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会見発言記事

武田総務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年11月27日

冒頭発言

  おはようございます。

【途上国へのタブレット寄贈】

  国際協力プロジェクトについて発表します。
  コロナ禍で、各国で外出制限が続く中、デジタルを活用した教育や医療の重要性が高まっております。
  このような中、株式会社ビデオリサーチ社と電気通信大学の御厚意で、1万8,000台のリユースのタブレット端末を複数の途上国に寄贈することとなりました。現地での教育や医療のプロジェクトに、このタブレット端末を活用していただきます。
  また、本日午後、ルワンダ共和国へのタブレット端末4,000台の寄贈を記念して、ルワムキョ駐日ルワンダ大使に対して贈呈式を行います。
  現地においては、小学生へのプログラミング教育、家庭学習等に活用される予定と伺っております。
  総務省としては、今後とも、産学官共同で途上国でのデジタル活用のために取り組んでまいります。
  詳細は、国際戦略局国際協力課にお聞きください。


「Beyond 5G 新経営戦略センター」の立ち上げ別ウィンドウで開きます

  5Gの次の世代の移動通信システムである「Beyond 5G」は、2030年頃の実用化が見込まれており、国民生活や経済活動を支える社会基盤となるものであります。
  総務省では、令和2年6月に公表した「Beyond 5G推進戦略」に基づき、関連技術の国際標準化や知財の取得を戦略的に推進することを目的として、このたび「Beyond 5G新経営戦略センター」を設立することといたしました。
  東京大学の森川博之教授及び柳川範之教授のお二人に共同センター長をお務めいただくこととしており、技術及び経済の両面から産学官におけるグローバルかつ戦略的な知財・標準化活動を強力に推進してまいります。
  また、12月10日には「キックオフシンポジウム」を開催し、同センターへの参加を幅広く呼びかけることとしております。
  なお、本センターの立上げは、Beyond 5G推進戦略の産学官連携による推進母体となる「Beyond 5G推進コンソーシアム」と合わせ、年内を予定しています。
  詳細につきましては、国際戦略局通信規格課にお尋ねいただきたいと思います。


「インターネットトラヒック研究会」の開催別ウィンドウで開きます

  総務省では「新たな日常」において依存度が高まるインターネットのトラフィックに関して、インターネット経路上の諸課題を洗い出し、その安定的なサービス、品質確保に向けて必要となる取組の検討を行うため、新たな研究会を12月1日に立ち上げることとなりました。
  本研究会では、来年夏頃を目途として、総務省や通信事業者等における今後の対応策を取りまとめたロードマップの策定に取り組んでまいります。
  詳細については、総合通信基盤局データ通信課にお尋ねください。


【「QRコード付き交付申請書」の送付開始】

  マイナンバーカードのQRコード付き交付申請書の送付開始についてであります。
  マイナンバーカードの申請促進のため、7月に閣議決定された骨太の方針を踏まえ、まだカードをお持ちでない方へ、オンライン申請が可能なQRコード付き交付申請書の送付を順次開始いたします。
  市区町村ごとに対象者への送付スケジュールを調整し、令和3年3月までに順次送付を行う予定であり、まずは、明日28日から先行的に、東京都文京区、兵庫県神戸市、熊本県熊本市、宮崎県宮崎市及び延岡市への送付を開始いたします。
  赤い円の中にあるQRコードをスマートフォンなどで読み取っていただき、オンラインで確実に申請ができます。
  紙の申請書と返信用の封筒も同封しておりますので、切手なしでの郵送申請も可能となってまいります。
  マイナンバーカードの交付枚数は、11月25日現在で2,900万枚に達しました。このQRコード付き交付申請書の送付を通じて、マイナンバーカードの普及を更に加速してまいりたいと考えております。
  担当は、自治行政局住民制度課であります。

  私の方からは、今日は以上であります。

 

質疑応答

携帯電話料金の引き下げ(1)

