報道資料
平成26年7月15日
高知県に配備される津波救命艇に対し全国で初めて無線局の免許
≪衛星を使用して津波救命艇の位置情報を伝達≫
四国総合通信局(局長:元岡 透(もとおか とおる))は、本日、高知県高知市仁井田に配備予定の津波救命艇に対して、遭難自動通報局の無線局免許を交付しました。
南海トラフ巨大地震の発生時において、住民が高台の避難所等に短時間で避難することが困難な場合も想定されることから、津波救命艇が開発されています。一方、津波救命艇は、動力を持たず自ら航行することはできないことから、海へ流された場合には漂流して、救助を待つことになるので、津波救命艇の位置情報を救助機関に迅速に伝える手段を備えることが課題となっていました。
このため、総務省では津波救命艇においても一般船舶と同じ遭難自動通報局を開設することを認めることとし、四国総合通信局において、本日、全国で初めて津波救命艇に対し免許を交付しました。
【免許の概要】
(1)免許人 一般財団法人 四国港湾福利厚生協会
(2)津波救命艇 愛称:「りょうま」(高知市仁井田字新港)
(3)周波数 406.028MHz、121.5MHz
○Cospas-Sarsat衛星を利用した捜索救助の流れ
船舶等が遭難した場合、船舶に搭載されたEPIRB等からの遭難警報が衛星を介して業務管理センター(海上保安庁)へ通報され、捜索救助機関(海上保安本部等)へ通知される。
○衛星EPIRB(Emergency Position-Indicating Radio Beacon)
遭難時に電波を発射することによって、衛星を介して海上保安庁まで遭難警報及び遭難船舶の情報が送られ、遭難救助活動が開始されます。
使用する衛星は、低軌道を周回しているCOSPAS(ロシア、2機)−SARSAT(米国、5機)の衛星を利用する406MHz帯の遭難救助用ブイで、船の国籍やID番号等の識別符号を発信され、遭難信号により遭難船舶の位置が測定されます。
装置は、船舶が遭難し、装置が水没したときに船体から自動に離脱し電波を発射するタイプと、装置のスイッチを手動で操作して電波を発射するタイプがあります。今回設置するものは、手動で操作するタイプです。
○COSPAS−SARSAT
1985年、国際的な衛星支援捜索救助システムの運用開始を宣言
1988年、米、ソ、仏、加が「国際的なコスパス・サーサット計画協定」に署名、国際機関「コスパス・サーサット」(事務局:ロンドン)を設置
1993年、日本も地上部分提供国となる。(日本では海上保安庁が設備を構築し、責任機関として登録された。)
COSPAS(Cosmicheskaya Systyema Poiska Aariynyich Sudov[衛星による遭難船捜索システム])
SARSAT(Search And Rescue Satellite Aided Tracking)
○遭難自動通報局
船舶に搭載する遭難自動通報設備、衛星EPIRB等のみを使用している無線通信業務を行う無線局。
○一般財団法人 四国港湾福利厚生協会
港湾労働者に対する宿泊施設、給食・休憩施設、会議室・研修室等施設の設置・運営及び船内荷役作業主任者技能講習や安全衛生セミナー等、能力向上のための資格取得等の助成事業、その他協会の目的を達成するために必要な事業をおこなっています。
津波救命艇に関する問合せ先 電話:087-851-7108 竹田
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