国立大学附属病院への診療費の支払方法の多様化について
−あっせん及び回答−
総務省関東管区行政評価局では、次の行政相談を受け、行政苦情救済推進会議(座長:成田頼明横浜国立大学名誉教授)に諮り、その意見を踏まえて、平成17年1月11日、関東甲信越に所在する5大学附属病院に対し、診療費の支払方法の多様化について改善をあっせんした。
診療費の支払方法の多様化についてのあっせんは、全国で初めて。
相談内容
家族が入院している国立大学医学部附属病院に入院費用を支払おうとしたところ、会計窓口での現金払いしかできないと言われた。
入院費用は、数十万円の高額になることもあるのに現金でしか支払えないのは不便であるので、改善してほしい。
支払方法 (平成16年4月、国立大学法人化に伴い、銀行振込、カード決済が可能となる。)
- 法人化前(16年4月以前)
-
・ 銀行振込 :×
・ カード決済 :×
- 法人化後(16年4月以降)
-
・ 銀行振込 :○
・ カード決済 :○
調査結果(関東甲信越の8国立大学の9附属病院)
- 銀行振込
-
導入済 :8病院
限定的に導入 :1病院
(※)
※ 筑波大学附属病院は、3か月以上の長期にわたる未収金に限定
- カード決済(クレジットカード・デビットカード)
-
両カード導入済 :1病院
両カード導入予定 :2病院(17年2月)
クレジットのみ導入 :1病院
未導入 :5病院(※)
※ 筑波大学附属病院
※ 群馬大学医学部附属病院
※ 東京大学医科学研究所附属病院
※ 新潟大学医歯学総合病院
※ 山梨大学医学部附属病院
- 国立大学法人化後は、カード決済の導入は各病院の判断
-
【メリット】
患者、特に、入院患者へのサービス向上、会計窓口事務の効率化、未収金の減少など
-
【デメリット】
新たな手数料負担による病院経営への影響のおそれ
あっせん要旨
- 患者サービス向上を図る観点から、診療費の支払方法の多様化について検討する必要
-
筑波大学附属病院(銀行振込の拡大、カード決済の導入)
群馬大学医学部附属病院(カード決済の導入)
東京大学医科学研究所附属病院(カード決済の導入)
新潟大学医歯学総合病院(カード決済の導入)
山梨大学医学部附属病院(カード決済の導入)
あっせんに対する各病院からの回答(平成17 年2月17 日現在)
-
1) 筑波大学附属病院
(i) 17 年3 月から、銀行振込の希望者に振込用紙を配付する予定。そのことを案内文書を掲示して周知
(ii) 17 年4 月から、クレジットカードによる決済を導入予定
2) 群馬大学医学部附属病院
カード決済の導入について、引き続き検討
なお、利用者サービスの低下を招かぬよう、利用者が比較的多い銀行振込について、更に周知を徹底
3) 東京大学医科学研究所附属病院
17 年4 月から、クレジットカードによる決済を導入予定
4) 新潟大学医歯学総合病院
18 年1 月から、医療情報システムの更新に併せて、クレジットカード及びデビットカードによる決済を導入予定
5) 山梨大学医学部附属病院
17 年4 月から、クレジットカード及びデビットカードによる決済を導入予定
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