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会見発言記事

松本総務大臣のG7群馬高崎デジタル・技術大臣会合議長国会見の概要

令和5年4月30日

冒頭発言

  総務大臣の松本剛明です。
  2日間にわたってデジタルに関わる議論を深め、閣僚宣言別ウィンドウで開きますとしてとりまとめることができたことを大変嬉しく思います。
  G7各国のご協力に感謝をしたいと思います。今回の会合には、詳細は河野大臣からお話ありましたが、まさに最前線にいるウクライナからも参加いただき、また、G20議長国のインド、ASEAN(アセアン)議長国のインドネシアにも議論に加わっていただいたことは大変意義があったと思います。参加した国際機関の皆様にもお礼を申し上げたいと思います。また、群馬県高崎市、渋川市、スタッフの皆様にも感謝を申し上げます。
  担当させていただいた3つのテーマについて簡単に報告を申し上げたいと思います。
  まず、「安全で強靭なデジタルインフラの構築」についてです。その重要性に認識を共有し、今後、G7として推進していく点を5点、簡単に申し上げます。1つ目は、安全で強靭なネットワークインフラの構築に向けて、民間企業、国際機関と連携し、途上国への支援を取り組んでいくこと。また、2つ目は、海底ケーブルの安全なルートの確保を含め、グローバルコネクティビティの向上に向けて複層的なネットワークの強化に向けて協力に取り組むこと。3つ目は、オープンで相互運用可能なネットワーク構成の持つ可能性を積極的に追求すること。4つ目は、G7として、次世代のデジタルインフラの構築に向けて、研究開発・国際標準化などの協力を強化すること。5つ目は、エネルギー消費と環境負荷を最小限に抑えるための取組を行うことです。これが1つ目のテーマであります。
  2つ目のテーマ、「自由でオープンなインターネットの維持・推進」については、未来のインターネット宣言の更なる普及・拡大への協力などを盛り込んだG7としてのアクションプランについて合意しました。インターネットシャットダウンやネットワーク制限を含む政府による過剰な介入に反対し、その対処に向けてG7として協力していくことについても認識を共有しました。マルチステークホルダーの参画の下、自由でオープンなインターネットを守り推進していくことの重要性をG7として力強く世界に対して発信したいと考えております。今年秋にはIGF2023を開催します。今回の議論、閣僚宣言をIGF2023での議論にもつなげていきたいと思います。
  3つ目のテーマ、最後は、「責任あるAIとAIガバナンスの推進」であります。AIについては、やはり様々な人間にとって可能性を広げるものであることの認識を共有しつつ、どのように活用するかという視点からAIガバナンスの相互運用性を促進する重要性について認識を共有し、G7としての行動計画について合意しました。生成AIについても世界の期待に応えるような闊達な意見交換を行うことができまして、生成AIのもたらす機会とリスクについて、早急に議論を行い、OECD、GPAI(ジーペイ)など国際機関を活用して、知的財産権の保護、透明性の確保、偽情報への対策などのテーマを含む生成AIのガバナンスについて、G7における議論を行うための場を早急に設けることについて合意しました。閣僚間の議論においては、生成AIの議論は緊急の課題であり、G7として政治的イニシアティブで進めていくこと、また、利用者の方々に生成AIについて理解していただきながら活用する視点から、基本原則やガイダンス・ガイドラインなどをどうするかといった例示をいただき、そのような前向きな議論もあったところです。生成AIの急速な進展の中で、閣僚宣言を踏まえ、責任ある形で生成AIの可能性について、G7として議論を加速し、認識を共有し、G7として向かうべき方向を示して、力強いメッセージを発信していくべきと考えています。
 
  私からは以上です。

質疑応答

会合の成果等

問:
  松本総務大臣に伺います。閣僚宣言を受けて、今後、日本政府としてどのような取組をされていくのか、特にAIについて、技術標準やガイドライン策定の話などがあったが、今後、具体的にどういう対応をお考えでしょうか伺います。
答:
  先ほどの報告でも申し上げましたが、日本政府としては、この閣僚宣言を受けて、行動していくことで様々なことを進めていきます。二、三申し上げれば、総務省としては、安全で強靱なデジタルインフラについてしっかりと取り組んでまいります。これも先ほども申し上げましたが、途上国への支援の取組、グローバルコネクティビティの向上に向けた複層的なネットワークの強化に向けた協力、オープンで相互運用可能なネットワーク構成の持つ可能性の追求、エネルギー効率化の研究開発などです。また、インターネットガバナンスについては、マルチステークホルダー参画の下、自由でオープンなインターネットを守り推進していく、この方向で「未来のインターネット宣言」の一層の拡大、様々なステークホルダーが実施している偽情報対策などに関する事例集の作成・活用、といったところが合意されたところですので、今年10月開催予定のIGF2023も活用して取り組んでいきたいと思います。
  3つ目のAIについて質問いただきましたが、これも報告で申し上げましたが、人類にとってプラスになる面をしっかり生かすという意味での活用をしていこうということで、そのためにもAIガバナンスの枠組み間の相互運用性が重要であり、これを促進することで認識が共有されました。閣僚間の議論でも緊急の課題であり、早期にG7としてのメッセージを世界に発信していくべきとの指摘が多々ありました。もちろん、新しい技術に課題はあるわけで、先ほどの報告で申し上げたとおりですが、いくつかの課題をしっかりと認識し、また、対策を取りながら責任ある形での生成AIの活用の可能性を閣僚宣言でも取上げているところです。G7として早期に力強いメッセージが発信できるように関係国と精力的に議論を進めてまいりたいと思いますし、G7として、議論する場を設けることで合意をしたという理解です。なお、ガイドラインやガイダンスは、先ほども申し上げたとおり、どのように活用していくかという視点の中で、やはり、利用者の方々に理解と共有をする必要がある、そのやり方として、いわばガイドラインや基本原則、ガイダンスなどが例示されました。これから、そのやり方も含めてG7での議論を加速させていきたいと思っているところであります。

問:
  AIについてですが、今会合でかなり議論が進んだかと思います。先ほどの閉幕の挨拶の中でも、G7サミットに反映できるように取り組むという発言もございましたが、改めてになってしまいますが、サミットに向けての今回の成果と意義についてお伺いします。
答:
  私はもともと新しい技術は、開発の振興、利活用の推進、適切なルール作りが大切だと申し上げてまいりましたが、改めて今回の議論を通して、G7各国とは認識を共有させていただいているということが確認できたのではないかと思っております。そういう意味で、やはり、開発、利活用の側面から相互運用性のある枠組みを目指すことの重要性を共有し、今後の方向性をアクションプランとして合意をしたと理解しております。もちろん、特に生成AIについては、AIのガバナンスや、知的財産権の保護、透明性の促進、偽情報への対処方法といった課題もあるところで、まさに責任ある形での生成AIの活用の可能性といったテーマについて指摘がされてきているところであります。こういったことについて、しっかりと議論を進めるということで閣僚間の議論でも、先ほども質問がありましたが、市民を含めて世界にわかりやすいメッセージを送る、政治的イニシアティブで進めていく、そして基本原則やガイダンス・ガイドラインなどの議論が必要という声が出てきているところでございまして、来月のG7サミット等も含めて、様々な機会を活用して、議論を進めていきたいと思っておりますが、G7としては、議論の場を設けるというところで合意できるところまでいきましたので、これをベースに更に議論を加速していくことになると思っております。

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