総務省と欧州委員会は、12月3日(火)及び4日(水)に、ブリュッセルにて、日EU・ICTセキュリティワークショップ(第2回)及び日EU・ICT政策対話(第20回)を開催しました。
1 日EU・ICTセキュリティワークショップ(第2回)
本ワークショップは、喫緊の課題となっているインターネットにおけるセキュリティ確保に関する政策や技術の動向等について日EU間で情報交換を行う場として、昨年11月の第1回開催に引き続いて開催したものです。
本ワークショップには、総務省のほか、内閣官房情報セキュリティセンター、経済産業省等関係省庁が参加しました。また、日本の産業界を代表する形で経団連からセキュリティ政策等に関する提言(「日・EUインターネット政策の連携強化に向けて」)があったほか、今年10月に取りまとめられた、「日米インターネット・エコノミー民間作業部会 共同声明2013」の内容が紹介されました。
本ワークショップでは、
(1)インターネットにおけるセキュリティに関する最新の政策動向についての意見交換
(2)日欧の産業界からの提言・セキュリティ対策に向けた取組等の紹介
(3)産業用制御システムのセキュリティ確保等についての日EU双方の取組の共有
(4)インターネットにおけるセキュリティに関する日EU双方のグッド・プラクティス(サイバー攻撃予知・即応技術の研究開発、スパムメール対策等)の共有
を行いました。
本ワークショップでの議論を通じて、今後意識啓発、インシデントマネジメント、グッド・プラクティスの共有の3点について、日EU間でさらに協力を深化していくことが確認されました。
(参考)日EU・ICTセキュリティワークショップ出席者
日本側:吉崎総務審議官、内閣官房情報セキュリティセンター、経済産業省 ほか
EU側:スタンチッチ欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局次長 ほか
2 日EU・ICT政策対話(第20回)
「日EU・ICT政策対話」は、総務省と欧州委員会(通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局)との間で、ICT政策全般について、定期的に実施している政策対話です。
今回(第20回)の政策対話では、昨年5月の総務省と欧州委員会の間のICT担当の閣僚級会談及び会談後に発表したICT分野における日EU間での政策協力に関する共同声明を踏まえ、ICT分野に関する以下の幅広い議題について対話を行い、活発な意見交換が行われました。
(1)情報通信の政策動向及び規制枠組み
EU側から欧州単一市場規則案の概要を、日本側からICT成長戦略の概要及び競争政策に係る最近の状況を説明し、経済成長、規制のあり方等について意見交換を行い、今後も意見交換を行っていくことで一致しました。
(2)インターネットに係る政策課題
日EU間でIGF、ITU、WSIS等の国際的な議論に向けて、インターネットガバナンスに関する立場等について意見交換を行い、今後IGF、ITU全権委員会等重要な国際会議への対処について、日EU間で協調していくことで一致しました。
(3)青少年保護及びプライバシー
日本側から、プライバシー保護に係る「スマートフォン プライバシー イニシアティブI・II」の取組、青少年のネットリテラシー可視化(ILAS)や周知啓発等に関する取組を説明するとともに、EU側から青少年のネット利用環境の整備に向けた取組及びデータ保護規則案について説明しました。
(4)ICT分野における研究開発協力
EU側から日EU間での国際共同研究に関する現状の報告を行うとともに、日本側から総務省の技術政策等について説明し、今後も協力関係を継続していくこと及びさらなる協力関係の深化に向け検討していくことで一致しました。
(5)高齢化
EU側から、前日に開催された日EUシルバーICT政策フォーラムの結果が紹介されるとともに、日EU双方から、超高齢社会を見据えた医療・健康分野に係るICTに関する取組を説明しました。
(6)その他
衛星周波数、クラウドコンピューティング、スマートシティについて情報交換・意見交換を実施しました。
(参考)第20回政策対話 出席者
日本側:吉崎総務審議官 ほか
EU側:スタンチッチ欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局次長 ほか
3 今後の予定