報道資料
平成24年4月23日
東海総合通信局
富士スピードウェイ内でワンセグ・フルセグ放送などの実験試験局を免許
総務省東海総合通信局(局長 安藤 友裕(あんどう ともひろ))は、本日、富士スピードウェイ株式会社(代表取締役社長 加藤 裕明(かとう ひろあき))から申請のあった富士スピードウェイ内の特定エリアで情報提供を検証するための実験試験局の免許を付与しました。
概要
本実験試験局は、ホワイトスペース特区として決定されたサーキットの集客効果向上と周辺地域への消費活動促進を目的としたエリア放送
の事業として、携帯電話端末などのワンセグ受信機やサーキット内に設置したデジタルサイネージ(注)向けにフルセグ放送で情報を提供する実験を目的に申請されたものです。
注記
- デジタルサイネージ:映像表示装置とデジタル技術を用いた広告媒体。屋外・店頭・公共施設などに、液晶ディスプレーやプロジェクターを設置して広告や各種案内を表示するもの。
この実験試験局により、レース映像に対応するワンセグ放送の高画質化や情報提供サービスの検証、効果的な放送区域の確保のための電波伝搬状況の基礎データの取得が行われる予定です。
実験試験局の概要は次のとおりです。
表:実験試験局の概要
周波数 |
563.142875MHz(メガヘルツ)(28ch(チャンネル)) |
設置場所及び空中線電力 |
静岡県駿東群小山町中日向694 富士スピードウェイ構内 10mW(ミリワット) |
免許の有効期間 |
平成25年2月28日 |
実験開始予定日 |
平成24年5月2日 |
参考
- ホワイトスペース特区
- それぞれの地域におけるホワイトスペースを活用したサービスやシステムの実現を目指して、研究開発や実証実験を実施し、実現に向けた制度化、ビジネス展開を図ることを目的とした制度。
(注記)ホワイトスペース;放送用などある目的のために割り当てられているが、地理的条件や技術条件によって他の目的にも利用可能な周波数のこと。
- 実験試験局
- 電波法施行規則第4条第22号
科学若しくは技術の発達のための実験、電波の利用の効率性に関する試験又は電波の利用の需要に関する調査を行うために開設する無線局
- その他
- 本件の他、現在、以下の実験試験局が運用、また、開設を計画しています。
- 運用中の実験試験局
-
- 日本放送協会(愛知県弥富市:中波送信所)(ホワイトスペース特区関連)
- 中日本高速道路株式会社(静岡市葵区:新東名高速道路静岡SA、清水区:新東名高速道路清水PA)
- 株式会社シーポイント(浜松市中区:浜松市役所及び浜松教育文化会館周辺地域)(ホワイトスペース特区関連)
- 開設計画中の実験試験局
-
- 浜松地域活性化ICT技術研究組合(静岡県浜松市:浜松市駅前周辺)
1 実験のイメージ
図1:実験のイメージ図

2 実験で提供する情報の画面イメージ例
図2:画面イメージ

図3:画面イメージ

3 情報提供エリアの概要
図4:エリア図

ホワイトスペース特区「サーキットの集客効果向上と周辺地域への消費活動促進を目的としたエリア放送」事業の概要
富士スピードウェイから始めるエリア放送の可能性
- 1 技術面での取り組み
- 16QAM(注)でのワンセグ高度化
- 映像レートを上げる、データ放送をリッチコンテンツにする、2サービス放送を実施するなど、エリアワンセグの可能性を広げます。
視聴者(来場者)ニーズに合わせた放送エリア設計
- アンケート等(データ放送も利用)により、構内のどの場所で視聴意向が高いかを調査
- アンテナの方向を変えるなど、視聴意向の高い場所の受信を改善し、より理想的な視聴エリアを構築していく
(注記)16QAM;無線などで用いられるデジタル変調方式の一つ。高速デジタル通信などに用いられる。
- 2 ビジネスの可能性
- ワンセグ視聴意向は非常に高い
- 大型ビジョン等の無い観戦スポットが富士スピードウェイには多数あるが、映像での情報提供を望む声は多い。エリアワンセグはまさにうってつけの情報提供メディア。
カーTVを大きな市場にしていく
- 富士スピードウェイには車での来場者が非常に多く、レースの合間などを車で過ごす人もいる。カーTVを視聴する人に向けた放送は潜在的な市場を掘り起こす。
- 3 サービスのイメージ
図5:イメージ図

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