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第67回独立行政法人評価制度委員会評価部会 議事録

日時

令和6年10月22日(火)10:00〜12:00

場所

ウェブ開催

出席者

(委員)原田久評価部会長、浜野京評価部会長代理、天野玲子委員、金岡克己委員、栗原美津枝委員、島本幸治委員、高橋真木子委員、河合晃一専門委員、清水剛専門委員、横田響子専門委員
(事務局)北川大臣官房政策立案総括審議官、谷口管理官ほか

議事

  1.  令和6年度に中(長)期目標期間が終了する法人に係る次期目標の策定等に向けた論点について
  2.  中期目標の変更について(諮問案件)
  3.  独立行政法人の令和5年度業務の実績に係る評価等の結果の点検状況について【非公開】

配布資料

議事録

【原田評価部会長】  それでは、第67回独立行政法人評価制度委員会評価部会を開催いたします。本日の会議は、傍聴者には会議の模様をオンラインで中継しております。
 それでは、本日は、議題が3つございます。まず議題1の「令和6年度に中(長)期目標期間が終了する法人に係る次期目標の策定等に向けた論点について」です。
 これまで、今年度の見直し対象7法人について、2つのユニットに分かれて、主務省並びに各法人の長及び監事と意見交換を行ってまいりました。その結果を踏まえまして、見込評価及び業務・組織見直しの内容を確認するとともに、次期目標の策定等に向けた論点の整理を行いました。各ユニットにおいて整理いたしました論点について、お手元の資料のとおり取りまとめましたので、事務局からまとめて御報告をお願いしたいと存じます。
【宮ア管理官】  内閣府担当管理官の宮アでございます。
 まず、(1)日本医療研究開発機構(AMED)について、医療分野の基礎から実用化まで一貫した研究開発を推進するという法人の中核的役割について、特に社会からの研究成果の実用化への要請を踏まえて、多様な関係者と共通理解を図り、新たな中長期目標の策定及びその実現に向けて取り組んでいくことが必要ではないか。また、内閣府、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省がそれぞれ主務省として関与し、関係府省庁ごとに要求した予算事業を法人が実施する仕組みとなっているが、内閣府が的確なリーダーシップを発揮しながら、主務省全体として一貫性のある方向性を示すことが必要ではないか。
 それから、人材確保・育成について、研究開発マネジメント人材等の資金配分機関として必要な人材の在り方を検討するとともに、業務を通じて得られる経験・能力、キャリアパスなどの効果的な発信を始め、優秀な人材の確保・育成に戦略的に取り組むことを次期中長期目標に盛り込んではどうかとしてございます。
 内閣府所管法人につきましては以上でございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 続いて、川口管理官、お願いいたします。
【川口管理官】  文部科学省担当管理官の川口でございます。(2)理化学研究所(理研)について、3点留意事項案を記載しております。
 まず1点目、激しい国際競争の中で、我が国の研究機関のプレゼンスを高めていくため、特定国立研究開発法人として世界最高水準の研究成果の創出がなされているか適切に評価できるような目標又は指標を設定するべきではないか。2点目は、先進的な研究環境の整備として、優れた若手研究者や女性研究者等の育成・輩出に向けて、有期雇用の通算契約期間の上限規制撤廃、給与の弾力化、女性限定公募の加速等の取組を実施してきていることから、各取組の効果を適切に評価しつつ、流動性と安定性を高いレベルで両立した人材の確保・育成のための取組を更に推進することが重要ではないか。3点目は、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律に基づき出資している株式会社理研イノベーションの産業界とのつながりが強い等の優位性を最大限活用し、法人が有する研究シーズを産業界に能動的に提案するとともに、その成果を法人の成果として適切に評価できるような目標又は指標を設定するべきではないかとしております。
 続いて、(3)宇宙航空研究開発機構(JAXA)について、留意事項案を2点記載しております。
 まず1点目、法人に求められる役割の増大、慢性的な人材不足の中において、アルムナイ施策の推進、非宇宙分野も含めた経験者採用の拡大、組織内の人的リソースの配分見直し等の取組を実施してきていることから、各取組の効果を適切に評価しつつ、このような人材の確保・育成のための取組を更に推進することが重要ではないか。2点目といたしまして、法人が、民間企業や大学等との共同研究、民間企業への出資等の多様な手段を用いて、産学官・国内外における技術開発・実証、人材、技術情報等における結節点としての新たな役割を実現するとともに、特に宇宙戦略基金について、法人による民間企業・大学等への支援等の活動を更に推進するため、これらの成果を適切に評価できるような目標又は指標を設定するべきではないかとしております。
 以上でございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 それでは、松隈管理官、厚生労働省所管の2法人についてお願いいたします。
【松隈管理官】  厚生労働省担当管理官の松隈でございます。
 まず、(4)年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)について、論点は3つございます。
 1点目、法人においては、意思決定・監督を担う経営委員会、監査等を担う監査委員会及び執行を担う理事長等によって適切に役割分担及び連携が図られており、自律的なPDCAサイクルが機能していると考えられる。引き続き、国民から一層信頼される組織体制を確保することとしてはどうか。
 2点目、年金積立金の管理運用の高度なモニタリングやリスク評価等を行う運用専門職員等の確保・育成という課題に対応するため、業務を通じて得られる経験・能力の効果的な発信を行うなど、人材の確保・育成に向けた必要な取組について、次期中期目標に盛り込んではどうか。また、データサイエンスの専門人材の確保・育成についても取り組むことが重要ではないか。
 3点目、法人の基本ポートフォリオに占める外国資産の割合が増加していることを踏まえ、市場リスクだけではなく、地政学上のリスクや気候変動によるリスク等の多様なリスクについても配慮しながらリスク管理の高度化に取り組むことが重要ではないかとしております。
 続きまして、(5)国立健康危機管理研究機構(JIHS)についての論点、5点でございます。
