1 概要
2 結果概要
(1)総合ランク
10か国・地域の企業競争力について、日本の総合ランクは米国・中国に続いて3位であった。IoT市場と従来のICT市場の別に見た場合、日本は前者のIoTスコアが3位であったのに対し、後者のICTスコアは6位にとどまった。
日本のIoTスコアは、個別の7項目中5項目で平均スコア50を上回った。他方、ICTスコアでは8項目中の5項目で平均スコアを下回った。
(2)サービス・製品の競争力
サービス・製品の競争力は、市場シェアと市場成長率の双方に着目して算定している。IoT市場において、日本が「スマート工場」や「スマートシティ」、「ヘルスケア」の各分野で25%を上回る高い市場シェアを占めている。また、「コネクテッドカー」については、市場シェアは低いものの、過去2年間の日本の売上高平均成長率が50%を上回った。
(3)潜在的な競争力
潜在的な競争力は、研究開発(エンジニア数)、ファイナンス(M&A金額)、標準化(IoT標準化団体への参加企業数)の3つの側面から評価している。IoT市場において、日本のエンジニア数及びM&A金額が増加傾向にある一方、IoT標準化団体への参加企業数シェアは横ばいであった。
3 今後のIoT国際競争力指標について
IoT国際競争力指標については、IoT分野の進展状況を見据えつつ、今後改善の検討を重ねながら毎年公表していくこととする。
また、今般の本指標の策定の過程で、ICT関連の業界団体・企業等に対するヒアリングを実施した。その中での主な改善提案は次のとおり。
・ 総合ランクの方法について、現行のGNIベース(企業本社の所在地を重視。国内に限らず、企業の海外拠点の売上等を含む。)に加え、GDPベース(国内での企業活動を重視し、企業の海外拠点の売上等を含まない。)でも算定できないか。
・ 分析手法について、「従来のICT市場」の最終製品寄り(B2C)の項目ではなく、「IoT市場」では関連サービスで用いるB2Bの部材・機器に着目して分析ができないか。
・ サービス・製品の競争力の評価項目中「半導体」について、現行では従来のICT市場の項目とされているが、その中でIoT市場に関連するものを分計して国際競争力指標を算定できないか。
・ 潜在的な競争力の評価項目中「研究開発」について、エンジニア数だけではなく、研究開発投資の金額を含めて指標化できないか。
4 別添資料