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第31回独立行政法人評価制度委員会 議事録

日時

令和3年7月8日(木)14:00〜15:30

場所

ウェブ会議にて開催

出席者

(委 員)澤田道驤マ員長、梶川融委員長代理、天野玲子委員、金岡克己委員、栗原美津枝委員、島本幸治委員、高橋伸子委員、野ア邦夫委員、浜野京委員、原田久委員、南雲岳彦臨時委員、河合晃一専門委員、清水剛専門委員、横田響子専門委員
(審議協力者)樫谷隆夫 樫谷公認会計士事務所所長
(事務局等)白岩行政管理局長、阪本官房総括審議官、方管理官他

議事

  1. 令和2年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価の点検等について
  2. 令和3年度に中(長)期目標期間が終了する独立行政法人に係る調査審議の状況について
  3. 準用法人に係る見込評価及び組織・業務見直しの検討の観点について
配布資料
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議事録

【澤田委員長】 ただいまから、第31回独立行政法人評価制度委員会を開会いたします。本日の会議はオンラインで開催しております。議題に入る前に、7月1日付けで、事務局において幹部交代がありましたので、一言御挨拶をお願いします。
【白岩局長】 御紹介にあずかりました白岩でございます。先ほどから開会に当たっていろいろ手間を取りまして、皆さんに御迷惑をおかけしましてお詫び申し上げます。時間も押しておりますので、会議に入っていただくべく、私も一生懸命頑張ります。よろしくお願いいたします。
【澤田委員長】 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
【方管理官】 方でございます。7月1日付けで着任いたしました。新しい体制になって初めてでございますので、今後ともよろしくお願いします。
【澤田委員長】 それでは、もう時間も過ぎていますので、まず議題1、令和2年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価の点検等につきまして、事務局から御説明をお願いします。
【方管理官】 例年8月を目途に各主務大臣から本年度の見直し対象法人についての目標期間の終了時に見込まれる目標期間における業績の評価、いわゆる見込評価と、その評価結果等を踏まえた業務・組織の見直し、さらに87全ての法人、準用法人を含めると88の法人についての、前年度1年間の各法人の業績の評価、いわゆる年度評価でございます。
もう一つは、前年度見直し対象であった法人についての、前年度末に終了した目標期間における各法人の確定した業績の評価、いわゆる期間実績評価が行われ、評価結果が公表されます。
このうち、見込評価及び業務・組織見直しについては、次期目標につながるものであり、例年、見直し対象法人に係る調査審議の中で、見込評価については、「評定の根拠・理由・改善策が明確に示されているか」、業務・組織見直しについては、「評価結果や社会経済情勢等の変化との関係が明確に示され、的確に反映したものになっているか」といった観点から確認し、目標と一体的に御審議いただいているところですので、事務局としては、本年も委員会での御議論を踏まえて確認させていただきたいと思います。
一方、年度評価及び期間実績評価についても、例年同様、評価制度の運用改善に向けた点検を行うに当たり、事務局において、あらかじめ心得ておくべき点検の観点等につきまして、御意見がございましたら、この機会に御指示いただけますと幸いでございます。
【澤田委員長】 それでは、本件につきまして、原田評価部会長から発言があるということでございますので、よろしくお願いします。
【原田委員】 4月の委員会でお示しをしているとおり、今年度も、評価部会を中心に、年度評価等の結果について点検を行うことにしております。委員会では、毎年各主務省においてPDCAサイクルがきちんと回っているのか、法人の業務運営及びマネジメントに評価が活用されているのか、最終的に業務の改善につなげられているのかということを重視して、先日水資源機構にお邪魔した時にも申し上げましたが、S、A、B、C、D、といった評定の結果そのものより、評定の根拠等が具体的に記載されているかどうかを重視し、これに基づいて点検を行ってきたところです。
本年度も同じ考えに立ちまして、点検を行ってまいりたいと存じますが、これまで、A以上あるいはC以下の評定を付す場合に、評定の根拠がどのように記載されていれば、「具体的」に書かれていると考えるのかについて、目安をお示ししたことはございませんでした。
本年度は、具体的にどのような記載が求められるのかを明らかにするために、試行的に、今から申し上げる観点から評価書を点検してまいりたいと存じます。
まずA以上の評定を付す場合の根拠としては、基本情報として、(1)評価対象とした事実・取組・成果を記載した上で、事業部門において質的な評価を行う場合であれば、(2)評価対象とした取組・成果が目標における指示内容または計画における取組内容、あるいは法人のミッションにどのように寄与しているのか、(3)当該取組・成果の一般社会へのインパクトが説明の中に含まれている必要があり、また、(4)評価結果を踏まえた今後の方向性についても言及する必要があると考えております。
また、C以下の評定を付す場合には、具体的な改善方策等を記載する必要がありますので、その改善方策を導き出す前提として、(1)評価対象とした事実、(2)当該事実を引き起こした要因の分析、前年度もC以下の評定であった場合には(3)従前の改善方策の実施状況、といった要素についても説明する必要があると考えております。
また、評価を法人の業務改善につなげていくためには、主務大臣と法人が現状や課題の認識を共有していることが重要であると考えます。ですから、主務大臣評価におきまして、法人の自己評価と異なる評定を付す場合には、評定の根拠というものが具体的に記載されていることが特に重要かと存じます。
今このように申し上げますと、主務大臣と法人の評価というものが常に一致しないといけないのかと誤解されるかもしれませんが、決してそうではございません。評定が異なること自体は、本来の制度趣旨から致しますと、それぞれが主体的に判断しているわけですから、決して否定されるべきものではありません。主務大臣と法人が法人の現状について同じような認識を共有した上で、毎年度PDCAサイクルを回していくということが重要であるという観点から、着目をしてまいりたいと存じます。
以上、年度評価等につきまして、評定そのものだけではなくて、評定の根拠等が具体的に記載され、評価が法人の業務運営の改善につながっているのかどうかが重要ではないかということを申し上げたわけですが、今申し上げた趣旨は年度評価にとどまることなく、見込評価を含む主務大臣評価全般に通じるものと考えております。
一方、本年度実施しております、既に各主務省・法人に御協力賜りましたフォローアップ調査の中では、こうした私どもの考えが必ずしも主務大臣あるいは法人と十分に共有できていないのではないかという課題も浮かび上がってきたところでございます。
