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報道資料

令和4年5月10日

我が国における青少年のインターネット利用に係るペアレンタルコントロールに関する調査結果の公表

 総務省では、「我が国における青少年のインターネット利用に係るペアレンタルコントロールに関する調査」を実施しました。当該調査結果の報告書をとりまとめましたので、これを公表します(委託先:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)。

※ ペアレンタルコントロールとは、保護者が青少年のライフサイクルを見通して、その発達段階に応じてインターネット利用を適切に管理すること。フィルタリング(カスタマイズを含む)等の技術的措置及び家庭内ルール作り等の非技術的措置で構成。

1 経緯・内容

 社会全体のデジタル化の急速な進展やGIGAスクール構想による学校における端末整備の進展等に伴い、青少年のインターネット利用は、社会生活や学校生活を営む上で「必須(当然)のもの」となりつつあります。このため、保護者が子供の成長や利用状況に即したペアレンタルコントロールを行えるようになることがますます重要となっています。
 この認識のもと、我が国におけるペアレンタルコントロールに関する実態として(1)青少年のICT利活用の普及に伴い生じるリスク及び当該リスクに対する必要な措置、(2)子供の成長やICT利用状況に即した、ペアレンタルコントロールの実態及びベストプラクティス、並びに適切なフィルタリングサービス・ペアレンタルコントロールサービス、優良事例及び設定率の高いサービスの分析、(3)保護者によるペアレンタルコントロールの実態及び低年齢層の子供の保護者への啓発を促進するために有効な取組について調査を行いました。  
 具体的には、20名の青少年保護者と企業1社に対するインタビュー調査、6,500名の青少年保護者を対象としたアンケート調査分析、500名の青少年保護者を対象とした実験的調査等を実施し、その結果をとりまとめました(委託先:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター)。

2 公表資料

 我が国における青少年のインターネット利用に係るペアレンタルコントロールに関する調査結果

3 調査結果のポイント

(1)主な知見
・「家庭内ルールあり・フィルタリングサービスあり」「家庭内ルールあり・フィルタリングサービスなし」の場合、両方ない場合に比べてトラブルに遭遇しにくい傾向が顕著に見られた一方で、「家庭内ルールなし・フィルタリングサービスあり」の場合、そのような傾向はみられなかった。
・全体で家庭内ルールが1つもない家庭が37.1%存在する。また、家庭内ルールの個数は未就学や高校生で少ない傾向だった。一方で、年齢層の低い保護者ほど知りたい家庭内ルールが多く、家庭内ルールへの需要は高かった。
・保護者があまり危惧していないが実際に青少年の遭遇率が高いトラブルとして、「インターネットを通じた知り合いに性的な自画撮りを送って(受け取って)しまった、実際に会って性的暴行を受けた(受けそうになった)」があった。
・利用しているフィルタリングサービスの機能では、「Webフィルタリング機能」が最多の76.2%で、「アプリフィルタリング機能」が45.8%、「スマートフォンの利用可能時間帯の設定・制限」が40.8%と続いた。また、「アプリ内課金を保護者に通知する機能」を有益だと考えている保護者が多かった。
・フィルタリングサービスの各要素に対して、お金を払ってでも使ってよいという保護者は30%以上おり、特に「子供に使わせたいアプリのフィルタリング解除の個別設定が簡単にできる」「サイトの閲覧履歴を保護者が確認する機能がある」「SNSでどのようなメッセージをやり取りしているかを確認する機能がある」が人気で、平均して70円/月以上の支払い意思額があった。
・アプリの推奨年齢・対象年齢を確認していない保護者が約半分存在していた。一方、「アプリの推奨年齢・対象年齢を守らせている」場合、トラブルに遭遇しにくい傾向が非常に強くなった。
・フィルタリングサービスの機能を理解していない保護者が多く、フィルタリングサービスの効果や設定方法などは未だあまり浸透していない。
・カスタマイズしていない理由は、「カスタマイズの存在を知らなかったから」(44.3%)が最多で、2位が「カスタマイズの設定方法を知らなかったから」(27.6%)であった。
・フィルタリングサービスにおいて、「ワンタッチでフィルタリングサービスのON/OFFを切り替えられる」機能を重視する保護者は、特に未就学と小学低学年で多く、70%以上存在していた。全体でも60%存在している。
・ペアレンタルコントロールサービスについて、「使わせない」ではなく「使いながら守る」をコンセプトに展開しているサービスでは、1年後の導入継続率は約90%を超える。

(2)主な政策的含意
・青少年トラブルを減らすためには、フィルタリングサービスの導入促進と家庭内ルールの啓発を共に行うことが効果的
・低年齢層への啓発をより充実させることの政策的効果は大きい
・保護者のニーズの高い情報を優先しつつ、「設定サンプル」など具体事例とともに啓発することが効果的
・アプリの推奨年齢・対象年齢を守ることの重要性を啓発することが必要
・フィルタリングサービスのカスタマイズ設定方法を分かりやすく啓発することが必要
・親子で端末を共用している家庭を踏まえ、フィルタリングサービスのON/OFFが簡単にできるサービスの開発が望まれる
・保護者が青少年のインターネット利用を管理するだけでなく、青少年自身が危機意識を醸成できるような教育や対話の場を作ることが必要

4 参考

以下のウェブサイトにおいて、ペアレンタルコントロールの普及に係る総務省の具体的な取組について記載しております。
 
・青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備に関するタスクフォースhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_anshin/index_12.html
 
・上手にネットと付き合おう!〜安心・安全なインターネット利用ガイド〜
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/ 
 
・インターネットトラブル事例集(2022年版)
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/
連絡先
総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第一課
(担当:竹内課長補佐、岸本係長、清水主査、田中官、千葉官)
電話:03-5253-5111(代表) 5867(直通)

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