報道資料
平成29年11月28日
東海総合通信局
南海トラフ巨大地震に備え漁業無線を活用した非常通信訓練を実施
巨大地震を想定した漁業無線による情報伝達手段の確保
総務省東海総合通信局(局長 炭田 寛祈(すみだ ひろき))は、中国総合通信局、四国総合通信局と連携し、各管内の漁業無線局6局、高知県及び徳島県と共同で、巨大地震を想定した非常通信訓練を実施します。
訓練は、漁業無線が災害時の有用な情報伝達手段として活用できるよう、西日本の漁業無線局を中心に例年実施しているものです。
今年度は、初めて東海地方の漁業無線局が参加し行われ、四国沖で南海トラフ巨大地震が発生したことを想定し、東海、中国、四国総合通信局管内の漁業無線局(県庁経由を含む)間において救助要請等の伝達訓練を行うものです。
1 訓練日時
平成29年12月5日(火曜日)9時30分から12時25分まで
2 訓練の主旨
漁業無線局は平常時、相互の情報伝達を行うことを想定していませんが、比較的遠方まで電波が届くため、非常時の通信インフラが使用不能な状況においても確実な通信手段です。
東日本大震災では、釜石漁業無線局が関東地方の漁業無線局を経由して岩手県庁への救助の要請、被害状況の報告をはじめ様々な場面(避難者・被災者の氏名の伝達、救援物資の要請など)で有効活用されました。
南海トラフ巨大地震を想定した場合においても、通信の途絶を含め甚大な被害が想定されることから、今年度静岡県の漁業無線局を含め、巨大地震を想定した非常通信訓練を行い、漁業無線局が発災時の有効な情報伝達手段として機能することを確認し、実際の災害にも十分役割が果たせるよう訓練を行うものです。
3 平成29年度 漁業無線を活用した非常通信訓練
- 1 訓練概要
- 高知県沖で発生した南海トラフ巨大地震により、四国地方太平洋岸で津波被害が発生し、牟岐町、室戸市を含む広範囲において道路、電気、通信網など各種インフラが寸断。徳島県庁及び高知県庁も被災したが、公衆回線による連絡は可能との想定で、牟岐漁業無線局及び室戸漁業無線局から東海地方、中国地方の漁業無線局を中継して徳島県庁、高知県庁へ救助要請等を伝達し、各県庁からは対応状況等を逆ルートにより牟岐漁業無線局及び室戸漁業無線局へ伝達する訓練を実施。
- 2 参加機関
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- 東海管内:東海地方漁業無線連合会
- 中国管内:中国地方漁業無線連合会
- 鳥取県:鳥取県漁業無線局(境港市)
- 島根県:JFしまね漁業無線局(浜田市)
- 山口県:仙崎漁業無線局(長門市)
- 四国管内:徳島県、高知県、四国漁業無線連合会
- 徳島県:徳島県庁(徳島市)、牟岐漁業無線局(海部郡牟岐町)
- 高知県:高知県庁(高知市)、室戸漁業無線局(室戸市)
- 3 訓練方法
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- 牟岐漁業無線局及び室戸漁業無線局(以下「被災局」という。)から全国の漁業無線局に対して無線で一斉呼び出しを行い、応答のあった静岡県漁業無線局、鳥取県漁業無線局、JFしまね漁業無線局及び仙崎漁業無線局(以下「受信局」という。)に、徳島県庁及び高知県庁(以下「県庁」という。)あての救助要請等の伝達を依頼。
- 依頼を受けた受信局は、県庁へ救助要請等を伝達。
- 県庁は救助要請対応の内容を逆ルートにより被災局へ伝達。
- 4 地震発生時の初動通信ルート
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- 被災局と受信局(漁業FC)間は8MHz帯の短波帯周波数の無線を使用
- 受信局(漁業FC)と県庁間は災害優先電話や衛星携帯電話など使用
図:訓練の概要
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