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第33回独立行政法人評価制度委員会 議事録

日時

令和3年11月22日(月)14:00〜15:05

場所

中央合同庁舎第2号館7階省議室(ウェブ会議併用)

出席者

(委員)澤田道驤マ員長、梶川融委員長代理、金岡克己委員、栗原美津枝委員、島本幸治委員、高橋伸子委員、野ア邦夫委員、原田久委員、南雲岳彦臨時委員、河合晃一専門委員、清水剛専門委員、横田響子専門委員
(審議協力者)樫谷隆夫 樫谷公認会計士事務所所長
(事務局等)田畑総務副大臣、白岩行政管理局長、阪本官房総括審議官、方管理官他

議事

  1. 令和3年度に中(長)期目標期間が終了する法人に係る見込評価及び業務・組織の見直し並びに独立行政法人の中(長)期目標の策定について
  2. 日本司法支援センターに係る評価の実施及び業務運営について
  3. 令和2年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価等に係る点検結果等について
  4. 「目標策定指針」及び「評価指針」の改定について

配布資料

議事録

【澤田委員長】  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第33回独立行政法人評価制度委員会を開会いたします。
 本日の会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、密を避ける観点から、傍聴者には、会議の模様をオンラインで視聴していただくこととしております。よろしくお願いしたいと思います。
 初めに、議題に入る前に、田畑副大臣に、御公務が御多忙の中お越しいただいておりますので、御挨拶を頂戴したいと思います。
 田畑副大臣、よろしくお願いいたします。
【田畑副大臣】  総務副大臣を務めさせていただいております田畑裕明と申します。
 澤田委員長はじめ各委員の先生方におかれましては、日頃より、国の政策実施機関である独立行政法人の能力が最大限発揮できますよう精力的に御審議をいただき、誠にありがとうございます。
 これまでも本年度、主務省へのヒアリングや個別法人へのヒアリング、留意すべき事項の議論につきまして、精力的にユニットごとにも調査審議をなさっているとお伺いしております。重ねて御礼を申し上げたいと思います。
 現在、政府では、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトに、科学技術立国とイノベーション力の強化を進め、デジタル化など社会変革の芽を大きく育てようとしているところでございます。
 独立行政法人においても、社会の課題の解決に貢献し、新たな価値を生み出すため、その能力を従来以上に発揮していただくことが大変重要だと考えてございます。
 まさにこの委員会では、既に本年4月から、新型コロナウイルス後の社会の変化を先取りした御審議をいただいているとお聞きしてございます。どうか活発な御意見も賜りながら、改革を前に進められるように、皆様方の御協力をお願いしたいと思っております。
 以上、私からの御挨拶に代えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
【澤田委員長】  副大臣、ありがとうございました。
 田畑副大臣は、ここで御公務のために御退席となります。どうもありがとうございました。
 それでは、今日は報告を含めて4つ議題があります。まず、議題1、令和3年度に中(長)期目標期間が終了する法人に係る見込評価及び業務・組織の見直し並びに独立行政法人の中(長)期目標の策定について、原田評価部会長から御説明をお願いしたいと思います。
【原田委員】  10月14日の委員会での御意見を踏まえまして、評価部会におきまして、今年度の見直し対象法人、12法人ございますけれども、検討を進めてまいったところでございます。
 まず、本年度の見直し対象法人につきましては、いわゆる見込評価、そして業務・組織の見直しについては、私どもは意見等を申し上げる権限が与えられているわけでございますけれども、これまでの調査審議を踏まえまして、評価部会といたしましては見込評価も、業務・組織の見直しにつきましても意見なしという結論に至ったところでございます。
 他方、これまでの各主務省や各法人に関するヒアリング、また見込評価や業務・組織の見直しの検討の結果を踏まえまして、次期目標を策定する際に、各法人の主務省において是非とも御留意いただきたい点が幾つか出てまいりました。これらにつきまして、資料1のとおり整理しておりますので、事務局のほうから詳細を御説明いただきます。よろしくお願いいたします。
【方管理官】  それでは、事務局より御説明申し上げます。資料1をご覧ください。
 まず、最初の3ページでは、各見直し対象法人に共通する課題や留意事項を記載しております。前回の委員会でいただきました御議論等を踏まえてまとめております。
 冒頭では、委員会の調査審議のスタンスとして、独法が新たな価値創造のプラットフォームとしての役割を果たすことや、独法が変化を先導することを通じて、国民生活及び社会経済に、より一層貢献することを特に重視している点などを述べております。
 その上で、まず記の1で、見直し対象法人を取り巻く環境と求められる取組について記載しております。
 1つ目、社会全体及び独法における人的資源の不足、2つ目、コロナの感染拡大をはじめとした社会課題の複雑化といった環境認識に基づきまして、デジタル対応、人材の確保・育成及びその取組を通じた社会への貢献、関係機関との有機的な連携、資源配分の重点化といった取組を徹底すべきである、としております。
 そして、その認識に基づき、次のページにある記の2で、次期目標策定に当たっての共通的な留意事項を述べています。
 初めに、総論として、独法が国民生活及び社会経済に貢献するという強い意欲と問題意識を持って業務に取り組むようにするためには、目標において「法人の使命及び目指すべき具体的な成果を明確にすること」が極めて重要である旨、改めて記載しております。
 また、目標の検討に当たり、法人の長と十分な意思疎通を図ることについても、改めてお願いしております。