 1点目、法人のこれまでの議論において整理された課題とそれに対応した必要な方策を目標に落とし込むことが重要であり、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」等の記載を踏まえ、第一期中期目標の策定及び業務実施に取り組む必要があるのではないか。また、国の施設等機関である国立感染症研究所と独立行政法人である国立研究開発法人国立国際医療研究センター(NCGM)から特殊法人を新設するという前例のない統合であるため、丁寧な統合作業を行うとともに、組織形態が変更することに伴って従前からの強みが失われることがないよう、柔軟な運営に努めることが重要ではないか。2つの異なる組織の統合によって生じるシナジーを検討し、第一期中期目標に盛り込んではどうか。さらに、2つの組織の統合以降、危機管理総局等の統括部門が組織全体をマネジメントしていくに当たり、組織内のガバナンス強化に必要な取組についても第一期中期目標に盛り込んではどうか。
 2点目、科学的知見の確保・共有に向けて、国内外の医療機関や研究機関、地方自治体等との間で平時からネットワークを構築しておくことを第一期中期目標に盛り込んではどうか。
 3点目、感染症対策については、平時・有事の両方について、国や法人の業務フロー全体の在り方を検討していくことが重要ではないか。特に、有事の際の内閣感染症危機管理統括庁、厚生労働省、法人の関係部署全体の意思決定フロー等については、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の記載を踏まえ、平時から綿密にすり合わせるべきではないか。また、法人の業務フローについては、本年4月の国立健康危機管理研究機構準備委員会報告書で示された内容を実践し、必要に応じて見直していくべきではないか。
 4点目、引き続き、国立高度専門医療研究センター(NC)や既存の医療系独立行政法人など関係機関と連携することが必要ではないか。特に、NCGMの中の医療研究連携推進本部(JH)がNC6法人の資源・情報を集約し、それぞれの専門性を生かしつつ有機的・機能的連携を行う役割を果たしてきたところ、法人の設立後はNC5法人+1特殊法人という形になるが、引き続き連携することを第一期中期目標に盛り込んではどうか。
 5点目、専門性の高い人材の確保・育成に向けて、産学官連携等の必要な取組を第一期中期目標に盛り込んではどうかとしております。
 厚生労働省所管法人については以上でございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 それでは、経済産業省所管法人につきまして、渡邉管理官お願いいたします。
【渡邉管理官】  経済産業省担当管理官の渡邉でございます。(6)産業技術総合研究所(産総研)の論点につきまして、これまでの委員の皆様の御議論を踏まえまして、3点整理させていただきました。
 まず1点目、研究開発成果の最大化等につきまして、法人に蓄積された世界最高水準の研究成果に関する貴重な研究データ等の解析等によりインプリケーションを抽出し、更なる研究活動の活性化を図ることや、研究開発の成果の実用化及びこれによるイノベーションの創出を図るために設立した株式会社AIST Solutionsの効果的な活用など、法人のミッション遂行能力を向上させ、研究開発成果の最大化を図る必要があるのではないか。また、共同研究などによる企業等との連携、社会実装に向けた実証プロジェクトの実施及びスタートアップの創出など、株式会社AIST Solutionsが法人と一体となって推進する取組の成果を法人の成果として適切に評価できるような目標及び指標を設定するべきではないか。
 次に2点目、研究人材等の確保・育成につきまして、世界最高水準の研究開発の成果を創出するため、法人の研究人材等の確保・育成に向けたこれまでの取組やその効果を検証した結果を踏まえ、優秀で多様な研究人材等の確保・育成を図ることが重要ではないか。
 最後に3点目、研究セキュリティ・インテグリティにつきまして、特定国立研究開発法人は、国の基盤的プロジェクトへの参画等を通じて、国の重要課題に取り組んでいることから、より徹底した研究セキュリティ・インテグリティを確保することを次期中長期目標に盛り込んではどうかとしております。
 御説明は以上でございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 それでは、最後です。国土交通省所管法人につきまして、荒木管理官お願いいたします。
【荒木管理官】  国土交通省担当管理官の荒木です。それでは、(7)住宅金融支援機構(JHF)について申し上げます。
 1点目はフラット35について、社会・経済環境の変化や、法人の主力商品であるフラット35の事業量が減少傾向にある状況を踏まえまして、法人の役割を再認識した上で、住まいのライフサイクルを通じた新たな支援の実施等、民間金融機関では支援が届いていない部分の商品化について検討し、次期中期目標に盛り込んではどうか。また、新たな支援・商品化の検討に当たっては、融資に関連したデータを活用するDXの観点も必要ではないか。
 2点目は大規模災害への対応について、近年、激甚化・多頻度化する大規模災害への対応に係る「災害復興住宅融資」や「耐震改修リフォーム融資」等の住宅資金融通等事業(直接融資)については、地方公共団体、民間金融機関や利用者等のステークホルダーのニーズを的確に把握するとともに、周知・啓発の強化に向けた定量目標を次期中期目標に盛り込んではどうか。
 3点目、住宅政策上の課題に対する効果測定を行うための成果指標(アウトカム指標)について、主務省において検討の上、具体的な定量目標を設定することが重要ではないかとしております。
 以上です。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見・御質問がございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言いただけますでしょうか。
 天野委員、どうぞ。
【天野委員】  ありがとうございます。委員会の委員としては、意見をうまくまとめていただいということをよく理解できるのですが、この趣旨をきちんとそれぞれの法人及び主務省に伝えていただきたいなと思います。特にAMEDと理研は、本当にこれで伝わるのか、かなりきちんと言わなければ分からないのではないかと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。それが1点目です。
 AMEDは、恐らく新しく設立されるJIHSとこれから連携が必要になるのではないかと思いますので、まだ第1期でこれからどう動くか分かりませんけれども、やはり主務省を超えて法人同士がきちんと実務部隊として連携していただきたいというのが2点目です。
 最後ですが、以前、産総研で特許の委員会のことについて知る機会があったのですが、産総研が出した成果を特許化するかどうかというのを委員会で審査して、審査が通らないと、個人の帰属になるということがあったと思います。今でもそのやり方を取っているかどうか分からないですが、現実に産総研でも最近、知財関係のトラブルがあったりするようなので、場合によっては知財に関するセキュリティというか、そういう管理状態のことについて触れても良いのではないかと感じました。よろしくお願いします。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。最初のAMEDについては宮ア管理官、いかがでしょうか。
