総務省トップ > 広報・報道 > 大臣会見・発言等 > 石田総務大臣閣議後記者会見の概要(平成31年3月8日)

会見発言記事

石田総務大臣閣議後記者会見の概要

平成31年3月8日

冒頭発言

 おはようございます。
 私から5点ございます。
 
【東日本大震災8周年】
 
 まず1点目は、来週11日に、東日本大震災の発生から8年を迎えます。
 ここに改めて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された方々に、心からお見舞い差し上げます。
 私自身、1月に福島県庁で内堀知事と会談をした後、南相馬市、浪江町、大熊町を訪問いたしましたが、復興に向けて取り組んでいる方々の姿を拝見いたしまして、発災後の約8年間のご苦労を感じた次第であります。被災地は、復興に向けての第一歩を踏み出した状態だと改めて感じました。
 今後とも「閣僚全員が復興大臣」との強い思いの下、総務省としては、被災地の復興に向けてしっかりと取組んでまいりたいと思います。
 
 
緊急消防援助隊の編成等に関する基本計画の改定
 
 次に、本日、緊急消防援助隊の編成等に関する基本計画を改定いたしましたので、発表いたします。
 改定の主なポイントについてですが、まず、南海トラフ地震などへの対応力の強化のため、目標とする部隊を6,000隊から6,600隊に増隊し、そのための車両などの整備を拡充します。
 また、今回の増隊と車両整備によりまして、大規模水害に特化した救助部隊や、化学剤によるテロ災害に対応した専門部隊をそれぞれ創設することといたします。
 これらによりまして、緊急消防援助隊の一層の充実強化を図ることといたしております。
 詳細については、担当にお問い合わせいただきたいと思います。
 
 
【ゆうちょ銀行の預入限度額の見直しに係る郵政民営化法施行令の一部改正】
 
 3点目は、本日、「郵政民営化法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定しました。
 現在、通常貯金と定期性貯金を合算して1,300万円までとなっている預入限度額を、それぞれ1,300万円までに見直すものでございまして、本政令は4月1日に施行します。
 これによりまして、利用者利便が一層向上するものと期待しております。
 詳細については、担当にお問い合わせいただきたいと思います。
 
 
家計調査結果
 
 4点目、本日の閣議におきまして、家計調査結果について報告をしました。そのポイントを説明いたします。
 全国二人以上世帯の1月の消費支出は、一年前に比べて、変動調整値で名目2.2%の増加、実質2.0%の増加となりました。
 電気代などの「光熱・水道」などが実質減少となった一方で、リフォーム関係を含む住居の「設備修繕・維持」や「自動車等関係費」などが実質増加となりました。
 一年前と比べた世帯の消費支出は、前月に続いて、名目、実質ともに増加となっており、持ち直しの動きが見られます。
 詳細は、統計局にお問い合わせいただきたいと思います。
 
 
厚生労働省の賃金構造基本統計調査に関する調査・検証の結果(1)】
 
 5点目でございますけれども、先月から行政評価局のプロジェクトチームにより取組んでおりました、厚生労働省の賃金構造基本統計調査に関する調査・検証の結果を、本日緊急報告として取りまとめるに至りました。
 本調査においては、今年1月の基幹統計の点検の際の対応を中心とした仕事のやり方を検証してきたところでございますが、この間の調査におきまして、一連の問題の背景には、遵法意識の欠如、事なかれ主義の蔓延、組織内のコミュニケーション不足といった問題があることが明らかになりました。
 報告書においては、こうしたガバナンス面の問題に対して、再発防止に向けた論点を提示させていただきました。
 厚生労働省は、今回の調査結果を踏まえ、しっかりと再発防止策を講じていただきたいと考えております。
 報告書の詳細については、後ほど事務方から説明いたします。
 