「独立行政法人がその能力を最大限発揮できるよう、主務大臣が策定する中(長)期目標に着目をした審議調査を行う」というのが従来からの独立行政法人制度評価委員会の基本的なスタンスであり、これは今後も変わらないと存じますが、先ほど申し上げたフォローアップ調査の結果や今年度の年度評価の点検結果等も踏まえつつ、改めて主務大臣評価全般について、委員会の視点や評価の意義などを議論し、その結果を取りまとめて発信していくことにより、委員会と主務大臣・法人との共通認識を形成していく必要があるのではないかと考えているところでございます。
【澤田委員長】 ありがとうございました。今の御説明、非常に本質的な部分ですので、きちんと議論していくことが重要かと思います。皆さんから御意見等を伺って、今後の方向性に向けてのまとめを行っていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
栗原委員からお願いします。
【栗原委員】 ありがとうございます。進め方について、今回御提示いただいた内容に特段異論はありませんが、年度評価の位置付けと、A以上あるいはC以下の評定の場合に根拠を付すことについて、皆さんと意識のすり合わせをさせていただきます。
年度評価は、中(長)期目標期間の最後に行う評価ではなくて、ある年は進捗が遅れたであるとか、翌年にはカバーしたといった点を見ていく途中段階のモニタリングだと思いますので、ある年の評価が低かったとしても、それ自体が中(長)期目標の関係で悪いとか、法人に対する評価が低いということではないという認識でよろしいでしょうか。そうだとすると、年度評価でA以上あるいはC以下の評定をつけることに極端に神経質になる必要はないと思います。
また、A以上の評定をつける場合に、(1)から(4)までのような要素を提示して、点検を実施するということですが、気になったのが(3)の当該取組・成果の一般社会へのインパクトです。インパクトがあることは非常に重要だと思いますし、評価に含めることは良いですが、A以上の評定をつける場合に一般社会へのインパクトを求めるのは、非常に難易度が高いと思います。評価は目標設定の難易度と達成度の掛け算で判断するものだと思いますので、インパクトの大きさについては、その達成度にも目を向けた評価を行っていく必要があると思います。
【澤田委員長】 ありがとうございます。原田評価部会長の方からお考えがあればお聞かせいただけますでしょうか。
【原田委員】 栗原委員がおっしゃるように、中(長)期目標期間の中で、各事業年度の評価は、モニタリングに主眼があるという点は基本的な性格として従前と変わっていないと考えます。
ただ、評価をしていく際に、根拠がきちんと書かれておらず、評価の内容が必ずしも分からなかった点について、毎年度、事務局を通じて調べてきたところもございます。そうした点を各主務省や法人により具体的にお示しをしたらどうかというところが今回の提案でございます。
やはり心配いたしますのは、A以上あるいはC以下の評定をなかなかつけにくくなるという評価の標準化の話にどうしてもなってまいります。しかしながら、そのような評定をつけてはならないということでは決してないことを、この場で申し上げておくべきと考えております。
また、社会へのインパクトを単年度で図ることについても、必ず書かなければいけない項目なのかというのは、評価の項目によっては異なっても構わないと考えております。何か事務局で補足いただくことはございますか。
【方管理官】 年度評価につきましては、中(長)期目標の期間内における進捗管理であると認識しており、一義的には主務大臣の責任の下で行われます。評価結果が法人のマネジメントに的確に反映されることがより重要であろうというご意見は、そのとおりでございます。
一方、社会へのインパクトについてですが、年度評価が毎年の積み上げとなって中(長)期の検討につながるという観点から、年度評価等における課題等の把握に当たりましても、常に一般国民の視点に立ち、評価対象とした取組・成果が一般社会にどのようなインパクトを与えるのかを分かりやすく説明するということは、業務運営の透明性あるいは国民への説明責任という観点からも、重要ではないかと考えております。
【栗原委員】 部会長からお示しいただいた要素が必須ということではなく、このような事項を入れながら説明するという例示的な書き方であって、いずれにしても具体的・明確に説明をしてくださいという趣旨だと理解しました。
【澤田委員長】 そうですね。
【原田委員】 今年度は、試行的に点検をしてまいりますので、やはり特定の項目がなかなか書きづらいということがあれば、それがどういう項目なのかということも含めて、点検してまいるべきと思っております。
【澤田委員長】 ありがとうございます。それでは、南雲臨時委員お願いします。
【南雲臨時委員】 ありがとうございます。評価の段階で、何を評価して良いか分かりにくいということになるのは、往々にして目標設定に課題があります。私はMUFGグループの業績評価制度を作って運営してきたのですが、その経験に基づいて申し上げますと、目標設定のガイドラインのみを見せていただきました限り、目的や重要度、難易度、KPIまでは書いてあるけども、実際に何をやるのかというアクションプランが何も書いていません。アクションプランが分からないまま評価をしてくださいと言われても、照らし合わせる対象がないので評価のしようがない、という現象が起こっていると思います。なので、まず、評価の前に目標設定の後で、その品質チェックをするところから始めるべきと考えます。
通常、目標設定をする場合には、KPIが計量的かという点に加えて、目標の高さのストレッチの度合いが適切かどうかという点、あるいはベンチマークとする対象がないと、目標の高さの度合いがよく分からないと思います。そういった品質チェックが事前に行われた目標に沿って事業を実施し、中間のチェックがあり、最終的に1年経った時に見直しができると思います。だから、もう一段上から見直しをやったほうが良いと思い、申し上げました。
【澤田委員長】 ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。
【原田委員】 一旦私からお答えします。委員御指摘のとおり、独立行政法人評価制度委員会で最も重要視している作業の一つが、次期中(長)期目標案について意見を申し上げることでございます。
独立行政法人通則法の改正以降、目標はかなり詳細になっています。もちろん、今委員がおっしゃるような御懸念を全て払拭できるとは限りませんが、今の御指摘を踏まえて、既に目標として設定しているものについては、いろいろな課題もありますけれども、次期目標案の審議については、今の御指摘をきちんと意識した上で作業に当たっていくべきと考えております。
【方管理官】 事務局から追加的に説明申し上げます。現行の目標指針として、中期目標管理法人においてはアウトプット目標を必ず定めること、できる限り定量的であること、また、国立研究開発法人では長期性・不確実性という研究開発の特性を踏まえて、アウトプット目標ではなく、できる限りアウトカムと関連させることや、適切な評価軸を設定することを求めております。
また、金融業務や人材育成業務、文化振興業務といった、それぞれの法人の類型ごとに目標の検討に当たっての視点を示した上で、その具体例も示しているところでございます。
