総務省は、本日、情報通信審議会(会長:大歳 卓麻 日本アイ・ビー・エム株式会社 会長)から、平成14年9月30日付け情報通信審議会諮問第2009号「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」に関する一部答申を受けました。
1 背景
950MHz帯パッシブタグシステムを含む電子タグシステムについては、生産・物流分野において、その利用がかねてから注目されています。同システムは技術の進展とともにコスト改善等が進み、特に食品・医薬品等の安全・安心管理、高齢者支援、交通安全支援など幅広い分野への利活用が進みつつあり、ユビキタスネット社会の実現に向けて非常に重要な役割を担うことが期待されています。
950MHz帯パッシブタグシステムについては、工場等での利用を想定した比較的長距離の通信が可能な高出力型及び小売店舗の倉庫等での利用を想定した持ち運び可能な低出力型に関しては制度整備を行い、広く利用されているところです。
また、近年、建築現場での資材管理、トラックの荷物の積み下ろし等の場面において、低出力型の950MHz帯パッシブタグシステムよりも通信距離が長く、持ち運び可能な950MHz帯パッシブタグシステムのニーズが高まっています(
別紙1
参照)。
このような背景を踏まえ、平成21年6月23日から、情報通信審議会において、「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」のうち「移動体識別システム(UHF帯電子タグシステム)の技術的条件」のうち「中出力型950MHz帯パッシブタグシステムの技術的条件」について審議を開始し、また、第26回小電力システム委員会(平成21年8月27日)に意見陳述が行われた際、956MHzから958MHzの周波数帯の拡張を含めた検討及び既存の電子タグシステムの高度化に関する検討についての要望があったことから、併せて「高出力型及び低出力型950MHz帯パッシブタグシステムの高度化に必要な技術的条件」、「950MHz帯アクティブ系小電力無線システムの高度化に必要な技術的条件」について審議が行われました。審議の結果、これらの技術的条件について、本日、その一部答申を受けました。
2 答申の概要
「小電力の無線システムの高度化に必要な技術的条件」に関する、以下の技術的条件について、一部答申をいただきました。一部答申の概要は
別紙2
のとおりです。
- 「移動体識別システム(UHF帯電子タグシステム)の技術的条件」のうち「中出力型950MHz帯パッシブタグシステムの技術的条件」並びに「高出力型及び低出力型950MHz帯パッシブタグシステムの高度化に必要な技術的条件」
- 「950MHz帯アクティブ系小電力無線システムの高度化に必要な技術的条件」
3 今後の予定
総務省では、本一部答申を踏まえ、中出力型950MHz帯パッシブタグシステムの導入及び950MHz帯電子タグシステムの高度化に向け、技術基準の策定を進めていく予定です。