重大な事故の報告

 以下に該当する電気通信事故を発生させた電気通信事業者は、電気通信事業法等の定めるところにより、事故の報告をすることが義務付けられています(事故の報告を行わない又は虚偽の報告をした場合については、三十万円以下の罰金を科されることがあります。)。

 

電気通信役務の提供を停止又は品質を低下させた事故で、
影響利用者数及び継続時間が下図の基準を満たすもの等

→ 速やかに状況を報告30日以内に詳細報告
重大な事故の基準の図

報告様式

速やかな報告

 電気通信事業者は、重大な事故が発生した場合には、電気通信事業法施行規則第57条に基づき、「速やかに」※発生日時等の事項について総務省へ報告しなければなりません。また、利用者保護の観点から、重大な事故の発生のおそれがある段階での情報提供についても、積極的に行うようにしてください。
 ※第一報では、報告書類を正式に準備する必要はありません。その時点で判明している事項のみを、電話、FAX又は電子メールにより総務省(本省及び総合通信局等の所管部署)へ速やかに報告してください。

報告事項及び内容は、以下の例を参考にしてください。

 
報告様式の内容
記載内容 記入例
事故の発生日時 令和○○年○月○○日○○時○○分頃
事故の原因となった設備の設置場所 ○○ビル(○○県○○市)
影響を与えた電気通信役務の内容 第○世代携帯電話サービスの音声発着信不可
影響を与えた範囲 ○○県、○○県、○○県の一部利用者
影響を与えた利用者数 約○万(詳細調査中)
事故の発生原因 位置情報管理装置(HLR)の不具合と推定
(卸電気通信役務部分である場合はその旨)
障害の発生、認知、復旧作業経過等の措置模様 ○○:○○ 利用者申告により障害を認知
○○:○○ 故障部位を特定し当該パッケージの交換を開始
利用者からのホームページ等での広報状況及び申告(苦情)数 障害状況のHP掲載:○○日○○時(予定)
問い合わせ件数:○件(○○日○○時現在)

詳細な報告

 速やかな報告に加え、詳細な報告を所定の様式にて、事故の発生から30日以内に提出しなければなりません。
 重大な事故の報告に係る様式及び記載例は以下からダウンロードできます。

※記載例にある具体的な事故の内容、システム構成、機器等の名称・説明等は全て架空であるため、実在のものとは関係ありません。

報告書に記載する内容は、以下のとおりです。報告書への具体的な記載方法等及び提出先等については、総務省(本省及び総合通信局等の所管部署)にお問い合わせください。

詳細な報告の内容
発生年月日及び時刻 復旧年月日及び時刻
発生場所 事故が発生した設備の設置場所を記載する。
事故の全体概要 電気通信事業法施行規則第58条第1号に掲げる、影響を与えた電気通信役務の区分及び事故の全体概要を記載する。
事故の原因となった電気通信設備の概要 事故の原因となった電気通信設備の正常時及び事故発生時の動作(設備構成を含む。)を、両者の差異がわかるよう記載し、必要に応じ別紙で設備構成図等を添付する。
発生状況 発生した事象、影響を与えた利用者数及び影響を与えた地域等、事故発生の詳細について記載する。必要に応じ別紙で影響利用者数の算定根拠、障害継続時間帯のトラヒックの推移等を添付する。
措置模様(事故対応状況) 事故発生から収束までに行った措置を、対応者を含め、時系列で詳細に記載する。必要に応じ別紙を添付する。
発生原因 発生原因のほか、事故が大規模化・長時間化した原因を、原因となつた電気通信設備の管理工程(設計、工事、維持・運用)ごとに記載する。必要に応じ発生原因を図解した資料等を添付する。
同時に複数の事故が起きた場合には、事故ごとに記載する。
再発防止策 応急復旧のための暫定対処、今後の再発を防止するための恒久対処及び当該改善により期待される電気通信設備の動作(設備構成を含む。)を、その実施時期とともに記載する。必要に応じ別紙で再発防止策の実施スケジュール、設備構成図等を添付する。
利用者対応状況 利用者からの電話やメール等による問い合わせ件数を、算出日時とともに記載する。
利用者へ行った周知方法(Webサイトへの掲載、電話又はメールでの個別周知、テレビのティッカーによる周知等)を、周知日時とともに記載する。
その他、特筆すべき利用者対応を行った場合には、対応内容を日時とともに記載する。
関連する基準及び規程 関連する基準及び規程がある場合には、該当条文を列記し、再発防止策との関係を記載する。
関連する事故の発生傾向 本件事故と同一の原因により過去に起こった事故がある場合には、その事故の概要を記載する。
電気通信設備統括管理者の氏名 電気通信設備統括管理者の選任を必要としない場合等は記入不要である。
事故の対策を確認した電気通信主任技術者の氏名及び資格の種別 電気通信主任技術者の選任を必要としない場合等は記入不要である。