問:
 携帯電話の値下げに関してです。大臣が先週金曜日に発言されたことに対しまして、KDDIの社長が複数の新聞で、すぐには値下げには応じられないという趣旨の発言をされています。こうした発言への受け止めと、先週金曜日の発言を含めて、携帯大手にどんなことを要望されているのか、可能な範囲でもう少し具体的に教えていただければと思います。
答:
 個別企業のコメントに関して、私の方からコメントは差し控えたいところでありますけれども、指摘された記事、私も読ませていただきました。非常にがっかりしました。我々が、なぜメインブランドの料金値下げに触れたのかを、もう少し理解していただきたいと思っております。
 サブブランドにおいて、低廉なプランを用意した。この選択肢の広がりに対して、私は一定の評価をいたしました。
 しかし、一向に、ここに皆さんが移ろうとしない。それはなぜなのかを多くの方々から意見を聞いたり調べたりしましたら、そこの間に大きな壁があったんです。
 それは何かといえば、我々が再三指摘した「囲い込み策」、「ハードル」が存在したわけであります。要するに、同じ事業者でありながら、例えば、メインからサブに移る時には、多くの手続がいるんです。そして、その間には手数料として1万5,500円かかっているんです。低廉なプランを作りました。それは、私は評価したいと思います。
 高いプランから低廉のプランに移る時には、複雑な手続と1万5,500円という手数料を取るんです。これでは低廉化に向けた動きに対して、利用者は乗ってこないと思うんです。
 料金値下げに向かって走っているのに新たに料金を取る制度を設けている。しかも、他社に移るのではなくて、自分の会社の中の、同じ事業者の中の別のプランに移るために、なんでこれだけ多くの手続と手数料を取るんだと。これは、私は今、消費者庁とともに連携して、自由な選択を阻害する制度については、しっかりとした指導をしてまいりたいと考えているんです。
 一方で、サブブランドからメインブランドに移る時、安い方から高い方へ移るところの優遇策は0円なんです。つまり、むしろ逆に、安い方から高い方に誘導しているような感じがある。そして、もう1個言えるのは、まさに、料金が高いところからどの顧客も出て行かないようにしっかりとした制度設計されているのが今の現状なんです。
 であるから、「これはいかん」と思って、私は、であるならば、メインブランドの方の価格を下げてもらうしか、国民に実感を持ってもらえないと判断した。それが、私のコメントだったんです。
 しかも、サブからメインにいった時は、月額割引で3万5,000円という特典も付くんです。ですから、明らかに低いブランドに移行する推進運動ではなくて、高いブランドにむしろ移す。高いブランドに囲い込みをするスキームを堅持しているのが今の現状なんです。ですから、全然ユーザーの方々が、料金が下がったという実感が湧かない。何の意味もないんです。私はそう思います。

問:
 主力ブランドの中でも、容量の低いものを使う人が多いという中では、主力ブランドの中でも容量が少ないものの料金に対する問題意識が、大臣の値下げの要請にはあるんでしょうか。
答:
 いや、私が再三言っているのは、このコロナ禍の中において国民の財産である公共の電波を使った公共性の高い事業が、いろんな複雑なスキームを作って、家計の負担に重くのしかかって、みんな苦労している時に、なんで新たにお金を取ろうとする制度を作るのか。もうちょっと公共性を見つめてほしいと私は言いたいんです。
 もう1個、加入する料金プランと実際のデータ通信量ですね。加入する料金プラン別で見た利用者の割合ですけれども、月上限20ギガバイト以上のプラン、これは、比較的高いプランです。42.8%の方がこれを利用している。ここは、要するに2ギガバイト以上7ギガバイト。容量の低い方はこれだけしかいない。ですから、シェアはほとんどが20ギガバイト以上のプランの利用者なんです。
 では、この方々が全部この能力を使い込んでいるかというと、そうではない。実際に使っているのは、月20ギガバイト以上使っている人は11.3%。42.8%の中の11.3%の人は、たったこれだけのものしか使ってない。しかし、無用な部分が料金に乗っているんです。それだけ、国民にとって制度をわかりにくくしているんです。
 ですから、私はいつも言っているように、利用者の皆さんには、もう1回皆さんが使っている実態を見つめ直してくださいと。使わない部分のために毎月お金を払っているというのが現状なわけですから。それは何のためかと言ったら、皆さんこれを知ってしまったら当然プランを変えると思いますよ。しかし、知らないってことは、よく説明をしてない、また、わかりにくいシステムになっているからだと私は思うんです。
 こういったところもしっかりと誠意を見せて、国民の財産の公共の電波を使った事業なわけですから、こういった実態を自ら見つめ直して、改める努力をしてもらうことが私は重要だと思います。それが国民に対する誠意だと思います。あるべき姿だと思います。