【宮ア管理官】  御意見いただきました、法人によく伝えるというのは、私どもも内閣府とのやり取りは日頃からよくしておりますので、今回またそういった御意見があったことについてはよく相手に伝えるとともに、こういった意識を持ってこれからしっかり取り組んでいただきたいということで伝えていきたいと考えております。あわせて連携の話につきましても、これから新しく出てくる話だとは思いますけれども、恐らく既存のいろいろな法人と連携しているものもございますので、そうした中にうまく組み込んで、しっかり取り組んでいただくように伝えたいと思います。
 以上でございます。
【原田評価部会長】  川口管理官、よろしゅうございますか。
【川口管理官】  御意見ありがとうございました。議論の経過も含めてこの留意事項ができており、議論を一緒にやってきたという過程がございますけれども、しっかりと主務省を通じて法人とコミュニケーションを図ってまいりたいと思います。
【原田評価部会長】  産総研について、少しお調べいただく必要もあるのかと思いますけれども、渡邉管理官、何かコメントございますか。
【渡邉管理官】  御指摘ありがとうございます。今御指摘いただいたような話も、広く捉えれば研究セキュリティ・インテグリティということなのかもしれませんが、そういうことに関しては今回の留意事項、背景のところにもしっかり記載させていただいておりますが、知財の関係もそういうところに含め得るのかどうなのか、そこは確認をさせていただきたいと思います。
【天野委員】  よろしくお願いします。
【原田評価部会長】  それでは、横田専門委員、どうぞ。
【横田専門委員】  ありがとうございます。私はスタートアップ関連で質問となります。大きく2つです。
 まず、スタートアップ関連のお金がいろいろな法人に配分されている現状と認識をしているのですけれども、今回、AMEDは、そういった議論はどれぐらい出たのでしょうか。以前の会議で基金が組まれたという話もあったように記憶をしているので、そこをお伺いしたいのと、2点目の質問は、事務局でお答えいただくことが難しいかもしれないですけれども、我々第2ユニットでも今回、理研、産総研、JAXA等々、スタートアップに関連したヒアリングを進めてまいりました。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がプラットフォームの軸になって行っているもので見ると、AMEDと産総研は入っていて、理研とJAXAは入っていないという現状になっているのですが、進化するに向けてプラットフォームに属するところが増えていっているのか否かについて、何か現状がお分かりになれば、ぜひお伺いしたいと思います。
 以上です。
【原田評価部会長】  川口管理官、いかがでしょうか。
【川口管理官】  プラットフォームの関係につきましては、今、事実関係を把握しておりませんので、確認をさせていただきたいと思います。
【原田評価部会長】  ありがとうございます。では、まだ議論する余地がございますので、調査を待ちましょう。
 では、高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】  ありがとうございます。天野委員がおっしゃられた知的財産について、数年前ですけれども、国立大学が法人化した際に、職務発明とファイルされた発明が出願されない後に個人帰属に戻るスキームというのが抜け穴だという議論が当時ありましたので、御指摘ごもっともだと思います。一方で、それをどう伝えるかということについて、いわゆる経済安全保障的な観点で、国の税金による研究開発成果が、その法人が出願しないときにフリーハンドになってしまうと、個人の帰属に流れていってしまうということが懸念点だと思うので、単に職務発明のものの出願割合のような数字を問うているわけではないということがストレートに伝わったほうが良いのではないかと思いました。これが1点目です。
 2点目ですけれども、理研や産総研、JAXAについて、国立研究開発法人という役割を考えると、大学とうまく役割分担をしたり、法人同士のつながりを強化したりということを、議論の前提として、3つの法人共通に話をしたと思うのですが、その部分がそれぞれ書かれてはいますが、若干ぼやけているようなイメージがありまして、少し強めに書いていただくことができれば良いと思います。
 以上です。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。1点目は先ほどの天野委員の意見に対する補足ということで、2点目はいかがでしょうか。理研にしても産総研にしても、あるいはJAXAにしてもいろいろな形で業務を広げてきていて、それが重複してきている一方で、国立大学法人でもいろいろな活動をしているというようなところを踏まえて、委員会として何をメッセージとして出していくのかということだろうと思います。取りまとめるというのはなかなか難しい話ですけれども、事務局いかがでしょうか。
【川口管理官】  役割分担やメリハリというところにつきまして、今まで議論の中で明確に結論を得ていない状況のように思っておりまして、どういったことが委員方の問題意識に沿って修正できるのかということについて、検討させていただければと思います。
【原田評価部会長】  よろしいですか、高橋委員。
【高橋委員】  理研を例に取れば、どのテーマに関して連携せよというところまでクリアなメッセージに落とし込まれていない結果、留意事項に文言として書くということに関して、どのように伝えるのかという伝え方の御懸念があると受け止めたのですけれども、それでよろしいですか。
【川口管理官】  やり取りの中でそういった御質問が出て、理研から、なかなかその分野については明確に回答がなかったように記憶をしております。
 そこまで書き込むことができるのかというところについて、今明確にお答えをしかねると考えております。
【原田評価部会長】  もう少し我々としても研究が必要だということですね。
【高橋委員】  分かりました。結構です。
【原田評価部会長】  では続いて、栗原委員、どうぞ。
【栗原委員】  ありがとうございます。書いていただいた事項についての修正はございません。天野委員がおっしゃられたように、主務省に真意が分かるように伝えていただきたいと思います。
 コメントですが、各法人への留意事項を見ていますと、ほとんどの法人で、人材の確保・育成について書かれています。やはり人材がキーになると思いますし、逆に危機感がすごくあります。ですから、この点を、主務省と法人で目標に落とし込んでいただきたいと思います。目標に落とし込む際ですが、今までのやり方ですと、まず業務面の目標が大量にあり、最後のほうに経営基盤や人材、ITなどが、少し語弊がありますけれども、付随的に記載されていますが、その部分が重要なので、経営の仕方、それから人材についてはきちんと目標に書き込んでほしいという点をメッセージとして伝えていただきたいと思います。
