども、かなり強い権限にもなっておりますので、そこのところをどこまで認めるべきであろうかということでいろいろ御議論があったと思いますが、今までの御議論を踏まえて、地方公共団体の出資法人等に対する関係というものは、いろんなものが現実にはあろうかと思いますので、それを拡大する場合には、その分については条例に委ねてはいかがかということで書かせていただいたところでございます。
 それから、一部事務組合というお話がございましたが、これはあくまでこの調査権等の規定は地方公共団体でない民間の法人に対する権限でございまして、一部事務組合等はまさに地方公共団体としての位置づけでございまして、それぞれ地方自治法の中で、いろんな規定が地方公共団体として適用されますので、そこは別になっているという考えでございます。

○武田委員 その場合に、議会への報告義務というのはどうなっているんでしょうか。

○行政課長 一部事務組合自体が管理者でございまして、一部事務組合自体が地方公共団体として議会がございますので、そこに執行機関もあり、議会もあるという地方公共団体になっておるということでございます。

○武田委員 その点はわかりました。議決事件にするかどうかということではなくて、報告義務という点について言うと、議会に対して、負担金などの点において、報告義務くらいを課してもいいのではないかなというふうに私は思っています。

○林小委員長 「論点」をさらに追加するというのはなかなか難しくて、しかも、一部事務組合の方で議会というかそれがあるので、では、それはどうするんだという話もありますから、それはまた改めて、もし必要があれば議論したいという具合に思います。
 対応策ですけれども、これで十分かとか、あるいはもう少し制度化するときには具体的にということがどうしても出てまいります。ですから、方向性ということで制度化するための前提、ゴーサインですね。これをここでつくっていただければという具合に思っておりますので、勿論発言のときに、このように制度化すべきだという御意見は当然いただければありがたいと思いますけれども、そういうことでとりあえず論点はこの論点で絞ってということでお願いをしたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。

○江藤委員 論点を絞らなければいけないんですが。基本的にここでの対応策については、今まで議論してきたことなので、私は了解できるし、この方向で制度化していただきたいなと思います。少し広げてしまうことになるかもしれませんが、論点、経営状況の報告と、その前の議会の監視機能のところと併せて読みますと、前回のチェック機能の充実のところで、監査員制度の議論を行っていたときに、議選の廃止を行う。ただし、その廃止を行うとき、勿論、議選の問題点もメリットもあったわけです。それを廃止するんだから、議会として独自の監査機能を持たせなければいけないだろうというのが1点。
 もう一つは、議会との関連で言うと、私が提案していたのは、監査請求については議決ではなくて、定数の4分の1くらいの提案で監査請求できないかどうか。議会と監査委員との関連性を持たせるような議論をした方がいいのではないかというお話をしていたと思うんですが。さて、1点目の、議会として独自にということで、私は、この程度のもので議会としての監査機能の代替というか、監査委員が行っていたようなことができるのかどうか心配なところがあります。
 具体的に言いますと、実地検査権というのが、今まではできないということだったので、これは議会の監査機能のところに、実地検査権を入れるというのは大賛成ですが、実際上は議会は実地調査という名目で、所管事務調査でいろいろやられていると思うんです。実際上はできないことはなかったというところで、条文として入れることは大事だろうと私は思いますけれども、従来もできないことはなかった。
 それから、今の4分の1の出資法人の説明、これはあくまでも説明ですね。従来の監査委員が持っていた機能について、議会としてはなかなか監査請求制度と、若干ふくらませたところしかなかなか実現できないのではないかというところの心配で、もう少し監査機能に議会として関わるという意味で、ふくらませるような、例えば監査員制度が持っているような、公の施設の管理受託者についての監査等について、一歩踏み込んだ議論ができなかったんだろうか心配です。
 あれだけ議長会がいろんなことが言われていたというところで、その辺のイメージが私などははまだ湧かないところがありますので、一言付け加えさせていただきました。

○林小委員長 監視機能の強化というところですね。その辺り、具体的にどうすればいいのかという話が必要だろうと思うんです。これは今の時点で、問題点として認識はいたします。基礎自治体の在り方というところも含めて、今後議論していかなければならない部分もあるかもしれないので、今の時点でそれを盛り込むということに関して、もしほかの委員の方々の合意が得られればなんですけれども、いかがでございましょうか。
 強化しなければいけないということは確かで、これだけで十分なのかという話と、一方で議選委員を廃止するということになったときには、それに代わるような機能何らかの形で付けなければいけないという問題意識があるんだろうと思います。これは少し議論しなければいけない部分もあるかもしれないので、どのようにまとめていけばいいのかという点があります。

○大山委員 江藤委員も言われたんですけれども、4分の1の少数者で調査を発動できるようにするということがいいのかなと思うんです。6ページ目の、2番目の方の「対応策の検討」で、さまざまな運用が考えられないかという、割とお任せみたいな印象があり、このところをもう少し書けないか。別にもう一つ立てるのではなくて、そういうこともできるんですよという書き方の方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○林小委員長 ありがとうございます。確かにここだけではなくて、もう少し具体的に書かないと、これは一般論でわからないよというところもありますので、もう少し具体的にここはこういう具合に書くことで、基本的な方向は変わらない。むしろそれを強固なものにするためにはこの方がいいのではないかという御意見がありましたら、御発言いただければと思います。
 今の点に関しては、事務局と相談をしながら、どのようにするかということを考えたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。

○小林委員 今の監査の話ですけれども、今まで監査の話の議論の中で、監査をどう実質化していくかというのが主な目的だったかと思います。先日も都道府県の補助金の処理の問題で会計検査院の指摘があったというニュースがありまして、では監査委員は、1件も見抜けなかったのかどうかというのがすごく気になったところではあるんですけれども、今ここでその話をしても、時間がかかってしまうのであれなんですが、基本的に同じ意見なんですが、議選委員を廃止し、その代わりとして、もうちょっと簡単に、議会の側が監査請求できるような仕組みを導入することに関しては、私もそうあるべきだと感じています。 
 実地検査権は実地検査権でいいんですが、そうではなくても少し簡単に、議決がなくても監査請求できる仕組みを、何らかの形で入れるのが必要ではないのか。
 請求された結果、監査をするかしないかというのは監査員が判断してきちんと報告するというような形になっていたかと思いますので、そうすれば、どうして監査が必要なのか、要らないのかというところまでよりクリアーになってくるかと思いますので、そういった話を入れるべきだと私自身も思います。

○林小委員長 ありがとうございます。先ほどの大山委員の話では、この辺りにもう少し具体的にそういうことがきちっと担保できるような書き込み方ですね。小林委員もそういうことでよろしいですか。