委員御指摘の「もう一段上の話」については、平成31年の目標策定指針改定の際に、法人の使命や現状・直面する課題の分析、法人を取り巻く環境変化の分析といった点を、各法人共通に目標に盛り込むべき事項として入れております。とはいえ、委員の御指摘も踏まえまして、より良い評価に資するよう改善すべき点がないか、事務局としても今後点検してまいりたいと思います。
【南雲臨時委員】 ありがとうございました。そのとおりだと思います。もう一点、いろいろな法人類型、それから、法人が行う業務の類型化をもう少し行ったほうが良いと思います。目標を120%達成できるのは、普通、収益を達成するなど、上端を達成できるビジネスモデルを持っている法人です。そうではない法人はいかに失点を出さないかというビジネスモデルになってしまうのです。同じく独法でも、上端が出やすいタイプの法人におけるS評価と、そうではないタイプの法人におけるS評価は、全然意味が違うのです。類型化をした上で、評定がどういう意味を持つのかという目線も持つ必要があると思います。
【方管理官】 御指摘ありがとうございます。委員の御指摘を踏まえ、今後も検討を進めてまいりたいと思います。
【澤田委員長】 ありがとうございます。それでは、高橋委員、お願いします。
【高橋委員】 今回の点検に対する考え方に全面的に賛成ですが、年度評価は中(長)期目標の達成度合いのモニタリングであるので、C以下の評定を付す場合は非常に注意深く見ていかなければいけないと思っております。
改善方策をきちんと立てるためには、その要因分析が必要ですが、要因分析をいろいろと書かれてしまうと、本当の真因分析まで到達しないケースもあると思うのです。ですから、例えば、コロナ禍のような不測の事態が起きた場合、単にコロナ禍で目標が達成できなかったというだけでなく、BCP体制がきちんと取れていなかったというところまで分析してから、その改善策を立てていただかないといけません。法人と主務省の間で、C評価になる前に状況の認識合わせをした上で、やむを得ずC評価になったとしたら、真因分析をしっかり書いてほしいと思います。
主務大臣評価と法人の自己評価が異なることは、私は、それ自体は悪いことではないと思います。また、法人にとって法人単体では改善し難い問題についても評価書等にしっかり書いておいていただきたいと思います。
【澤田委員長】 ありがとうございます。原田部会長から、それとも事務局、どちらからか回答いただけますでしょうか。
【原田委員】 最後におっしゃった点について、どうしてもその法人単体では改善し難いところ、特にC評価が連続して続いてしまっているところについては、主務大臣と法人の間でしっかりとコミュニケーションを取りながら、場合によっては、目標の見直しをするなど、いろいろな形で対応が取られるべきと思っております。
【方管理官】 主務大臣評価と自己評価が違うということは制度上、当然あり得ます。ただ、いろいろな調査をやってみると、法人と主務省の認識の共通基盤がずれているケースがあることが分かってきたので、その点、フォローアップ調査で拾い上げた意見等も調査の上、今後の検討に進めてまいりたいと思います。
【澤田委員長】 ありがとうございます。
【高橋委員】 了解いたしました。よろしくお願いします。
【澤田委員長】 天野委員、よろしくお願いします。
【天野委員】 基本的な考え方については、全く異論はありません。ただ、実務として見たときに、それぞれの法人の本来業務の具体的な内容に対する評価は、専門的なところが多いので、恐らく法人自身でないと、うまく表せないと感じています。先日ヒアリングをした水資源機構についても、私の専門と似たような業界なので、私には非常に素晴らしい成果だというのはよく分かるのですけど、一般の方に言ってもよく分からないだろうと感じましたし、やはり法人自身できちんと評価軸を具体的に設定する努力は必要だろうと感じています。
ただ、私が問題だと思っているのは総務部門のような支援業務のほうです。ほとんどの主務省は、法人が普通に業務をしていれば全てB評価を付しているのですが、先日ヒアリングをした水資源機構のように、IT化など非常に業務の改善がなされている法人もあるのです。支援業務のA評価とB評価に関しては標準化できるかもしれないので、支援することが必要だと感じています。
【澤田委員長】 ありがとうございました。御回答をお願いします。
【原田委員】 天野委員の発言を聞いて、特に国立研究開発法人を中心に、主務大臣評価の際に法人評価の本意が分からない、あるいは評価軸を含めて十分な共通認識が得られていないという可能性はなきにしもあらずと思いましたので、日頃から特に目標設定の段階から、意識のすり合わせが必要ではないかと思ったところです。
【方管理官】 フォローアップ調査において、例えば総務部門などでどんなに努力してもB評価にしかならないものがあるという回答が、多くの法人から出ておりました。例えばプロセスなどの評価がどのようにできるのかという点に尽きるかと思っていますので、フォローアップ調査の結果も踏まえて主務省及び法人に確認の上、どのような対応ができるか、今後検討してまいりたいと思います。
【天野委員】 ありがとうございます。
【澤田委員長】 金岡委員、よろしくお願いします。
【金岡委員】 意見だけ申し述べます。
今、A評価やC評価の説明責任を果たすということで、評定の根拠を具体的に記述いただくことは、素晴らしいことだと思います。一方で、人事評価などもそうですが、評価については中心化傾向があって、ついB評価にしてしまうこともあり得ます。評価には、A・B・Cなどの評価をつけてPDCAサイクルを回していく、あるいはAをつけた部門の試みをインスパイアして、さらにそれを進めていくという役割があると思います。したがって、AやC評価への説明責任を果たすのは当然ですが、あまりにハードルを高くすると、中心化傾向が促進されないかと心配しております。
【澤田委員長】 ありがとうございます。
【原田委員】 金岡委員がおっしゃるとおりで、私も同じ懸念を抱いております。やはり評価書に落とす際には、B評価をつけておけば済むという判断に至らぬよう、A評価は是非つけていただきたいと思います。ただし、納得できる理由は示していただきたい。理由を示していただければ差し支えない、ということが今回のメッセージだと思います。
また、我々はこれまでもこうした発想で点検をしてきたところです。各府省の主務大臣あるいは法人におかれましては、独立行政法人評価制度委員会が新しいことを企てているということでは決してなく、従来の手法をより明確化して、各法人あるいは主務大臣の評価に際して、試行的に点検をすることをお示ししたのが、今回私から発言した内容になりますので、ご理解いただければと存じます。
【澤田委員長】 ありがとうございます。樫谷先生、どうぞ。
【樫谷審議協力者】 年度評価の仕組みそのものが、目標を達成すればBという仕組みになっていますが、企業の場合でもそうだと思いますが、目標以上の業績を挙げるのは難しいです。
目標を超えてAやSに値する業績を挙げるには偶然の要素が絡むことも多いと思います。高い業績を挙げたとき、それが偶然なのか、計画をしっかり実行したためなのかを評価するのは、各府省にとっても法人にとっても難しいのではないかと思いますので、どうしてもBをつけておけば問題ないというような評価になってしまうのではないかと懸念しております。評定をどうつけていただくか、そのために目標の設定をどうするか、といった議論を一緒にしていかないといけないのではないかと思います。
