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報道資料

平成25年5月14日
近畿総合通信局

平成24年度近畿管内における電波監視の概要

―大阪ミナミ繁華街での6名摘発など、取締りを強化―
 近畿総合通信局(局長:野津 正明)は、平成24年度における近畿2府4県の電波監視の概要を取りまとめたので公表します。
 不法無線局は、免許を受けずに電波を発射し、携帯電話や放送、消防、救急、航空、海上等の重要無線通信に混信・妨害を与え、人命・財産の保護や社会生活に大きな影響を及ぼします。
 このため、当局では、電波監視や指導、捜査関係機関との共同取締り等を強化しており、引き続き混信・妨害への迅速かつ的確な対応、不法無線局対策の強化及び未然防止のための周知・啓発活動を積極的に行い、良好な電波利用環境の維持に努めます。


<電波監視の概要>   別紙のとおり


[要 旨]

 1 不法無線局の出現局数(別紙の1参照)
   前年比3割減。ただし、不法アマチュア無線・不法船舶無線は依然多数出現。

 2 不法無線局に対する措置及び無線機器の鑑定件数(別紙の2参照)
   指導・告発、機器の押収・鑑定数は横ばい。不法アマチュア無線・不法船舶無線対応を強化。
   外国規格の無線機で近畿初の摘発 (大阪ミナミ繁華街での共同取締り:平成24年10月23日報道発表)別ウィンドウで開きます

 3 無線局に対する混信・妨害申告と電磁障害等の照会・相談件数(別紙の3参照)
   件数は横ばい。依然として消防・航空・海上通信等への妨害発生。

 4 周知・啓発等(別紙の4参照)
    不法無線局に使用される恐れのある無線機器販売店を調査・指導。


連絡先
近畿総合通信局 電波監理部
担当:若菜、近澤、犬井、長谷川
電話:06−6942−8516

別紙

別紙の1

1  不法無線局の出現局数

                ―前年比3割減。ただし、不法アマチュア無線が増加―
 

 不法無線局は、電波を監視して発射源を確認するほか、アンテナを設置した車両や船舶の登録情報と無線局免許情報から確認しています。全般的に減少傾向がみられますが、不法アマチュア無線や小型漁船等に不法に設置された船舶無線(以下「不法船舶無線」という。)が、依然として高い数字となっています。


表 1  主な不法無線局の出現局数                              単位:局
種別 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
不法市民ラジオ 197 67 46 14 19
不法アマチュア無線 159 195 132 106 151
不法パーソナル無線 151 20 7 59 55
不法船舶無線 732 767 615 585 319
総計 1,239 1,049 800 764 544


主な不法無線局の出現局数

別紙の2

2 不法無線局に対する措置及び無線機器の鑑定件数

              ―近年並み、横ばい。外国規格の無線機で近畿初の摘発―

2−(1) 不法無線局に対する指導件数


 不法無線局については、電波監視システム(DEURAS)である遠隔方位測定設備や電波監視車両を駆使して所在確認を行い、法令を遵守するよう指導しています。
 平成24年度に指導した種別では、不法アマチュア無線及び不法船舶無線の指導件数が全体の約7割を占めています。 
※DEURAS:Detect Unlicensed Radio Stationsの略 


表2−(1)  不法無線局に対する指導件数                         単位:件
種別 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
不法市民ラジオ 154 19 19 11 15
不法アマチュア無線 129 196 111 45 102
不法パーソナル無線 93 13 0 15 70
不法船舶無線 632 597 411 326 196
その他 54 25 53 109 56
総計 1,062 850 594 506 439
○ 一般の方が外国規格の無線機をネット販売等で購入し、使用する事例が増えています。
 (「その他」の56件の内45件は、外国規格の無線機です。)
  このような外国規格の無線機は、我が国の技術基準に適合していないため、使用すると様々な合法
 無線局に混信妨害を与える恐れがあります。
  一般の方が知らずに、こうした外国規格の無線機を使用して通信を妨害することがないよう、無線機
 器の販売店や国民・消費者に、周知啓発を実施しています。


不法無線局に対する告発件数


2−(2) 不法無線局に対する告発件数


 重要無線通信に妨害を与えたり、再三の指導に従わない等の悪質な違反者には、捜査機関に対して告発を行っています。
 平成24年度の告発件数においても、不法アマチュア無線が目立って多くなっています。