○小林委員 はい。

○林小委員長 それでは、ほかに御意見ございませんでしょうか。

○江藤委員 どこに入れていいかどうかわからないんですが、議会制度の在り方についてのチェック機能の充実という議論の中で監査委員制度と議会でやっていた。もう一つチェック機能というのであれば、やはり住民というのが入るはずだということに今まで議論していたと思うんですが。ここでは、議決事件の拡大のところで、逆に議決事件の縮小ではないですが、前もお話しましたが、条例の制定改廃直接請求について議会で否決してしまったらそれで終わりというのではなくて、本当でしたら、アメリカの間接的イニシアチブみたいなものを入れるべきだろうと思うんですけれども、なかなかそういうものが無理だろうとすれば、市町村合併特例法のようなものを横滑りするのが、すぐできるのではないかという提案をしたんですが、そういう話もここではないというのが1点。
 もし、そういうのを議論していただくと、議会のところでしたでしょうか。住民自身のところでしたでしょうか。最初のときに議論が出ていた直接請求の括弧書きです。税金とかお金に関わることを除くという括弧書きを取ってしまう。住民がチェックする視点というのをどこかに設けた方がいいのではないか。議決のところなのかどこなのかわかりませんが指摘させていただきたいと思います。

○林小委員長 これで十分なのかということも含めて、恐らくここで書き込まれているもの以外に、まだ問題はいろいろあると思います。今まで懸念されていたような問題に関して、この期間中に議論をしていくということですので、まだいろいろ問題はあると思います。積み残した問題もありますので、その辺りは、どこかで議論しなければいけないと思いますが、この時点で前進をしているんだろうというぐらいに私は思いますから、その範囲の中で方向性ということを位置づけていただいて、ただこういう問題があるので、今後さらにということで、また改めて議論をする。継続の議論をしていかなければならないと思います。
 今ここに対応策があり、よりクリアーにするためには、こうした方がいいとか、これは非常にあいまいであるとかといったような御異論をいただけると非常に助かります。江藤委員のおっしゃっていることを非常によくわかりますので、これはまた改めて議論をしなければならないと思います。
 とりあえず方向性を、別に急いでいるわけではありませんけれども、更に制度化していかなければならない部分がありますから、そのときに具体的にどうするんだということもまた議論しなければなりませんので、とりあえず方向性をお認めいただけるかどうかという議論をお願いしたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 もし、また時間がありましたら、全体をまとめて御意見をいただければという具合に思いますので、とりあえず議決事件から議会に経営状況の報告を要する法人の範囲の拡大までにつきましては、これくらいにしておきたいと思います。
 続きまして10ページ「4 住民訴訟と議会の議決による権利放棄」から13ページ「6 議会事務局の体制、透明性の向上等」までにつきまして、御意見をいただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

○武田委員 5のところでありまして、論点で言うと2番目の○ですが、基本計画などに関する審議の件をこの間強調してまいりまして、「対応策の検討」の12ページの方では、基本条例の制定、総合計画に即した審議等を通じてという書き方になっています。ここに入るのかと今ふと思ったものですから、先ほどの議決事件のところではなかったのかと思いましたものですから、確かに基本計画に関する審議を実質化していくかというのは非常に大事ですので、ここでの方針として、こういう文言を盛り込むことは本当に賛成でありますけれども、場所はここでよかったでしょうか。

○林小委員長 議決事件という具合にするか、議会の審議の活性化のところに、非常に重要なテーマであるので、これについては十分に審議をするということで、ここに入れているんです。議決事件というところまで行くかどうかというのは、まだ議論ができていないと思います。
 ほかにいかがでしょうか。

○小幡委員 10ページのところですが、これは斎藤委員と私が申し上げていた話で、先ほど住民という話も出ていますので、これはまさに住民による監視というので、監査請求、住民訴訟があるわけですから、そういう監視のシステムに対して議会がどうあるべきかということだと思います。せっかく住民訴訟を起こしているのに、余りに簡単に権利放棄ということをされては、住民としての監視という観点がおろそかになるかと思いますので、こういう話は1つ入れる必要があるかと思います。
 13ページ、事務局体制を強化したり、議会図書館の充実・整備というのは本来、大事だと思うのですけれども、こういうのはなかなか義務づけるとか、そういうことが性質上難しいという感じが正直ありまして、どのようにそれぞれが事務局を持つべきか。職員の研修とか人事の在り方というような課題がありますが、もう少し具体的に、せいぜい強めに書く程度ではないかという感じがいたしております。

○林小委員長 ほかにいかがでしょうか。議会の自由度が高まったり、権限が強まると当然議会の責任が強化されるというか重くなりますから、当然事務局体制だとか透明性とか、説明責任ということは伴ってまいりますので、それに合わせて、この辺りを運用上きちっとしていかなければいけないと恐らくなっていくんだろう。それを今、小幡委員がおっしゃったように、義務づけたり制度化するというのはなかなか難しいので、少しメッセージ性を高めるということで、その辺りを強調するということではないかと思っております。
 いかがでしょうか。第2ステージについて御意見ございませんでしょうか。

○金子委員 確認だけなんですが、5の「議会における財政統制、審議の活性化等」の中の検討の視点の中に、地域自治組織と議会との役割分担みたいな話がありますけれども、これは具体的には、地域自治区の議論の辺りで詳しくされるという理解でよろしゅうございますか。

○林小委員長 そのように考えています。これは非常に重要な問題ですので、議会との関係というところで議論した方がいいのか。あるいは別途切り離して住民の参加というところで議論した方がいいのかというのがあるんですけれども、そこで議論させていただいた方がいいと思います。

○斎藤委員 先ほどの武田委員の御指摘、12ページの総合計画に即した審議で、これが活性化のところに入っていて、議会の計画を議会の議決事項とするということとの関係はどうなのかということですが、先ほど私が申しました自治事務については法定計画の対象になる。自治体が独自に定める計画も、議決の対象には当然することができて、ただ総合計画というものを議決しているところは少ないという現状ですね。
 ですから、対応策のところは、国が法律で決めているものについてはそれでもできるというのを明示するということはかなり強く打ち出す必要があると思うんです。
 自治体の独自の計画についてはできるし、やっておられるところもあるということで、それは何らかの形で情報提供のようなことをするべきだと思います。
 その上で、総合計画については、それにプラスして是非審議を活性化させたい。そうすればつながってくるのかなと考えた次第です。

○林小委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、住民訴訟と議会の議決に関する権利放棄から、議会事務局の体制、透明性の向上等につきましては、一定の方向性が得られたという具合に理解をさせていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、15ページ「第2 議会制度の自由度の拡大」につきまして、御意見をいただければと思います。20ページまでお願いをいたします。

○大山委員 前回、議事定足数についてあれこれ申し上げたんですけれども、15ページの下の○のところを見ると、非常に現状維持的なまとめになっているので、ちょっと再検討していただきたいと思います。
 前回、私が申し上げたのは、議決定足数はともかくとして、議事定足数で余り縛ってしまうと、特に大きな規模の議会などでは、本会議が非常にやりにくくなるという問題点があって、議事定足数はもうちょっと緩くしてもいいのではないかということを申し上げたわけです。
 それに対して、本来は多くの議員が出席すべきだという反対意見があったわけですけれども、全体の方向として議会の自由度を高めるということであれば、勿論個々の自治体によって、議会の判断によって、議事定足数は2分の1以上であるべきだと思うところは、そのままにしたらよろしいんですけれども、そうではなくてもうちょっと議事定足数は引き下げて、長時間、少数でも関心のある議員同士で活発な議論をすればいいんだと考えるところは、そうしたらよろしいと思うんです。
 議決定足数についてはともかくとして、議事定足数について、現段階において廃止することは困難だと私は思わないものですから、いかがでございましょうか。