また、天野委員からも御指摘のあったとおり、各法人が行う専門性の高い業務について、我々がそれぞれに対応した評価の物差しをつくるのは極めて難しいのではないかと思います。委員会や部会の審議の中で、評価の物差しについても議論を重ねていく必要があるのではないかと感じたところです。
【澤田委員長】 ありがとうございます。御回答はどうでしょうか。
【原田委員】 樫谷先生と同じ認識を私も持っているところでございまして、どうしても点検対象は、目標に行きがちでありますが、実際に各法人はその目標をブレークダウンした計画を作り、その計画がどのように生かされているかという点までは、単年度の評価の際に目が届いていないこともあろうかと思います。
まずは、やはりそうした目標に基づいて計画を策定する段階でも、実際に主務大臣と法人が意識のすり合わせをしていくというところは、評価の際にいろいろな困難に直面しない一つの方策なのかなと感じたところでございます。
【澤田委員長】 ありがとうございました。
先生方の御意見を聞いている中で、独法においては、KPIのようなやり方に限らず、OKRのようにきちんとビジョンをイメージして、そして高い目標を掲げてKeyResultを積み上げていくやり方を使うことも考えられるのではないかとも思いました。非常にレベルの高い業務を担っている法人はたくさんあると思いますので、評価の手法を改めて見直していくことも通じて、一歩一歩成果を積み上げていただくことが社会課題の解決にもつながると思いますので、皆さんからいただいた今の御意見を受けて、これからの年度評価等の点検を進めていくとともに、その点検の結果も踏まえて、主務大臣評価全般に関する委員会としてのスタンスについて議論を深めていければと思います。
点検の結果は、点検が終了次第、委員会の場で報告するようにお願いしたいと思います。事務局におきましても、これを踏まえて点検に向けた作業をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【方管理官】 かしこまりました。委員の皆様におかれましては、後日、送付します評価書を御覧になってお気づきの点があれば、事務局まで御連絡いただくようお願いいたします。
【澤田委員長】 ありがとうございました。それでは、次の議題2に移ります。
令和3年度に中(長)期目標期間が終了する独立行政法人に係る調査審議の状況についてで、まず、原田評価部会長から御説明をお願いします。
【原田委員】 今年度は見直し対象法人が12法人ございまして、評価部会では、2つのユニットに分かれまして、主務省との意見交換を行ってまいりました。今年度は平成31年3月の改定指針や、昨年12月の委員会決定の趣旨を踏まえまして、コロナ禍という「新たな日常」に対応した業務手法等の見直し、他の機関との連携・協働を通じた新たな価値創造などの観点を中心に審議を進めてまいったところでございます。これまでの各ユニットにおける議論の状況については、事務局から説明いただきたいと思います。
【方管理官】 御説明申し上げます。
まず、郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構でございます。この機構につきましては、従来から郵便貯金に関する権利消滅制度についての周知活動に取り組んできたものの、依然として、毎年多額の権利消滅金が発生しており、周知が一定層に行き届いていない可能性があるという課題について説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、特に挨拶状による周知について、発送した挨拶状のうち郵便貯金の払戻しにつながった割合や、挨拶状が到達してない割合など、払戻しに対する挨拶状の効果に着目した目標を検討すべきではないかといった議論がございました。
次は、国際協力機構(JICA)でございます。JICAについては、96か所の海外拠点を有し、専門人材等のネットワークを有するという強みがある一方、デジタル分野など急拡大する重要分野における人材・知見・ネットワークの確保が課題となっていること、また、新興ドナー国による援助が増加する中、日本のODAのプレゼンスの確保や、民間企業、地方自治体、NGO等の政府以外の主体との更なる連携・強化が課題となっていること等について説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、新たな重要分野に対応していくための専門人材について、当面は外部からのサポートを得て対応しつつ、今後は内部においても一定の知見を有する人材を育成していくこと必要があるのではないか、また複数年度の事業が多くて、毎年度評価が難しいとのことだが、法人が行ったODA等の援助が現地からどのように評価されているのか、国益の確保に貢献しているのかといった点については評価を行えるのではないか、今後の重点領域となる「デジタル」については、例えば他府省等と連携しまして、デジタル基盤整備と他のインフラ整備をパッケージ化することで収益性を確保して、民間事業者の参入を促進するなど、戦略的に進めていく必要があるのではないかといった議論がございました。
次は、国際交流基金でございます。事業ごとの実施状況及び成果の把握の強化、重点国や地域ごとの成果目標の設定、ニーズが高まっている国・地域への適切なリソース配分など、より戦略的な事業の実施が課題となっていること、また、世界の主要国がパブリックディプロマシーに一層力を入れる中、我が国への理解や良好なイメージの構築を目指すため、関係機関と連携しつつ、より効率的・効果的に活動を展開することや、新型コロナウイルス感染症による影響も踏まえ、オンラインでの取組を一層進めていくことが課題となっていること等について説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、知日派を増やしていくことは重要だが、今後の事業展開等によって知日派に取り込んでいく層が異なるため、目的を明確化することが必要ではないか。その上で、必要に応じて、伝統分野だけではなく若年層をターゲットにしたアニメやゲームなどポップカルチャーにも注力するなど、多様な層への働きかけが必要ではないか、またソフト・パワーの評価においては、様々なデータをうまく組み合わせるなどの工夫が必要ではないかといった議論がありました。
次は、科学技術振興機構(JST)でございます。JSTにつきましては、強みとして、ネットワーク型研究所としてファンディングエージェンシー機能を発揮し、国立研究開発法人や大学、企業等と協同し、それぞれに最適な研究開発推進体制の構築が可能である一方、弱み・課題として、職員の高齢化が進んでいることや、事業数等が増加しているのに対して、職員数は減少していること。加えて、プロパー職員の中心業務は、制度全体の運用になり、研究現場でのOJTに割けるエフォートが低下しており、職員の能力向上の機会が減少していることなどの説明がありました。
