総務省は、重要通信の義務化に関する制度についての規定整備を行うため、事業用電気通信設備規則(昭和60年郵政省令第30号)及び電気通信番号規則(平成9年郵政省令第82号)の一部改正について、情報通信行政・郵政行政審議会(会長:高橋 温 住友信託銀行株式会社会長)に諮問したところ、本日、同審議会から答申を受けました。
また、諮問した省令案、関係省令案等について、平成22年2月22日(月)から同年3月24日(水)までの間、意見募集を行ったところ、2件の意見の提出がありましたので、提出された意見及びそれらに対する考え方と併せて公表します。
総務省は、本答申及び意見募集の結果を踏まえ、案のとおり事業用電気通信設備規則等を速やかに改正する予定です。
1 改正の背景及び概要
緊急通報及び災害時優先通信に関しては、現在、0AB〜J番号を使用する電話(アナログ電話、ISDN及び0AB〜J−IP電話)について、緊急通報の提供のみが義務づけられています。また、0AB〜J番号を使用する電話の災害時優先電話、携帯電話及びPHSの緊急通報及び災害時優先通信については、電気通信事業者の自主的取組の中で提供されているところです。
しかしながら、0AB〜J番号を使用する電話、携帯電話及びPHSが緊急時の通信手段として重要な役割を果たしていることから、それらの提供を確保することが求められています。
さらに、総務省の「重要通信の高度化の在り方に関する研究会」報告書においても、携帯電話等について、緊急通報及び災害時優先通信の提供を義務化すべき旨の提言がなされています。
こうした状況を踏まえ、電気通信事業者に対し緊急通報及び災害時優先通信の提供を原則義務化することを目的として、次の省令及び告示の改正を行うものです。
(1) 事業用電気通信設備規則(昭和60年郵政省令第30号)
・音声伝送役務の提供の用に供する電気通信回線設備のうち、アナログ電話用設備、ISDN用設備、0AB〜J−IP電話用設備、携帯電話用設備及びPHS用設備について、災害時優先通信を扱う機能を有することを義務づけます。
・アナログ電話用設備、ISDN用設備及び0AB〜J−IP電話用設備については、設備の改修等が必要であるため災害時優先通信の提供ができない場合には、制度改正から2年を限度として義務を課さないこととします。
・災害時優先通信を扱う事業用電気通信回線設備に必要とされる機能等について、所要の規定整備を行います。
(2) 電気通信番号規則(平成9年郵政省令第82号)
・携帯電話及びPHSに係る端末系伝送路設備を識別するための電気通信番号を指定する際の要件として、緊急通報の利用が可能であることを追加します。
(3) 電気通信事業法施行規則(昭和60年郵政省令第25号)
・電気通信設備が技術基準に適合することについて電気通信事業者が自己確認を行った場合に総務大臣へ届出を行う際の添付書類として、災害時優先通信を扱う事業用電気通信設備に関する説明書を追加します。
(4) 電気通信事業報告規則(昭和63年郵政省令第46号)
・電気通信事業者が災害時優先通信の取扱いを開始等するときに総務大臣への事前の報告を義務づけるとともに、報告様式について定めます。
(5) 昭和60年郵政省告示第228号(事業用電気通信設備規則の細目を定める件)
・事業用電気通信設備規則の条番号の変更に伴い、それを引用している当該告示の引用条項を整備します。
※ 上記(1)から(5)までのうち、情報通信行政・郵政行政審議会への諮問事項は(1)及び(2)です。
2 答申
答申は、
別紙
(提出された意見及びそれに対する考え方を含む。)のとおりです。
3 今後の予定
総務省は、本答申及び意見募集の結果を踏まえ、事業用電気通信設備規則等を速やかに改正する予定です。