総務省は、平成26年度、スマートフォンの利用者情報の取扱いに係る安心・安全な利用環境の整備を目指して、アプリケーション(以下「アプリ」といいます。)におけるプライバシーポリシーの作成・掲載に係る実態調査と、当該アプリがプライバシーポリシーどおりに利用者情報を取り扱っているかを検証するための実証実験を実施しました。
今般、スマートフォン アプリケーション プライバシーポリシー普及・検証推進タスクフォース(以下「タスクフォース」といいます。)(主査:新保史生・慶應義塾大学教授)において、実態調査及び実証実験の結果が「スマートフォン プライバシーアウトルックII」として取りまとめられましたので公表します。
1.経緯
近年、スマートフォンに蓄積された利用者情報が、不正なアプリによって外部送信される事例が発生しており、スマートフォンの安心・安全な利用環境を整備する必要性が高まっています。
このため、総務省の「利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」は、平成24年8月、個人情報及びプライバシーを保護しつつアプリ提供者等がスマートフォンにおける利用者情報を適切に取り扱うための具体的な指針を定める「スマートフォン プライバシー イニシアティブ〜利用者情報の適正な取扱いとリテラシー向上による新時代イノベーション〜」を公表しました。
また、同研究会は、平成25年9月、個々のアプリ等について、利用者情報の適切な取扱いがなされているかどうか等を、運用面・技術面から第三者が検討する仕組みが民間主導により整えられることが望ましいと提言する「スマートフォン プライバシー イニシアティブII」(「スマートフォン安心安全強化戦略」第I部)を公表しました。
その後、平成25年12月に設置されたタスクフォースにおいて、実証実験を通じた第三者検証の仕組みを構築するに当たっての諸課題について具体的な検討がなされ、平成26年5月に開催された「ICTサービス安心・安全研究会」(第2回)において当該実証実験の全体像が報告されました(「スマートフォン プライバシー アウトルック」)。
これらの取組を踏まえ、平成26年度、総務省は、アプリにおける利用者情報の適切な取扱いに関して、プライバシーポリシーの作成・掲載に係る実態調査を行うとともに、第三者検証に係る実証実験を行いました。
今般、タスクフォースにおいて、実態調査及び実証実験に関する結果が「スマートフォン プライバシー アウトルックII」として取りまとめられましたので公表します。
2.結果概要
(プライバシーポリシー作成・掲載に係る実態調査)
・プライバシーポリシーの掲載率は向上しているが、記載内容が不十分なものが多い。
・例えば、我が国におけるAndroidの人気上位100位までのアプリのうち、何らかのプライバシーポリシーの掲載があるものは86%に達したが(平成25年度調査:60%)、個々のアプリ専用のものがあるものは19%(同:11%)に過ぎない。
(実証実験の結果)
・アプリがプライバシーポリシーどおりに利用者情報を取り扱っているかどうかを検討するための実証実験を実施(請負先:NTTコミュニケーションズ株式会社)。
・平成26年度は、申請のあった64のアプリについてアプリの解析を行い、プライバシーポリシーの内容との突合を行った。その結果、プライバシーポリシーに利用者情報の外部送信に関する記載がないにもかかわらず、利用者情報が外部に送信される不適正なアプリが9つ(約14%)確認された(多くは位置情報)。
・平成27年度及び28年度は、非申請型モデルの検証、実運用に向けた検討等を内容とした実証実験を実施予定。
○「スマートフォン プライバシー アウトルックII」(
別紙)
3.今後の予定
本結果を踏まえ、総務省は、第三者検証に係る実証実験を本年度も継続するなど、今後もスマートフォンの利用者情報の取扱いに係る安心・安全な利用環境の整備を目指し、必要な取組を進めてまいります。
関連報道資料等