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【関東総通】e−コムフォKANTO

平成28年4月21日
関東総合通信局

「観光地は物語でつなぐ」をテーマに吉岡町でシンポジウムを開催

 関東総合通信局は、3月24日(木曜日)、関東ICT推進NPO連絡協議会及びNPO法人にぎわいのまち吉岡と共催で、「まちづくりシンポジウムin吉岡≪観光地は物語でつなぐ≫」を群馬県吉岡町文化センターで開催しました。
 当日の模様について、NPO法人にぎわいのまち吉岡より報告がありましたのでご紹介します。
 NPO法人にぎわいのまち吉岡は、平成28年3月24日(木曜日)午後2時より群馬県吉岡町文化センターにて、「まちづくりシンポジウムin吉岡」を開催しました。
 当日は、定員60名のところ、84名(関係者を除く)の方にご参加を頂き、総務省関東総合通信局並びに関東ICT推進NPO連絡協議会のお力添えを得て開催いたしました。 

【開会挨拶】

 最初にNPO法人にぎわいのまち吉岡理事長の森田 裕博より主催者挨拶をし、その後、共催である総務省関東総合通信局情報通信部長の山口 浩氏より開会のご挨拶を頂き、最後に開催地の吉岡町町長の石関 昭氏よりご挨拶をいただきました。

左:「挨拶する森田 裕博」、中央:「関東総合通信局 山口部長」、右:「吉岡町 石関町長」

森田氏 山口部長 石関町長


【第1部 基調講演】

 第1部は、群馬県北群馬渋川振興局長の岡 義久氏に「地域振興・活性化施策について」と題して 北群馬渋川振興局が取り組んでいる事業の概要、また、実際にこれまで取り組んできた様々な補助事業の紹介、さらには、現在進行中の関連事業についての紹介を頂きました。
 「地域振興事業は、行政が主導するのではなく、地域の中からまちづくりへの機運を高め、行政の仕組みを利用するスタンスであることが必要」という話がされました。

左:「講演する岡局長」、右:「基調講演時の会場の模様」

岡局長 会場の様子


 具体的な事例として、岡氏が地域の方へ行政の補助事業を紹介することで、地域で合意形成し、自己資金の捻出にし、温泉街の街灯約60機を2年間かけて整備したことの紹介がされました。

 さらに「物語」という視点では、世界遺産で国宝指定も受けた富岡製糸場の例を挙げ、どのような経緯で富岡市に場所が決まったのか、当時の足跡を辿るDVDの制作事例も紹介頂きました。そこには、地域の方も知らない物語があり、地域の中で情報を共有し、地域の機運を高めることの大切さ・必要性を強く感じました。

【第2部 宿場の魅力】

 第2部は、「宿場の魅力」と題して白井宿観交(光)案内人の会会長の須田 孝氏と吉岡町野田宿を守る会事務局長の森田 裕博氏による北群馬にある2つの宿場について紹介を頂きました。

<白井宿>
 白井宿の歴史は、城下町としてスタートし、江戸時代に三国街道が通ることから市場町でして栄えていた場所です。
 白井宿の整備は、約20年前に遡り、下水道が道路の中央を通ることから、その保全事業としてスタートしたことがきっかけで、その後、様々な事業を経て、井戸の復元、石塔、案内札、さらには用水路の両脇に立つ八重桜など、時間をかけて今の姿へなったとの説明を頂きました。
 また、整備が整っていくに従い、道の駅「こもち」の近くにあることから、観光案内を行うようになり、その多くは、渋川市役所へ問合せのあった一般旅行客だそうです。要望に応じて様々な視点で案内を行うことで、これまで多くの観光客にサービスを提供されていて、中でも4月下旬に開催される桜祭りには、毎年2万人の来場者があり、地域への貢献度も大きいと紹介されました。

<野田宿>
 野田宿は、伊香保の手前、吉岡町にある宿場で白井宿が行政との連携で観光資源としての輝きを見せるのとは対照的に、野田宿にあった大庄屋、森田本家によって保存活動が行われている場所です。
 事務局長の森田氏は、その分家にあたり、その保存活動をどのように進めてきたかを説明されました。旧屋号を記した立札、森田家本陣の周辺整備など、これまで、その多くは私財を元に整備・修復されてきましたが、今後、地域や行政と連携した活動へと展開できることを目指していると説明されました。
 また、野田宿の歴史についても、万葉集の中で伊香保を歌った和歌を取り上げ、この地域が古くから賑わっていたことを示すエピソードなども紹介されました。

左:「白井宿の須田会長」、右:「野田宿の森田事務局長」

白井宿の須田会長 野田宿の森田事務局長

【第3部 パネルディスカッション】

  第3部では、「観光地は物語でつなぐ」と題して、地域の魅力発信のために必要なものとは何か?について考えて行きました。
 パネラーは、これまでに登壇頂いた岡局長、須田会長、森田事務局長に加え、嬬恋ケーブルビジョンの小林 代史氏を迎えて行われ、コーディネータには当NPOの小保方 貴之監事が努めました。
 まず最初に、宿場の保存活動と目的について改めて伺い、どのようにして「魅力」を地域の中で共有しているか、または出来ているのか、白井宿と野田宿の状況を伺いました。
 その後、魅力を共有した先にどんなことが起きるのか?という視点で、地域コミュニティが情報共有するとどんなことが起きるのか?ということを嬬恋ケーブルビジョンの事例を参考に考えて行きました。
 嬬恋ケーブルビジョンは、地域の7割の世帯が加入しており、地域の様々なニュースを届ける中で相互理解が深まり、また、地域の中でどのようなことが行われているかなどへの興味を喚起することに大いに貢献していることが分かりました。
 そのような視点から、行政が示す「まちづくり等における地域の機運向上」等にも、大いに役立つ可能性を秘めています。
 一方で、物語と地域観光の例として、2つの事業の概要をコーディネータが紹介し、それらの事例が「魅力的なスポットを魅力的な物語で発信していくことで、多くの人に知ってもらえるだろう」という内容のものでした。
 しかし、実際には、「地域で出来ること」と、観光客として来た人に「期待すること」に別れており、この期待を現実のものにするには、「共感」というのキーワードが必要ではないかと話されました。
 そして、その共感は、地域の中から起こすことが出来れば、観光客が訪れた時に、その共感に触れる機会が増えるのではないか?と指摘されました。
 最後に共感を起こすためにメディアが出来ることとして、小林氏から、「今有るものを使い倒すことが必要。そのためのお手伝いをメディアとして出来るのではないか?」と強いコメントを頂き、パネルディスカッションを終了しました。

左:「左からパネラーの小林氏、森田氏、須田氏」、右:「左からパネラーの岡局長、コーディネータの小保方氏」

パネラーの小林氏、森田氏、須田氏 パネラーの岡局長、コーディネータの小保方氏

【閉会挨拶】

NPO法人にぎわいのまち吉岡理事の飯塚 智広より予定を超える多くの皆さんに参加を頂き、大変有意義なシンポジウムになったとの感謝の言葉を申し上げ、盛況のうちに閉会しました。

左:「閉会挨拶する飯塚理事」、右:「パネルディスカッションで質問する参加者」

閉会挨拶する飯塚理事 パネルディスカッションで質問する参加者


主催:NPO法人にぎわいのまち吉岡
共催:関東総合通信局、関東ICT推進NPO連絡協議会
後援:群馬県渋川行政県税事務所、吉岡町


連絡先
総務省 関東総合通信局
情報通信部 情報通信連携推進課
担当者:山本、本郷   
電話 :03-6238-1680
FAX :03-6238-1698

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