また、環境変化として、技術流出への対応の必要性が高まっていることや、新たに大学ファンドを運用し、大学に対し、研究環境の整備充実や優秀な若手研究者の育成等に関する助成業務を担うこととされたことについて説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、事業が増加する中、これを担う人材の確保や事業のスクラップ・アンド・ビルドなどを進める必要があるのではないか、また、大学ファンドについては、議論の状況を踏まえつつ、ガバナンス及び監視体制の構築や、安定的に助成を実施するとともに、助成した資金の成果まで含めて評価できるように検討していくことが必要ではないか、などの議論がありました。
次に、日本原子力研究開発機構(JAEA)です。JAEAについては、政府として2050年のカーボンニュートラル実現に向けた取組が掲げられている中、我が国唯一の総合的原子力研究開発機関である法人の役割は重要性が増しており、研究開発等の一層の推進が必要であること、一方で、保有する原子力施設の廃止措置の着実な実施という性質の異なるミッションを抱えており、安全確保を前提としつつ、研究開発活動と廃止措置活動を両立する必要があること、また、自ら研究開発を行うだけでなく、アカデミアや産業界による研究の推進のための研究基盤としての役割も期待されていることなどの説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、大学等で人材の確保や研究機能の維持等が困難になっていることを踏まえ、廃炉をはじめとした我が国全体の原子力に関する人材育成・確保及び研究基盤の維持等について、法人がより主体的な役割を果たす必要があるのではないかといった議論がありました。
次に、労働政策研究・研修機構(JILPT)でございます。この法人につきましては、労働に関する幅広い専門分野の研究員を要しているという強みがある一方、課題として、それらの職員の高齢化や年齢階層の偏りが生じているとの説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、高齢化や年齢階層の偏りといった弱点に対しては、研究テーマの設定に当たって、外部からの新しい視点を取り入れていくことを検討すべきではないか。また、別の観点からは、法人の知見は民間からのニーズもあると思われるため、例えば、民間企業からの委託調査の受託といったことも考えられるのではないかといった議論がありました。
次に、医薬基盤・健康・栄養研究所でございます。当研究所につきましては、創薬分野での活用が期待されるAIに関する研究人材を有するという強みがある一方、課題として、最先端の創薬基盤技術の開発には極めて多くの研究要素・技術が必要であることから、他の研究機関や製薬企業等との連携を進める必要があるとの説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、様々な機関との連携を進めていくためには、AI分野での研究人材の優位性という法人が持つアドバンテージを分かりやすく発信することが重要ではないか、そのほか、研究活動の出口として、民間企業へ研究成果を導出し、社会実装を進めていくことが重要ではないかといった議論がありました。
次に、土木研究所でございます。土木研究所につきましては、災害の激甚化・頻発化に伴う新たな技術的課題、例えば、新しい被災メカニズムに対応した防災技術の開発等に即応していくことや、インフラ老朽化の加速、建設産業の担い手不足に対応するため、デジタル技術やAI等を活用したより効率的なインフラ施設の維持管理技術を開発していくことが課題との説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、研究分野にプライオリティーを設け、長期的な研究テーマの設定や研究リソースの配分を検討する必要があるのではないか、また、社会環境の変化を踏まえ、コスト削減やデジタル技術の活用の観点も含め、民間との連携を一層深めつつ、新たな技術開発のスピードアップを図る必要があるのではないかといった議論がありました。
次は、建築研究所でございます。当研究所につきましては、大規模な実験施設を用い、現場に近い条件でメカニズム等の解明を行うことが可能との強みがある一方で、これらの実験施設の補修・更新という課題を抱えているところです。
また、取り巻く環境としましては、2050年カーボンニュートラルの推進に伴い、長期優良住宅ストック等の拡充やLCCM住宅(ライフサイクル・カーボンマイナス住宅)の評価・普及の推進への期待があるほか、コロナ禍での「新たな日常」に対応した生活様式・働き方への転換とDXの急速な進展という変化があるとの説明がありました。
主務省ヒアリングにおいては、これを踏まえ、研究領域の特色も踏まえ、実験施設による再現・検証だけでなく、コンピュータを活用したシミュレーション分析等を推進するべきではないか、また、人口減少社会の到来や昨今の住宅の役割・機能の変化に鑑み、例えば建築物の改築しやすさという観点にも重きを置いて研究を進めるなど、小回りが利く法人規模を生かし、社会情勢・技術の変化に即応できる組織づくりを行う必要があるのではないかといった議論がありました。
次に、水資源機構でございます。利水と治水を中立的な立場で一元的に管理する能力と技術力を有するという強みがある一方、デジタル技術の利活用のための専門人材・人員を確保・育成することが課題との説明がありました。
また、取り巻く環境としては、気候変動に伴う危機的な渇水、洪水等の災害の大規模化が顕在しています。
主務省ヒアリングにおいては、流域治水の的確な実施につなげる観点から、縦割りを排して取り組むとともに、流域に関わる関係者との協働関係を深めるため、洪水等の大規模災害への対応における主務省間の連携による成果を関係者へアピールすることが重要ではないか、また、個別の運用・管理技術にとどまらず、利水・治水に係る取組の全体像について、法人の強み、経験やノウハウをコンセプト化・マニュアル化して横展開していく必要があるのではないか、水インフラの海外展開に向け、国際競争力を的確に把握するため、戦略的なマーケット分析を行っていくべきではないかといった議論がありました。
次に、自動車事故対策機構(NASVA)です。NASVAについては、被害者援護業務、自動車運送事業者への安全指導業務、自動車アセスメント情報提供業務を実施している中で、被害者援護業務の訪問支援について、コロナ禍等を踏まえリモート化に対応していくことや、事業用自動車の高齢運転者対策を強化することが課題との説明がありました。
また、取り巻く環境の変化としましては、ICT技術の進展により、法人と自動車運送事業者の双方で法人業務を非対面で行う可能性が増大していることや、自動車の新たな安全技術に対応した自動車アセスメントを実施し、情報提供する必要があるなどの説明がありました。
主務省ヒアリングにおきましては、法人の業務内容について、必要なタイミングで必要なところに届くような周知の在り方を考える必要があるのではないか、また、自動車アセスメント等を通じて得た様々なデータ・知見について、一般国民や自動車業界に向けた情報発信を強化する必要があるのではないかといった議論がありました。
最後に、日本高速道路保有・債務返済機構でございます。この法人については、高速道路に係る資産及び債務のマネジメントを通じて高速道路会社が行う道路建設・管理等の事業実施を支援する法人ですが、債務の返済を着実に進めている中で、老朽化の進行に伴い、メンテナンス関連費用は増加傾向にあることが課題との説明がありました。