 2点目に、これは委員会そのものに対してなのですけれども、今回、例えば理研で有期雇用の通算契約期間の上限規制撤廃という話がありました。有期雇用の問題は、恐らくいろいろな法人で存在していると思います。産総研では、今の理事長の下で有期雇用をかなり撤廃しており、そういう先例的な事例もあるのではないかと思いますので、そういう観点で、各法人が既に先駆的に取り組んでいることをベストプラクティスのような形で共有していただくと良いのではないかと思いました。よろしくお願いします。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。1点目は全く同感でございまして、やはり委員会としては、何を業務として抱えて、それをどのように評価していくのかということについて、基本的には主たる関心事だったわけですけれども、今回明らかになったのは、それをどういうヒューマンリソースで動かしていくのかということに対しても業務の目標と同等に関心を持っているということなのかと思います。そういう意味では、今まで以上に私たちの関心が人材の確保・育成に向かっているということをきちんと、今年度の見直し対象の7法人のみならず、全ての法人に伝えていく必要があるのではないかと思います。付随的な業務運営についての記述ではないような形でしっかりその辺りを書き込んでいただく必要があるのではないかと思いました。
 2点目については、かなり理研と産総研で対応が違っているのではないかと思うのですが、それは抱えている業務の関係なのか、研究開発の関係なのか分かりませんけれども、やはり先例としてこれは取り上げていくべきということであれば、また先進事例として来年度、産総研に改めてプレゼンをしてもらうということもあり得るのではないかと思いました。
 産総研関係はいかがでしょうか、渡邉管理官。
【渡邉管理官】  どうもありがとうございます。先ほどの有期雇用の関係は、今回ヒアリングの論点の基礎となるような事項として、雇用の仕組みの部分も様々な取組をされているので、そうしたことも含めてヒアリングでしっかりお話を聞かせていただいたと我々も認識してございます。来年どのような形でプレゼンするか等につきましては、また事務局内でも御相談させていただければと思います。
【原田評価部会長】  よろしいですか、栗原委員。
【栗原委員】  ありがとうございます。産総研だけでなく、ほかの機関でもいろいろな取組があると思いますので、そういう切り口で共有できることがあると良いなと思います。
【原田評価部会長】  そうですね。ありがとうございました。
 では続いて、金岡委員、どうぞ。
【金岡委員】  ありがとうございます。JIHSについて発言いたします。8月初旬に日向灘で地震が起きて、そしてすぐ巨大地震注意、南海トラフ地震注意というのが気象庁から発表されました。その記者会見をたまたまテレビで見ておりましたが、具体的に国民が何をすれば良いかというのがいま一つはっきりしないところがあって、海水浴場を閉めるなど、ある程度混乱があったように思っております。その例から考えましても、特に御専門の方が説明されていたこともあって、一般の国民にどう響いたのかというのは少し気になったところです。
 感染症については、新型コロナ等もあって、また何か起きたときに、それを国民にどう周知していくかということは非常に重要だと思います。以前、この意見を述べさせていただいた際に、大丈夫ですという御回答があったように思いますけれども、これまでの新型コロナで様々な政府発表等に対して、例えばどのようなリアクションなりサイドエフェクトがあったかということも適切に調べていただいて、どのような形の発表をするのが最も効果的なのかということを、もう既に十分検討されていると思うのですが、南海トラフ地震という非常に大きな、皆さんが知っていることについても、残念ながらといいますか、混乱があったということを踏まえて、より様々な検討を加えていただきたいなという意見でございます。
 以上です。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。松隈管理官、いかがでしょうか。ほかの行政機関とのデマケも含めて御説明いただければと思います。
【松隈管理官】  松隈でございます。こちらの論点にも書かせていただいております新型インフルエンザ等対策政府行動計画は、7月に閣議決定されておりますけども、この中でも政府の役割とJIHSの役割ということで、感染症危機管理庁、それから厚生労働省、JIHSの役割というのが書き分けられております。JIHSの役割の中で重要なものとして、科学的知見の迅速な提供、対策の助言と分かりやすい情報提供・共有というのが明確に書かれておりまして、まず政府に対して迅速に提供する、それから国民に対してどういう体制で、誰からどういう発信をするのかというのも今検討中でございまして、政府のJIHSの準備委員会から有事と平時の業務フローを示されておりますので、そういった業務フローに基づいて実践してみるということかと思ってございます。
 以上でございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。では、浜野委員、どうぞ。
【浜野評価部会長代理】  御説明ありがとうございました。取りまとめも異論ございません。
 その上で、改めてちょっとお願いしたいのですけれども、感染症についても医薬についても、いろいろなところで言われているとおり環境の変化が非常に激しい中において、法人の社会貢献というか、国立研究開発法人であれば研究開発成果の最大化を図っていくと書き込んでいただいているのですが、ますます主務省との連携を強くしていただきたいと思います。
 また、横連携もますます重要になってくると思います。例えば、昨今の重要テーマである脱炭素でも横連携して、新たな国際市場獲得につなげていただきたい。アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)というのが立ち上がり、アジアではまだ脱炭素化のルールが確定していないので、日本式のルールがそこで採用されれば、日本企業の非常に大きな市場になってくるわけなのですが、そういったところを見据えて、産総研、理研、NEDO等独法が主務省、大学や企業と連携しながらどう進めていくかというような、そういう新しい時代に来ているように思います。ぜひ主務省間でも連携をしていただいて、独法の貢献の効果を最大限にしていただきたいなと思います。