表2−(2) 主な不法無線局に対する告発件数                        単位:件
種別 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
不法市民ラジオ  18  8  9
不法アマチュア無線  8  30  25  37  41
不法パーソナル無線  18  13  7  8  3
不法船舶無線  8  10  10  16  10
その他  0  0  0  2  2
総計  52  61  51  66  61
○ その他の2件は、外国規格の無線機です。


不法無線局に対する指導件数


2−(3) 無線機器の鑑定件数


 捜査関係機関が押収した無線機器については、刑事訴訟法に基づく嘱託を受け、鑑定を行っています。鑑定した機器は、不法市民ラジオ、アマチュア無線機及びパーソナル無線機が中心となっています。


表2−(3) 無線機器の鑑定件数                              単位:件
種別 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
不法市民ラジオ  33  32 19 20 20
アマチュア無線機  28  53  65  62  55
パーソナル無線機  31  24  17  17  9
その他  6  10  29  19  7
総計  98  119  130  118  91
○鑑定項目は、電波の型式、発射可能な周波数、空中線電力等です。


不法無線局に対する鑑定件数


別紙の3

3 無線局に対する混信・妨害申告と電磁障害等の照会・相談件数

        
               ―近年並み、横ばい。依然として消防・航空・海上通信等への妨害発生―


 航空、海上、消防、救急用の通信や列車無線等の重要無線通信に対する混信・妨害申告が依然として後を絶たない状況にあります。また、電波が健康に影響を与えるのではないかとの不安から電波の安全性に関する照会・相談も寄せられています。


表3 無線局に対する混信・妨害申告と電磁障害等の照会・相談件数       単位:件
区分 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
重要無線通信の局 39 48 86 55 47
業務用無線局 11 18 18 8 10
アマチュア無線局 93 195 186 238 186
その他の無線局 29 19 36 19 15
電磁障害 27 53 59 43 39
生体電磁環境 103 106 87 44 18
総計 302 439 472 407 315
(1) 「その他の無線局」には、特定小電力無線局、外国規格の無線機等が含まれています。
(2) 「電磁障害」とは、家電、電子機器等から発射される不要電波による障害です。
(3) 「生体電磁環境」とは、電波が健康に影響するのではないかといった不安から寄せられる電波の安全
      性に関する照会・相談です。
(4) 「アマチュア無線局」の数字は、平成21年度に統計分類を見直しています。



無線局に対する混信・妨害申告と電磁波障害等の紹介・相談件数


無線局に対する混信・申告と電磁波障害等の紹介・相談件数


3−(1)  重要無線通信妨害の申告件数


 不法無線局をはじめ、設備不良や誤操作による電波の誤発射を原因とする重要無線通信に対する混信・妨害が後を絶ちません。
 平成24年度においても、消防車や救急車の活動、航空機や船舶の航行、列車の運行等に支障を及ぼし、又は及ぼしかねない事態が生じるなど、人命や国民生活に密接に関わる重要無線通信が脅かされました。
 これらの重要無線通信妨害への対応は、直ちにDEURASで監視し、移動監視を実施するなど監視体制を強化しています。 


        表3−(1)  重要無線通信妨害の申告件数                     単位:件
無線局の用途 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
電気通信業務 0 2 18 0 3
放送事業 0 0 2 2 1
消防業務 10 13 12 8 8
航空通信 9 18 11 3 7
海上通信 13 5 25 12 14
鉄道事業 4 5 13 12 4
その他 3 5 5 18 10
総計 39 48 86 55 47
○「その他」には、防災行政用、電気事業用、新聞事業用、MCA陸上移動通信用等の無線局が含まれて
 います。


重要無線通信妨害の申告件数


3−(2) アマチュア無線局の申告件数


 アマチュア無線局に係る申告は、全申告・相談等件数の約6割と半数以上になっており、コールサインを言わずに特定のチャンネルを独占している、決められた使用区分を守らずに他のアマチュア無線局の通信に支障を与えているという内容が多数を占めます。また、最近ではアマチュア無線を業務のために使用しているといった申告も増加しています。
 申告に基づき調査した結果、平成24年度は、不法・違反運用していたダンプカー等の車両243台を特定しました。平成24年度には、平成23年度に確認したものを含めて、不法無線局を運用していた運転手59名、免許を受けた無線局で周波数使用区分等に違反して運用していた免許人125名を指導しました。