また、取り巻く環境として、道路全体のデジタル化の遅れ、自動運転など将来想定される社会・生活様式の変化があるとの説明がありました。
主務省ヒアリングにおきましては、収支計画の策定に当たっては、道路インフラのメンテナンスへのデジタル技術導入の動向と、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮すべきではないかといった議論がありました。
【原田委員】 ありがとうございました。本年度の見直しの対象法人は、平成31年に目標策定指針を改定してから初めての見直しとなります。また、JAEAと医薬基盤・健康・栄養研究所は、平成27年に独法通則法が改正されてから初めて見直すというタイミングに当たります。
ヒアリングの場でも、できる限り申し上げてまいりましたが、平成31年の目標策定指針の改正のポイントは、目標の冒頭部分において、まずミッションをきちんと確認をし、法人を取り巻く環境さらには法人の強み・弱みをしっかり分析してもらうところにございます。強みに関しましては、さらに伸ばし、能力を最大限発揮してもらい、弱みについては、自前で何とかするのではなくて、関係機関との連携を通じて対応するような目標策定をお願いしてきたところでございます。指針の趣旨を踏まえまして、今後目標策定を進めていくのに先立ちまして、主務大臣と法人でコミュニケーションをしっかり取ってもらうよう、この場を借りて改めてお願いをしたいと存じます。
【澤田委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして、御質問、御意見等をお受けしたいと思いますが、日本原子力研究開発機構の監事を務めていらっしゃいます天野委員、それから、自動車事故対策機構の「業績評価のための特別なタスクフォース」の委員を務めていらっしゃる樫谷先生におかれましては、申合せによりまして、当該法人に関する意見をお控えいただくこととされておりますので、その旨、よろしくお願いしたいと思います。
それでは、南雲委員よろしくお願いします。
【南雲臨時委員】 ありがとうございます。主務省ヒアリングで挙がった論点は、国の骨太の方針や統合イノベーション戦略に出てくる論点がそのまま出てきたという印象を持っています。1つ目は高齢化とそれに伴う人材不足にどう対応するのか、2つ目はデジタル対応をどうするか、これは社会インフラへのデジタル対応も同じだと思いますけども、3つ目はコロナ対応、4つ目は気候変動や国土強靱化、5つ目は官官・官民連携等による知識の横展開と、5つ出てきたわけです。これは、目標を策定する段階での共通のテーマになるのではないかと思います。全ての法人に等しく当てはまるわけではないと思いますが、共通テーマとしてアップフロントで目線合わせをするようなやり方をした方が、一つ一つボトムアップで指摘していくより早い気がするので、そのような方法が適切ではないかと思いましたので、意見として申し上げます。
【澤田委員長】 ありがとうございます。そのとおりかもしれません。
【方管理官】 目標策定につきましては、毎年12月くらいの段階で、次期中(長)期目標策定に当たっての留意事項を示しておりまして、昨年は、急速な人口減少・少子高齢化、頻発する自然災害等の社会課題に対応するため、イノベーションの社会実装による「Society5.0」の実現、あるいは専門性・人材面における強みを活かした、社会課題の解決に向けた取組という共通の視点で目標を策定することを留意事項として示しているところであります。委員御指摘のような観点も踏まえまして、今年度の目標策定に当たっての留意事項を御審議いただきたいと思います。
【澤田委員長】 ありがとうございました。それでは野ア委員、よろしくお願いします。
【野ア委員】 御指名ありがとうございます。私、当委員会に参加させていただいてから日が浅いため、非常にプリミティブな質問になるかもしれないですが、デジタル化あるいは人材開発、民間との連携・民間からの受託は、それぞれ大切でやらなければいけないことなのですが、事業を実施するためにはお金が必要になると思います。そうすると、当然のことながら、各主務省において実施する事業のプライオリティー付けが出てくることになりますが、評価結果を予算措置と結びつけることはあり得るでしょうか。また、その点に委員会はどこまで踏み込むべきものなのでしょうか。漠然とした質問で恐縮ですが、お願いします。
【澤田委員長】 ありがとうございます。御回答いただけますか。
【方管理官】 なかなか難しい御質問でありまして、予算措置でございますが、当然ながら予算には限りがございまして、どこにプライオリティーを設けるのかという点も含めて、目標策定に当たって主務省と法人とでよく相談、コミュニケーションを取っていただくということに尽きるかと思っております。
評価との関係につきましても、例えばC、D評定の部分は、当然ながら改善していく必要があることは、主務省あるいは法人においても問題点があると考えているわけでございますので、そういった部分に資源を投入することは当然であろうかと思っておりますし、逆にA、S評定がついている部分も、さらに伸ばしていくという意味では、評価と予算が結びついた形で、さらなる高みを目指していただくことも重要と考えております。
【澤田委員長】 ありがとうございます。それでは、天野委員、お願いします。
【天野委員】 少し異なる観点から質問を2つします。
私は国立研究開発法人に関与することが多いのですが、拝見していると、JSTはいろいろな研究開発法人で成果を出して、その成果を社会実装するという、いわゆる実用化研究のマネジメントをする、会社でいえば技術管理部のような役割を果たす法人だと思いますが、最近、大学ファンドの運用のために、大型の資金がJSTに交付されたことで、本来の技術管理部機能の陰が薄れてきている気がします。本来の技術管理部機能にも目を向けて審議していけるよう、よろしくお願いしたいと思います。それが1点目です。
それと2点目は、先ほど社会で共通するキーワードがについて話がありましたが、日本のいろいろなデータベースや、非常に大切な実験装置、実験結果は、大学でももちろん持っていますが、要になっているのはやはり研究開発法人だと私は思います。最近、海外への技術流出という点で、他国にかなり進出されているような気がします。この点については、独立行政法人評価制度委員会とどのように関係してくるか教えてください。
【原田委員】 1点目については、今回JSTに新たに託された大学ファンドというのは、やはりこれまでと全く違う業務でありますので、これまでの業務とは全く異なる性質のものだと認識しております。この点については、これまでの仕事の仕方とは異なるため、これまで以上にガバナンス体制を構築していくことが急務かと思います。2点目は、管理官、いかがでしょうか。
【方管理官】 事務局でございます。
【天野委員】 すいません、聞こえなくなってしましました。
【澤田委員長】 時間も限られていますので、天野委員におかれては、音声の通信状況をもう一度確認してもらえればと思います。横田専門委員、お願いします。
