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会見発言記事

金子総務大臣臨時記者会見の概要

令和4年8月3日

冒頭発言

  冒頭、2件発言させていただきます。
 
KDDI・沖縄セルラー電話に対する行政指導別ウィンドウで開きます
 
  先ほど、KDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社に対し、本年7月2日から7月4日までの間、携帯電話サービスの一部の提供を停止させた重大な事故に関して、総務大臣名で行政指導を行いました。
  今回の事故は、約2日半にわたって緊急通報を含む携帯電話の利用に支障をきたし、多くの一般の利用者に加え、他分野のサービスや、両社が回線を提供するMVNOにも多大な影響を及ぼしました。
  これを踏まえ、本日、両社に対し、同様の事故を発生させないよう厳重に注意するとともに、再発防止に向けた取組を確実に実施し、本年11月10日までにその実施状況を報告するよう指導いたしました。
  これまで過去に発生した事案では、総合通信基盤局長による行政指導を行ってきましたが、今回の事案については、これまでにない長時間かつ大規模な通信障害であったことを極めて重く受け止め、初めて、総務大臣である私が、事業者に対し、直接、厳重に注意するとともに指導を行ったものであります。
  また、総務省では、今回の事案を踏まえ、電気通信事故検証会議を、8月8日に開催いたします。
  外部有識者による専門的な見地から、まずは大規模な通信障害が発生した原因の検証や、再発防止策の検討を進め、3回程度の会合を経て、10月までには結果のとりまとめを行う予定です。
  さらに、検証会議では、通信障害が発生した時の利用者目線に立った適切な周知広報・連絡体制の在り方について、業界全体としてのルールの策定も含め、検討してまいりたいと考えております。
 
【非常時における事業者間ローミング等に関する検討会】
 
  次に、今回の大規模な通信障害の事案を踏まえ、自然災害や通信障害等の非常時においても、緊急通報をはじめとする携帯電話が継続的に利用できる環境の整備に向けて、事業者間ローミング等に関する検討会を、本年9月を目途に立ち上げます。
  本検討会については、外部有識者や携帯電話事業者、緊急通報を取り扱う機関に参画いただいた上で、速やかに検討を進め、年内に基本的な方向性を整理してまいりたいと考えております。
  詳細は、総合通信基盤局にお問い合わせください。