 半面、新たな業務が増えていますので、スクラップしていくべきものを見極めて選択と集中を進めていただきたいと思います。先ほど人材育成と人材の登用の御説明いただいたところですが、独法の貢献度合いというのを高めていただくよう、主務省間でも連携をお願いしたいと思います。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。7法人、個別の法人というよりは、独法全体に対するメッセージだと受け止めました。ぜひこれから議論する際にも今の点、留意しながら進めてまいりたいと思いますし、事務局におかれましても、特に今回7法人で意識して、主務省側との議論を進めてくださればと存じます。
 では、島本委員、どうぞ。
【島本委員】  論点うまくまとめていただきましてありがとうございます。全体を通してうまく伝えていただきたいポイントがやはり人材のところで、今、人材確保が難しくなっているという問題は民間企業も全く同様で、トップのマネジメントは、非常に危機感を持って取り組んでいるポイントだと思います。特に今、昨今の円安もあって、グローバルな人材ほどなかなか確保が難しいという状況が発生していて、その危機感とのギャップを感じたので、働きやすい環境づくり、多様性を認めていく、それから組織のレゾンデートルや社会的役割というのをトップからしっかり全体に伝えることが独法でも特に大事になってきていると思うので、ぜひ伝えていただきたいなと思います。
 もう一つは、浜野委員が御指摘されたところですが、脱炭素についても今、横断的な課題になってきていて、特に日本流のトランジションというコンセプトは、世界の論戦の中でも押しているというか、日本型のやり方が現実的ではないかという機運が新興国を含めて出てきているので、この辺は民間企業や独法を含めてタッグを組んで取り組んでも良いところですし、産総研のみならず、いろいろな独法が関わってくるところなので、ぜひ横串を入れて協調していただきたいなと思います。
 また、1点だけ質問ですけれども、JHFについては社会的役割をしっかりというところが、留意事項として「民間金融機関では支援が届いていない部分の商品化」という部分に盛り込まれていると思うのですが、報道で、運用資金が110億円過大だったという会計検査院報告の指摘があったようで、ビジネス環境が変わってきている中で、丼勘定になってしまっているのではないかという印象を持ちましたので、この辺の経緯を御存じであれば教えていただければなと思います。
 私からは以上です。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。前半部分については、まさにJHFが典型ですけれども、一体この法人が何をやるのだというような社会的役割について、職員も含めて議論したり、あるいはトップからメッセージを発したりということをかなり一生懸命なさっているという意味で、我々としてもこうした取組を横展開できていくと良いなと思います。
 後者、報道も一部ありましたけれども、荒木管理官、何かコメントございますか。
【荒木管理官】  ありがとうございます。これまで国土交通省から説明を受けている内容を申し上げたいと思います。
 先週17日でございましたけれども、会計検査院からJHFに対して、機構には様々な勘定ございますが、このうち住宅融資保険勘定につきまして出資金の規模を見直すように指摘があったと。この保険勘定といいますのは、民間金融機関が、それぞれの契約者、住宅ローンのユーザーにお金を貸し出したものについて、JHFが保険を受けるというものでございます。その出資金についてですけれども、大分前にはなりますが、平成21年の経済対策で実施した保険料率引下げに必要な費用を運用益で賄うために措置されたものでございます。
 機構におきましては、関係部署の連携をより密にしまして、毎年度出資金の規模を検証する体制を構築して、事業実施に必要な運用益を確実に得られることを確認できたら、その段階で国庫納付などの必要な措置を講ずるということが機構からの国土交通省への報告ということでございます。国土交通省といたしましても会計検査院の指摘を踏まえた対応を求めているということでありまして、しっかりと今後もフォローアップしていくという説明を受けてございます。
 以上、御報告します。
【原田評価部会長】  島本委員、よろしいですか。
【島本委員】  ありがとうございます。分かりましたというか、ちょっと複雑でしたが、やはりモチベーションの問題が背後にあるのではないかと拝察しますので、新しいビジネスモデルをしっかりクリアにして、それに取り組んでいただきたいなというのが私の感想です。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 では、河合専門委員、どうぞ。
【河合専門委員】  ありがとうございます。論点に関しましては、特に意見ございません。非常にうまくおまとめいただいたと思います。
 先ほどほかの委員からもコメントがあった人材確保・育成についてですが、今回AMEDの論点で、「キャリアパスなどの効果的な発信」という文言が含まれておりますけれども、これはほかの法人にも当てはまるイシューだと思います。そのため、発信の仕方という観点から良いグッドプラクティスがあれば、委員会を通じて法人間で情報共有を今後していく必要性があるのではないかと思っております。
 恐らくキャリアパスのあり方に関しては、法人ごとに大きく異なってくるかと思うのですが、発信の仕方というところであれば、法人間で共有できるのではないかと思います。例えば産総研のホームページを拝見すると、採用者向けに関しては非常に充実したキャリアパスに関する情報が紹介されています。こういったキャリアパスの情報発信を、採用された後の職員に対してもきっちり人事担当が行うことが、職員のモチベーションを維持する観点でも非常に重要であると思いますので、その辺りの取組に関して何かグッドプラクティスがあれば委員会からも情報発信するということを事務局で御検討いただければと思います。
 それから、これもAMEDの論点の文言に入っている「公的組織ならではの魅力、業務を通じて得られる経験・能力」の発信に関してですが、これは非常に重要でありながら難しい部分であると理解をしております。そもそも公務員自体の人気が落ちている中、公的組織ならではの魅力や業務を通じて得られる経験・能力を独法としてどのように整理し、発信すればよいのかということ自体が課題ではないかと思っております。この点についても分かりやすく情報発信をしている法人の例があれば、グッドプラクティスとして情報共有していくことが重要になってくるのではないかと思いました。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。7法人のみならず、今後のグッドプラクティスの共有について、先ほど栗原委員の発言もございましたけれども、今回また河合専門委員からも御提言がございました。谷口管理官、いかがでございましょう。実際に採用された後のキャリアパスについて、非常に特徴的な取組があれば横展開していく、そういう取組をシェアしていく、そうしたことが考えられるのではないかというお話でしたが。
