報道資料
平成25年11月14日
東海総合通信局
松阪市でフューチャースクール研究発表会を開催
ICTによる「新たな学び」の実証
総務省東海総合通信局(局長 木村 順吾(きむら じゅんご))は、三重県松阪市立三雲中学校のフューチャースクール推進事業に参画し、21世紀を生きる子供たちに求められる力を育むために教育分野におけるICT利活用を支援しています。
このたび、同校において、これまでの3年間の成果を公開する研究発表会が開催されます。
1 フューチャースクール推進事業の概要
指定した実証校に児童生徒1人1台のタブレットPCと全普通教室にインタラクティブ・ホワイト・ボード(電子黒板)を配備し、それらを無線LANシステムで繋ぎ、教師・児童生徒が教え合い学び合う協働教育の現場から現れる情報通信技術面等の課題を抽出・分析するものです。
この事業は、平成23年度から文部科学省の学びのイノベーション事業と連携して推進しています。
2 研究発表会
- 日時 平成25年11月15日(金曜日)(公開授業は10:30〜12:20)
- 場所 松阪市立三雲中学校(松阪市中道町345 電話:0598-56-2329)
3 三雲中学校の取組(平成23年度〜25年度)
- 総務省の実証テーマに沿って、教育分野でのICT利活用の推進を目指し、ICT環境構築時・利活用時(情報通信技術面)・運用時(コスト、体制)の各段階において調査及び実地検証を行いました。また、災害時におけるICT環境の利活用についても調査・検証を行いました。
- 独自テーマとして、松阪市の松浦武四郎記念館との連携に関する実証研究を行い、地域との教育連携におけるICT利活用の課題の抽出・分析を行いました。
- 平成24年度:北海道地区の中学生との交流
- 平成25年度:武四郎記念館と連携し、生徒による「武四郎学習」として調べ学習。文化祭や「武四郎まつり」で成果発表、全国配信(予定)
- 独自テーマとして、学校に行けない、行きにくい、集団に入りにくい生徒の家庭をビデオ通話で繋ぎ、生徒間または指導員との交流を図る実証研究を行い、地域支援のためのICT利活用の課題の抽出・分析を行いました。
- 平成24年度:松阪市子ども支援センターとの連携やドリル学習システムを活用した学習支援
- 平成25年度: ビデオ通話、動画配信サービス等を用いたふれあい活動、学習活動支援
4 事業の成果
教員側からは、ICTを活用することにより、生徒同士の教え合い学び合いが活性化したほか、提示する情報量が増加したため理解が深まった、授業の準備にかかる時間が短縮され児童に向き合う時間が増えた、児童のタブレットPC上の作業工程が把握でき思考過程が見えるようになった等の意見がありました。
また、生徒を対象としたアンケートでは、実証事業開始当初からICTを活用した学習についての全ての項目で80%を超える生徒から高く評価されているという結果となりました。
一方、生徒の一斉利用やストリーミング再生にあたってインターネット回線の通信速度がボトルネックになることや、設備の導入費用等の課題が明らかになっています。
今後の取組
フューチャースクール推進事業と学びのイノベーション事業で得られた成果は、ガイドライン(手引書)にまとめて、学校関係者の会合に出席して説明する等により、全国の教育関係者に周知・説明する普及活動を実施します。
参考 フューチャースクール実証実験のイメージ
表:三雲中学校の生徒数及びクラス数
都道府県 |
市町村 |
学校名 |
生徒数 |
クラス数 |
三重県 |
松阪市 |
三雲中学校 |
1年生 144名 |
4クラス |
2年生 138名 |
4クラス |
3年生 156名 |
4クラス |
特別支援 5名 |
2クラス |
- 実証テーマと検証方法
- 実証テーマ:ICT機器の整備及び利活用に関して調査・分析
独自テーマ:消防署との連係、地域との連係
検証方法:事前・事後のヒアリング・アンケートから分析・検証する。
- 実証体制
- 協議会に教育委員会や学校関係者(教職員)を交えて、調査・分析項目を洗い出し、分析結果を成果報告書として纏めて総務省へ報告する。
図:三雲中学校の取組についてのイメージ
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