質疑応答

問:
  初めて大臣名で行政指導を出されたということで、改めて、その理由と今回の通信障害の重要性についてお話いただけますでしょうか。
答:
  現在、新型コロナウイルス感染症が急速に拡大するとともに、連日の猛暑で熱中症患者が増加し、集中豪雨や台風などの災害リスクも高まっていることなどを踏まえれば、国民の生命・財産を守るライフラインである携帯電話サービスの確実かつ安定的な提供の確保は喫緊の課題であります。
  また、今回の通信障害は、これまでにない長時間かつ大規模なものであったことも踏まえ、同様の事故を発生させないよう直ちに再発防止に取り組ませる必要があると判断し、本日付で、速やかに行政指導を実施したものであります。
  また、冒頭でも申し上げたとおり、これまで過去に発生した事案では、局長による行政指導を行ってきましたが、今回の事案の重大性に鑑み、初めて、総務大臣である私が、事業者に対し、直接、厳重に注意するとともに指導を行いました。
  KDDI及び沖縄セルラーにおかれては、今回初めて、総務大臣による行政指導を実施したことを重く受け止め、国民生活に必要不可欠なインフラを支える重要な役割を担っていることを改めて認識し、再発防止に向けて全力で取り組んでいただきたいと考えております。
問:
  今回、行政指導という形になりましたが、行政処分、ひいては業務改善命令を出されることは検討されてないのでしょうか。
答:
  ご指摘については、電気通信事業法において、事故により通信サービスの提供に支障が生じている場合に、電気通信事業者が復旧に向けて必要な措置を速やかに行わなかったときなどに、業務改善命令等の行政処分を行うことができる旨の規定が定められております。
  今回の事案については、この規定に照らせば、業務改善命令を行う要件には該当しないと考えておりますが、事案の重大性に鑑み、再発防止を徹底するため、初めて総務大臣による行政指導を行うこととしたものであります。
問:
  今日、KDDIに対して厳重注意の行政指導をされたということですが、今回のように社会的に大きな影響がでた大規模通信障害が起きてしまったことについて、監督官庁として総務省の責任をどのように考えているかお聞かせください。
答:
  総務省としては、関係法令に基づき、通信設備が技術基準に適合しているか、また、こうした設備が適切に運用されているか、などの確認を通じて、監督官庁として、適切に対応してまいりました。
  また、これまでの通信障害の事案では、電気通信事故検証会議において検証を行い、通信障害で得られた教訓を他の事業者にも共有するとともに、必要に応じて一斉の緊急点検を求めるなど、業界全体として、通信障害の発生防止に取り組むよう促してきたところであります。
  今回の事案については、設備のメンテナンス作業の過程で生じた人為的ミスに起因するものでありますが、結果として、これまでにない長時間かつ大規模な通信障害となってしまったことについては、大変重く受け止めております。
  これを踏まえ、再発防止を徹底するため、今回初めて、総務大臣である私が、事業者に対し、直接、厳重に注意し、指導を行うとともに、電気通信事故検証会議において、速やかに検証作業を行うこととしました。
  こうした取組を通じて、総務省として、同じような事案を再び発生させないよう、監督官庁としての責任を、引き続きしっかり果たしてまいりたいと考えております。
問:
  先ほどローミングの検討会を立ち上げるとのご発言がありました。ローミングに関しては、緊急通報の呼び返しが現状では出来ないといった課題も指摘されています。今後、検討会での論点はどのようなものになるのでしょうか。
答:
  事業者間ローミングを実現するためには、具体的な機能や運用ルールの在り方、それを踏まえたネットワーク設備の改修など、検討すべき課題は多岐に渡っております。
  その中でも、自然災害や通信障害等の非常時においても、事業者間ローミングによって緊急通報が継続的に利用できる環境の整備が最優先で検討すべき課題と考えております。
  総務省といたしましては、可能な限り早期の事業者間ローミングの実現に向け、本検討会において、これらの課題について、速やかに検討を進めてまいりたいと考えております。
問:
  先ほど、大臣からローミングの検討会を9月に立ち上げるとの話がありました。ローミングについては、2011年の東日本大震災後にも検討会が立ち上がって、そこでも早期に検討するようにという話になっていた訳ですが、それから11年の間これまで実現していません。今に至るまで実現していないことについて総務省にも責任があったのではないかと感じるが、その点どのようにお考えか。
答:
  災害等の非常時における通信手段の確保については、今お話にありましたような、東日本大震災をはじめ過去の災害の教訓を踏まえ、総務省として、様々な取組を進めてまいりました。
  特に、東日本大震災においては、全ての事業者の携帯電話サービスが利用しづらい状況になったことも踏まえ、大規模災害時においては、避難所等における災害時特設公衆電話の設置、公衆無線WiFiの無料開放などの代替的な通信手段の確保に努めてきたところであります。
  一方、ご指摘の事業者間ローミングについては、当時は第3世代携帯電話システム3Gが主流でありました。携帯電話事業者各社の通信方式が異なっていたため、導入は技術的に困難でありました。
  こうした当時の経緯もありましたが、今回の大規模な通信障害の事案により、非常時の通信手段として改めて、事業者間ローミングに対する注目が高まっていることについては、総務省としても十分認識しているところであります。
  携帯電話が3Gから4G、5Gに置き換わる流れの中で、各社の通信方式に差異がなくなってまいりました。技術面でのハードルが解消されてきたことなどの状況変化も踏まえて、事業者間ローミングの実現に向けて、速やかに検討を進めてまいりたいと思います。
問:
  今お話がありましたように、3Gのときには難しかった訳ですが、4G、今は5Gが主流になりつつあります。より早く対応しておくべきであったというお考えはないのでしょうか。
答:
  もちろん、総務省としてもできる限りのことはやってきたものと思っておりますが、今申し上げましたように、今回の大規模通信障害、そして今、4G、5Gと各社の通信方式の差異がなくなった現在の中で、しっかり対応が出来ていけるものだと思っております。
問:
  昨年のNTTドコモの通信障害の時には、各社に一斉点検を要請されていたと思います。今回は同様に、他社に対して点検などの要請を行うお考えはあるのでしょうか。
答:
  今回のような事案が二度と発生しないよう、今後、電気通信事故検証会議において障害が発生した原因の検証や再発防止策の検討をしっかり行い、その結果を踏まえて、他の携帯電話事業者に対して、一斉の緊急点検を求めてまいりたいと考えております。
  まずは検証会議において、先ほど申し上げましたように、原因の検証、再発防止策の検討をしっかり行う、その後、一斉緊急点検を求めてまいりたいと考えております。
問:
  重大な事故という認定はまだということでよいのでしょうか。
答:
  法律に照らして、重大な事故と認定した上で、今回の行政指導が行われております。
問:
  報告から6日で指導ということになりましたが、この早さの理由と狙いについて教えてください。
答:
  先ほど申し上げましたとおり、今回の通信障害が、これまでにない長時間かつ大規模なものであったことを踏まえ、同様の事故を発生させないよう直ちに再発防止に取り組ませる必要があると判断し、本日付で、速やかに行政指導を実施したものであります。
  法律に基づいて検討していく中で、行政指導をすることになった訳ですが、今回の事案の長時間、大規模性を考えていく中で、今回初めて大臣室に来ていただいて私から直接指導したということであります。
問:
  今後、大臣が直接指導を行う場合の基準、通信障害の規模や時間などの基準はあるのでしょうか。
答:
  今回、他の事案と比べて長時間、大規模だったということも考えた中で、局長名での行政指導、大臣名での行政指導というのがあるのでしょうが、やはり、事の重大さ、重さを考えて、私が直接、橋社長に指導した方が良かろうということで今回判断をさせていただきました。

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