問:
 関連してお伺いします。同じKDDIの社長のインタビュー記事の中で、国に携帯料金を決める権限はないんだというような発言も載っていました。今、大臣のご説明で、まさに公共の電波を使う事業者ってことを、大臣が、かねがねおっしゃってて、それを意識した対応を求めていらっしゃったと思うんですけども、それも踏まえて、この発言についての受け止め、お願いできればと思います。
答:
 先ほど申し上げたように、コメントにあえてコメントするというのはいかがなものかと思いますけれども、非常に私はがっかりしたし、残念な思いもいたしました。
 何度も繰り返しますように、公共の電波を使った事業者が、コロナ禍、国民生活は非常に窮しておるし、その負担が重く大きくのしかかってきているのが現状の中において、相当な利益を上げている。その利益は各家庭の固定費にのしかかる負担の積み重ねなんです。
 今、コロナ禍において、すべての人たちが協力して、ともすれば自分のできる限りの犠牲を人にふるまう気持ちでコロナに打ち勝っていって、みんなで力を合わせようとしている時に、全く国民生活に還元しようとしない。まだ、今でもこういった複雑なプランを使って更に国民から別に料金を取ろうとする、こうした姿勢が果たして国民から納得が得られるのかという問題に対して、私は指摘をしていきたいと考えております。
 この真の目的は、我々は、利用者のほうにしっかりとした実感を持っていただきたいという思いでアクション・プランを用意して、公正競争環境の整備に努めているわけであります。そのためには、わかりにくい乗り換えの自由選択のハードルを徹底的に除去してもらわなければいけないのです。
 国が料金を決めるとか決められないというレベルではなくて、公共性の高い事業として、国民に対してどういうサービスを提供しなければいけないのかぐらいは、常識で考えてわかると思うんです。そこのところは、自分の判断で正しい道を歩んでいただきたいと思います。
 自分の会社の中での乗換えであるにも関わらず、手数料と多くの手続を踏まなければ、新たなる低廉なプランの方に乗り換えられないという、国民の気持ちをもっとわかっていただきたいし、この実態の差が重くのしかかっていることをしっかりと国民の方に知っていただく努力をやっていただきたいと思います。
 公共の電波を使っているという立場を十分認識した上で、コロナ禍における社会貢献、日本を代表する企業ですから、利潤を追うのはわかりますけれども、その向こうには人や社会に貢献することが企業のある意味で大きな役割と思いますので、しっかりと実行に移して、国民から信用され、納得のいく制度を生み出して、低廉化を生み出していただきたいと考えています。

デジタル庁構想

問:
 デジタル庁に関連して伺いたいんですけれども、組織概要の報道がいろいろ出始めておりますが、総務省との棲み分けと、あと、組織再編も含めた今後の対応のお考えについて教えてください。
答:
 デジタル庁の在り方につきましては、昨日開催された「デジタル改革関連法案ワーキンググループ」において、一定の方向性が取りまとめられました。
 まず、国のシステムについては、全ての情報システムを対象として、デジタル庁が基本方針を策定し、関係予算を段階的に一括計上することになります。
 したがって、総務省が保有するシステムについても、これに沿って整備・管理されることになると考えております。
 また、自治体システムの標準化・共通化につきましては、全国規模のクラウド移行に向けて、デジタル庁が自治体との連絡調整を担う総務省と連携し、企画と総合調整を行い、政府全体の方針の策定と推進を行うこととされております。
 マイナンバー関連業務については、デジタル庁が、基本方針の策定、制度の具体設計など企画立案を担い、総務省は、市区町村などとの連絡調整を含めた実施事務を担うこととなりました。
 いずれにせよ、具体的な組織体制の在り方につきましては、今後の予算編成過程で検討を進めるとされており、総務省としても、引き続き、デジタル庁の創設に向けて協力してまいりたいと考えております。

