総務省関東総合通信局(局長:黒瀬 泰平)は、関東地域の医療機関における電波利用推進協議会と共催で平成31年2月14日(木曜日)に、栃木県宇都宮市駒生町「とちぎ健康の森」において、「医療機関において安心・安全に電波を利用するために《電波の安全性に関する説明会》」を開催し、41名の方に参加いただきました。
近年、医療機関では、患者のバイタルデータ(血圧や脈拍、体温などの生体データ)を遠隔監視するための医用テレメータなど、電波を利用する機会が増大するなか、電波による医療機器への影響や通信障害が生じるなど、トラブルの増加が懸念されています。
そのため、電磁波が医療機器に与える影響と対策方法などを「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」、「各種電波利用機器の電波が植え込み型医療機器等へ及ぼす影響を防止するための指針」等に基づき説明し、電波の安全性に関して正しい知識を身につけていただくことを目的として開催しております。
なお、本説明会は、「MDIC 認定制度」、「認定ホスピタルエンジニア」、「臨床ME専門認定士制度」の更新のためのポイントの付与対象となっています。
説明会の冒頭に主催者を代表して、関東地域の医療機関における電波利用推進協議会構成員の長谷川 親太郎氏(一般社団法人栃木県医師会常任理事、独立行政法人国立病院機構栃木医療センター院長)より、医療機関で電波を利用する機会が増大するなか、電磁波が医療機器に与える影響と対策方法などの理解を深めていただきたい、とのあいさつが行われました。
次に、「電波の安全性に関する総務省の取り組み」と題して、総務省関東総合通信局電波監理部長の田中 純一から、ワイヤレスと家電との融合、地域活性化、医療分野への応用、環境問題への対応等の様々な新分野での電波利用が出現する中で「我が国における電波利用分野の拡大」がどのように生じているかについて説明しました。また、電波利用の普及・高度化に伴い、電波が人体や医療機器に与える影響への懸念が増大していることから、電波が人体に与える影響について安全基準や総務省における調査研究の実施状況、医療機関における電波利用についての指針等について説明を行いました。
続いて、関東地域の医療機関における電波利用推進協議会座長である、滋慶医療科学大学院大学 医療管理学研究科教授 加納 隆氏から、「医療機関において安心・安全に電波を利用するために」と題して、携帯電話等の電波利用機器による医療機器への影響調査と使用指針等策定の推移についてご説明いただき、平成28年4月に公表された「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」のポイントについて解説いただきました。
また、実際に病院等で発生した障害事例とその対策について具体的に図を示し解説していただきました。
説明後には質疑応答が行われ、「LEDからのノイズについてどの程度調査が進んでいるのか?」や「Bluetoothはどのような位置づけとなるのか?無線LANと同じように考えればよいのか?また、人体へのリスクもほぼ同様か?」などの質問について講師から説明を行いました。
参加者からのアンケートでは、「大まかな内容は分かりました。直接これからの業務には関わっていないため資料を復習し、施設担当者に確認していきたい。」「テレメータはトラブルが多く発生するものと分かった。どのようなトラブルが多いかも分かったので点検や日頃から少しの変化も分かるようにしたい。」などの感想が寄せられました。また、9割以上の方が「理解できた」「ほぼ理解できた」と回答されており、有意義な説明会となりました。
総務省関東総合通信局、関東地域の医療機関における電波利用推進協議会
一般社団法人栃木県医師会、公益社団法人栃木県看護協会、一般社団法人栃木県臨床工学技士会、栃木県病院協会
関東総合通信局では、引き続き電波の安全性に関する説明会を開催する予定です。
次回の開催は、平成31年7月を予定しています。なお、開催案内は、6月頃当局ホームページに掲載する予定です。