総務省では、学生や若手エンジニアを対象としたIoT開発のスキルアップイベントとして、「Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20」を全国11地域で開催しています。
関東総合通信局(局長:古市 裕久)では、今年度「茨城」「群馬」「横須賀」の3地域で開催することとしており、このたび「群馬」での全日程が終了しました。
このイベントは、電波利用に関するリテラシーを含むIoTの基礎知識・技能を習得するための「ハンズオン講習会(2日間)」と、その習得技術を活用した成果発表としてチームでIoT作品のプロトタイプを創作する「ハッカソン(2日間)」の二本立てで構成(合計4日間)されるIoT体験型のプログラムです。
※各会場での最優秀賞受賞チームは、2020年2−3月頃に東京で開催されるイベントにおいて作品展示等を行います。(詳細等は後日決定。)
※本イベントは、総務省の「IoT機器等の電波利用システムの適正利用のためのICT人材育成事業」として開催しています。
群馬会場では、学生(高校生、高専生、専門学校生、大学生)や社会人が参加して、令和元年9月22日(日曜日)と23日(月曜日・祝日)に上毛新聞社のセミナールーム(前橋市)において「ハンズオン講習会」(参加者29名)を、同年10月13日(日曜日)と14日(月曜日・祝日)に群馬大学の荒牧キャンパス(前橋市)において「ハッカソン」(参加者21名)を開催しました。
1日目は、前橋市・政策部・情報政策担当部長の松田圭太(まつだ けいた)氏からIoTと電波に関する基礎知識について講義を受け、KDDI株式会社・技術開発戦略部・マネージャーの宮崎典行(みやざき のりゆき)氏からWebブラウザ技術でセンサーやモーターを制御するCHIRIMEN for Raspberry Pi 3というIoTプログラミング環境について学びました。その後、参加者はチューターのアドバイスを受けながら、実際に様々なセンサーを用いて操作体験を行うハンズオン講習を実施しました。
2日目は、後半のハッカソンに向けたチーム(6チーム)ごとに「群馬の魅力や課題」についてメンバーが話し合い、IoTの活用に繋がるアイデア出しを経て、ハッカソンで制作するアイデアをそれぞれ発表し、ハンズオン講習会を終了しました。
各チームは、ハンズオン講習会終了後からの3週間で、ハッカソンに向けた打合せや必要な材料調達などの事前準備を行いました。
ハッカソンでは、2日間という限られた時間内で作品を制作する必要があることから、各チームがアイデア実現に向け、学んだプログラミング技術等を活かしつつ役割分担をしながら効率的に作業を進め作品制作を行いました。
学生と社会人で構成されたチームや高校生と大学生で構成されたチームなど、6チームそれぞれで編成は異なりましたが、参加者からは「学校の授業にはめったにない自由なテーマで作品制作ができ、貴重な体験となった。」「チームで意見やアイデアを出し合いつつ制作できたため、制作過程も楽しみながら学習できた。」といった声も聞かれました。
各チームは、審査員を前に完成させたIoT作品を実際に動かしながら成果を発表しました。
その後、審査員4名による審査会を経て、結果発表となりました。はじめに【審査員特別賞(クライム賞)】が発表された後に【最優秀賞】の発表があり、「チームB」の【移動式害獣検知マシン】(農作物を荒らす害獣を追い払うことを目的とした作品。カメラで常に動体検知を行っており、視野内に動くものがあると検知し、害獣であるかどうかをAIで判定する。害獣と判定した場合は光と音で追い払う。マシンにはキャタピラが取り付けられているため、リモートで操作することも可能。)が最優秀賞に選ばれました。審査員からは、「農家の多い群馬県のニーズにマッチしており、また、配線の多い複雑な仕組みをチームで協力して作品を制作することができていたため、最優秀賞に決定した。」との講評がありました。
最優秀賞チームは、年度末に開催予定の「スマートIoT推進フォーラム総会」において作品展示等を行います。チームBのメンバーからは、「年度末の展示等に向けて更に改善して完成度を上げたい。」といった声も聞かれました。
受賞したチーム以外の作品もアイデアに富んでおり、様々なセンサーやプログラミング技術が活かされていました。
《ハンズオン講習会》
《ハッカソン −チームで作業−》
《最優秀賞チーム(チームB)》
《全員での記念写真》
関東総合通信局では、引き続き、電波利用に関するリテラシーの向上を図りつつIoT・AI時代に対応した「Society5.0」を支える地域のICT人材の育成に取り組んでまいります。
次回の「Web×IoT メイカーズチャレンジ 2019-20」は「横須賀」で開催します。現在、参加者募集中です。
【参考】 −横須賀会場−