○林小委員長 これは自由度を高めるということと、自治体で決めればいいではないかという考え方があります。一方で、多くの議員の下で議論していただきたいという思いと、この辺りは相入れないところがあって、そこを決め打ちで困難ではないかという具合にしてしまっているので、ここをもう少し議論が必要かもしれません。困難ではないかと言い切ってしまっていいのかどうか。これについても少し議論が必要なので、今後継続して議論すべきだというところもありますので、そういう形で行くか。ここでは結論は出ないと私は思います。

○江藤委員 自由度を高めるというのは大賛成なんです。だから、定足数についても、それぞれの自治体でやれというのが原則だと思いますけれども、それならば、自治法のいろんなところの方が先に縛りをなくすとか、緩和すべき話であって、まずここから議論しようというのが私はよくわからないです。
 今は地方議会を活性化させて、住民とともに歩む議会を考えようというときに、基本的に全部出ろよ。地域全体で関心を持っていて、みんなで議論していこうというところをやろうとしている議会改革のときに、これを下げて、ほかのところをどんどんなくしていくという議論ならわかるんですが、ここから議論するというのが私にはわからなくて、地制調で今そういうメッセージを送っていいのかというのは、むしろ送るべきではないだろうというのが私の意見です。

○林小委員長 わかりました。このように、いろいろ意見が出ます。これについては、全体の中で議論していかなければならないし、優先順位もあるし、いろんな意見がありますから、大山委員の問題意識はよくわかりますので、これも改めて議論するかどうかということも含めて、後ほど御議論いただければという具合に思います。勿論幅広く参加する。住民参加というところとも関わってまいりますし、議員がもっと積極的に議論しようよ。これはもっと別の場でも議論できるわけだし、ということもあるので、問題意識として承った上で、これはこういう形で行くか議論するという形にするか。これは検討課題だと思います。

○大山委員 もうちょっと検討するということならば、それで結構なんですけれども、ここまで言い切られると、何を私が言ってきたのかと思います。

○林小委員長 重要な課題なんで、ちょっと言い切ってしまっているところがありますから、本当に困難なのかということも含めて議論しなければいけませんし、ほかに議論するところもあるのではないかという気もしますから、その辺り検討させていただきます。
 ほかにいかがでしょうか。

○武田委員 19ページの2つ目の○なんですけれども、ここでの議論では、割とここを肯定する方向にあったのではないかと思いまして、つまり、議長の臨時議会招集権ですね。引き続き検討というのは、ちょっと後ろ向きかなと思いまして、ここの議論では割と積極的に認めようではないかという雰囲気であったかなと思いますが、違いますか。

○林小委員長 いろんな意見が出たと思います。意見聴取の中でもいろんな意見も出ましたし、とりあえず28次でこういう形で、臨時議会の招集請求権を認めたということですので、これの運用状況等を見ながら、一方で、会期制に付いて弾力化しておりますから、それとの兼ね合いということもあるかと思いますので、28次で出した措置を29次でというのもなかなか難しいのではないかということもあって、引き続き検討しましょうということでまとめております。

○江藤委員 法制度の議論として私はわからなくはないんですが、28次の答申が出たというのは何年でしたか。2005年12月ですね。そのころの時代背景を見てみますと、議会改革をやり始めているときです。その段階と3年くらいしか経っていませんけれども、議会改革はかなり大幅に変わったのではないかと思うんです。
 それはどういうことがと言えば、議員が提案しようとか、議員同士が議論しようとか、陳情・請願も政策として生かして、議会だけで独自に議論しようということが出てきているときだと思うんです。
 この当時というのは、提案はあったにしろ、そういう動きはほとんどなくて、恐らく現行では執行機関からの提案で、議論と言えば必ず執行機関が議場にいるという議会のイメージで議論されていたと思うんですが、今日かなり違いがあるんです。原則というのは、変わったときには変えればいいということだと思いますので、引き続き検討するというよりは、私はどちらがいいかわからないんですが、議長に招集権があるのが当たり前なんじゃないですか。時代が違うというところで、議長の招集権というものをもう一度考えてみたいと思います。

○林小委員長 いかがでしょうか。

○小幡委員 28次のときの議論は、それが2005年だったかはわかりませんけれども、議長に臨時議会の招集請求権を付与しなければいけないということで答申をしたわけです。なぜそうしたかというと、議会が活性化してきていて、議会側からの招集ということも必要だろうということで、28次の改正がなされたと思うので、方向は同じだと思うのです。
 要するに、議会が議論して自らということを、法制度でどういうふうに受けるということで、既に改正がされたので、そういう観点からすれば、改正したばかりだから、実質的な問題はそれほどないのかもしれない。
 ただ、理念的な問題として、どちらかというのは残るということはあるのですが。

○江藤委員 そう言えば、答申は議長に招集権をというのを答申していたんですか。それが法律のときに変わっているんですか。

○行政課長 平成17年12月9日に28次地方制度調査会答申が出ております。資料20ページの一番上にありますように「議題の招集のあり方についての答申」で、議会側が必要と認めるときに、臨時会が必ず開かれることを担保することが必要だという、先ほど小幡委員からちょっと話がありましたが、実質的に、そういうことを担保することが必要だということで「議長に招集請求権を付与することとし、招集請求があるときには、長は一定期間内に収集しなければならないものとすべきである」と答申をいただいているところでございます。

○林小委員長 実質的に、これでいいではないかという議論と、形式的にきちっとやらなければいけないという議論があると思うんです。今は時代が変わったとおっしゃっておりますが、時代が変わっているところを踏まえて、こういう形で出たんです。ですから、それから更にドラスティックに変わっているということかもしれませんが、副会長のように、これは二元代表制なんだから、当然議長が招集権を持つべきだという意見もそれなりに説得力もある。
 ですけれども、実質的にこれで十分にいけるのではないかという意見もある。
 それで行くと、まだ3年しか経っていないから、とりあえずこれでいって、もう少し検討しようではないかということで落としているということなんです。

○江藤委員 時代が変わっているという具体的なことを言いますと、答申は2005年の12月だったと。今の議会の方向性で恐らくかなり広がっていくと思うんです。栗山町議会の議会基本条例ができた翌年の5月なんです。それが全国に普及していくということであれば、それをイメージして、それを後押ししていくような制度設計が必要だとすれば、私は議長に招集権がある。先ほど言ったことは繰り返しませんが、議員同士で議論するとか、陳情・請願について積極的に受けとめるかということを、一々何で長にお願いしなければいけないのかというのがわからないんです。
 議会として積極的に動こうというときに、お願いをするのではなく、自分たちで開くというのは当然だと思います。