 以上です。
 

質疑応答


厚生労働省の特別監察委員会の追加報告書に対する統計委員会の意見書

問:
 まず、先日の統計委員会で、厚生労働省の特別監察委員会の追加報告書について、統計技術的な観点から3点で十分な報告がされていないという意見書が出されまして、これを統計委員会全体の意見とすることでまとまりました。不正調査を始めた際の経緯の分析などが足りないため、再発防止を考える情報が著しく不足しているという、かなり深刻な指摘になっていると思いますが、これについて、まず大臣の所感をお願いします。
答:
 統計委員会は、統計の品質確保のために、統計技術的・学術的な観点から、本件の検証を行っているものと承知をいたしております。
 一方、特別監察委員会は、毎月勤労統計調査の不適切な事務処理の事実関係を明らかにするために報告書を取りまとめたものと伺っております。
 従って、毎月勤労統計調査の改善のため、特別監察委員会の追加報告書の対象となっていない事項について、統計委員会が厚生労働省に情報提供を求めることは当然ありうることでございまして、追加報告書の内容を批判することを趣旨するとものではないと承知いたしております。
 実際、委員会終了後の西村委員長の「ぶら下がり(会見)」でも、このような趣旨の発言があったと聞いております。
 なお、統計委員会で合意された3点の情報提供要請につきまして、厚生労働省に対して、具体の要請が本日中にも行われる予定と聞いております。
 統計委員会は、先ほども言いましたけれども、統計技術的・学術的な観点からですけれども、片一方は、監察委員会というだけに監察に重きを置かれているのではないか。そのへんの違いではないかと思います。
問:
 引き続き同じお話なんですけれども、意見書の中でまさに、確かに大臣おっしゃられるとおり、統計技術的・学術的というふうに冠はつけているんですけれども、私が特に気になったのは、再発防止策は適切かという問いかけの中で、特別監察委員会に対して、事案の重大性に対する認識が不足しているという疑問を投げかけていることだと思います。これは要するに、調査に対する姿勢そのものにかなり問題提起したものだと思っていますが、こういう問いかけに対して厚労省はどういうふうに答えるべきなのでしょうか。
答:
 3月6日の統計委員会に提出された意見書は、毎月勤労統計調査の今後の改善に向けて、統計技術的・学術的観点から検討するために必要とされる情報でありまして、2月27日に公表された追加報告書に掲載されていない情報について、厚生労働省に情報提供を求める内容になっている、このように承知をいたしております。
 統計委員会では、本指摘を含めた意見書の3点の情報提供要請について合意が得られたことから、委員長の指示に基づきまして、統計技術的・学術的観点から再発防止のための検討に資する情報などの提供要請が、先ほども申し上げましたけれども、本日中にも厚生労働省へ行われる予定と聞いております。
 厚生労働省には、今回要請された情報について、統計委員会にきちんと提供していただきたいと考えております。

ゆうちょ銀行の預入限度額の引上げ(1)

問:
 ゆうちょ銀行の限度額ですけれども、本日の閣議決定で、4月1日から限度額が倍増することが決定されたということなんですけれども、利用者の利便性が高まる一方で、いまだに民間の金融機関からは預金の流出への警戒感が強いままなんですけれども、これについて大臣の見解をお伺いします。
答:
 今回のゆうちょ銀行の限度額の改正は、過去に限度額を引き上げてからこれまでの間、預金のシフトが発生していないという「エビデンス」を踏まえたものでございます。
 ただし、昨年12月の郵政民営化委員会の意見には、金融業界の懸念の声に対しまして、貯金獲得等に関する一定の要求事項が付されておりまして、これについては、日本郵政グループにおいてしっかりと取組んでいただきたいと考えています。

東日本大震災の復興・創生期間終了後の地方財政措置

問:
 東日本大震災に関してお伺いします。発生からまもなく8年ということで、政府は発生から10年の間を復興期間と位置づけている中で、被災地の自治体としては、その後の息の長い財政支援を求めています。復興期間終了後の、自治体の財政支援の在り方について大臣のお考えをお聞かせください。
答:
 先ほども申し上げましたけれども、総務省として、被災地の復興に向けてしっかりと支援していきたいと思っておりまして、被災団体への財政支援について、総務省として、復旧・復興事業に係る地方負担分などに対しまして、震災復興特別交付税による措置を講じておりまして、復興を進める上で大きな役割を果たしていると認識いたしております。
 「復興・創生期間」において、引き続きこの制度による支援を行ってまいりたいと思っておりまして、ご指摘の「復興・創生期間」後における復興を支える仕組みにつきましては、今後、被災団体の要望などを踏まえまして、政府全体で検討を進めていくこととされておりますが、震災復興特別交付税を含めた財政支援の在り方についても、関係省庁とも連携しつつ、しっかりと検討してまいりたいと思います。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査に関する調査・検証の結果(2)