 その上で、記の1でまとめた4つの取組に対応した具体的な留意事項を述べています。まず、デジタル対応に関しては、様々な環境変化を契機に、業務手法等を不断に見直すよう促すこと、デジタル技術の利活用を積極的に検討すること、その際、デジタル技術の利活用等を通じた新たな価値創造(いわゆるDX)や、人間の立場に立ったデジタル化を促すこと、情報システムの整備・管理について、デジタル庁が年内に策定する方針に掲げられた取組と整合するように目標を定めること、を求めています。
 次に、人材の関係につきましては、多様性が価値創造につながるということに留意しつつ、人材の専門性を一層高度化させるよう促すとともに、役職員のモチベーション向上に資する取組を促すこと、外部の知見の有効活用や、多様な働き方の活用を促すこと、これらの取組は、法人自身の業務遂行のみならず、法人の業務に関連する社会全体の人材育成に資することにも留意すること、を求めています。
 次に、連携の関係については、法人の知財やノウハウを我が国のプレゼンス向上や国際市場の獲得等につなげる取組を推進すること、その際、知財・情報等の管理に留意すること、幅広い機関との新たな価値実現に資する連携を推進すること、連携関係構築に向けた情報発信やそのために必要な情報発信機能の強化を促すこと、を求めています。
 そして、資源配分の重点化につきましては、環境変化を踏まえて法人の業務の重み付けを適切に行うこと、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて積極的に取り組むこと、リスクを取った取組が期待される業務については、困難度を適切に示し法人の積極姿勢が評価されるようにする一方、ガバナンスを的確に機能させるよう促すこと、を求めています。
 最後に、これらの留意事項は、本年度の見直し対象法人以外の独法や準用法人にも該当し得るものであり、これらの問題意識を業務運営の見直し・改善に役立てていただきたい旨を述べています。
 続きまして、個別留意事項に入ります。別紙に整理しております、個別法人ごとの留意事項です。前回の委員会で論点として御指摘いただいた事項を整理したものでございます。キーワードを中心に簡潔に説明いたします。
 まず、総務省所管の郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(郵政管理・支援機構)です。郵便貯金に係る周知・広報業務の目標について、施策の効果や効率性に関する指標を設定することについての指摘となります。
 続きまして、外務省所管の2法人、まずは国際協力機構(JICA)です。専門人材の確保・育成に関係機関と連携して取り組むことや、ICT基盤整備等の開発課題について、開発協力の一体性・効率性の視点を踏まえ関係機関と連携して取り組むこと、より質の高い取組を促すため、的確な定量指標を設定することについての御指摘となります。
 次に、国際交流基金です。交流事業について、重点対象を明確にして戦略的に展開することや、改善が必要な分野・事業等について、法人内で全てを賄おうとする「自前主義」を脱却して、関係機関と連携して取り組むこと、また、達成水準の高い分野・事業等において、より質の高い取組を促すため、的確な定量指標を設定することについての御指摘となります。
 続きまして、文部科学省所管の2法人、まず、科学技術振興機構(JST)でございます。人材の確保や事業の効率化等に取り組むこと、研究者のダイバーシティ推進に向けた取組を進めること、研究成果の社会実装に向け、連携強化や情報発信に取り組むこと、大学ファンドの事業実施に向け、ガバナンス体制の構築等を進めることについての御指摘となります。
 次に、日本原子力研究開発機構(JAEA)です。原子力人材の育成・確保や研究基盤の維持等に向け、法人がより主体的な役割を果たしていくこと、将来に向けた研究開発や人材育成に取り組むとともに、日本の原子力に関する取組や安全性を国内外に向けて情報発信することについての御指摘となります。
 続きまして、厚生労働省所管の2法人、まずは労働政策研究・研修機構(JILPT)です。働き方に関する新しい団体との意見交換を行い、調査研究に生かしていくこと、データアーカイブの取組について、さらなる利用促進を図ること、他の研究機関との共同研究等について、法人の知見・ノウハウを外部に向けて活用する観点にも留意しつつ積極的に取り組むことについての御指摘となります。
 次に、医薬基盤・健康・栄養研究所です。まず、1つ目は、業務のメリハリ付けを行うとともに、その前提として法人の役割等を目標において明確化すること、2つの旧研究所の統合効果をさらに継続的に発揮するため必要な取組を行うこと等についての御指摘となります。
 ここからは国土交通省所管の5法人であります。まず、土木研究所です。気候変動の影響等を踏まえた研究開発テーマの設定や、目標において重要度を付す項目の厳選を行うこと、最新のデジタル技術を活用して社会資本整備・管理を行うための研究開発を進めること、地方公共団体向けの技術的支援に係る情報発信を積極的に行うこと、我が国企業による国際市場の獲得等につながることも視野に、研究開発成果の国際標準化や技術移転などに向けた取組を進めること、産学官連携を推進し、統一規格の提案などの取組を進めることについての御指摘となります。
 次に、建築研究所です。人口減少等の環境変化を踏まえ、改めて法人の役割を明確化するとともに、社会的要請の高い課題を明示すること、研究開発手法としてコンピュータによるシミュレーションを推進すること、民間企業等とも連携しつつ研究開発成果の社会実装に取り組むこと、その際、我が国企業による国際市場の獲得等につなげるため、国際標準化の観点に留意すること等についての御指摘となります。
 次に、水資源機構です。ダム等のメンテナンスへのICT活用に計画的に取り組むこと、法人のノウハウを分かりやすく取りまとめて地方公共団体等に伝達すること、流域治水の推進に向けた情報発信に取り組むこと、様々なマーケット分析等の情報を活用しつつ、海外の水資源案件の調査等に積極的に取り組むことについての御指摘となります。
 次に、自動車事故対策機構(NASVA)です。リモートによる訪問支援など、受給者のニーズに沿った形で実施すること、自動車事故被害者等が必要な援護を受けられるよう、関係機関への周知・広報を行うことについての御指摘となります。