○林小委員長 ということは、招集を求めるということではないようにすればいいということですか。要するに、招集権を与えるということですね。

○斎藤委員 今の点ですが、今回の対応策ですと、例えば対応策にあるように、会期制を採用しなければ、この問題を解消されるというのが1点です。
 それから、臨時会招集請求権で、首長が拒否しなければ招集が実現されるという、実質論で言うとそういうことになると思うんです。ただ、長と議会の権限配分なり、権限の在り方という点で考えますと、議会自身に招集権がないのはおかしいというのが筋論になるのは私もわかっておりまして、私自身も前々回に申しましたように、長の統括代表権を根拠に、議長の招集権を拒むという議論は誤りだと。この点については、片山副会長と同じ見解なんですが、それを知事会なり、実務におられる方々なり、全体に浸透させていくには、なお時間が必要なのかなという点で、実質の弊害が今回でかなり除去されるのであれば自治体でやっていただいて、今後、統括代表権に基づいてだめだよという議論がなされなくなるような方向が出てくれば、今回はこういう方向でよろしいのではないかと考える次第です。

○林小委員長 運用状況を見つつではなくて、もう少し議論しなければいけないというぐらいに思いますから、引き続き検討するというところで、まとめざるを得ないのではないかと私は理解いたします。いかがでしょうか。それで議論をしましょう。
 ほかにいかがでしょうか。

○西尾委員 19ページに書いてある「対応策の検討」のところで、議会について会期制を採用せずに、弾力的に開催できるようにしたいという団体については、会期制を採用しないことができるようにしてはどうか。一歩前進と言ってもいいんだと思いますけれども、検討の視点のところにも書いてあるように、既に三重県議会は事実上年2回で、夏休みを置くような仕組みで、通年議会に近くしているわけです。現行法の下でも、それは可能であるということはだれもがわかっているわけです。
 三重県議会は夏休みができるというのは、それは休会にすればいいので、通年議会にしてしまった方が、すっきりするのではないかと私は言っているんですけれども、そういうことをやろうと思えば既に可能になっているわけです。
 そういう意味で言うと、会期制を採用しないことができるようにしてはどうかというのは、現状以上に何も進歩していないではないかということになるわけです。
 私が、もともと発言した趣旨が十分ではなかったかもしれませんけれども、会期制というのがあるだけではなくて、定例会と臨時会という会議の区分けが地方自治法上はある。定例会については、年間、何回開催するかということを条例で決めなさいという仕組みになっているわけです。1年中定例会をやっているんだとすれば、事実上会期制がないに等しくなってきて、そして定例会と臨時会の区別もないということになるわけですけれども、定例会、臨時会という区分けがあり、それぞれ会期を決めていくというやり方でいく。
 そして、定例会を年間4回開くところが多いわけですが、3月議会であるとか、6月議会、9月議会、12月議会というようなところで、朝から夜まで集中審議するという形態を取っている。これが一番普通の形になっている。こういう定例会の開き方をされたら、普通の市民は議員になれませんということが重大な問題であると私は思っているんです。そのことをメッセージとして出してもらえないかということなんです。
 集中審議した方が短期間で議決がどんどんいって執行機関側にとっても便利である。必要な時期までに必ず議決が得られて大変好都合なんだと、いろいろあると思いますけれども、この形態で定例会を開いていたら、サラリーマンは絶対に議員を兼職することはできません。そういう障害をつくっているということは大問題なんだということを、私は強くメッセージとして出して欲しいということなんです。
 したがって、対応策について、これ以上文句はないんですけれども、論点や検討の視点の書き方をもう少し工夫してもらえないだろうかというのが、この点についての私の意見です。

○林小委員長 ありがとうございます。幅広い層が議員活動できるための環境整備のところで、会期制を採用しないということを、そこへもう一度書き込む形で、それは1つは幅広く各階層から参加を求めるということにもつながるという書き方で、結局、会期制を採用しなくても同じことであればということになりますから、そこはもう一度文章として書き込むということでメッセージを発するという形でいかがでしょうか。それはちょっと考えましょう。
 ほかにいかがでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、今、少し申し上げましたけれども、残されたところで「第3 幅広い層が議員活動できるための環境整備」に行きまして、御議論いただきたいと思います。

○眞柄委員 ここにいらっしゃるほぼ全委員が指摘されたことだったと思いますし、前にいただいた資料でも非常に顕著な傾向として出てきたことだと思いますけれども、24ページの「対応策の検討」の一番下なんですが、先進各国と比べて非常に女性の議員の割合が極端に低いという実態は、ほぼすべての委員から御指摘があったと思うんです。更に増やすための方策についてどのように考えるか、改善できる点はないかということよりも、今日は追加的な資料をいただいて、各国の取組みが出ているわけなんですけれども、基本的にこういった問題というのは、政党が推進してきたことだったと思うので、基本的にはそれをお願いする以外にないかと思うんですけれども、例えば実態がどうなっているのかをもうちょっと周知させるとか、少し具体的なことを含んだ方がより効果的なのではないかと思います。今のままですとどのように考えるか。改善点は何かというのでは、ちょっと漠然とし過ぎているのではないでしょうか。

○林小委員長 考えるのが対応ということではちょっとあれかもしれませんので、もう少しこういうことも含めて、検討するとかいうことで行ければという具合に思います。もし何かこういう文言を含めた方がいいのではないかということがございましたら、御指摘をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 では、少し考える方向性というものを、具体的に少し落とし込めればという具合に思います。ほかにいかがでしょうか。

