本セミナーは「宇宙天気」に対する理解を深めていただくことを目的として開催し、関東情報通信協力会会員及び一般参加者100名を超える方々にご参加いただきました。
セミナーでは、太陽フレアを起源とする地球近傍宇宙の電磁環境を「宇宙天気」と言い、条件によっては社会インフラを支えるGPSなどに影響を与えるため、国際民間航空機関(ICAO)等の国際機関により諸現象の予報に対応していること。
アジア地域も、衛星測位などの宇宙天気情報の利用者として、その社会的影響を調査することが重要という観点から、NICTにおいても局所的電離圏観測や地磁気観測の地上観測とともに、独自の宇宙天気数値予測モデル(太陽風、磁気圏、電離圏)の開発を実施しており、これら国際宇宙環境サービスの一環を担っていること。
太陽フレアにより、私たちの実社会の支柱である衛星測位や電力網等への甚大な損害の発生の可能性があること等を、「無線通信・放送」、「衛星測位」、「衛星運用」、「電力網」といった宇宙天気の社会基盤への影響とともに、「宇宙天気災害」に対する国内外の備えという視点から、アジア地域におけるNICTの役割や宇宙天気情報を利用者に提供するためのアプリケーションの重要性も含め説明いただきました。
オンラインセミナーの様子
また、参加者から「地球の磁場の変化」について質問があり、今後数千年のスケールで地球の磁場が減っていくことは知られており、その対処は今後の研究課題であると回答いただきました。
総務省関東総合通信局では、引き続き、関東情報通信協力会との共催による異業種間の連携や交流を深める企画を行ってまいります。