 最後に、日本高速道路保有・債務返済機構(高速道路機構)です。債務返済を含めた業務の実施に当たり、コロナ感染症やデジタル技術の進展といった環境変化を考慮すること、各高速道路会社が保有する各種データを高速道路全体として活用する観点からのデジタル化を推進することについての御指摘となります。
【澤田委員長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御報告につきまして、どなたでも結構ですので御発言いただけますでしょうか。
 では、まず原田さん。
【原田委員】  1点だけ、方管理官の報告を補足、強調いたします。
 12法人に対する個別の留意事項は、例年どおりメッセージとして出しているわけでございますけれども、今年度は、これまでもそのつもりであったのですが、この12法人だけではなくて87ある全ての法人、さらには準用法人でも、次期目標の策定に当たってというところで申し上げた4点については、是非とも不断の業務改善に生かしていただきたいということであります。どうしても当該年度に目標を策定している法人についてのみのメッセージと取られがちであったものですから、確認として書いたということでございます。これ以降もそのような形で進めていってはいかがかと私は思っております。
【澤田委員長】  ありがとうございます。この共通している留意事項は重要なことだと思います。
 樫谷さん、どうぞ。
【樫谷審議協力者】  この目標策定に向けた留意事項について、すばらしいと私は思っておりまして、昔のことを言ってはいけないんですけれども、最初の独法から比べると、この留意事項については独法に対する期待が非常に大きい、かつその活用も相当レベルが高くなってきていると思います。これは是非進めていただきたいと思います。
 ただ、今の独法制度は、企画立案が主務省で、その政策の実施が独法になっています。この前独立行政法人通則法を改正して、今は7年目で、10年となるのはあと3年後なんでしょうけれど、何かもう少し使いやすいような制度設計を、総務省の役割か、行革本部の役割か分かりませんが、もう一度10年後ぐらいに見直しをしていただくために、そういう観点から今後議論していただくと非常に良いと思いました。是非これをもっと進めるためにはどういう制度設計が一番良いのかという点も意識しながら、御議論いただけたらと思っております。
【澤田委員長】  ありがとうございます。そのあたりの件につきまして、事務局のほうからお願いできますか。
【方管理官】  樫谷先生、どうもありがとうございます。
 今、部会のほうで評価の意義や、今後の点検方針を議論いただいていると承知しております。その中で一定の方向性を出していくべきと思っておりますので、引き続き先生方の御意見を賜りたいと考えています。
【澤田委員長】  この法人に共通する留意事項の中に独法の能力を最大限発揮すると書いてあります。独法の能力を最大限発揮するためには、そのためのやり方というのはあると思いますので、樫谷先生がおっしゃったような形で、この独法の良さが生きるようになればと思います。
 野ア委員、よろしくお願いします。
【野ア委員】  先ほど原田委員がおっしゃったように、これは本当に各独法に対するメッセージとして、この4つの項目というのは非常に重要ですばらしいと思います。
 その中で私が感じましたのは、4番目のメリハリ付けというところです。リスクを取る必要があると、取組を進めるということはとても大事なことで、やっぱりリスクを取らなければ成果が得られないというのはもう当然のことですので、それはしなければいけません。しかしながら、困難である取組を適切に分析・評価して、必要に応じて取組の方向性を見直すことが一番大事なところではないかと思うんです。民間企業でも、取組を始めるということはいろいろな意味でエネルギーも要りますけれども、取組をやめることのほうが大きなエネルギーが要るということがあると思います。撤退というのは非常に難しいことなので、独法だけにその責任を負わせるということではなくて、主務省にもやめる勇気を持ってもらいたいなと感じました。
 感想だけで恐縮ですが、よろしくお願いします。
【澤田委員長】  ありがとうございます。非常に重要なポイントかと思います。今の件に関しまして、原田部会長のほうから何かありますか。
【原田委員】  私も野ア委員のおっしゃるとおりだと、今感じていたところです。とりわけ近年では目標期間中に新しい目標が追加されることもありますので、これがファイナルの目標でないというつもりで、もし目標が何か新たに追加されるようなときには、やはり既存のリソースをどうやって効果的に効率的に分配しながらメリハリをつけていくのかということは、考慮すべき事柄ではないかと思います。法人によっては目標のうちすべての項目で重要と回答する法人もございまして、確かに大事なことは分かるのですけれども、メリハリをつけながら毎年PDCAを回していく中で、そのあたりをやはり考えてもらうというのが今回のメッセージでございます。
【澤田委員長】  ありがとうございます。「やる・やめる」のちょうど中間ぐらいがあるわけですね。マンパワーを落としてもやはり継続して続けていくことが重要な業務もあります。ですから、全て一様にやるだけではなくて、これは本当ならばもっと縮小してもいいんだけれども、これを一旦やめると次に立ち上げるのが大変という理由で継続して事業を続けているなど、テーマによっての重み付けができれば非常にいいのかなと思います。
 では、高橋委員、お願いします。
【高橋委員】  私も全く同じところでコメントさせていただこうと思っていました。チャレンジングな取組をする、リスクを取るということに限らず、今までもガバナンス機能の強化が大切ということをこの委員会ではずっと主張してきたところなんですが、今回は体制確保から一歩踏み込んだ書きぶりとなっている点を、主務省、法人に十分ご理解いただきたいと思っております。
 関連で、業務を新たに行うことになったJSTの大学ファンドに関して一言申し上げたいと思います。この中では、文部科学大臣が定める助成資金運用の基本方針の内容等を踏まえたガバナンス体制を構築すること及び安定的に助成資金を運用することについて目標に盛り込んではどうかという留意事項を出させていただくわけなんですけれども、そもそも助成資金運用の基本方針の内容をまだ私どもは拝見しておりませんので、これがどうなるかということに関して非常に関心を持っているところでございます。