○西尾委員 21ページにある第3のうちの「1 議員の役割、あり方等」についての21ページの最後にある「『対応策の検討』」なんですが、「議員活動については、議会における審議・討論を充実させるとともに、住民の意見を適切な形で行政に反映させることが議員の重要な活動ではないか」と、何を言っているんだかわからないことが書いてあるわけです。余りにも当たり前と言えば当たり前で、何を言いたいのかということが全くわからない文章になっていると思うんです。
 「検討の視点」のところを見ると、口きき行為とか、仲介・あっせん行為という議論があったので、それについても両論あったのでこういう書き方になったのかなと思うわけです。
 私はこういう書き方では、今回の答申の書き方としては全く不満足だと思います。
 御承知のとおり、大分県の教育委員会で、教員試験の合否について収賄事件が起こったということをきっかけにいたしまして、それ自身は、教職にある人が教育委員会関係者との間で贈収賄行為があったということが発端なんですけれども、その事件からどんどんと広がりまして、その贈収賄事件にかかわらず、それとは無関係に、県議会議員からの口ききというものもあった。要請も受けていたということが、大分県教育委員会について明らかになったところ、新聞が次々と調査をしていったら、47都道府県と政令市の半数以上の教育委員会の教員人事について議会議員からの口きき行為があったという証言がどんどん出てきて、これは大問題だということになったわけです。
 これは教員についてのことでありますが、教員に限らず、公務員の人事に関して、議会議員が、こういう介入をするのは不当な行為です。絶対に許されない行為です。口ききとか、仲介・あっせんといって排除すべきだと言っているのは、そういうことを言っているのでありまして、まずは公務員の個別の人事に関して議員が介入をすることというのは議員としてやってはならない行為であるということは明らかであるということなんです。
 もう少し広げれば、契約案件。要するに業者をだれにするか。選定するかという個別の契約案件についてこの業者とすべきであるとか、これも許されない行為であるということだと思うんです。
 許認可行為について、この業者に対して許可をしてあげるべきであるというふうに働きかける、こういうものを私は排除されるべき口きき行為、仲介・あっせんだと言っているわけです。これは議論するまでもなく不当なことなんです。絶対許されないことなんです。そのことを全議員に明確にしなければいけない。こういう事件が起こったんですから、それを機にして、地方制度調査会としては明確にそのことを言わなければいけないのではないかということです。
 この「検討の視点」の中で、住民の意見を取り入れるという面ではいい面もあるというような御意見がこの場であったことも事実ですけれども、それは私が言っている意味とはおよそ違うと思うんです。住民の方がさまざまな相談とか苦情とか、陳情とかを持って議員のところにお見えになって、いろんな話が入ってくる。それを聞き取ることは、当然の議員活動です。
 それを聞き取りながら、そういう問題があるのか。そういうことを思っている市民、住民がいるのかということから、問題の所在ということに気づいて、そして議会で自分はこういう相談を受けたけれども、これについてどうなっているんだ。どう考えているんだとかいろいろ意見で質疑されることも勿論非常に重要なことであります。
 そういう住民が持ち込んできた要望の中で、この要望はもっともだと思われるならば、なぜそれが実現できないのか。執行機関の側からすれば、それに応えることができないとすればなぜなんだということを聞きただす。そして現行の法令やら何やらにその原因があるのかないのか、いろいろと原因を究明するきっかけになるわけであります。
 そういうことで、受け入れられるべき要望ではないかと思うことが、受け入れられないということがわかったならば、どうやったら受け入れられるようになるんだろうと考えることが議員の任務なんです。
 ルールが、今のルールで適当でないというのであれば、ルールを変えさせることが議会活動なんです。それが議会の立法行為なんです。
 そういうもののきっかけとして、住民から幅広く意見を聞き取ってきて、それを生かすことは当然のことです。しかし、それは一般論でやらなければいけないわけです。ある特定の人、特定の団体、特定の企業の利益のために、はかってはいけないわけです。
 その種の問題を抱えているすべての個人、すべての団体、すべての企業に、解決する方法を考えなければいけない。それが議会活動です。
 ですから、住民の意見を聞くとか、それを行政に反映させるのか、それを否定しているわけではない。ここを明確にしていただきたいと思うんです。それが当然議会の活動です。
 しかし、個別の利益の実現を図ることは絶対にやってはいけないのだというメッセージを出していただきたいということです。

○林小委員長 そのとおりだと思います。「検討の視点」のところで、行政を不当に歪める危険性もあるのではないかということなんですが、そういう危険性があるものに関しては、これはやめてもらわなければいけないわけで、そういうメッセージを出しましょう。住民から幅広くフォーマルな形で聞くということも非常に重要なので、その場合例えばこれは具体的には要望があった場合にオープンにするということも考えられるかもしれません。
 ただ、ここのメッセージとしては、やってはいけないことは、厳に慎むべきだ、これは言わずもがなんですが、それがあるので、そういうメッセージとして、よりわかるように書きましょう。

○金子委員 そういう不当な行為を防止するために、執行機関の側でいろいろ議員から受けた個別の案件について、すべて情報公開をすべきであるというふうに自治法で義務づけるという辺りは、いい考えかなと思わないわけではないんですが、どうでしょうか。

○林委員長 本当は、そういうことをやらなければいけないんです。そこは、運用上でやれる範囲ということなんで、その辺りは非常にインパクトが大きいですからね。

○江藤委員 今の金子委員の法律で義務づけるということですが、2002年くらいから鳥取県とか熊本市などで、そういう案件についてはちゃんと記録して情報公開の対象にしているということで、運用でそういうことができますし、それで全くなくなるかどうかというのはわかりませんけれども、そういうようなことも含めて、本当は問題なんだよという、今、西尾委員が言われたことというのは、地制調として、強くメッセージを送るべきだと思います。

○林小委員長 そういう意味では情報をきちっと住民に対して公開するということのメッセージを発することも必要かもしれない。
 ほかにいかがでしょうか。

○大山委員 今の関連なんですけれども、私も21ページの検討のところはちょっとあれだなと思っていたんですが、結局住民の意見を適切な形で行政に反映させるのも、本来議会における審議・討論を通じてやるべきことなので、それを審議・討論の充実とは別なことだという書き方になっているのがすごくおかしいなと思うわけです。それも含めて、審議・討論の充実であろうかと思います。

○林小委員長 ここは全面的に書き換えます。

○武田委員 ここの個別の論点ではなくて、今日の報告全体を聞いていて、だんだんわからなくなってきたのですけれども、今回の論点のまとめが、1つは、法改正をするべきだという趣旨の意見表明であるのか。それとも他方で自治体に向けてこういうこともできるようというメッセージ、こういうことをやろうというメッセージとして書いていくのかという、文章を書いていくときの、だれ向きに書く文章を考えていたのかなというのがわからなくなった点です。
 最終的に何らかの文章にまとめていく際に、その2つは分けた形で書いた方がいいのではないかというのが1つです。
 結局どの項目も「論点」「検討の視点」「対応策の検討」という3つに分けていて、個別に議論をしていく中で、結局、削除していった部分もあって、その結果「対応策の検討」というのが、議論の結果を抜いた結果、何を言っているのかわからなくなっているという結果で、特に今の21ページの文章がわかりにくいものになっているのではないかということだと思うんです。
 21ページのところでは、ほかに何の論点があったかというと、その論点のところで挙げられている前段の議員は無報酬である云々というような、議員像というか、そこのところが削除されたので「対応策の検討」は非常に焦点が不明確な形になってしまっているのではないかということなんです。
 ですから、削除した趣旨をあえてここに盛り込むとすれば議員のある程度専門性というものを改めてここで確認をしておくというか、そういう文章が少し入った方が、この対応策の検討というここの文章の書き方としては、わかりやすく趣旨が明快になるのではないかと思います。

○林小委員長 21ページの「対応策の検討」、趣旨それ自体は、今、西尾委員が御指摘くださったようなことを書き込むことだろうという具合に思います。
 「論点」は、御意見いただいた部分はすべて論点としてここへ挙げておりますので、当然これも無報酬でやるべきだという方と、それは大変だろうという方もいらっしゃって、今後それについて議論すべきであるということはすべての論点について書き込まないで、そういう方向でこれをまとめようとしております。
 それと、制度改正の話と、運用の話は従来からずっと出ていて、これはもう運用でやれるではないかという話と、制度改正をしなければならないというところが、混在しながら議論しているんです。そこはきちっと仕分けしなければいけないという問題意識はあります。そういう問題意識をかなり整理しながらメッセージ性のものと制度改正が必要なものというのを、並列的に書き込んでおりますけれども、これを読む限り制度化すべきものとメッセージとしてというところは運用の問題、これはある程度読んでいただけるのではないかと思うので、それはちょっと切り分けて区別して書くのも一つの手なんですけれども、課題ごとにそれを並べて書いて、よりそこがクリアーにわかるような書き方をした方がいいのかなと思いますが、だれに向けてのメッセージなのかというと、広く全体に向けてのメッセージですので、この辺りは課題ごとにそういうことだろうと思うんです。書き方はもう少し整理しなければなりませんが、そういうことで御理解をいただければと思います。
 ほかにいかがでしょうか。

