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【関東総通】e−コムフォKANTO

令和5年1月25日
関東総合通信局

「戦略的情報通信研究開発セミナー」を開催

 総務省関東総合通信局(局長:新井 孝雄(あらい たかお))は、令和4年12月16日(金曜日)、一般社団法人電子情報通信学会東京支部(支部長:森永 聡(もりなが さとし))との共催により、「戦略的情報通信研究開発セミナー」をオンラインで開催しました。

概要

 このセミナーは、情報通信技術(ICT)分野の研究開発における競争的研究費である「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)」について、研究開発成果を広く社会に周知するとともに、利活用・社会展開等を推進することを目的として開催しました。
 セミナーでは、最初に、AIやドローンを活用したスマート農業の実現に取り組まれている日本工業大学の平栗 健史(ひらぐり たけふみ)教授から特別講演をいただきました。
 続いて、SCOPEの研究開発課題の中から、関東管内で令和3年度末に研究開発を終了した課題3件について、研究代表者から成果発表が行われました。
 最後に、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)から、NICTの地域連携活動・研究連携・委託研究等の施策について説明がありました。
 セミナーはオンライン(Webex)で開催され、大学や民間企業の研究者・学生など約70名が参加しました。

開催内容

1 主催者挨拶

 主催者として、関東総合通信局長 新井 孝雄(あらい たかお)及び一般社団法人電子情報通信学会東京支部長 森永 聡(もりなが さとし)氏から挨拶を行いました。

 関東総合通信局長  新井 孝雄

関東総合通信局長
新井 孝雄

 電子情報通信学会東京支部長 森永 聡

電子情報通信学会東京支部長
森永 聡

2 特別講演

 日本工業大学 基幹工学部 電気電子通信工学科 教授 平栗 健史(ひらぐり たけふみ)氏から、「全てにつながる通信とICTスマート農業の融合」と題して、特別講演が行われました。
 平栗教授からは、スマート農業の最新動向紹介として、Beyond 5Gや6Gへ向けて農業における通信の関わり、植物工場の技術としてLED人工光による水耕栽培の実験、ハチの代わりに受粉作業を行うドローン飛行制御や、ロボットによる栽培支援のための画像解析等の最新技術について詳細な説明がありました。
 また、SDGsと共に世界的に注目されるAgriculture 4.0の動向や、通信分野から応用された農業IoT(IoAT:Internet of Agro Things)、農業CPS(Agro CPS:Agro Cyber Physical System)などの技術紹介、10年後未来に実現するであろうスマート農業の研究開発や社会実装が強く期待されていることなどについて解説がありました。
 全てにつながる通信とICTスマート農業の融合
 平栗 健史
 

3 成果発表

成果発表1

 慶應義塾大学 理工学部 電気情報工学科 教授 田邉 孝純(たなべ たかすみ)氏から、「マイクロコム光源の高速光伝送システムへの適用に関する研究開発」と題して、成果発表が行われました。
 田邉教授からは、フッ化マグネシウム微小光共振器によりソリトンマイクロコムを発生させ、商用の往復9Kmの架空光ファイバを用いた低遅延・大容量光伝送の実験を実施して成功したことについて報告があり、強度変調・直接検波により10Gbpsでコムを変調し、総伝送容量がTbpsを超える可能性があること、ソリトン光パルス列を用いた時分割多重通信に向けて2チャンネルの時分割多重を行ったことなどについて詳しく説明がありました。
 マイクロコム光源の高速光伝送システムへの適用に関する研究開発

成果発表2

 東京大学 大学院 情報理工学系研究科 特任教授 池井 寧(いけい やすし)氏から、「遠隔参加のための臨場感情報提示技術の開発」と題して、成果発表が行われました。
 池井特任教授からは、遠隔地にバーチャル参加することを可能とする技術として、臨場感を格段に高めながら映像酔いを抑制する感覚統合補正提示法と全方位立体視用アバターロボットシステムを構築したことについて報告があり、テレワーク用途を指向したリアルタイム遠隔作業支援を実現する方法等について詳しく説明がありました。
 遠隔参加のための臨場感情報提示技術の開発

成果発表3

 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立情報学研究所 アーキテクチャ科学研究系 准教授 福田 健介(ふくだ けんすけ)氏から、「セマンティクス抽出と因果解析によるネットワーク障害対応支援に関する研究」と題して、成果発表が行われました。
 福田准教授からは、大規模ネットワークの運用における障害対応において、特に障害の原因究明や予兆検出といった既存の技術では対応が困難な課題の解決支援を実現するため、データ・ドリブンなアプローチによりオペレータの知識に基づく推定を自動化する多層推論モデルによりこれを実現する研究開発を実施したことについて報告がありました。
 セマンティクス抽出と因果解析によるネットワーク障害対応支援に関する研究

施策説明

 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT) オープンイノベーション推進本部 ソーシャルイノベーションユニット 戦略的プログラムオフィス イノベーションプロデューサー 吉田  一志(よしだ ひとし)氏から、「NICTの地域連携活動・研究連携・委託研究等のご紹介」と題して、施策説明が行われました。
 吉田イノベーションプロデューサーからは、NICTの組織や業務について説明があり、特に「戦略的プログラムオフィス」が取り組んでいる地域連携・産学官連携について事例を交えながら説明がありました。
 また、NICTからの社会実装に向けた委託研究・研究連携、Beyond 5Gテストベッド等について詳細な説明がありました。
 NICTでは、関係機関等との密接な連携を図りながら情報通信分野の研究開発に関する支援を総合的に推進しているので、皆様からのご連絡・ご相談をお待ちしているとの説明がありました。
 NICTの地域連携活動・研究連携・委託研究等のご紹介

4 今後の予定

 関東総合通信局は、一般社団法人電子情報通信学会東京支部等の関係機関との連携を図り、引き続き、情報通信分野における研究開発を支援するとともに、研究開発に役立つセミナー等を開催して参ります。

連絡先
総務省 関東総合通信局
情報通信部 情報通信連携推進課
担当:山中、長津
電話:03-6238-1680

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