【谷口管理官】  事務局の谷口でございます。具体的な事例も踏まえて、貴重な御意見ありがとうございます。先ほど栗原委員からもいただきました人材の雇用の仕方、そういったものも含めた人材の話は、最近、全ての法人にとって重要な問題でございますので、今回指摘した事項についての今後の取組、こちらもフォローアップしながら、ほかの法人に参考にできるような事例であれば、ぜひとも委員会でも取りまとめて横展開していきたいと思っております。
【河合専門委員】  ありがとうございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。JAXAではアルムナイの取組、これも非常に興味深い取組ですので、今回はそうした幾つか非常に興味深い、広い意味でのキャリアパスについての事例が得られたのではないかと思います。
 大体一通り皆様方から御意見いただきました。事務局から説明いただいた論点であるとか、本日委員の方々から頂戴いたしました内容を踏まえて、引き続き、次期目標の策定等に向けて調査審議を進めてまいりたいと存じます。ありがとうございました。
 第1点目の議題は以上にいたしまして、議題2の「中期目標の変更について」、審議を行います。事務局から御説明お願いいたします。
【渡邉管理官】  それでは、経済産業省担当の渡邉でございます。工業所有権情報・研修館(INPIT)の中期目標の変更について御説明をさせていただきます。
 最初に背景・必要性について、INPITの目的は、発明、実用新案、意匠及び商標に関する公報、審査及び審判に関する文献その他の工業所有権に関する情報の収集、整理及び提供に加えまして、特許庁の職員等に対する研修を行うことによりまして、工業所有権の保護及び利用の促進を図ることとしてございます。
 本年6月に、「戦略的国内投資の拡大」と、「国内投資拡大に繋がるイノベーション及び新陳代謝の促進」の取組強化のため、産業競争力強化法と独立行政法人工業所有権情報・研修館法が改正されまして、中小企業・スタートアップの知財経営支援の中核機関としてINPITの機能強化を図るため、目的に、中小企業者等に対する助言・助成が明記されたところでございます。また、業務の範囲に、中小企業者等に対する助言・助成、「特定新需要開拓事業者」に対する助言、「特定中堅企業者のうち事業再編計画の認定を受けた者」に対する助言・助成が追加されたところでございます。
 次に、追加業務の概要についてです。中小企業者等に対する助言として、中小企業や大学等を対象としたビジネスモデル診断から知財戦略構築までの伴走支援などを引き続き行うこととしてございます。また、これらの助言業務に関する助成を行うこととしてございます。
 次に、「特定新需要開拓事業者」に対する助言といたしまして、産業競争力強化法におきまして、企業と大学等が共同で実施する研究開発について、標準化や知財を一体的に活用したオープン&クローズ戦略の策定・活用を促進するための特定新需要開拓事業計画の認定制度等が創設され、この制度により認定された企業や大学等の活動に対して知財の観点から助言を行うこととしてございます。
 次に、「特定中堅企業者」に対する助言といたしまして、特定中堅企業者に対して、知財を保有する企業がM&Aを行う際の知財のデューデリジェンスなど、経営上の知財の活用方途も含めたプッシュ型の助言を行うこととしてございます。また、これらの助言業務に関する助成を行うこととしてございます。
 最後に、中期目標の主な変更内容について、目的追加に関しましては、現行中期目標中の「法人の使命」の部分及び「政策を取り巻く環境の変化」の部分に、その内容と経緯を追記してございます。
 追加業務のうち助言業務に関しましては、伴走支援と知財経営成功事例の創出及び大学等の研究開発成果の社会実装等に向けた知財戦略策定等の支援に変更の業務を追加してございます。一部現在実施中の助言業務については、助言を明示する対応としてございます。
 また、助成業務に関してです。工業所有権の保護及び利用を図るための助成の事項を新設してございます。さらに、追記、新設等に合わせて関連の指標を追加してございます。
 なお、助成業務に必要となる経費を現在、経済産業省におきまして予算要求中でございまして、その規模や詳細を関係省庁と調整中でございますため、これらが確定後、改めて定量的な指標の追加を検討すると、そのように伺ってございます。
 御説明は以上でございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 では、国土交通省所管2法人につきまして、荒木管理官からお願いいたします。
【荒木管理官】  ありがとうございます。
 まずは水資源機構です。水資源機構は、ダム施設の維持管理や水の安定供給の確保を図ることを目的として、平成15年に設立されております。今般、昭和44年度から着手されている栃木県の思川開発事業につきまして、導水路や送水路の工事において地質の条件を変更するということに伴いまして、事業の工期が17か月延びるということで、この8月に事業実施計画が変更認可を受けております。よって中期目標の変更を行うものです。
 続きまして、思川開発事業の概要・変更内容について、思川は栃木県を流れる利根川水系の一級河川です。その上流にあります南摩川に南摩ダムを建設します。この地域では近年も洪水被害が発生しておりまして、洪水対策を実施する必要性が高いということで、この事業を実施してございます。今回、想定外でありました地質の影響によりまして、地盤改良などの対策が必要になったことを踏まえまして、工期が令和6年度から令和8年度完成ということで延長されることになります。事業費につきましても2,050億円から2,100億円に増加となることを含みます事業実施計画の変更が認可されてございます。
 では、中期目標の変更について、ダムなどの建設業務におきましては、中期目標の期間中に完成が見込まれるものは定量目標に記載をしておりますが、それ以外のものは指標というカテゴリーに位置づけております。今回の計画変更によりまして、この事業は工事完成が次期中期目標の期間中となりましたので、指標に思川の関係の位置づけを変更するということが修正内容となります。
 水資源機構についての説明は以上です。
 続きまして、JHFについてです。この通常国会におきまして、「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律」が成立いたしまして、令和6年6月5日に公布されています。これによりまして、JHFに新たな業務としてリ・バース60の全期間固定金利タイプが追加されることになりましたので、目標を変更します。
 続きまして追加事業の概要について、まず、リ・バース60については、住宅資金の借入れ申込み時点で満60歳以上の方が利用可能です。元本返済は不要であります。毎月利息だけを支払っていただく仕組みです。契約者が死亡した後に、この担保の物件を売却するなどしまして借入れを一括返済する商品です。現行のリ・バース60は変動金利のタイプだけでございますが、高齢者の方々のニーズとしましては、固定金利でリ・バース60を利用したいというニーズがとても多いというアンケートの結果を受けまして、今回の法改正により、全期間固定金利で対応するタイプが作られたところです。この申請の開始は年度内を予定しているということです。