問:
 賃金構造基本統計の先ほどのお話があった緊急の報告についてですけれども、先日、毎月勤労統計に関する厚生労働省の特別監察委員会の報告書のほうでも、厚生労働省に対して甚だしい職務怠慢であるという厳しい指摘があったわけですけれども、そういう意味では今回の総務省の行政評価局の報告書においても、厚生労働省の姿勢を厳しく批判する内容になるということで、この件に関して大臣の受け止めをお願いできますでしょうか。
答:
 後ほど事務局から説明させていただきますけれども、今回の調査によりまして、賃金構造基本統計調査の問題の背景には、厚生労働省の関係部局における遵法意識の欠如、事なかれ主義の蔓延、組織内コミュニケーション不足といった問題が明らかになったと思っております。
 また、検証を踏まえまして、本報告書では、今後厚生労働省は賃金構造基本統計調査という、製品のメーカーとしての責任を果たすという観点から、組織と運用を見直し、ガバナンスを高めていくことが必要であること。調査環境の悪化と、予算、人員の限界という課題を認識し、調査の実施方法、体制について必要な措置を講じる必要があることを指摘したところでございまして、今後は厚生労働省において、今回の調査結果や統計委員会の議論を踏まえて万全の再発防止策を講じていただきたいと考えております。

クールジャパンの推進に関する政策評価

問:
 昨年、行政評価局から報道発表された、クールジャパンの推進に関する政策評価の調査の一部で、本来総務大臣の承認が必要な一般統計調査が大臣承認を受けておらず、統計法違反に当たることが取材で分かりました。このことは、2年前にコンプライアンス室から指摘があったとのことなんですが、見直しや処分がなく、政策評価にそのまま使われたとのことです。大臣の受け止めと、今後の対応について教えてください。
答:
 本調査は、クールジャパン関連施策等について、総体としてどの程度効果を上げているかなどの総合的な観点から評価する際に、実地調査や既存のデータを補うために、平成28年に実施したものでございまして、当初、国民や事業者の意識を把握することを主目的に考えていたために、統計調査に該当しないものと思い込んで企画を練っていったところでございます。
 ところが、その過程で統計調査の性格を具備するに至っていたにもかかわらず、そのことに気づかなかったということでございまして、誠に遺憾ながら、統計法所定の承認をうる手続きを怠る結果となったということでございます。
 ご指摘がありましたように、調査実施後、平成29年2月に当省コンプライアンス室からの指摘を受けまして、統計基準部局に相談したところでございますけれども、調査実施後であり、事後に承認を受けることは困難であったということでございます。
 法令を遵守すべき行政機関におきましてこのようなこととなったのは甚だ遺憾であり、行政評価局においては、この事案の顛末に係る認識を共有し、改めて統計法に基づく承認申請手続き等を周知徹底するなど、再発防止策を講じたところでございます。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査に関する調査・検証の結果(3)

問:
 賃金構造基本統計の報告書についてなんですけれども、総務省が今回調査することになりましたけれども、やはり同じ政府内であることから、第三者的視点が十分なのかという指摘があったと思いますが、そういった意味では、今回の調査について十分な第三者的視点からできたのかどうか、そのへんの大臣の評価をお聞かせください。
答:
 年金の時も、行政評価局がやりました。行政評価局自体がそういうことをきちっとやるところでありますから、そしてその結果として、今回の賃金構造基本統計の問題について、関係者の認識や行動、仕事のやり方の問題等が大要を把握できたと考えておりまして、今後これをもとに、厚生労働省で再発防止策を万全に講じていただきたいと思っています。

ゆうちょ銀行の預入限度額の引上げ(2)

問:
 ゆうちょ銀行の引き上げについてなんですけれども、野田大臣の頃からずっと長きにわたって検討されてきて、ようやく政令の改正にこぎつけたということで、ちょっと長いステップだったと思うんですけれども、民営化のワンステップなのに、このように時間がかかったことについてどのようにお考えでしょうか。
答:
 これは私も自民党の中で、メンバーで議論してきましたけれども、色々な関係の方もおられます。そういう方々の意見もお伺いしながら、先ほども申し上げましたけれども、1つ1つエビデンスとか、そういうことに基づいてやっていく。そういう中ではやむを得なかったのかなと感じております。

問:
 ほかにありますか。なければ終わりにします。
答:
 どうもありがとうございました。
大臣の動画はこちら(YouTube)別ウィンドウで開きます

ページトップへ戻る