1 概要
近時、新型コロナウイルス感染症に関連して間違った情報や誤解を招く情報が発生・拡散しており、今後の被害拡大が懸念されます。総務省では、これらの情勢を踏まえ、新型コロナウイルス感染症に関する情報流通の実態把握をするため、調査を行いました。
当該調査の報告書をとりまとめましたので、これを公表します。
2 公表資料
・新型コロナウイルス感染症に関する情報流通調査
報告書
3 報告書概要
※調査概要 ・対象者:普段ネットを週1日以上利用している15歳〜69歳の男女(学業や仕事で利用している場合を除く)。
・サンプル数:2,000件
・調査方法:ウェブアンケート
・実施期間:2020年5月13日(水)〜2020年5月14日(木) |
<調査結果>
- 95%以上の人が平均して1日に1回以上、2割程度の人は1日に10回以上新型コロナウイルス感染症に関する情報やニュースを見聞きしている。
- 新型コロナウイルス感染症に関する情報・ニュースを見聞きしたメディア・サービスは、「民間放送」(71.6%)、「Yahoo!ニュース」(62.6%)、「NHK」(50.5%)の順に高い結果となった。
- 信頼できる情報源やメディア・サービスは「NHK」(43.7%)、「政府」(40.1%)、「民間放送」(38.0%)の順に高い結果となった。
- およそ4人中3人が新型コロナウイルス感染症に関する間違った情報や誤解を招く情報に触れていた。
- 比較的多くの人が新型コロナウイルス感染症に関する情報の真偽を判断できなかったという傾向が見られた。
- 新型コロナウイルス感染症に関する間違った情報や誤解を招く情報を見聞きした人のうち、「正しい情報である」等と信じて共有・拡散したことがあると答えた人の割合は35.5%(全ての人を母数とした場合の共有・拡散経験の割合は19.5%)。
- 新型コロナウイルス感染症に関する間違った情報や誤解を招く情報があたかも真実又は真偽不明の情報として書かれているのを見かけたことがあると答えた人は、サービス・メディア別にみると、「Twitter」(57.0%)、「ブログやまとめサイト」(36.5%)で見かけたことがある人の割合が高かった。
<結果から期待される方向性>
- 放送メディアは、新型コロナウイルスに関する情報源としての利用度・信頼度が共に高いことのみならず、怪しい情報の真偽確認方法や、間違った情報や誤解を招く情報だと気づいたきっかけとしても高い割合を占めることから、引き続き、放送メディアにはニュースメディアとしての重要な役割が期待される。
- ニュース系アプリ・サイトは、新型コロナウイルスに関する情報源としての利用度が高く、重要なニュースメディアとしての役割が求められる。他方で、高い利用度と比べると、信頼度が相対的に低いことから、信頼度を高める工夫を行っていくことが期待される。
- 政府による新型コロナウイルスに関する情報発信は、信頼度は高いものの利用度が低いことから、情報配信方法を工夫することにより利用度を高める必要がある。
- SNSは、新型コロナウイルスに関する情報流通全般の対応についての評価が低いことから、信頼度を高める工夫や、透明性を高める工夫、ファクトチェック結果を届ける工夫などを行っていくことが期待される。
- 若い年代ほど間違った情報や誤解を招く情報を信じてしまった割合や拡散してしまった割合が高くなる傾向が見られたことから、特に若い年代に対してリテラシー向上の取組を充実させていくことが必要である。
4 関連資料