○小林委員 24ページの話でもいいですか。
 先ほどの会期の話とちょっとつながりがあり、一番最初の部分なんですが、下線で引いてあって、幅広い層が議員活動ができるよう夜間・休日に限ってというふうら議員に対してのコメントになっているんですが、これがあっても勿論構わないんですが、幅広い層が議員活動ができるということは、つまり住民の側も幅広く、例えば傍聴しやすくなるということも意味しますし、要するに、住民が積極的に議会活動に関わることが、より容易になりますよというメッセージも、付け加えた方がここの部分の意味合いがもう少し深くなるのではないかと思います。それで今、発言しました。

○林小委員長 これはもう当然のことなんです。住民が広く議会だけではなく、自治体の行財政運営に関して関心を持って参画するということですので、これは当然のことで、この3のところは、幅広い層というところで、地域自治組織との関係で、議会を論じていたときには、もっと広く住民参加という課題の中で、議会と地域自治組織との関係をどうするかということを議論していたわけです。そこは外した方がいいのかなということ。
 非常に重要な御指摘なので、どこかで入れたいと思いますが、幅広い層が議員活動できるための環境整備というところですから、そこは全体的には当然の話なので、傍聴しやすいような時間帯に開きなさいよといった話はどこかで要るかもしれませんが、それはまた考えます。ここは議員になりやすい環境をつくりましょうねという話です。

○小林委員 要するに、先ほど西尾先生がおっしゃった集中して朝から晩までという会議の開き方だと議員になれないというお話があったと思いますが、聞いている方も朝から晩まで聞いているのはとても大変なことですので、そういったことも、文言に入れられるのであればよろしいかと思います。

○眞柄委員 今のポイントと少し関連するのかも知れませんが、24ページの2つ目の○多様な方が活動できるためには、議員活動を行うための休職・復職等の制度を導入することが考えられないかと書いてあり、確かにこれは重要な指摘だとは思うんですけれども、前回現場の委員の方から、休職するよりは、現職のままで活躍した方が、より望ましいのではないかという御意見が出まして、私も現行の仕事を辞めなくても、その方が議員活動ができる態勢がより好ましいのではないかと思います。
 その部分もちょっと強調していただいた方がいいのかなという気がいたします。むしろその方が休職して復職するよりも、より多くの方が活動しやすいのかなという気がします。

○林小委員長 当然そういう方が抵抗なく、あるいはスムーズにシフトしやすいということはあると思います。やはり、立候補する限りにおいては、そのくらいの覚悟をしてくださいよということもあったのかもしれない。この辺りは、現職のままでというところまで書き込む必要があるのかどうか。そこまで一気に行くかというものもある。

○自治行政局長 諸外国には、立候補のための休暇とか、休職・復職を優先して、元の職に復することができるという制度がかなりあります。
 かなり国によって違うわけですけれども、幹部職員は兼職できないけれども、そうではない職員が兼職できるという制度もあります。日本の場合には議員と公務員をかなり厳格に隔離するというか、ものすごく徹底している最も厳しい制度であるわけです。休職とか復職とか休暇というのが入れば相当画期的なものになるわけです。
 そのときには、公務員に求められる政治的中立性ということについてはどう考えるのか。現職のままで兼職しますと、公務員に政治的中立性を求めるというのは、広く行き渡った国民のマインドだと思いますので、兼職のままでそういうことをどう考えたらいいのかということにつきまして、この小委員会で御示唆をいただければと思います。

○眞柄委員 公務員に関しては、下から2番目の○の部分に当たるのではないかと思いますが、公務員以外の方は休職・復職制度自体が非常に大きな前進ではあると思いますけれども、それと並行する形で現職で活躍されるというのも非常に望ましい形態なのではないかと思いますので、その辺も少し御検討いただければと思います。

○林小委員長 こういう制度を導入することが考えられないか。そのためにももっといろいろ企業の側も一定の協力をしていくことが望まれるという社会的合意を形成していくというそこの段階なんです。その段階で、休職ではなくて、企業の側で、現職のままでというところが、制度化ということになってくると非常に難しいので、そういう社会的合意を形成していくというところを、むしろここで強調しなければならないのではないかという気はするんです。まだ日本ではそういうところまで行っていないのであれば、そこをきちっとメッセージとして発信をして、制度化を目指すんだけれども、制度化するときに現職のままでということまでは難しいという気がします。

○江藤委員 今の議論なんですが、休職・復職という制度を導入することを考えるというのは、私もわからなくはないですが、基本的に通年制なども議論しよう、夜間開催なども議論しようというときに、普通のサラリーマンの兼任を認めていこうという話ですね。昼間の場合は、休職・復職の話もあるかもしれませんが、この使い勝手が悪いという話が出ていたので、恐らくフランスの事例などが顕著だと思いますけれども、選挙運動のための休暇制度を10日間与えるとか、議員の会議出席のための時間給制度というものを法律で導入するとか、単なるメッセージだけではなくて法制度化という議論もあり得る話だと思います。休職・復職の議論というのは使い勝手が悪いということを、考えることも大事なんですけれども、今、眞柄委員が言われたような議論というのもやる必要があるのではないかというのが1点です。
 今の公務員については、私は書き方がわからないんですが、引き続き議論を進めていくべきではないかと書いてあるんです。それはそれでいいんですが、次のページを見ますと、28次地制調答申で、これは抽象的な話ではなくて当該団体以外の地方団体との兼職を可能とする。こちらは限定して検討すべき課題だと。もう何年経っているんでしょうか。同じことでまた広げて議論するかということではなくて、当該自治体でというのが限定して議論しているので、こころところを詰めて議論しなければ、また同じかという話になりませんか。
 問題というよりは、むしろそういう方がいいということであれば、何らかの議論をした方がいいのではないでしょうか。

○林小委員長 何か後退しているような印象ですね。28次地制調の答申の中でそういう意見が出ていますから、それを目指して、こういう問題を解決していかなければならないというふうに理解することができるのではないかと思うんです。そこは書き方が、後退ではないかと取られますけれどもね。

○江藤委員 要するに多様な人材を議員にしたいわけですね。それの突破口は、こういう問題があって、どういうふうにそれを乗り切ればという議論をしないと、余り伝わらないではないですか。

○林小委員長 当該地方公共団体以外のところだったらというのが28次の答申にあるので、それでもまだ検討しなければならないことがあるということなので、そういうことについて検討を進めていきましょうと、そういうことが伝わらないとするならば、そこはきちっと書かなければいけないと思います。趣旨としてはそういうことだと私は理解しておりますので、前進という具合にとらえていただいた方がいいと思います。

○江藤委員 ちょっとお聞きしたいんですが、この2つの問題点で、当該自治体以外のところということで、できないという結論に必ず達しますかね。

○金子委員 これをやろうとしたら、制度的には、公務員の職務の公正な執行が本当にできるのかどうか。この辺りの詰めた議論が必要である。
 もう一つは、職務専念義務との関係も詰めた議論をしないと、なかなか難しいので、今こういう議論が残っていると私は理解しておるんです。

