報道資料
平成29年9月28日
北陸総合通信局
富山県総合防災訓練において通信・放送の確保訓練を実施
〜 2市町の臨時災害放送局の同時開設訓練、映像伝送システムを用いた遠隔地救援活動の情報収集実演等を実施 〜
総務省北陸総合通信局(局長 濱島 秀夫(はましま ひでお))は、平成29年9月30日(土)に富山県富山市及び立山町で実施される「平成29年度富山県総合防災訓練」において、下記のとおり通信・放送の確保訓練を実施します。
災害時の被災者支援情報や生活関連情報等の伝達手段にテレビ・ラジオ放送の果たす役割は大きく、昨年4月の熊本地震においても、臨時地デジ中継局や臨時災害放送局(FM放送局)を特例措置により開設し、放送の確保を行いました。
今回の訓練では、迅速な放送の確保に向け、富山県、富山市、立山町、NHK富山放送局、富山シティエフエム株式会社、株式会社エフエムとなみ及び北陸総合通信局が連携し、合同訓練を実施します。
訓練模様は、富山市が開設する臨時災害放送局(富山シティエフエムから移行)(77.7MHz)及び立山町が開設する臨時災害放送局(当局貸与の機器を使用)(87.3MHz)から訓練対象地域及びその周辺に向けて放送されます。広域災害を想定して2市町が同時に臨時災害放送局を開設する訓練を実施するのは北陸3県で初めてです。
また、迅速な通信の確保に向け、富山県、立山町及び北陸総合通信局が連携し、災害対策用移動通信機器(MCA無線機)を用いた非常通信訓練を実施します。
さらに、北陸総合通信局と富士通株式会社等が共同で公共ブロードバンド移動通信システムを用いた情報収集の実演を行うとともに、当局から地方公共団体へ貸与可能な災害対策用移動通信機器等の展示を行います。
記
- 訓練日時 平成29年9月30日(土) 8:30 〜 12:00
- 訓練場所 富山県総合防災訓練
臨時地デジ中継局設置場所−−富山県富山市 アルペンスタジアム内
富山市臨時災害放送局設置場所−−富山県富山市 アルペンスタジアム内
立山町臨時災害放送局設置場所−−富山県立山町 立山町役場内
非常通信訓練−−富山県富山市 富山県庁内、富山県立山町 立山町役場内
移動通信機器等の展示−−富山県富山市 アルペンスタジアム内
- 訓練概要
(1) 臨時地デジ中継局の開設訓練 【参考資料1参照】
地上デジタル放送中継局が被災により機能停止したとの想定で、NHK富山放送局が非常用送信車を用いて代替となる中継局を開設する訓練を実施。
臨時地デジ中継局の開設に要する北陸総合通信局への申請手続きは、臨機の措置により口頭で迅速に処理する訓練を併せて実施。
ア 参加機関
1) NHK富山放送局
2) 北陸総合通信局
イ 訓練手順(送信車の設置場所:アルペンスタジアム駐車場)
1) NHK富山放送局から北陸総合通信局に、被災中継局の代替となる中継局の設置について電話で変更申請。
2) 北陸総合通信局はNHK富山放送局に、変更を許可する旨、電話で通知。
3) NHK富山放送局は臨時地デジ中継局を設置し開設。
(2) 臨時災害放送局の開設訓練 【参考資料1参照】
【立山町臨時災害放送局の開設訓練】
被災地方公共団体である立山町が、被災者支援情報や生活関連情報を正確かつ迅速に伝達するため、北陸総合通信局から臨時災害放送局用機器一式を借り受け、臨時災害放送局(FM放送局)を開設する訓練を実施。
臨時災害放送局の開設に要する立山町から北陸総合通信局への申請手続きは、臨機の措置により口頭で迅速に処理する訓練を併せて実施。富山シティエフエム株式会社が運用面で協力。
ア 参加機関
1) 富山県
2) 立山町
3) 富山シティエフエム株式会社
4) 北陸総合通信局
イ 訓練手順(放送局用機器の設置場所:立山町役場内)
1) 立山町から北陸総合通信局に、臨時災害放送局用機器の貸与を電話で要請。
2) 北陸総合通信局は立山町に、機器を無償貸与する旨、電話で回答。
3) 立山町は北陸総合通信局に、臨時災害放送局の開設について電話で免許申請。
4) 北陸総合通信局は立山町に免許する旨、電話で通知。
5) 立山町は、臨時災害放送局を開設。
6) 立山町は、富山シティエフエムによる運用支援を得て、災害対策本部が発表する情報や救出救助訓練の現地レポートにより訓練放送を実施。
【富山市臨時災害放送局の開設訓練】
被災地方公共団体である富山市が、被災者支援情報や生活関連情報を正確かつ迅速に伝達するため、富山シティエフエム株式会社のコミュニティ放送局設備を利用した臨時災害放送局(FM放送局)を開設する訓練を実施。富山シティエフエム株式会社及び株式会社エフエムとなみが運用を支援。
臨時災害放送局の開設に要する富山市から北陸総合通信局への申請手続きは、臨機の措置により口頭で迅速に処理する訓練を併せて実施。
ア 参加機関