 ガバナンス体制に関しては、先ほど皆さんからもお話が出ているとおりなんですけれども、大学ファンドにおいて「安定的に助成資金を運用すること」、これが何を指すかということなんですが、私はやはり年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と同じような方針で臨んでほしいと思っています。GPIFは安定的だけではなくて、安定的・効率的にということ、そしてベンチマーク、収益率を確保するとしておりますので、そのあたりまで次期中(長)期目標に書き込んでいただけるのかどうかに着目しております。
【澤田委員長】  重要なポイントかと思いますが、何か事務局のほうからコメントはございますか。
【方管理官】  その点は非常に重要なことでありますので、今後、2月に向けて次期目標案が出てきますので、その中でよく主務省と相談していきたいと考えています。
【澤田委員長】  こういうのは、やはりテーマが決められて、個々の取組がスタートするわけですけれども、割と研究期間が長いこともあります。特に今回の大学ファンドもそうですけれども、進めていることは、もっと大きな目的のために取組をやっているわけで、そのうちの1つずつのテーマなので、大きなデザインを頭に描いてやっていくとその進捗も見えてくると思います。おそらくGPIFなどはそういうイメージを念頭に入れながらやってくれている部分があろうかと思います。そういう共通したイメージを皆さんが持つことができれば、随分お互いの進捗を確かめることができるということで、高橋委員のイメージに少し近いような方向になるかも分かりません。先ほど冒頭で樫谷先生がおっしゃっていましたが、やり方によって随分変わってくると思いますので、そのあたりも念頭に入れてできれば良いのではないかと思います。
 高橋委員、いかがでしょうか。
【高橋委員】  おっしゃるとおりです。私はそういう視点で見ておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
【澤田委員長】 河合委員、どうぞ。
【河合専門委員】 私からは、法人の横断的なデジタル対応のところで、今後重要になってくるのではないかと考える2点について申し上げます。1点目は、サービスの受け手側へのオープンデータという視点です。本日の資料1の案の中にも保有するデータの連携ですとか、そういう行政内部でのデータ共有という話が入っておりますが、一部の自治体のDX化を見ておりますと、保有するデータを住民が広く見られるようにする、それからそのデータを使って住民の側で公共サービスに関するアプリを開発できるようにする、といったようなオープンデータに関する取組が行われております。独立行政法人が政策を実施するための組織であることを考えますと、そういった自治体の事例を見ながら、国民に対するオープンデータといった視点も今後重要になってくるのではないかと考えております。
 2点目は、パフォーマンス評価に資するデータ化、それから蓄積です。質的な視点も当然重要なんですが、やはり法人の長による評価それから主務省による評価においても量的なデータによるパフォーマンス評価を行っていく上で、ますますそういうデータが重要になってくるのではないかと考えております。この2点を、今後重要視していただきたいと考えております。
【澤田委員長】  ありがとうございました。本当に大切な点を御指摘いただいたと思うんですが、事務局のほうから、何か今の御意見に対してのコメントはございますか。
【方管理官】  ありがとうございます。最初のオープンデータの話で、JILPTの留意事項の1つに、その考え方を示したものを今回、記載させていただきました。ここでのオープンデータの話は、既に公表されているデータなども含めて社会全体で使っていけばどうであろうかという指摘であり、今の河合先生の御指摘に当たるものかと考えております。
 もう1つのデータの利活用の関係でございますけれども、今後、部会でご審議いただきたく評価の意義や点検方針の御議論の中で、データを使った評価のような御議論もしていただきたいと考えていますので、是非御意見を賜ればと考えております。
【澤田委員長】  栗原委員、お願いします。
【栗原委員】  先ほど高橋委員がおっしゃったことに関連しますけれども、各法人の目標達成の成果は、様々な方々の享受が想定されます。国だけでなく、民間部門との連携によって成果がさらに活用される余地もあるのではないかと思います。主務省も法人もこの伸びしろをより意識していただいて、今までの限られた成果の利用だけではない活用の場面、ニーズがあるということを織り込んでいただきたいと思います。先ほどのJSTやGPIFのケースなどでも、民間の市場からの期待に裏付けられて成果が出ているのではないかと思います。
 2点目に、河合専門委員がおっしゃいましたことと共通しますけれども、データのオープン化、データの利活用、特に各法人を超えたデータ連携をどう向上させるかは、法人単体では達成が困難なことだと思います。デジタル庁の発足も契機にしつつさらに向上させていただきたいと思います。
【澤田委員長】  ありがとうございました。最初の点は、やはり民間とうまく成果をつなげていく、すなわち出口を見据えてやっていくことが、大きな意味での社会の役立ちにつながっていくわけです。ただ、そのときにどの組織と連携するかについては、民間のコンソーシアムなどでも連携する法人が持つ非常に良い技術の考え方を取り入れようとしていたが、うまく組み合わされなかったとかいう話は、割とよくある問題なんです。ですから、栗原委員がおっしゃるようにもう少しうまく采配できるような部分があれば、栗原委員がイメージされているような方向に向くのではないかと思いますが、そのあたり、事務局のほうはいかがですか。
【方管理官】  その点については様々な委員から御指摘をいただいておりまして、各法人に共通する留意事項に十分反映させていただいたつもりでございます。これまで法人が連携していたところだけではなくて、これからは例えば主務省が異なる法人との連携、あるいは民間部門を含めて積極的に連携していってほしいということを明示しております。