マイナンバーカードの全国民への交付に向けた取組

問:
 冒頭ご説明いただいたマイナンバーカードの普及の方ですが、改めて申請書、今回送付するということですが、やはりセキュリティへの不安感などですね、まだそれでも取得に至ってない方も多い中で、2年後、ほぼ全ての方に行き届かせるために今後何が重要になってくるとお考えでしょう。
答:
 令和4年度末には、ほとんどの方にカードを保有していただくことを我々は目指して取り組んでおります。今後、「申請促進」と「交付体制の強化」の両面から取組を更に強化をしてまいりたいと考えております。
 「申請促進」の観点からは、先ほど説明しましたQRコード付き申請書の個別送付や、マイナポイント事業や健康保険証利用の開始に向けた広報活動の強化のほか、先月発出した都道府県知事・市区町村宛ての書簡において、出張申請受付や申請サポートの積極的な実施を要請しました。
 また、今私自身もそうなんですけども、副大臣、政務官、事務方による「マイナンバーカード普及促進チーム」を発足させまして、あらゆる企業、団体、自治体に積極的に出向いて交付していただけるように、促進に向けての力添えを求めていることにも努めております。
 また、「交付体制の強化」の観点からは、交付窓口や人員の増強が必要になってまいります。また、土日交付の更なる実施を行うために、交付円滑化計画の改訂・強化を市区町村に要請し、交付体制の整備に向けた取組を進めております。
 また、マイナンバーカードの安全性が、とても重要になってくるわけですが、カードのICチップには税や年金などの機微な情報は記録されていないことや、仮に紛失した場合にはコールセンターに連絡することでその機能の一時停止を行うことができるなど、個人情報には十分配慮したものになっている点などを、関係府省と連携し、丁寧に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

マイナポイント事業の現状と今後の対応

問:
 関連して、マイナポイント事業についてお伺いいたします。事業は確か3か月が経ちますけども、一部では期間延長という報道もありますが、現状認識と今後の対応方針についてお伺いできますでしょうか。
答:
 今着実に、お陰様で伸びてきておりまして、約970万人の方にお申込みをいただいているところであります。
 QRコード付き申請書の送付に併せて、マイナポイントについても周知することとしており、マイナンバーカードとマイナポイントの更なる普及を図りたいと考えております。

 私の方からは、以上ですが、先ほど1点、携帯電話の件で、今後の対応について、言いそびれた部分がありますけども、今後、毎月モニタリング調査を実施していきたいと思います。そうした囲い込み目的の、要するにハードルに対する対応だとか、様々なことをしっかりとモニタリング調査して、それを今後の電波割当における審査にしっかりと活用していきたいと考えております。事業者の方々には、ご協力方をお願い申し上げたいと思います。

携帯電話料金の引き下げ(2)

問:
 自社ブランドの乗換えのハードルを下げれば、メインの価格を下げる必要はないのではないですか。
答:
 下げていませんから。

問:
 いや、下げればです。
答:
 「下げてから来てください」という感じです。いくら我々が「下げてください」と言っても下げないわけですよね。

問:
 それは、ずっと言い続けられてきたということですか。
答:
 私、記者会見でもずっと言ってるじゃないですか。

問:
 10月末の記者会見で、各社とアクション・プランというものに対してしっかり対応していただいているとおっしゃってますよね。
答:
 それは、新しい選択肢を増やしたという部分なんです。ただ、選択肢に中身がないですよね。そこの間に高いハードルがあるわけですから。ハードルを取っ払ってくださいと。選択の自由をしっかりと確保してくださいと言っているわけですから。

問:
 そのハードルがあるっていうことはご存じの上で、対応していただいているというコメントってことですか。
答:
 いや。ハードルが自由な選択を阻害しているわけですよね。これを取っ払ってくださいと、何度も私は言っているわけです。その上で、初めて新たなるサブブランドが活きてくるわけですから。ハードルを取っ払わない中で、いくらサブブランドを作ったところで意味がないんです。

問:
 おっしゃることはわかるんですけど。
答:
 わかりますよね。

問:
 今日そのことの指摘は初めておっしゃいましたから。
答:
 私は、かねてから言っています。ハードルは取っ払ってくださいと。毎日来ていますか。

問:
 来ていますし、各社のプランを評価された会見を。
答:
 新たなる低廉のプランをきちっと用意したことは評価します。しかし、それは絶対条件として、乗換えのハードルをなくさなければ意味がないということを言いたいのです。


問:
 そろそろお時間なので。ありがとうございました。
答:
 はい。そう理解してください。

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