○林小委員長 28次で答申が出ているにもかかわらず、具体的な動きを何もしていなかったではないかという御指摘ですね。それはよくわかります。そのとおりでして、だからここで宣言をして、きちっと議論しましょうというふうに理解いただければと思います。だから、前進だととらえてください。

○大山委員 それにしてももう少し何か具体的に書けないかということはあると思うので、少なくとも前回結構議論になった立候補時点ではなくて、当選したときにしたらどうかということくらいはもう少し具体的に書いたらいかがでしょうか。

○林小委員長 いかがでしょうか。

○小幡委員 私も今、大山委員のおっしゃるように、この4つ目のところの文章が、公務員の立候補制限等に関する問題点も含めとなっているので、何となくそこでは埋没しているのです。せめてこれくらいはということを申し上げていたと思うので、もう少し強めに出していただきたいと思います。
 それから、前回議論があったところで、よく考えてみると、28次とそれほど変わっていないということになってしまうのですが、この2つ目の○のところも、まさに企業の側も一定の協力をすることが望まれるというような話ですね。社会的合意というか、そういう意識の醸成が必要だということは強くメッセージとして書いた方がよいと思います。ほかの国では今御紹介があったように、法制度にしているところもあるくらいなので、直ちにそれをするということはなかなか難しいとしても、せめて強くメッセージとして出すということは大変大事だと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。

○西尾委員 24ページの「対応策の検討」については、いろいろな方から御意見があって、余り私と意見が違わなくて、書けるのならば、極力前進した書き方にすべきであると思っておりますが、それは繰り返しませんけれども、ここに○が5つ並んでいるんですが、下から2番目の○のところの出だしが「地方公務員が、地方議会議員として活動することについては」と地方公務員に限定しているわけです。国家公務員を除いているんですけれども、これは意図的なのかどうかわかりませんけれども、要らないのではないのでしょうか。国家公務員、地方公務員合わせて公務員が地方議会の議員としていていいのではないか。意図的に国家公務員は別として外した趣旨なのかどうかなんですが、前回の答申のときはそんな制限をしておりませんでした。全くそういう制限なしに公務員がという議論をしていたので、少なくともこの「地方公務員」の「地方」は取っていただけませんかというお願いです。
 あとは、文章に関する修正意見でも何でもないんですけれども、議会に幅広い住民が、多様な住民が参加するような議会に変わるべきだ。特に基礎自治体の議会はそう変わるべきであるというのが私の強い信念なんですけれども、そういう理想上から言えば日本の基礎自治体の議会はおよそそれからは懸け離れていると思っているわけです。こういう議会では困ると強く思っているわけですけれども、こういう認識というのは、近々どんどん急速に変わるのではないかと私は予感しているんです。
 今年の12月からいよいよ準備が始まる裁判員制度ですけれども、この裁判員というものに選定されたならば、その任務を原則としてきちんと果たすことが、国民すべての義務であるというふうになってくるわけですが、これが実際に動き出しまして、かなりの数の人たちが裁判員というものを実際に体験するという蓄積がたまっていきますと、その経験に照らして、議会の議員というのは何しているんだというふうに考える人。
 そして、裁判員として自分が任務を果たしたときの諸条件とか、手当とか、そういうものと引き比べて地方議会議員の待遇とか処遇というものと、これでバランスが取れているのだろうかこういうふうに考える人たちはどんどん増えると私は予感しているんです。
 裁判員制度の施行というのは、地方議会問題に対して厳しい世論をつくり出すだろうというふうに思っているので、あらかじめわかっていることには早くから手を打った方がいいというのが私の意見でありまして、地方議会の根本的な改革というのを考え出さなければいけないと言っておきたいと思います。

○林小委員長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。

○金子委員 24ページ目から上から4つ目の○ですけれども、ここに「公務員の職務の公正な執行や職務専念義務法との関係について」と書いてありますけれども、この辺りもう少し具体的な文言にしていただいて、これこれこうだから難しいということを盛り込んでいただければ、よりわかりやすくなのかなと思わないでもないわけです。

○林小委員長 難しいというわけではなくて、そういうことも考えながら進めていかなければいけないということですので、そこまで具体的に書き込むということはなかなか難しいと私は判断いたします。

○武田委員 公務員の件に関しては、前回は公務員のところに、休職・復職という制度ができないのかという発言した記憶がありますが、この書き方ですと公務員に関しての休職・復職は考えられていないようですけれども、制度的にそれが不可能であるということであるのか。その制度があれば、この職務専念義務というのはクリアーできるのではないかと思われるんですが、その点どうでしょうか。

○行政課長 たくさん書いたので読み方があれなんだと思いますけれども、2番目の○は官民にかかわらず共通の認識として、こういう多様な人材に議員として活動していただくためにいろんなことが要るのではないかということでございまして、公務員の場合は特にこの職務の公正な執行の問題とか立候補制限とか、別の法制がありますので、特出しをして書いてあるということでございますので、公務員について休職を否定しているとか、そういう意識で書いているものではございません。

○林小委員長 そこは文章を明確にしましょう。それから「地方公務員」の「地方」は取ろうということでございます。
 ほかにいかがでしょうか。

○幕田委員 対応策の5つ目の、女性議員を増やす方策についてでございますけれども、資料3をつくっていただいて大変わかりやすくなったと思います。
 ここに書いてある海外の施策で、例えば一番上のノルウェーのケースで50%という数字が出ており、それ以上に女性を入れるという趣旨で入っているようですが、未達の場合はどうなるのか。未達の場合の対策をどうやっているのか。現状は50パーセントに対してどの程度の達成率になっているのか。その辺を後で結構でございますけれども、教えていただければと思います。
 もう一つは、意見ですが、ここでは「対応策の検討」で5番目の、女性議員の関連につきましては、「どのように考えるか。運用面で改善できる点はないか」というだけになっているんですが、もっと積極的に、どうすれば女性議員が増えるのか。その提言を、できればやるというところまで、踏み込んで検討できればいいのではないかと思う次第です。
 まず、女性議員を増やすために、これは私も不勉強な面があると思いますが、実態がどうなっているかというのがよくわかりませんし,余りまとまった資料を見たこともないので、その辺アンケートなどを取ったことがあるのかないのか。ないならば、実際に女性議員さんにいろいろ聞いてみて、何が苦労の原因になっているのかとか、あるいは主婦の方とか、勤めている女性の方になぜ議員になりにくいのかという観点から、統計的にしっかりしたアンケートをまとめる必要があるのではないかなと思いましたので、意見として提出いたします。お願いいたします。