 また、デジタル対応のところで、保有するデータの連携・活用という観点からで記述させていただきましたので、主務省のほうから次期目標案が出てきた段階で、その辺りのところはよく見ていきたいと考えています。
【澤田委員長】  ありがとうございます。では、島本委員、どうぞ。
【島本委員】  独立行政法人の役割は本当に増えているという印象がありますが、ただ一方で、民間側にいると、公共上必要なことを民間もカバーする時代になっていて、SDGsやESGなどに取り組まれています。そういう中では、独立行政法人も、できることに戦略的に取り組んでいくということも必要だと思います。
 今回の各法人に共通する留意事項の中で、1点目のデジタル対応について、今朝の報道で中国がデータ税を設けるという報道がありました。最近はデジタル通貨であるとかいろいろなテクノロジーが台頭しており、データの価値が非常に上がっていて、特に大きいデータを持っていれば持っているほど有効活用できるという時代になっています。独立行政法人や行政の持っているデータは個人情報などの取扱いが非常にセンシティブなものもあると思うんですが、これを有効活用することで独立行政法人間のシナジーを生み出すとか、前向きな戦略にも取り組んでいけると思うので、そのあたりも是非視野に入れて取り組んでいただけると、独法に勤めている職員の士気が上がり、いろいろな前向きな発想が出てくると思います。
【澤田委員長】  すばらしい御意見、ありがとうございました。では、清水専門委員。
【清水専門委員】  デジタル対応のところで、デジタル庁が独法のデジタル化に関する方針を示すということで、得てして網羅的でボリュームの多い方針が出てくるんですけれども、独法の運用のお話を聞いている限りではありますが、自治体の中でも中・小規模のレベルにあると思いました。私がデジタル庁の前身の内閣官房IT室に2年ぐらい在籍していた経験上、一緒にやっていくのは本当に大変なことだと思うんですが、せっかくのデジタル庁に対してコミュニケーションを進めたり、運用面ですり合わせていけるようなやり方を、事務局に是非考えていただきたいと思っております。
【澤田委員長】  ありがとうございます。一言、事務局から。
【方管理官】  そのとおりでございます。既にデジタル庁ともよく相談の上、今後進めていこうということになっております。またその点については後ほどご報告させていただきたいと思います。
【澤田委員長】  では、横田専門委員、どうぞ。
【横田専門委員】  私は、人材の確保・育成のところでコメントをさせていただきます。
 まずは、多様な人材確保という観点でいろいろ具体的に盛り込んでいただき、ありがとうございました。先ほどから話に出ているように、主務省との関係性というのもあると思うのですが、なかなか主務省という規模の大きい組織でできないことを、独法であればチャレンジができることもあると思っています。大企業でも、新規事業などのために中で、既存制度との整合性や調整に時間がかかり、実施が難しい場合わざわざ出島を造って試しますというケースがたびたびあります。そういう出島のような、いろいろなチャレンジができる場として独法が担い、人材活用の良いモデルも率先しつくっていただけるのではないか。是非積極的に多様な人材確保に向け計画を立てていって活用いただければと思います。
【澤田委員長】  御意見ありがとうございました。梶川委員のほうから、よろしいですか。
【梶川委員】  まさに清水委員がおっしゃったことと全く同じでございまして、デジタル庁なるものがどのぐらい機能していただけるかということがすごく気になるところでございます。逆に言うと、デジタル庁のサイドも多分独法サイドからの発信ということを待たれている部分というのもおありになると思うので、そこのキャッチボールというのはやはり事前にかなり必要になるのではないかなという気がいたします。こちらの省庁横断的なというか、独法横断的なニーズみたいなものを整理しませんと、デジタル庁から何か一定の有効な指針を出すというのもなかなか難しいのではないでしょうか。企業で言えば「電算室に任せました」みたいな話ではデジタルトランスフォーメーションはできないわけなので、事業部門の一定のアイデアをいかに政府全体としてデジタル庁が支援してくれるかという、その主体の在り方を、是非お考えいただければという気はいたします。
【澤田委員長】  ありがとうございます。ごもっともだと思います。大体よろしいでしょうか。
 それでは、本年度の見直し対象法人に関する見込評価及び業務・組織の見直し、並びに委員会決定につきましてお諮りしたいと思います。
 原田評価部会長からの御報告のとおり、当委員会としては見込評価及び業務・組織の見直しについては意見なしの結論とすることにしたいと思います。あわせて資料1の委員会決定案について、この委員会として決定することにしたいと思います。御異議ございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【澤田委員長】  それでは、そのように決しました。本日の議論の内容につきましては、事務局を通して各府省に十分お伝えいただきたいと思います。ありがとうございました。
 では、次に、議題2に移りたいと思います。議題2は日本司法支援センターに係る評価及び業務運営についてでございます。
 原田評価部会長から御説明をお願いします。
【原田委員】  続いて、日本司法支援センター、私どもは普段法テラスと呼んでおりますが、法テラスにつきましても、評価部会で調査審議を進めてまいったところでございます。
 総合法律支援法上は、見込評価について意見を申し上げ、また、業務・組織の見直しについては勧告を行う権限が本委員会に与えられているわけでございますけれども、評価部会といたしましては、今回の見直しにおいてはこれらを行う必要がないという結論に至りました。
 他方で、調査審議の結果、次期目標期間においてPDCAサイクルを適切に機能させる等の観点から、委員会決定という形で、今後の評価及び業務運営についての留意事項を取りまとめ、改善を促していってはどうかと考えているところでございます。内容については資料2のとおり整理してございますので、事務局から報告をお願いします。
【方管理官】  それでは、事務局より御説明申し上げます。資料2をご覧ください。