【横田専門委員】 人事制度に関して1点申し上げます。現在の状況変化に伴って必要な高度人材及び高度専門人材が変わってくる中で、新たな専門分野の人材を獲得及び登用するために、組織間でカバーし合うという解決策もあると思いますが、人事制度は各法人でつくられているので、今回の中(長)期目標の策定に当たって高度人材を獲得しやすい、柔軟で弾力的な人事制度が取り入れられるような制度面の仕組みを準備していく必要があるのではないかという点についても検討するのが適切ではないかと、幾つかの主務省ヒアリングに参加して思いました。
【澤田委員長】 ありがとうございます。
【方管理官】 目標策定に関する指針を改定した際に、様々な政策課題に対するオールジャパンでの取組を進めるため人材やノウハウが不足している地方を支援する取組等、法人にない強みを持つ他機関あるいは団体との協働体制の確立・強化を推進するという考え方を示しております。ただ、委員から御指摘のあったような人事制度上の仕組みというのは、今のところ私自身は把握しておりません。
【澤田委員長】 ありがとうございます。天野先生、音声は大丈夫でしょうか。
【天野委員】 失礼しました。例えば、世界最先端の成果が出ると海外の研究機関に引き抜かれる等、いろいろことが起こっているような気がします。今、大学への締めつけが行われてきたと思うので、ある時点で国立研発開発法人も同様の締めつけを検討する段階に来ているのではないかと感じているところです。
【方管理官】 御意見、承知いたしました。
【澤田委員長】 ありがとうございました。浜野委員、どうぞ。
【浜野委員】 先ほど野ア委員から、いろいろな課題に対する資源配分についてお話があったかと思います。予算については、大きな国家戦略の重要課題を実施すると措置されることもあるのですが、各法人を見渡すと、業務を実施する人員及び人材にも限りがあるわけです。デジタルを用いて効率化するということもその一つの解決方法でありますが、やはり各法人で優先度を決めて事業をやっていただかないと、現在の職員で実施できないような業務量になってしまうと思います。一方で、各主務省で大きな課題に取り組むと、各法人で似たような事業を実施している状況にもなってまいりますので、主務省間で整理をし、各法人で連携を図りながら、重複する業務がないように予算と人員を省力化し、成果を上げていく工夫をお願いしたいと思います。
【原田委員】 私も全くそのように思います。特に予算につきましては、本予算だけでなく年度途中の補正予算で措置されることが増えてまいりましたので、各主務省及び法人でプライオリティーをつけていく必要があると思っております。
【澤田委員長】 では最後に樫谷先生、お願いします。
【樫谷審議協力者】 主務省ヒアリングに出席して、感じたことを申し上げます。変革する時代の中で、沈滞ムードを破る必要があると思いますが、府省には何とかしなくてはならないという気持ちを持った職員もいる一方で、どうしても縦割りを抜け切れない方もいるようですので、その点について我々としてメッセージを出すことも含めて検討いただけたらと思います。
【澤田委員長】 ありがとうございました。いろいろな御議論を踏まえて、評価部会におきましては、引き続き、精力的に調査・審議をお願いいたしたいと思います。
それでは、議題3に移ります。準用法人に係る見込評価及び組織・業務見直しの検討の観点について、原田評価部会長から御説明をお願いします。
【原田委員】 それでは、準用法人に関して御説明差し上げます。
4月の委員会でも説明がございましたが、今年度につきましては、独立行政法人通則法の枠組みを準用していく法人、いわゆる法テラス、日本司法支援センター並びに国立大学法人及び大学共同利用機関法人につきましても、審議を進めていくことになります。
これら2つの準用法人につきましては、個別法がございます。それぞれの個別法の規定に基づきまして、見込評価及び組織・業務見直しのみが、当委員会の審議対象となります。また、総務大臣決定であります目標策定指針及び評価指針の適用を受けないという仕組みを前提としまして、評価部会においてそれぞれの主務省からヒアリングを行った結果も踏まえて、委員会としての検討の観点を御審議賜りたいと存じます。
見込評価及び見直しの提出に先立ちまして、評価部会においてそれぞれの主務省からヒアリングを行いました。この結果につきまして、事務局から御説明をよろしくお願いいたします。
【方管理官】 まず1つ目、日本司法支援センター(法テラス)でございますが、法テラスにつきましては、常勤弁護士の確保や配置が十分とは言えないということが主な課題でございます。また、デジタル技術を活用した対応が課題となっていました。
主務省ヒアリングにおきましては、業務範囲が広がっている中、引き続き関係機関等との連携を進め、常勤弁護士の確保に努めつつ、弁護士の直接雇用以外の確保方策や弁護士以外の専門職種との連携を通じた体制強化について検討を進めてはどうか、また、法へのアクセスに何らかのハードルを有する者への支援において、デジタル化を進める際には、デジタル・ディバイドに留意する必要があるのではないか、といった議論がありました。
次は、国立大学法人及び大学共同利用機関法人でございます。国立大学法人につきましては法人化以降、機能別分化、自律的な運営による活動の活性化及びガバナンス改革といった取組を実施してきたこと、また、今後の取組としまして財源の多様化、新たな自主財源の確保など、管理運営から経営へ脱却するための人材の育成等を実施していく必要があること等について、
また、大学共同利用機関法人については、関係機関の連携を進めていく必要があること、さらに、4大学共同利用機関法人で構成する「連合体」を創設し、運営の効率化や異文化融合の推進等による研究力強化を図る必要があること等について説明がありました。
主務省ヒアリングにおきましては、自律的な経営体として発展を目指していくに当たって、透明性を確保することが重要ではないか、さらに、国際競争力の強化に向け、世界での競争を目指す分野の明確化やガバナンス体制の構築等に取り組むとともに、その取組をアピールする方法等を検討する必要があるのではないか、といった議論がございました。
【原田委員】 ありがとうございました。それでは、ヒアリングの議論も踏まえまして、検討の観点をご提案したいと存じます。
まず、見込評価についてでありますが、委員会といたしましては、独法については主務大臣によるPDCAサイクルが適切に機能しているのか、説明責任・透明性が確保されているのか、という観点から確認をしているところであります。こうした趣旨は、準用法人の見込評価についても共通すると考えているところでございます。
したがいまして、準用法人の見込評価につきましても、「評価の根拠・理由・改善策というものが明確に示されているかどうか」という観点から検討していくのはいかがかと存じます。
なお、法テラスにつきましては、既に「日本司法支援センターの業務実績評価に係る基本方針」が、また、国大法人等につきましても「国立大学法人及び大学共同利用機関法人の第3期中期目標期間の業務実績評価に係る実施要領」が、それぞれの評価主体となる委員会によって定められているところでございます。
法テラスの「基本方針」は、基本的に独法の評価指針を踏襲した内容となっております。国大法人等の「実施要領」につきましても、国大法人の評価委員会は、各法人の自主的な改善に資する観点から、評価を付するに当たっては、優れた点や改善すべき点を併せて指摘することとされています。