○林小委員長 今のリクエストはまたお答えいただくということで、そういう調査があるのかどうかということも、また改めてということでよろしいですか。

○行政課長 今の未達の場合の話とか外国の話もございましたので、また調べさせていただきたいと思います。

○林小委員長 恐らくここで「対応策の検討」のところで非常に抽象的であったり、まだこれから詰めていかなければいけないという問題がたくさんあるわけです。具体的に女性にもっと積極的に参加してもらえるような環境はどうすればいいのかという議論も、この地方制度調査会でやれるかどうかという問題があるんだろうと思うんです。
 具体的にいろんな国の制度を調べたり調査したりということも、現状分析しながら制度化していかなければならない部分があるので、私も地方制度調査会でそこまでこの中でやれるかというとちょっと私は自信がありません。もっと専門家に参加してもらったりとかということを議論していかなければならない部分もあるし、場合によっては実態調査をしなければならない部分もあるでしょう。
 これは考えていくとか、議論をするというのが対応策になっている部分がありますので、それを具体的にどうするんだということについては、次のステップで考えていかなければならない部分だと思います。
 その辺りは、私も地制調でどこまでやるべきなのか。残された課題もいっぱいありますから、そういうことも含めてちょっと考えさせていただければと思いますので、勿論今日いただいた基本的な「対応策の検討」の中にこういうものは書き込むべきであるということは極力考慮しながら、修文をしていきたいという具合に考えておりますので、そういうところでよろしゅうございますか。

○政所委員 同じく24ページの女性の議員排出の今後の問題についてですが、今お話が出たところですが、今日提出いただいた資料の中で、フランスの項目の一番下の方に、例えば各政党は候補者の男女差を2%以内にしなければ、政党助成金が減額される罰則があるという参考資料をいただいています。勿論いきなり罰則というわけにもいきませんし、目標値を掲げても現実的には、まだそこまですぐには至らないらないと思いますけれども、現実的には何らかの形で政党を背景に場を得る、議員活動をするというのが順当なステップになるわけなのです。何らかの形でフランスの例を参考に支援する制度の検討があっても良いのかというところまでは、少し進められないのかなというのが1点です。
 もう一つは、西尾委員が御指摘になった点というのは重要なことです。どのようにすれば抑止力を持って、速やかにそうした方向に促せるかというのが、現実的には非常に難しいと思いますが原点です。議員が公民であるというような倫理法のようなものは、実際にはないわけでしょうか。公務員倫理法というのはありますけれども、議員としての、法律ないし罰則でもないけれども、西尾委員がおっしゃったようなことというのは、これはすぐやって欲しいということですが、バッチを付ける以上、持つべき倫理憲章みたいなものは、実際には今はないのでしょうか。

○林小委員長 恐らく住民が次の選挙でその人は落選させるということでやっているんじゃないかと思いますが、そのような理解でよろしいでしょうか。すなわち、選挙という洗礼を受けるというところが非常に重要だというところが議員の場合にあるんではないかと思うんです。それがそうなっていないというところが問題なので、そこはどうすればいいのだろうということだと思います。
 問題はいろいろありますから、その辺り今後検討していかなければならない点になっているのかと思います。

○江藤委員 今、林小委員長が言われたように、基本的に住民が見ていて選挙するというのはあるんですが、議員活動について倫理的なことが必要だということで、地方自治体では政治倫理条例等を制定しているところもあります。法律についてはないんです。今の議論、休職・復職についてのメッセージを送るとすれば、議員についての位置づけなどの議論をやらないと、それなりの社会的認知はできなくなる。これは恐らく今まで議論されていた中では公選職という言い方を28次もやられていたと思います。そういうような公選職の議員はどうなのかという議論の中で、今みたいな議論なども含めてやっていくことかなと思います。現時点では法律上はないのではないかと思います。

○林小委員長 いかがでしょうか。

○行政課長 憲章みたいなものは私どももデータがございませんけれども、先ほどもちょっとお話が出ていましたが、議会の基本条例みたいなところでは、先ほど政所委員がおっしゃったような議員の活動原則、議員の責務といったものを条文に入れて、議会基本条例を制定されているところはございますので、入れ方はいろいろでございますけれども、議会基本条例みたいなところではそういう理念的なものを入れているようでございます。

○林小委員長 そろそろ予定の時間が迫ってまいりましたので、これだけを是非というものをどうぞ。

○武田委員 先ほど林小委員長が、女性の議員の問題でどの程度書き込むかというのは難しいのではないかと言われた件なんですが、24ページの「対応策の検討」の1点目と5点目の書き方の、項目によって書き方に浅い深いがあるのは致し方ないんですが、多様な人材を議員として活動できるようにするには、例えば夜間・休日議会の開催というような、この点に関して踏み込んだ書き方がされているのに対して、5点目の女性議員の問題についてはそうした踏み込み方がされていないというのは、問題によって踏み込み方の違いがあるなという感じはいたします。
 その上で、この点は私は矛盾するのではないかと思うんですが、夜間・休日議会というのは、女性の議員にとっては極めてやりにくい、例えば育児や介護を担っている人が夜間や休日に出てこいというのはかなり酷な話で、これはちょっと矛盾するところがあります。
 その意味では、具体的な書き方をどこまでするかということも含めて、もう少し議論が要るのかなという気がします。

○林小委員長 女性の議員をさらに増やすということの必要性というのは強く認識をしている。ただそれを実現するためには、今おっしゃっていただいたように、ひょっとするとトレードオフの関係にあるものがあるかもしれないし、矛盾する場合もあるので、これはもう少し時間をかけて議論をしなければいけないと思うんです。
 ただ、この小委員会の場で、ここまで具体的にどうするかというところまでは、多分無理だと思います。そういう検討をするための場といったことはまた必要かもしれませんが、これは地制調でやるのか。あるいはそうではない研究会的なところでやるのかというのはあるかもしれません。それに類した問題はいっぱいありますから、優先順位を付けなければいけないしということもあって、具体的なところまで持っていこうとすると、これはもう少し考えなければならない部分ではないかと思います。
 今日は基本的な考え方というか、積み残しは勿論ありますけれども、具体的に今後検討していくということも含めて、ある一定の方向性が得られたのではないかと思います。
 そもそも議会とか、議員はどうあるべきなのかという議論をしなければならない部分もあるんですが、そこはひょっとすると基礎自治体の在り方のところでそういう議論が出てくるかもしれません。まだわかりませんけれども、とりあえず、この議会に関しましては、小委員会のレベルで一定の方向性ということで、まとめさせていただきたいと思います。
 最後に総会をやるのではなくて、途中で議会と監査について総会をやろうということでございます。
 総会におきまして、小委員会の議論がある程度まとまった段階で総会を今後開催をしようということですので、そのときに専門小委員会における議論の経過報告をさせていただくことになります。
 したがいまして、次回につきましては、総会に向けて、報告するための、専門小委員会における調査審議経過の報告案等につきまして、お諮りをしたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、時間もまいりましたので、事務局から今後の日程等について御説明をいただきます。

○行政課理事官 次回の日程でございますけれども、御案内の文章を入れさせていただいてございます。11月12日水曜日午前10時からでございますが、同じ三田の共用会議所で開催させていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 それから、今、小委員長からお話がございました第3回総会の日程ございますけれども、御回答いただきました委員の皆様方の御予定を基に現在調整をさせていただいております。決定をいたしましたら、すぐ御連絡を差し上げたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

○林小委員長 それでは、これをもちまして本日の専門小委員会を閉会いたします。
 長時間どうもありがとうございました。


戻る

ページトップへ戻る