 まず、1では、法テラスに係る調査審議の実施概況をまとめています。内容は資料記載のとおりでございますので割愛させていただきます。
 その上で、2において、次期目標期間において留意すべき事項等をまとめておりますが、法テラスについては、後にも述べますとおり、常勤弁護士の採用・配置等に関してC評定が継続しており、PDCAサイクルが必ずしも適切に機能していないと考えられる状況にございます。
 そこで、「本委員会としては、今後、次期目標期間終了時に向けて、当該留意事項に係る取組状況を、関心を持って注視していく」として、本委員会として留意事項への対応を強く求める趣旨を記載しております。
 次に、留意事項の内容でございますが、まず1ポツの前半では、C評定となった項目一般について、評価の根拠を具体的に記載するとともに、改善方針を明確に記載することを求めております。
 そして、1ポツの後半では、特に、C評定が継続するような項目について、法人の取組状況等を的確に分析・整理した上で、取組の方向性を見直すことも念頭に置いて改善方針を検討することや、その結果に基づき、法人に期待する取組と成果について、目標策定に先立って、法務大臣と法人との間で共通認識を図ることを求めております。
 また、2ポツ目は、コロナ禍への対応としてオンラインによる法律相談援助を実施した実績や知見を活用し、業務のデジタル化を一層推進することについての御指摘となっております。
 これらの留意事項について、各委員への事前説明においては、「法人の問題というよりは、C評定が継続するような目標を与えてきた主務省側に問題があるのではないか」といった御意見や、「常勤弁護士の採用・配置が進まない中、デジタル技術を活用することで司法へのアクセスを拡充していくことができるのではないか。また、コロナをきっかけに始めたデジタル技術を活用した取組は、コロナが収束した後も発展させていっていただきたい。」といった御意見を頂戴いたしました。
【澤田委員長】  ありがとうございました。それでは、ただいまの報告につきまして、どなたからでも結構ですので御発言いただけますでしょうか。
【原田委員】  では、私からよろしいでしょうか。
 方管理官から説明がございましたように、今回私どもが関心を持って注視していくと申し上げたのは、やはりPDCAサイクルが回っていないのではないかという疑念を抱くC評定が継続している点でございます。私ども、目標策定に関わる権限はございませんけれども、次期目標期間において、改めてまた見込評価や業務・組織の見直しというタイミングがまいりますので、是非とも主務省と法人との間で目標策定に先立って、今回の私どもの意見を是非とも踏まえていただいて、共通認識を図っていただきたいということでございます。
【澤田委員長】  ありがとうございます。「関心を持って注視していく」や、「改善の方針を明確に示すべきではないか」といった書きぶりは、きちんと意識してほしいところです。ある意味、非常に強い口調でこの案が書かれてありますので、その点十分御理解していただいた上で対処していただけると思っております。
 それでは、この法テラスに関する見込評価及び業務・組織の見直し並びに委員会決定につきましてもお諮りしたいと思います。
 原田評価部会長からの御報告のとおり、当委員会としては、見込評価につきましては意見なし、業務・組織の見直しについては勧告なしの結論としたいと思いますけれども、一方では、あわせて先ほど管理官のほうから説明ありました資料2の委員会決定をしっかりと発していくということにしたいと思いますけれども、御異議ございませんでしょうか、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【澤田委員長】  ありがとうございました。では、そのような方針で進めてまいりたいと思います。
 本日の議論の内容につきましては、事務局を通じて法務省に十分にお伝えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 それでは、次に、議題3に移りたいと思います。議題3は、令和2年度における独立行政法人の業務の実績に係る評価等に係る点検結果等についてでございます。
 まず、原田部会長から御説明をお願いしたいと思います。
【原田委員】  令和2年度における独立行政法人の業務実績に係る評価等でございますが、その結果につきましては、評価部会を中心に点検を行ってまいりました。本年度は、例年行っている評価指針に基づく点検に加えまして、7月の委員会で私のほうから申し上げた点検の方針に沿いまして、主務大臣評価全般について改めて行うことにしております委員会の視点や評価の意義等に関する議論に資するという観点から、幾つかの試行的な視点に基づいて確認を行ってきたところでございます。
 点検の結果につきましては、資料3のとおり整理してございますので、詳細については事務局から御説明、よろしくお願いいたします。
【方管理官】  それでは、資料3に沿って御説明いたします。
 まず、1ページ目、「1.評価指針に基づく点検結果」です。今回、点検を行った令和2年度の年度評価、もう一つは令和2年度に目標期間が終了した期間実績評価について、著しく適正を欠くと考えられるものはありませんでした。
 しかし、著しく適正を欠くとまでは言えないものの、改善の余地があると考えられるものが2点ございました。
 1点目は、C評定以下を付す場合における改善方針等についてです。評価指針では、C評定以下を付す場合には「改善に向け取り組むべき方針を記述する」とされていますが、法人の自己評価書に記載済みであるという理由から、主務大臣評価における改善方式の記載が確認できない事例がございました。
 指針の趣旨を踏まえますと、自己評価書の中に記載がある場合でも、主務大臣自らが、当該記載が妥当であるか、十分な説明責任を果たされているか等について確認し、その結果を主務大臣評価において明らかにすることが適当であります。
 2点目は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた評価についてです。新型コロナウイルス感染症の影響については、昨年12月の委員会において、評価部会長から、予測し難い外部要因等として評定において考慮可能であること、考慮する場合は、当該影響の分析結果を評価書に具体的に記載いただきたい旨の発言がなされているところです。
