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【関東総通】e−コムフォKANTO

平成29年9月1日
関東総合通信局

IoT導入支援セミナー《事業拡大に向けて》をつくば市で開催

 総務省関東総合通信局(局長:関 啓一郎)は、平成29年8月23日(水曜日)、つくば市の常陽つくばビル10階大会議室において、株式会社常陽銀行・茨城県高度情報化推進協議会・茨城県と共催、一般社団法人茨城県情報サービス産業協会・NPO法人ITコーディネータ茨城・Code for Ibarakiの後援により、「IoT導入支援セミナー《事業拡大に向けて》」を開催しました。
 このセミナーは、総務省の「IoT機器等の電波利用システムの適正利用のための人材育成事業」として開催したものです。

≪主催者挨拶≫

 開催にあたり、冒頭、主催者である総務省から関東総合通信局 関局長、共催者を代表して、常陽銀行 執行役員・地域協創部長の池田重人氏から挨拶を行いました。
 関局長は、はじめに、わが国は、名目GDPが過去最高水準に達し経済の好循環が回り始めている中、人口減少・少子高齢化が依然課題であること、生産性の伸び悩み等の「長期停滞」を打破していくためにも、あらゆる産業においてIoT、ビックデータ、AI、ロボット等を活用したイノベーションを進めていかなければならないこと、政府は、本年6月、「未来投資戦略2017」を閣議決定したことを紹介しました。
 また、「IoT」とは人間の知的処理能力の機械化であると述べ、知的処理能力とは脳と神経と五感の働きであること、五感が様々なところに広がり、そこから収集されたデータが「見える化」され、膨大なデータはビッグデータ(BD)としてクラウドに蓄積、蓄積されたデータを人工知能(AI)で解析して、従来の「ものづくり」を「サービス・付加価値の向上」につなげることであると説明しました。具体的な事例として、建設機械会社や航空機エンジン製造会社におけるIoTでモニタリング、ビックデータ解析により効率化・最適化させる事例等を紹介しました。
最後に、わが国は、中国・韓国に比べ、ICTの利活用分野で非常に遅れをとっており、人口減少や高齢化が進む日本では、IoTが待ったなしの状況であると述べ、参加者に対して本セミナーを通じて、是非多くのことを掴んで帰ってほしいと述べました。

 続いて、共催者を代表して株式会社常陽銀行から執行役員・地域協創部長の池田重人氏よりご挨拶をいただきました。
 池田部長は、ここ数年でなぜIoTが急速に普及してきたのかについて、その理由は主に2点あると述べられました。1点目として、「急速な技術革新」を挙げ、ネットワークやセンサー等の機器の利用コストが低下して一般にも利用できるようになったこと、その例にマラソン大会を取り上げ、選手の靴にICチップを取り付け、そこから吸い上げたデータをもとに選手の走行記録や現在位置をパソコンやスマートフォンで瞬時に確認できるようになったことを紹介。また、2点目の理由として、「企業を取り巻く課題」を挙げ、人口減少、高齢化が進む中でいかに生産性を向上するかが課題となっており、こういった課題をIoTで解決しようとする動きがあると述べました。
 最後に、本セミナーは、「事業拡大」に向けてという副題のとおり、セミナー参加者の事業の拡大に役に立つことを祈念すると述べました。

写真:(左)関局長、(右)株式会社常陽銀行 池田 執行役員・地域協創部長
(左)関局長、(右)株式会社常陽銀行 池田 執行役員・地域協創部長

≪セミナー≫

 続いて、3章の構成からなるセミナーを開始し、講師がテキストに基づき説明を行いました。

 第1章では、IoTの基礎知識として、IoTの導入・利活用による効果、IoTが求められる背景とIoTによる対応、データ収集、送信、蓄積、分析、活用等IoTで実現できること等について説明し、IoT導入事例として、農業・製造業・ヘルスケア・商業・介護の例を説明しました。
 そして、IoTを導入している事例として、つくば市の大曽根タクシーから塚本一也社長が、「IoTを利用した効率的な配車について」と題して事例紹介を行いました。
 大曽根タクシーでは、3代目配車システムとしてIP無線とクラウドサーバーを導入したことにより、電波障害の解消、GPSによる位置情報のレスポンス改善、配車係と乗務員のリアルアイム通信実現、コストダウン、蓄積データによる経営分析の実施が可能になったと説明されました。
 また、クラウドに蓄積されたデータから曜日別、時間帯別の実車傾向が把握できるため、実態に合った要員配置が可能となり、また個別の勤務シフトをコンピューターが作成するようになった。これらにより業務の効率化と生産性の向上が図られるようになったと説明されました。
 更に、将来的には自動運転車両を利用したタクシーと運転代行の併用事業について、その有効性を述べられました。

写真:(左)セミナーの様子、(右)大曽根タクシー 塚本社長
(左)セミナーの様子、(右)大曽根タクシー 塚本社長
 第1章終了後の休憩時間には、IoTの実機デモンストレーションが行われ、シングルボードコンピュータ(Raspberry PI 3)に温度・湿度センサーを接続し、ある一定以上の温度になると接続された扇風機が動作しライトが点灯すること、収集したデータがクラウドに相当するパソコンやスマホに無線LANで送られ、グラフとして可視化できることなどを、講師がセンサーを操作しながら説明しました。
 参加者はIoT機器を初めて見る方がほとんどで、大変興味深く説明に聞き入っていました。

写真:(左)デモンストレーションの様子、(右) デモ実機
写真:(左)デモンストレーションの様子、(右) デモ実機
 第2章では、IoTの技術・関連法制度として、IoTを構成する機器やセンサー、電波の有効利用、無線通信の種類や電波の周波数帯などの電波法制度、セキュリティ対策など注意すべき点などについて、説明しました。

 第3章では、IoTの活用として、IoTの導入手順について説明を行い、グループディスカッションを行いました。
6つの各グループは、金融、製造業、ITベンダーなど、あらかじめ参加者の業種が偏らないようにグループ分けされており、討議材料として各グループ内のユーザ企業が抱える問題点について、IoTを利活用することで解決したい課題の洗い出しと解決策の案出等をグループ内で討議し、ワークシートに記入していきました。

 そして、講師が任意のグループを指名し、ユーザ企業の受講者が自社のビジネス課題の洗い出しと解決策について、グループディスカッションの結果を発表しました。

写真:(左)ワークショップの様子、(右) グループの発表
写真:(左)ワークショップの様子、(右) グループの発表
 セミナーの最後は、茨城県商工労働観光部産業技術課の澤田周一郎主任が「中小企業IoT等自動化技術導入促進事業」について説明を行いました。

写真:茨城県商工労働観光部産業技術課 澤田主任
茨城県商工労働観光部産業技術課 澤田周一郎主任

連絡先
総務省 関東総合通信局
情報通信部 情報通信連携推進課
担当:道祖土(さいど)、田村
電話:03-6238-1680

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