 

3−(3) 生体電磁環境に関する照会・相談件数

 電波利用が進むなかで、携帯電話基地局などからの電波が人体に影響を与えるのではないかといった不安や懸念から多くの照会・相談が寄せられています。
 電波の人体への影響に関しては、国際的なガイドラインが作成されており、我が国においてもガイドラインと同等の電波防護指針が決められています。電波防護指針には十分な安全率が適用されていますので、これを守って設置された無線局は安全と言えますが、電波は目に見えないことから不安に思われる方からの問い合わせが多く、丁寧な説明を心掛けています。


表3−(3) 生体電磁環境に関する照会・相談件数                   単位:件
区分 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
携帯電話基地局 66 68 28 20 8
電波防護指針 22 19 12 2 1
その他 15 19 47 22 9
総計 103 106 87 44 18
○「その他」には、電波の一般的な体に対する影響、心臓ペースメーカー等への影響、家電製品等から
の電磁波による人体への影響などに関する照会・相談が含まれています。


生体電磁環境に対する照会・相談件数


別紙の4

4 周知・啓発等

         −不法無線局に使用される恐れのある無線機器の販売に注意−
       


 4−(1) 指定無線設備等の販売店への指導等

 不法無線局の未然防止と免許情報告知制度の周知、指定無線設備※や技術基準不適合設備の販売状況を把握するため、毎年、無線機器等の販売店を調査・指導しています。
※指定無線設備:総務大臣が指定した不法無線局に使用されるおそれがある無線設備。


表4−(1) 指定無線設備等の販売店調査・指導件数                 単位:店
 年度  平成20年度 平成21年度  平成22年度 平成23年度 平成24年度
調査店舗数  19  20 14   25 14 
指導店舗数  0  3  0


4−(2) 流通分野に対する電波利用ルールの周知・啓発

 電気店等の一般の店舗に対し、毎年、対象地域を定め、微弱な電波の範囲を逸脱している無線機器や技術基準不適合機器を販売しないよう周知・啓発活動を行っています。
 店舗の中には、微弱電波の範囲を超えるFMトランスミッター※やワイヤレスチャイム等を違法品と知らないで販売している店舗もあり、関係法令等の周知・啓発を行っています。
※FMトランスミッター:FM電波により携帯音楽プレーヤー内の音楽ファイルを自室のコンポーネントや
車載FMチューナで聴くための送信機器。



表4−(2) 不適合機器等販売状況調査件数                      単位:店
年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度
店舗数 177 133 44 64 58


4−(3) 電波利用環境保護に関する周知・広報

 電波利用環境を保護する重要性や電波利用の基本ルールをはじめ、電波をより身近なものとして理解を深めるため、様々な周知・広報活動を行っています。


表4−(3) 電波利用環境保護に関する周知・広報
形態 対象等 放送回数、配布枚数
放送メディアによるCM 近畿2府4県ラジオ局12社 270回
電車による中吊り広告 近畿2府4県の主要鉄道事業者 3.370枚
主要駅のポスター掲示 JR西日本主要駅(13カ所) 26枚
関係団体に対する
協力依頼
自治体等関係団体947カ所、
トラック協会、商業組合等
ポスター 4,200枚
資料 41,350枚


4−(4) 生体電磁環境に関する説明会の開催等

 電波が健康に影響を与えるのではないかといった疑問や不安に応え、電波の安全性について正しい理解を得るため、工学・医学・行政各分野の専門家を講師に招き、市民を対象にした「電波の安全性に関する説明会」を開催しています。
 また、電波防護指針を分かり易く説明した説明資料「電波と安心な暮らし」を自治体、消費生活センター、ご相談を頂いた市民の皆さまなどに送付しています。
ア  平成24年度「電波の安全性に関する説明会」の開催結果
   ・神戸市(平成24年9月19日) 参加者 73名
   ・奈良市(平成25年2月22日) 参加者 59名
イ  電波防護指針に関する説明資料「電波と安心な暮らし」別ウィンドウで開きます※を配布しています。
   ※ http://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/body/emf_pamphlet.pdf

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