 なお、これまでのリ・バース60では、住宅融資保険事業での取扱いということで、金融機関が自ら資金調達を行うということで、変動金利で提供されておりましたが、今回証券化支援事業の対象に追加することによりまして、フラット35と同様に、金融機関の債権をJHFが買い取って証券化することによりまして、利用者の方に固定金利で提供が可能となります。
 続きまして中期目標の変更箇所について、証券化支援事業の部分に、既存のリ・バース60の目標に記載しているものと同様の記載を追記するということにしてございます。
 説明は以上です。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。ただいまの事務局の説明について御質問・御意見ございましたら、どなたからでも結構ですので御発言をお願いいたします。なお、毎回申し上げておりますけれども、評価部会の議論といたしましては、政策内容そのものの是非というよりは、御説明があった政策内容に照らして目標が適切に変更されているのか、あるいは指標が適切に改めて設定されているのかということを中心に議論をお願いしたいと存じます。いかがでございましょうか。
 天野委員、どうぞ。
【天野委員】  ありがとうございます。今の原田評価部会長の趣旨を十分理解しているつもりです。INPITについて、昨年度、INPITの中期目標期間終了時に次期目標の策定等に向けた議論をした際には、特に日本の中小企業の知財を海外展開するというところでいろいろお手伝いしていただいているということだったのですけれども、例えば特許を海外で特許化するまでの支援で、それを使ってどのようなビジネスモデルに育てるかということに関しては支援していないというお話だったかと思います。今回、ビジネスモデルに対しての実行の助成や伴走というキーワードが入ったのは非常に大きいと思うのですが、具体的にどのようなイメージなのか、教えていただきたいというのが1点目です。
【原田評価部会長】  渡邉管理官、いかがでしょうか。
【渡邉管理官】  ありがとうございます。御指摘の点でございますけれども、まず今回の目標変更は、先ほど御説明申し上げました今年の通常国会で産業競争力強化法の改正法案が可決成立したことを受けてということでございます。そして、今御指摘のあった知財の関係でございますが、やはり今回の改正の中でも知財の関係が非常に重要な要素の一つになってございます。例えば事業者においてオープン&クローズ戦略がないというこれまでの現状を見ると、事業者の方々が様々な事業を展開する際に、やはりどこまでオープンにして、どこまでを知財として囲うのかという戦略がなかったがゆえに、知財化が遅れて他国に後れを取ったというような事例があったことを踏まえて、今回、特定新需要開拓事業活動というものが法律上措置されたということでございます。
 そして、知財を取るまででおしまいということではなくて、まさにそうした形で、いかにしてどこまでを知財として守り、どこまでを出していくのかという戦略に対する助言ということですので、どういう考え方で事業者の方々が戦っていくのかというところを、まさに助言を含めた伴走支援をするという趣旨でございます。まさに御指摘を踏まえて、しっかりやっていただけるものと我々としては考えているところでございます。
【天野委員】  ありがとうございます。ぜひその辺をしっかり見ていってください。やはり知財化して、それから先、どうお金を稼ぐかというところが非常に難しい問題であり、一番重要だと思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 もう1点あるのですが、よろしいでしょうか。
【原田評価部会長】  はい。
【天野委員】  水資源機構について、日本の国土はプレートの境界でひび割れだらけで、ダムが今まで造ったところでも満水になるというのはごく僅かであり、最近は土砂災害で埋まってしまっているところも多くあります。こうした状況を踏まえると、ダムの再生事業がこれからとても重要になると思います。
 造ったダムを生かすためにも、これまでに造ったダムについては、たまった土砂を吐き出して、何とかダムとしての効果を出し、再生していただきたいと思います。ただし、土砂というのは重金属から下に沈みますので、たまっている土砂を吐き出すと、河川汚染が生じ、河川の漁業権問題に影響してしまうと思います。
 そのため、これからは水資源機構だけでは大変だと思いますので、環境省や農林水産省と連携してしっかりと、国全体として支援をしながら水資源機構の目標達成に向けて、見ていただきたいと思います。よろしくお願いします。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。今御指摘の点は、この目標変更案そのものというよりは、もう少し幅広の御意見だと伺いました。ぜひ事務局におかれましては、目標変更案の本件について何らかの伝達、情報交換をする際に、今の天野委員の意見をお伝えくださると幸いです。よろしゅうございますか。
【渡邉管理官】  ありがとうございます。しっかりとお伝えしたいと思います。
【天野委員】  よろしくお願いします。
【原田評価部会長】  では、高橋委員、どうぞ。
【高橋委員】  ありがとうございます。INPITについて、今後やるべき業務を再確認するための文言の確認です。
 細かいことなのですが、変更する中期目標の「IIIの国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する事項」のうち、1.の(2)に、現行の目標では、知財戦略構築まで伴走支援を行うとされていますが、変更案では「助言する伴走支援」とされており、助言というアクションがよりクリアに明示されているという変更の方向性かと理解いたしました。
 やはり目標にきちんと規定されるべき業務だと思いますので、今、天野委員が御指摘くださった、知財の取得だけではなく、それを使っていくというところに対する、ある種活動領域の広がりをこの文言で示しているのかというところが、表面的に捉えると、「支援」という言葉が「助言」となっており、文言の使い方に疑問を感じました。
 この文言の使い方について少し御説明いただくことは可能でしょうか。趣旨、方向性に関しては理解しております。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。先ほどもちらっとございましたけれども、恐らくは伴走支援の中に、いわゆる助言的な役割が含まれるかどうかが分からないので、より明示したいということもあるのではないかと思ったのですが、事務局いかがでしょうか。
【渡邉管理官】  経済産業省担当の渡邉でございます。御指摘ありがとうございます。また、原田評価部会長からも補足いただきましてありがとうございます。