 しかしながら、所期の目標が未達成の取組について、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して評定を引き下げる事由としないということにしたものでも、評価書上の説明においては単に「外部要因による」としか記載されていないなど、十分な説明がなされていないものがございました。
 評価部会長発言で示されましたとおり、評定において、一定の考慮を行う場合には、説明責任を果たす観点から、そのような考慮に至った分析結果を評価書において明らかにすることが適当であります。
 次に、「2.評定の根拠等に関する試行的な視点に基づく確認結果等について」です。
 7月の委員会において、原田評価部会長から、資料の2ページ目に記載の試行的な視点が示されておりまして、これに基づき、事務局のほうで確認を行いました。
 個々の確認結果についての御説明は割愛させていただきまして、3ページ目の確認結果等を踏まえた検討の方向性について御説明させていただければと思います。
 3ページですが、まず1点目として、例えば基礎研究の成果に関する一般社会へのインパクトなど、単年度の進捗状況として年度評価で明らかにするのは困難な場合等があることが確認されたことを踏まえまして、今回試行的な視点として示された各事項の記載の必要性については、年度評価・期間実績評価それぞれの意義を踏まえて検討することが重要と考えられます。
 2点目として、年度計画等の記載が抽象的であるために計画と実績の対比が困難になっていると思われるものや、主務大臣と法人とでどの指標を重視するかの認識が異なっていたと考えられるもの等が確認されたことを踏まえ、こうした問題に対して、年度計画等の記載の具体化や取組ごとのウエイト付けの明確化など、計画上の工夫を行うことも、評価の意義の一つと考えられます。
 その他、評価項目全体にC評定以下を付す場合でも加点要素の適切な評価を通じて法人のモチベーションの維持・向上を促すこと、外部環境の変化を分析する際にベンチマーキングを行うこと等も十分と考えられます。
 以上について、今後、主務大臣評価全般について改めて行うこととしております評価の意義等に関する調査審議において、議論を深めることとしたいと考えております。
【澤田委員長】  ありがとうございました。
 ただいま御報告いただいたうちの2番の「評価の根拠等に関する試行的な視点に基づく確認結果について」は、この後に行われます評価部会でも御議論いただく予定と聞いておりますので、この委員会の場では、特に1番の「評価指針に基づく点検結果」を中心に議論いただきたいと思います。
 それでは、御質問、御意見等がございましたらよろしくお願いします。いかがでしょうか。部会長、何か追加のコメントはございますか。
【原田委員】  今年度は、例年行っている年度評価の点検と、評価に当たってどのように根拠が記載されているかを試行的に確認したということでございます。とりわけ後者については後ほども御議論賜るところでございますけれども、前者については、今年度の年度評価の中で、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた評価については、昨年度の法人ヒアリングの中で影響がかなり出てきて、例えば入場者数等に影響が出るというようなお話がございまして、それであればきちんと外部の影響が、とりわけコロナの関係でどういう影響があったのかを書いてほしいということを踏まえて、こういう点を求めてきたところでございます。コロナ以外にもいろいろな要因があるだろうという中でコロナの問題が具体的にどう影響したかという記載があると、我々としては非常に理解がしやすく、なぜこの評価に至ったのかということが分かりやすいなと思ったところでございます。
【澤田委員長】  ありがとうございます。その視点は非常に重要かと思うんです。第三者が見ても「なるほどな」と納得するような方向を盛り込んでいただくと、我々も評価しやすいということであります。
【原田委員】  もう一言よろしいですか。どうしてそういうことを書いてほしいと我々が思ったのかと申しますと、普段は一生懸命やっていて成果も出ている。しかし、コロナの影響で結果がこうなってしまったんだというときに、職員のモチベーションにあまりよくない影響が出るだろうと予測されます。これはコロナがなければこうなっていたはずだということは、やはりきちんと法人、そして主務大臣も認めてほしいというのが私どもの意向でございます。
【澤田委員長】  今の意向は、十分伝わるのではないかと思いますけれど、やはり最終的にはそれぞれの法人の中で御努力いただいている方々の成果がきちんと言葉になって表現されて、それが皆さんに伝わるようなことをイメージして書かれると随分違うかなと思いますので、是非ともそういう方向の御報告をいただければと思います。
 原田部会長、ありがとうございます。 あと、皆さんからの御意見はございますか。樫谷先生、どうぞ。
【樫谷審議協力者】  今、原田部会長がおっしゃったとおりなんですが、去年、法人に直接お伺いした時に、確かにコロナで実施できなかったことはたくさんあるけれども、その代わりにいろいろなことにチャレンジしていただいていることが分かりました。できなかったこともあるけれども、それを前提に、代わりに異なる分野へ資源をシフトして、デジタル技術を活用したものにも取り組まれておりますので、そういうことをしっかり書いていただくと良いと思いました。
【澤田委員長】  ありがとうございます。
 私も自分の会社内でよく言っているんですけれども、通常、着実にやってきた事業の中に、今回はコロナ感染という暗雲が立ち込めて、霧がざっと来て見えなくなってから1年たち、1年半たち、もうそろそろ2年近くなろうとしています。その霧がたくさんの方々の努力によって少しずつ晴れてきたときに、会社の現状がどうなっているのか、ダウントレンドに行っているのか、それとも上がる方向に行っているのか、ステイなのかを分析すると、見えないものが来て、それが晴れてきたときにどういう努力をしていたのかが結構分かるときがあります。
