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件名:郵便局窓口における本人確認の運用の改善

苦情の要旨

(相談1)
  私の息子の名前の一字「たく」は、戸籍法施行規則附則第2項に基づく人名用漢字許容字体表に含まれ、人名に使用することが認められている。 
  ところが、私が息子名義の郵便貯金を簡易郵便局に引き出しに行ったところ、「金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律」による本人確認が行われ、息子の保険証を提示したが、保険証には「たく」ではなく、「琢」と印字されていたため、郵便局から本人確認できないと言われた。このため、市役所で住民票の交付を受け、出直す手間を要した。
  郵便局は、本人確認に際して、郵便貯金通帳等と本人確認書類の氏名の表記に、字体の違いがあっても社会通念をもとに判断し、本人と確認してほしい。

(相談2)
  私は、夫の遺族厚生年金を受給しており、所得税法に係る非課税制度を利用した口座を郵便局で開設することとした。
  その際に、郵便局から本人であることを確認するための書類を求められ、住民票を提出したが、名前に使用されている漢字が「靜子」であり、年金証書に使用されている漢字「静子」と異なっていたため、本人と確認してもらえなかった。
  このため、健康保険証「靜子」、戸籍謄本「静子」まで提出し、ようやく戸籍謄本に使用されている漢字が年金証書と同じ「静子」であったので本人と認められた。
  郵便局における非課税制度の適用の際の本人確認は厳しすぎるので、改善してほしい。

調査結果

1)  日本郵政公社関東支社では、顧客が正しい字体で記された本人確認書類を持参していないときは、預入申込書等の備考欄に「貯金名義の漢字が正当との申し出があった」旨を記載して受理する取扱いを行うよう、郵便局に対し通知しているが、今回調査を行った埼玉県内の4郵便局では、同関東支社の指導した方法に拠らないで、預入申込書等に記載した氏名の字体と同一の字体で氏名を記載した本人確認書類の提出を顧客に求めているとしており、今回と同様の苦情が常に発生するおそれが認められる。

2)  郵便貯金の非課税制度の適用について、国税局では、確認書類に使用されている漢字の字体が一致していなくても、氏名、生年月日、住所等により、本人である旨の確認が適正に行われていればよいとしているが、日本郵政公社では、氏名については、字体が公的書類と同一であることを確認するよう求めており、今回調査を行った埼玉県内の4郵便局においても、申込書に記載された氏名の字体と同一の本人確認書類がない場合は、申込書を受理していない。

関東管区行政評価局行政救済推進会議での検討結果及びあっせん内容

1)  日本郵政公社関東支社は、郵便局窓口において、社会通念上同一の文字と判断できる範囲の字体にもかかわらず本人確認できないとして、顧客に別の本人確認書類を要求することがないよう、郵便局窓口における適正な本人確認の実施を徹底する必要がある。

2)  日本郵政公社関東支社は、郵政公社本社に対し、関東信越国税局の見解を伝え、もって非課税預入申込書と確認書類の氏名の字体が異なっていることを理由に非課税の申込を受理しないとする現行の取扱いの改善を図る必要がある。

あっせんに基づく措置状況

1)  課税貯金の取扱いについて、日本郵政公社関東支社は、証明書類と貯金名義の字体が異なる場合は、正しい字体を預金者に確認の上、証明書類と異なっていても正しい字体で受け付けるよう、郵便局に対し、取扱いの徹底を図った。

2)  非課税貯金の取扱いについて、日本郵政公社本社では、平成17年3月25日以降、課税貯金と同様の取扱いを行うよう全国の各郵便局長に通知した。

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