 まさにそういう趣旨でございまして、INPITは様々な相談受付をはじめとした伴走支援を現在やってございますが、今回の法改正も受けて、助言業務が法律にもきちんと規定をされましたので、そこの部分をしっかり明確化するという趣旨で今回入ったということでございます。
 また先ほどいただいた御指摘について、知財を取っておしまいということではなくて、その後の部分の支援も含めてきちんと読み込めるのかという御指摘だと理解しましたけれども、そちらの部分に関しましては、もちろん助言の部分でもそうでございますが、今回の法改正を受けて、「オープン&クローズ戦略の策定に関し知財活用の観点から助言を行う」ということで、個別具体論のところでもしっかり今回目標に明記をしていただいたということでございますので、そうしたことも含めて総合的にしっかり読み込めるのではないかと考えているところでございます。
【高橋委員】  趣旨はそうではないという点は理解しておりますが、そうすると、一般的には支援が上位概念で、その一つのアクションとしての助言だと思ってしまっておりましたが、この「助言」という言葉によって期待される活動が全て包含されているというように読めるということですよね。
【原田評価部会長】  そうですね。
【高橋委員】  分かりました。「助言とは」というような、定義というのが別途何かあるのでしょうか。
【渡邉管理官】  すみません、1点補足させていただきますと、助言というのは非常に重要な取組で、今回の法改正を受けて明示をさせていただいたということと、当然ながら、伴走支援というのは非常に幅広い概念でもございまして、助言もそこの中に含まれ得るものでございますが、そこをしっかり明示したということでございます。それ以外の様々な取組は伴走支援という中にも包含されてございますので、助言と伴走支援という部分に関しては、そうしたことも読めるような形で特出しをしつつ、より広い概念の伴走支援というところは当然これまでと同様に規定を残しているということでございます。
【原田評価部会長】  本件は、私にお任せいただきたいのですが、例えば、「助言するなど」というように例示として特出しをするということで、より明確にすることもできるのではないかと思います。この点、私に御一任をお願いできませんでしょうか。助言という文言が法律上明示されたため、目標においても明示をしたいということですが、この文言については、私にお任せいただきたいと思います。渡邉管理官、よろしゅうございますか。
【渡邉管理官】  ありがとうございます。御指摘を踏まえて、経済産業省に趣旨の確認等したいと思いますので、それでよろしくお願いいたします。
【天野委員】  一言だけよろしいでしょうか。
【原田評価部会長】  どうぞ。
【天野委員】  INPITの次期中期目標の策定に向けた議論の際にも改めて見ていただきたいなと思います、よろしくお願いします。
【高橋委員】  問題意識の前提は、INPITはどうしても、中小企業の当事者ではないことから、理想的なことを言うけれども、結局現実では実施できないことであるという、非常に大きな実務者の声があるため、今回御議論いただいた委員方の意思がきちんと伝わるようにという発想からですので、決して文言にこだわるつもりはないです。御趣旨は理解しております。
 以上です。原田評価部会長、よろしくお願いいたします。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 では、島本委員、どうぞ。
【島本委員】  ありがとうございます。
 JHFの中期目標変更について、これは目標変更そのものへの意見ではないですけども、感想を1つ申し上げさせていただきますと、住宅ローンのサービスは民間でもできるので、独法ならではの役割という点が大事なのだと思います。
 今回、固定で高齢者向けの住宅支援をするという、目標変更の目的や方向性は、社会的役割を強化するということでポジティブなのですが、少し心配しているのが、債券を発行して投資家が買うという部分で、今までデフレ下で金利が下がり長期の固定の運用ニーズが高いときに、ある意味で証券化ブームが大きくなり、証券化事業は非常に収益性が高かったのが、これからは長期固定の運用ニーズというのが出てこないので、恐らくそうした傾向にならないと思います。そのため事業としては、いろいろな模索をされると思うのですが、今までのこの証券化事業のブームがあったので、この収益性を確保したいという観点よりは、こうしたスキームを通じてどうやって社会的役割を担っていくかというところをぜひ大事にしていただきたいなという感想を持ちました。
 以上です。
【原田評価部会長】  ありがとうございます。荒木管理官、いかがでしょうか。
【荒木管理官】  どうもありがとうございます。高齢者の方々がいかに安心して生活できるのか、固定金利でリ・バース60を使うことも含めて、そのような形を通じまして世の中のためになっていく、社会的役割をしっかりとJHFが果たしていくということだと思いますので、島本委員から承りました御指摘も含めて、国土交通省と引き続きよくお話をしていきたいと思います。
【島本委員】  よろしくお願いします。
【原田評価部会長】  ありがとうございました。
 では、INPITについてはお任せいただきたいと思いますが、それ以外については原案どおりでよろしいということかと思います。
 私から最後に、荒木管理官にJHFについて少しお尋ねしたいのですが、JHFは今年度で目標期間が終了するわけですが、その最終年度の途中に目標が追加されて、これを実際に運用開始していくということに関連する指標というのはございますか。
【荒木管理官】  結論から申し上げますと、具体の目標につきましては、次期中期目標に合わせて設定をしていくということでございます。この法律が先般改正されまして、施行もされてございますので、リ・バース60の固定金利タイプの事業といいますか商品の世の中への提供は、今年度中に行いたいということで、目標の変更を今回行い、実際の個別の定量目標については次期中期目標からということで対応させていただければと考えてございます。
【原田評価部会長】  ありがとうございます。今の点を踏まえて次期中期目標を見ていく必要があるのではないかと思いました。
 では、以上をもちまして、議論した結果でございますけれども、INPIT以外の事柄については意見なしということで取りまとめをさせていただきます。事後の処理につきましては、INPITについては私に、それ以外については事務局に一任をお願いいたします。ありがとうございました。
 それでは、議題3の「独立行政法人の令和5年度業務の実績に係る評価等の結果の点検状況について」、審議を行います。本議題につきましては、委員間での自由闊達な意見交換のため、会議及び資料は非公開といたします。傍聴者への中継はここまでとさせていただきます。
 
 
※ 議題3については、独立行政法人評価制度委員会運営規則第6条第1項の規定による読替え後の第4条第2項の規定に基づき、議事録は非公開といたします。
 
 
(以上)

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