民間企業だけではなくて、独法にしても、そういう霧がかかって、いろいろやれないことがあったとしても、そういうときだからこそできることがあるということをうまく念頭に置いて、法人内の役職員全員に今度晴れた後はこういうことをやろうということを伝えながら、前向きなスタンスで取り組むことが非常に重要なんではないかと思っています。
 ただ、やはりそういうときに足腰が弱かったという部分もあるんですよね。そういうこともきちんと理解しながら、法人によっていろいろ違うと思いますが、是非ともそのようなことも含めて評価のイメージをきちんと記入してもらうと全然違うものになるのかなと思います。
 栗原委員、どうぞ。
【栗原委員】  今、澤田委員長がおっしゃったことと関係するのですが、こういう外部環境が大きく変わったときは、年度当初の目標を見直すこともあっていいと思います。令和2年度から令和3年度にかけては大きな外部環境の変化がありましたので、令和2年度の当初目標の未達ということがあるかもしれませんし、令和3年度の目標を見直し、さらに感染症が終息した時の目標が何なのかということをみんなで共有してそれに向かっていくという、こうした柔軟なマネジメントができるかどうかが法人の評価の1つと思います。目標変更の必要性を検討しているかどうか、適切に見直しているかどうかという点も見ていただいたほうが良いのではないかと思います。
【澤田委員長】  ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。
 原田部会長から御報告いただいたうち、2番はこの後いろいろ議論されますので、1番を含めて、今回の評価部会においては、この点検の結果とか本日いただいた御意見も踏まえて、引き続き、評価の意義や委員会の視点等についての議論を進めていただくとともに、事務局においては、評価書において明らかにすることが適当であると考えられる点に関しては各主務省に伝えていただくということにしたいと思いますけれども、皆さん、いかがでしょうか、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【澤田委員長】  ありがとうございます。では、そのようにお願いしたいと思います。
 また、各主務大臣におかれましては、今回の点検結果及び先ほどいただいたたくさんの意見を踏まえて、次年度以降の評価につきましても適切に、実施していただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは、最後に議題4について、事務局から報告をお願いしたいと思います。
【方管理官】  それでは、資料4に沿って御報告いたします。今年度末、「独立行政法人の目標の策定に関する指針」及び「独立行政法人の評価に関する指針」の改定を行いたいと考えております。
 改定の大きなポイントは、デジタル庁が定める方針に基づく情報システムの整備及び管理を推進するものです。
 昨年12月に閣議決定されました「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」の別紙におきまして、デジタル庁が独法のシステムについて整備及び管理の基本的な方針(以下「整備方針」という。)を策定することとされ、また、総務省は、この委員会の調査審議や指針に明記することを通じて、整備方針に基づく目標策定、評価の実施を推進することとされました。このことを踏まえ、目標策定・評価が、整備方針を踏まえて行われるよう、所要の改定を行うものであります。
 このほか、今回の改定に合わせまして、2点ほど実務的な改定を行いたいと考えております。
 1点目は、情報セキュリティの関係で、目標策定指針において名称を記載していた会議体が活動を終了していたことから、当該箇所を後継機関の名称に修正するものでございます。
 もう1点は、現行の指針でも、目標は評価の単位となります「一定の事業等のまとまり」ごとに策定することを求めているところですが、当該「まとまり」を目標内に明示すべき旨が目標策定指針に明記されておりませんで、どこが「まとまり」なのか不明確な目標案が事務的に通知される事態が散見されることから、目標において「まとまり」を明示すべきものを指針に明記するよう改定するものです。
 本件改定につきましては、所要の手続を経て、次回2月の委員会で諮問させていただきたいと考えております。御審議のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
【澤田委員長】  先ほど方管理官のほうからお話がありましたけれども、指針の改定案につきましては2月の委員会で諮問を受けて審議を行いたいと思いますが、少し時間ありますので、そのときに議論できればという項目があれば皆さんのほうからお聞きしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。本日はこれで1から4までの議題を全て終了いたしました。最後に、事務局から報告事項があればお願いします。
【方管理官】  まず、前回10月の委員会で御審議いただきました国立大学法人等の業務運営に係る委員会決定案については、委員長に御一任いただいていたことから、御意見を踏まえて修正したものを11月17日付けで決定いただき、内容を事務局より文部科学省に伝えておりますので、御報告申し上げます。
 それから、次回の委員会につきましては、2月22日火曜日の10時からを予定しております。場所については、追って事務局から御連絡いたします。
 最後に、本日はこの後評価部会を開催しますが、本日の評価部会は全ての議題を非公開で審議いたしますので、傍聴者向けの中継は委員会が閉会したところで終了となりますので、傍聴者の皆様におかれては御承知おきください。
【澤田委員長】  ありがとうございました。
 次回2月22日にはこの感染の収まりがそのまま続いてリアルな形を中心に開催することができることを願っておりますが、一人一人の心がけが大切だと思いますので、頑張りましょう。
 それでは、以上をもちまして、第33回独立行政法人評価制度委員会を閉会したいと思います。皆さん、どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。
(以上)

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