<パネラー: 根本 泰昌 氏>
大学卒業後、東京の大手製薬会社に勤めていた根本さんは、2006年宇都宮市中心部オリオン通り商店街にY’s tea (ワイズティー)ネットワーク(株)を設立し、ティールームと小売りの「世界のお茶の専門店 Y’s tea」をオープンしました。
「一杯の紅茶で人と地域を元気に」をコンセプトに、「思い」と「ストーリー」を込めたオリジナルブレンド紅茶やハーブティーを生み出して来ました。そして、宇都宮市の紅茶消費量を43位から全国1位にし、新たなブランドを作る起業家として周知され、ご当地紅茶づくりの相談を各地から受けるようになり、航空会社やフランス大使館からもオリジナルティーの依頼を受けるなど、益々グローバルな活躍が期待されています。
当初より、まちづくりにも力を入れ市民団体「宇都宮街づくり大学」を設立し、地域活性化や小学校のクラブ活動等で紅茶に親しむ活動、生涯学講座で紅茶教室を行うなど幅広い取り組み内容について話されました。
<パネラー: 増子 春香 氏>
増子さんは、自身の3つの立場(ワイン醸造家で家業の会社役員、育児中の母、NPO法人コムラボの理事兼事務局)をまず紹介されました。それらの生活体験を通して、仕事が衰退し少なくなっている地方では、若い人、特に子育て中の若いお母さんに「食べていける仕事」が必要であると話されました。
所属するNPO法人コムラボでは、そのような「地域の新しい、やりたい、叶えたいを形にしていく」ことを目指しており、さらに、東京の仕事をクラウドソーシングで受け、田舎で出来るように、今はライターとイラストレーター養成講座を開いて希望者の支援をしていると話されました。
また、家業を通して感じたのは、ワイナリーを造るとその周りに店ができ、人が集まって来て「まち」が立ち上がっていくのをいろいろな地域で見られるので、急がず永く穏やかにやっていき、結果として「まちづくり」になったという自然体が良いのではないかと話されました。
<パネラー: 石橋 利也 氏>
石橋さんは、国立木更津高等専門学校卒業後、コマツ小山工場で産業用ロボット開発に携わり、その後ベンチャー企業などを経て、2006年合同会社イーヴァを設立され、近年は子ども向けのプログラミング教育や自社開発商品「のせラジ」の商品化を目指すなど、新たなものづくりの可能性を模索されています。子ども達にプログラムの作り方を教え、「ものづくりの楽しさを伝えたい」、小山には小山高専や関東職業能力開発大学校などがあり、「ものづくり」の土壌があると話されました。
自分は、まちへの愛着は希薄であったが、やりたいことがある環境に移動し、現在住んでいる小山市土塔に新しい商店街が4年前にでき、そこで夏祭りをやることになり、それが広がり土塔エリアを盛り上げるイベントになった。そして、商店街だけでなく地域を盛り上げるマップを作ろうということになり、賛同者を広げていった。
やりたいこと、やっていることを考えるだけでなく、口で言ったり、SNSやネットで友人に相談すると周りに協力者が集まってきて、マップ作りが実現した。
技術屋として仕事をしてきた人間としての夢は、「ものづくりのまち」になればという思いを持ち、力まず発信していくことが良いのではと話されました。
大森氏 |
左から石橋氏、根本氏、増子氏 |
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<コーディネーター: 大森 豊 氏>
取り組みや方向性の違うパネラーの発言をコーネーターの宇都宮大学 准教授の大森さんは、整理・補足され、また会場の参加者を巻き込み、パネラーだけでなく参加者と一緒に考えるパネルディスカッションとなりました。
参加者によるディスカッションの様子 |
パネル展示 |
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今回のシンポジウムでは、休憩中にスタッフ総出でY’s teaのオリジナル紅茶「SAKURA」を入れておもてなしするなど、和やかな交流タイムも生み出しました。
最後に関東総合通信局並びに関東ICT推進NPO連絡協議会に多大なお力添えを頂きましたこと厚く御礼申し上げます。
主催: NPO法人ワーカーズ・コレクティブたすけあい大地、まちかど美術館異業種交流まちづくり勉強会
共催: 総務省関東総合通信局、関東ICT推進NPO連絡協議会、NPO法人栃木県シニアセンター