健全化判断比率の算定

健全化判断比率等の概要について

 健全化法において、健全化判断比率等の対象となる会計は以下のとおりです。健全化法では、公立病院や下水道などの公営企業の赤字、地方公社や第三セクターの負債についても明らかにし、地方公共団体の財政の全体像を浮き彫りにします。

健全化判断比率等の対象となる会計の概要図

健全化判断比率の概要

 健全化法においては、地方公共団体(都道府県、市町村及び特別区)の財政状況を客観的に表し、財政の早期健全化や再生の必要性を判断するためのものとして、以下の4つの財政指標を「健全化判断比率」として定めています。

●実質赤字比率

 地方公共団体の最も主要な会計である「一般会計」等に生じている赤字の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。

実質赤字比率は一般会等の実質赤字額を標準財政規模で割ったもの。一般会計等の赤字額:一般会計及び特別会計のうち普通会計に相当する会計における実質赤字の額、実質赤字の額:繰り上げ重要額+(支払繰延額+事業繰越額)

●連結実質赤字比率

 公立病院や下水道など公営企業を含む「地方公共団体の全会計」に生じている赤字の大きさを、財政規模に対する割合で表したものです。

連結実質赤字比率は、連結実質赤字額を標準政規模で割ったもの。一般会計及び公営企業(地方公営企業法適用企業・非適用企業)以外の特別会計のうち、実質赤字を生じた会計の実質赤字の合計+公営企業」の特別会計のうち、資金の不足額の合計額:一般会計及び公営企業以外の特別会計のうち、実質黒字を生じた会計の実質黒字の合計額+公営企業の特別会計のうち、資金の余剰額を生じた会計の資金の余剰額の合計額

●実質公債費比率

 地方公共団体の借入金(地方債)の返済額(公債費)の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。

実質公債費比率は、(地方債のの元利償還金+準元利償還金(*)−(特別財源」+元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額)を標準財政規模−(元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額)

将来負担比率

地方公共団体の借入金(地方債)など現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。

将来負担比率は、将来負担額−(充当可能基金額+特定財源見込額+地方債現在高等に係る基準財政需要算入見込額)を標準財政規模−(元利償還金・準元利償還金に係る基準財政需要額算入額)で割ったもの。

資金不足比率の概要

 資金不足比率は、公立病院や下水道などの公営企業の資金不足を、公営企業の事業規模である料金収入の規模と比較して指標化し、経営状態の悪化の度合いを示すものです。

 公営企業は必要な費用を自身の料金収入によって賄わなければなりませんので(独立採算の原則)、公営企業会計の赤字や借金が大きくなって一般会計に大きな影響を及ぼさないよう、個々の収支(企業の経営状況)を事前にチェックしています。

資金不足比率は、資金の不足額を事業の規模で割ったもの。 ・資金の不足額(法適用企業)=(流動負債+建設改良費等以外の経費の財源に充てるために起こした地方債の現在高−流動資産)−解消可能資金不足額、 ・資金の不足額(法非適用企業)=(繰上充用額+詩支払繰延額・事業繰越額+建設改良等以外の経費の財源に充てるために起こした地方債現在高)−解消可能資金不足額。 ・事業の規模:事業の規模(法適用企業)=営業収益の額−受託工事収益の額 ・事業規模(法非適用企業)=営業収益に相当する収入の額−受託工事収益に相当する収入額

監査委員の審査と議会への報告、公表

 地方公共団体は、毎年度、前年度の決算に基づく健全化判断比率をその算定資料とともに監査委員の審査に付した上で議会に報告し、公表することとされています。

 また、公営企業を経営する地方公共団体は、毎年度、公営企業ごとに資金不足比率を監査委員の審査に付した上で議会に報告し、公表することとされています。

 地方公共団体は、公表した健全化判断比率を、速やかに、都道府県・政令指定都市については総務大臣に、指定都市を除く市町村・特別区については都道府県知事に報告しなければなりません。この場合、当該報告を受けた都道府県知事は、速やかに、当該健全化判断比率を総務大臣に報告しなければなりません。都道府県知事・総務大臣は、毎年度、報告を取りまとめ、その概要を公表することとされています。

地方公共団体財政健全化法における監査委員の役割PDF

健全化判断比率等の算定に関する資料

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