当委員会といたしましては、先ほど申し上げた観点を中心に、これらの「基本方針」ないし「実施要領」に沿って評価が適切に行われているかを確認していくことでいかがかということでございます。すなわち、2つの準用法人について、示されている実施要領等に沿って評価が行われているのかをきちんと見ていこうということでございます。
続いて組織・業務の見直しについてであります。
まず、法テラスでありますが、ヒアリングにおける議論を踏まえまして、法人運営に係るPDCAサイクルが適切に回っているかどうか、改善につながっているのかどうか、こういった観点から確認していくのはどうかと考えているところでございます。
国大法人についても同じように、PDCAサイクルの機能の状況を中心に見ていくべきでありますが、ヒアリングにおける議論を踏まえまして、大きく2つの観点から内容を確認・検討していくのはどうかと思っているところでございます。
まず、1つ目の観点でございます。法人運営に係るPDCAサイクルが、国大法人制度の下できちんと機能しているのかどうかという観点です。これまでの国大法人改革への対応を含め、法人の業務運営上の課題が明確に示され、それを的確に反映したものになっているのか、今年度の通常国会で国大法人法の改正がございましたが、これに基づく目標策定・評価の仕組みにおいても、PDCAがきちんと回っているのかどうか。そうした点について確認・検討してまいりたいと存じます。
2つ目の観点は、具体的な運営上の観点でございます。客観的・中立的な立場から法人運営の適正を確保するという当委員会の役割を踏まえまして、ガバナンスや経営基盤の強化、運営の効率化といった観点から確認・検討を行うというものであります。具体的には、国立大学法人評価委員会が昨年12月に示した「組織及び業務全般の見直しに関する視点」を踏まえますと、例えば、関係機関等との連携の強化の促進、多様な人材の積極的な登用、学長を中心としたガバナンスの強化、自律的な経営に向けた体制強化、効果的・効率的な業務運営に向けたデジタル化の推進、研究不正等への対応強化、情報セキュリティの確保といった点が考えられるのではないかと存じます。
【澤田委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明につきまして御質問等ございましたら、よろしくお願いしたいと思います。河合委員、お願いします。
【河合専門委員】 ただいま原田部会長から御説明いただいた方針に関して何ら異存はございません。その上で、国大法人等の検討に関して1点意見を述べさせていただきます。ガバナンスの強化について確認を行う点に関しまして、私も非常に重要だと思っております。先日の国大法人法改正によって、学長選考会議による牽制機能強化や監事機能の強化が規定されたわけでありますが、ガバナンスを考える上では内部のチェックアンドバランス機能も十分に留意する必要性があると思っています。これまでは学長のリーダーシップ強化が非常に強調されていたと思いますが、内部でのチェックアンドバランスをどのように運用していたのかという視点で確認を行うということも重要と考えております。また、報道等で様々な事例が出ておりますが、必ずしも特定の大学だけに起きていることではないと考えておりまして、この点について少し御留意いただければと思います。
【方管理官】 河合先生の御指摘も踏まえて、見込評価あるいは見直しの点検については留意していきたいと思います。
【河合専門委員】 ありがとうございました。
【澤田委員長】 部会長からもよろしいでしょうか。
【原田委員】 法テラスに関して、常勤弁護士の採用・配置等に係る評価項目につきまして、6年以上にわたって連続してC評価がつけられております。こうした点はPDCAサイクルが機能しているのか疑問が生じてくるわけで、また、これが最終的に反映される、担当役職員のモチベーション低下にもつながっていくのではないかと存じます。
目標の立て方、政策課題の解決に向けたアプローチを抜本的に見直していく必要があると考えているところでございまして、こうした観点から調査審議を進めてまいりたいと存じます。
【澤田委員長】 ありがとうございます。部会長からの検討の観点の御提案、私自身も賛成します。島本委員、よろしくお願いします。
【島本委員】 これまでの原田部会長の御説明、私なりによく理解できたと思います。冒頭に少し戻ってしまいますが、特に、評価の点検が重要と思ったため、一言だけ感想を述べさせていただければと思います。当委員会の場で評価をしてPDCAサイクルに貢献するには、そもそも主務省や法人が設定する目標設定を理解する必要があるということがよく分かりました。身の引き締まる思いはありますが、一方で、主務省及び法人にたくさんの専門家がいらっしゃいますので、当委員会の役割を見ますと、政府唯一の第三者機関として主務大臣の目標設定や評価をチェックすることとありますので、当委員会としてこの評価軸にスタンスやカラーがあっても良いと感じました。例えば、情報公開や国民へのアピール力、コロナ禍は一時的かもしれませんが、DXへの対応等、委員の間で横串を入れるポイントが共有できれば、評価及びフィードバックもしやすいと感じました。
【澤田委員長】 ありがとうございます。原田部会長、また事務局のほうはいかがでしょうか。
【原田委員】 ありがとうございます。委員おっしゃるとおりでございまして、目標策定の指針及び評価の指針を改定し、かなり分厚いマニュアルのようなものを作成しております。主務省及び法人におかれましては、目標策定あるいは計画策定に際しては、そのマニュアル等で分からないところがあれば、ぜひともお尋ねいただきたいと思いますし、また毎年度、委員会がこういった点に留意してほしいということも、委員会のメッセージとして発信しているところでございます。そうした短期的な観点についても、参照をお願いしたいところでございます。
【澤田委員長】 御提案は非常にしっかりとしたものであったと思いますので、それに従って進めていただければと思います。評価部会におきましては、引き続き精力的に調査審議をお願いしたいと思います。
本日は目標設定、それからアクションプラン、そして大きな政府方針の枠組みの中で、重なり合うことがないように法人経営を行うことも含めて、いろいろな方向から御議論をいただいたと思います。非常に重要な御議論だったと思いますので、これを踏まえて調査審議を進めていければと思います。
最後に、事務局からその他報告等ございますでしょうか。
【方管理官】 まず、当委員会の会計基準等部会に所属しておりました中川順子臨時委員が、6月29日付で退任されましたので、報告をさせていただきます。
それから、次回の委員会につきましては、10月14日木曜日の午前10時から開催いたします。会場等につきましては、追ってお知らせいたします。
【澤田委員長】 ありがとうございます。10月には顔を合わせて開催できれば良いと思っております。
それでは、以上をもちまして、第31回の独立行政法人評価制度委員会を閉会したいと思います。
本日は皆様、本当にお忙しい中、御出席賜りましてありがとうございます。
(以上)

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