1) 富山県
2) 富山市
3) 富山シティエフエム株式会社
4) 株式会社エフエムとなみ
5) 北陸総合通信局
イ 訓練手順(放送局用機器の設置場所:アルペンスタジアム内)
訓練手順は、立山町臨時災害放送局の開設訓練に準ずる。
(3) 災害対策用移動通信機器を用いた非常通信訓練 【参考資料2】
衛星携帯電話等の通信手段が輻輳又は途絶したとの想定で、富山県が立山町の被災状況の把握を行うため、北陸総合通信局に移動通信機器(MCA無線機)の貸与を要請し、立山町との間で伝達訓練を実施。
【訓練手順】
1) 富山県庁舎内において、北陸総合通信局防災対策推進室担当官が富山県防災・危機管理課担当者に、当局に配備されているMCA無線機を貸与。
2) 立山町訓練会場において、別の北陸総合通信局防災対策推進室担当官が立山町災害対策本部担当者に、当局に配備されているMCA無線機を貸与。
3) 立山町災害対策本部担当者が、当該MCA無線機を使用して富山県防災・危機管理課担当者を呼び出し、被災地の状況報告や救助要請等を行う。
※ 総務省では、移動通信機器( 簡易無線機300台、MCA無線機280台及び衛星携帯電話300台)を全国11箇所に配備。災害時に、地方公共団体等からの要請があれば貸出しを実施。
(4) 公共ブロードバンド移動通信システムを用いた情報収集の実演 【参考資料3参照】
発災時の的確な初動対応には、迅速かつ正確な情報収集が不可欠。富山県、富士通株式会社、株式会社富士通ゼネラル、株式会社日立国際電気と北陸総合通信局が共同で、公共ブロードバンド移動通信システムを実演。
公共ブロードバンド移動通信システムは、ビデオカメラ、アンテナ、テレビ(ディスプレイ)、無線機(移動局・基地局)等により構成。被災地の高精細な映像及び音声を機動的に伝送可能。専用に割り当てられた無線周波数帯を使用しているため混信が少なく、最大10キロメートル程度の長距離伝送を実現。
ア 参加機関
1) 富山県
2) 富士通(株)
3) (株)富士通ゼネラル
4) (株)日立国際電気
5) 北陸総合通信局
イ 訓練手順
1) 富士通及び富士通ゼネラルが富山港会場に無線機(移動局)を、富山競輪場に無線機(可搬基地局)を、アルペンスタジアム会場に無線機(移動局)をそれぞれ設置。
2) 県担当者が富山港会場内で無線機(移動局)を背負って巡回、海上自衛隊艦艇による救援物資の海上輸送訓練、受渡訓練の模様を撮影。
3) 続いて、県担当者が富山港会場からアルペンスタジアム会場へ移動する車列に加わり、車両に取付けた無線機(移動局)により陸上自衛隊や富山県トラック協会等による救援物資の陸上輸送訓練の模様を撮影。
4) 2)及び3)の模様を映像と音声により、富山競輪場の無線機(可搬基地局)を経由してアルペンスタジアム会場の無線機(移動局)へリアルタイムに伝送。
5) アルペンスタジアム会場内の現地調整所及び北陸総合通信局展示ブース内に設置されたディスプレイに映像と音声を表示。現地調整所訓練参加機関連絡官(リエゾン)等が視聴し、状況を把握。
6) なお、日立国際電気もアルペンスタジアム会場及びその周辺において、実動訓練の模様を映像と音声により無線機(移動局)から無線機(基地局)へリアルタイムに伝送、アルペンスタジアム会場内のディスプレイに表示。
(5) 災害対策用移動通信機器等の展示 【参考資料4参照】
災害時等に当局から貸与可能な災害対策用移動通信機器等を展示。
1) 簡易無線機
2) MCA無線機
3) 衛星携帯電話
4) 災害対策用移動電源車(小型)
5) ICTユニット
参考資料3
平成29年度富山県総合防災訓練に展示する機器の詳細仕様
1 災害対策用移動通信機器
種類 |
名称 |
写真 |
仕様 |
簡易無線機 |
IC-UH35CMT
(ハンディ) |
|
【サイズ】
56(W)mm×
36(D)mm× 97(H)mm
*アンテナを除く
【重さ】310g
【連続運用時間】※
最大24時間 |
MCA無線機 |
EK-6175A
(ハンディ) |
|
【サイズ】
約58(W)mm×
約35(D)mm×
約149(H)mm
*アンテナを除く
【重さ】360g
【連続運用時間】※
約18時間 |
衛星携帯電話 |
ワイドスターII
(据置) |
|
【サイズ】
縦約196mm×
横約180mm×
厚さ約39mm
【重さ】1.3kg
【バッテリ】※
連続通話時間22時間
連続待受時間26時間 |
※ 時間はいずれも通常想定される使用例
2 災害対策用移動電源車(小型)
|
|
外観 |
車内 |
車両諸元
全長: 5,000mm以下、全幅: 2,000mm以下、全高: 2,400mm以下
総重量: 4,000kg以下
主な発電容量 5.5kVA
3 ICTユニット
ページトップへ戻る