1 概要
2020年11月23日(月)に開催された無線通信部門 第5研究委員会(ITU-R SG 5)第17回会合において、参加各国の代表団により勧告案の確認が行われ、採択・承認のためITU加盟国に郵便投票の手続に付されることとなりました。これを受けて、無線通信局(BR)により、2020年12月1日(火)から2021年2月1日(月)までの間、加盟国への郵便投票に付されました。
郵便投票の結果、原案に対し加盟国から異議はなく、この度ITU-R勧告M.2150として承認・発行されました。
2 今後の予定
今後、IMT-2020無線インタフェースに関しては、無線通信部門 第5研究委員会 第5D作業部会(ITU-R SG 5 WP 5D)において、今回勧告化が見送られた2件の無線インタフェース候補技術の再評価の結果や、3GPP*3の新たなリリース(リリース17)の完成等に応じて、本勧告の改訂作業が継続的に行われます。
<関係資料>
(注)
*1 IMT-2020
“International Mobile Telecommunications-2020”(国際移動通信2020)の略。いわゆる5G。
*2 無線インタフェース
通信方式や多重化方式、多元接続方式、変調方式などを定めた無線通信の方式のこと。
3Gにおいては、以下の六つがITU-R勧告M.1457として勧告されている。
- IMT-2000 CDMA Direct Spread (日本・欧州提案、W-CDMA)
- IMT-2000 CDMA Multi-Carrier (米国提案、cdma2000)
- IMT-2000 CDMA TDD (中国等提案、TD-CDMA、TD-SCDMA)
- IMT-2000 TDMA Single-Carrier(米国提案、EDGE)
- IMT-2000 FDMA/TDMA (欧州提案、DECT)
- IMT-2000 OFDMA TDD WMAN (IEEE提案、Mobile WiMAX)
4Gにおいては、以下の二つがITU-R勧告M.2012として勧告されている。
- LTE-Advanced (3GPP提案)
- WirelessMAN-Advanced (IEEE提案、WiMAX2)
5Gにおいては、以下の三つがITU-R勧告M.2150として今回勧告された。
- 3GPP 5G-SRIT (3GPP提案、5G NRとLTEの組合せ)
- 3GPP 5G-RIT (3GPP提案、5G NR単独)
- 5Gi (インド提案)
“RIT”は、”Radio Interface Technology”(無線インタフェース技術)の略。
“SRIT”は、”Set of RIT”(Set of Radio Interface Technologies)の略。
*3 3GPP
“3rd Generation Partnership Project”(第3世代パートナーシッププロジェクト)の略。3G以降、移動通信システムの仕様を検討・策定することを目的として1998年に設立された日米欧中韓印の標準化機関(SDO)によるプロジェクト。
今回のITU-R勧告における3GPPの技術仕様の対象は、リリース15及び16。