【関東総通】e-コムフォKANTO
令和5年12月26日
関東総合通信局
「地域情報化広域セミナーin関東2023」を開催
−地域に役立つ働き方のためのテレワーク−
総務省関東総合通信局(局長:高地 圭輔(たかち けいすけ))は、令和5年11月17日(金曜日)に「地域情報化広域セミナーin関東2023−地域に役立つ働き方のためのテレワーク−」をオンラインで開催しました。
1 概要
本セミナーでは、地域と企業の取組や移住・定住、地域活性化に繋がる成功事例・優良事例などについて3名の講師にご講演いただきました。地方公共団体、民間企業等から併せて40名の申込みがありました。
2 開会挨拶
冒頭、関東総合通信局長 高地 圭輔より開会挨拶を行いました。
3 講演について
講演1 「地域と企業に役立つ「社会福祉型テレワーク」」
長野県立科町 地域振興係 係長 上前 知洋(うえまえ ともひろ)氏
立科町が行う新しい働き方の取り組みや、総務省の実証事業を先進的に行っている中での事例について、自治体の立場からご講演いただきました。
町の概況と町内で実施している社会福祉型テレワーク事業についてご紹介いただき、雇用創出型テレワークの取組内容と総務省の実証事業のご説明、ワーケーションの誘致による地域雇用の創出事業として取り組んでいる「立科WORKTRIP事業」についてご説明いただきました。
【質疑応答】
Q1 テレワークを支援する事業者様と接点を持つコツはありますか。
A1 事業者に支援したいと思っていただくために、まずは自治体内でビジョンを明確にすることが大切です。
Q2 テレワーク事業に取り組むに当たっての注意点や心がけたことは何かありますか。
A2 雇用者がいるため、簡単に事業をやめるということはできません。事業の継続性をどのように担保するかを常に意識しています。
Q3 自治体担当者の異動については、どのように対策していますか。
A3 立科町では、事業を法人化し町の事業から移管することで、継続性を担保できるように準備を進めています。また、始めは自治体内で取り組む必要があることから、市区町村長の理解を得ることが重要です。
講演2 「“親子ワーケーション”から始まる関係人口の創出」
株式会社毎日みらい創造ラボ 執行役員 「親子ワーケーション部」代表
今村 茜(いまむら あかね) 氏
「親子ワーケーション」の説明や、「親子ワーケーション」で生まれる関係人口等についてご講演いただきました。
親子ワーケーションのメリットや実施の様子についてご紹介いただき、新規事業や情報発信プラットフォームとしての親子ワーケーション、親子ワーケーションを成功させる上でのポイントについてご説明いただきました。
【質疑応答】
Q1 親子ワーケーションを推進する中で、行政に支援や心がけて欲しいことはありますか。
A1 子どもに必要なサービスが住民であることを要件としていることが多く、保育園や児童館の利用、図書館の貸し出し等に支障があります。そのような準住民サービスを利用できるような制度を自治体に検討して欲しいです。
Q2 今後の親子ワーケーションの展望はどのように考えていますか。
A2 1週間以上の長期ワーケーションにおいてネックとなるのは、保育園や小学校です。
新潟県糸魚川市では小学校の体験入学ができるプロジェクトが実施されており、他自治体でも横展開して頂きたいと考えています。
Q3 親子ワーケーションに連れて行った子供の反応はどうでしたか。
A3 家族旅行より親子ワーケーションの方が楽しいと言っています。
親子ワーケーションでは、勤務時間中は地域の人々が子供の対応をしてくれ、その地域に友達もできます。様々な人と交流できるので、子供のコミュニケーション能力が鍛えられたように感じました。
講演3 「地域活性に深く関わる!秩父のワーケーション×コワーキングの取り組み事例について」
一般社団法人ちちぶテレワーク協会 代表理事
出浦 洋介(いでうら ようすけ) 氏
企業と自治体が連携したテレワークの推進事業について、本セミナーの会場となった「働Co-factory みなのLABO」の紹介も含め、ご講演いただきました。
秩父地域の概況と秩父ワーケーションのコンセプト、秩父地域内のテレワーク関連施設の紹介と地方コワーキングスペース運営についてのポイントについてご説明いただきました。
「働Co-factory みなのLABO」紹介の様子
【質疑応答】
Q1 本会場の「働Co-factory みなのLABO」は、皆野町職員も普段から利用しているのでしょうか。
A1 副町長をはじめとして利用されています。情報交換の場としても活用いただけていると考えています。
Q2 秩父のワーケーションから移住された方はどれだけ居ますか。
A2 詳細な数値は分かりませんが、都内からの交通の便が良いので近隣地域も含め増加しています。
4 最後のまとめ
Q1 |
ちちぶテレワーク協会と連携するきっかけやこれまでの取り組みについて教えてください。 |
今村氏) |
親子ワーケーションにおいて知り合った方から出浦氏を紹介いただいたのがきっかけです。秩父市では「結び人」というコーディネーターがおり、地域との交流促進に一役買っています。 |
出浦氏) |
単に施設に来るだけでは施設環境しか判断できず、非常にもったいないと思います。「結び人」のような人材を配置することにより、リピーターも増え成功につながるのではないかと考えています。 |
Q2 |
立科町と皆野町のコワーキングスペースに違いはありましたか。 |
上前氏) |
民間事業者で複数のコワーキングスペースを連携させつつ、周知をしている事例を初めて知りました。立科町は行政主体で実施しているためその点で違いがありました。 |
出浦氏) |
地域には、私のような取り組みをしている人材がいるはずです。地方自治体には、そういった人材を発掘・活用することによって、盛り上げていただきたいです。 |
Q3 |
登壇者それぞれの立場からみた、テレワークの価値とは何だと思いますか。 |
上前氏) |
立科町の雇用創出型テレワークの取り組みの中で、住民の能力を活かして活躍していただいた例がありました。テレワークは住民の方の可能性を開く手段の1つであり、広く届けていきたいと考えています。 |
今村氏) |
テレワークは様々な業種で普及しましたが、今はオフィス回帰する企業と、さらに進化し生産性向上のために活用しようとする企業とに二分化されているように感じます。後者の企業の実施環境整備にお役に立てればと思います。 それに加え、親子ワ―ケーションでの子どもの成長や地域の活性化によって社会そのものが変わっていくと思います。どんなライフステージにいる方でも、希望すれば自由にテレワークができる社会にしていきたいと考えています。 |
出浦氏) |
「テレワーク」や「ワーケーション」は当たり前となり、今後これらの言葉は無くなっていくと考えています。 また、拠点を開設・運営する事業者や自治体の方々は、ぜひ土日も拠点が開設できるような工夫、検討をお願いしたいです。安心した環境が地方にあると、テレワークやワーケーションはより普及すると考えています。 |
5 閉会挨拶
最後に本セミナーの共催でもある、一般財団法人全国地域情報化推進協会(APPLIC)専務理事/事務局長 松村 浩より閉会挨拶を行いました。
6 参考
ページトップへ戻る