関係法令(令和5年12月7日現在)

電気通信事業法(昭和59年12月25日法律第86号)

(業務の停止等の報告)

第二十八条 電気通信事業者は、次に掲げる場合には、その旨をその理由又は原因とともに、遅滞なく、総務大臣に報告しなければならない
一 第八条第二項の規定により電気通信業務の一部を停止したとき。
二 電気通信業務に関し次に掲げる事故が生じたとき。
イ・ロ (略)
ハ その他総務省令で定める重大な事故
2 (略)

電気通信事業法施行規則(昭和60年4月1日郵政省令第25号)

(業務の停止等の報告)

第五十七条 法第二十八条第一項の規定による報告をしようとする者は、報告を要する事由が発生した後(通信の秘密又は特定利用者情報(次条第一項に規定する情報に限る。以下この条において同じ。)の漏えいに係るものにあつては、それを知つた後)速やかにその発生日時及び場所、概要、理由又は原因、措置模様その他参考となる事項について適当な方法により報告するとともに、その詳細について次の表の上欄に掲げる報告の事由の区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる様式により同表の下欄に掲げる報告期限までに報告書を提出しなければならない。

報告の事由 様式 報告期限
 法第八条第二項の規定による電気通信業務の一部の停止
様式第五十 法第八条第二項の規定により電気通信業務の一部を停止した日から三十日以内
 通信の秘密の漏えい
様式第五十の二 電気通信業務に関し通信の秘密の漏えいを知つた日から三十日以内
 特定利用者情報の漏えい
様式第五十の二の二 特定利用者情報の漏えいを知つた日から三十日以内
 次条第二項に規定する重大な事故
様式第五十の三 その重大な事故が発生した日から三十日以内
2  前項の表四の項に掲げる重大な事故に関する報告をしようとする者(卸電気通信役務の提供を受ける電気通信事業者に限る。)は、当該重大な事故が当該卸電気通信役務の提供を行う電気通信事業者において生じた重大な事故に起因する場合においては、前項中「発生日時及び場所、概要、理由又は原因、措置模様」とあるのは「発生日時、措置模様」と読み替えるものとし、前項の規定にかかわらず、様式第五十の三の二により報告書を提出することができる。
3 (略)
 

(報告を要する事故)

第五十八条 (略)
2 法第二十八条第一項第二号ハの総務省令で定める重大な事故は、次のとおりとする。
一 次の表の上欄に掲げる電気通信役務の区分に応じ、それぞれ同表の中欄に掲げる時間以上電気通信設備の故障により電気通信役務の全部又は一部(付加的な機能の提供に係るものを除く。)の提供を停止又は品質を低下させた事故(他の電気通信事業者の電気通信設備の故障によるものを含む。)であつて、当該電気通信役務の提供の停止又は品質の低下を受けた利用者の数(総務大臣が当該利用者の数の把握が困難であると認めるものにあつては、総務大臣が別に告示する基準に該当するもの)がそれぞれ同表の下欄に掲げる数以上のもの
電気通信役務の区分 時間 利用者の数
 緊急通報を取り扱う音声伝送役務
一時間 三万
 緊急通報を取り扱わない音声伝送役務
二時間 三万
一時間 十万
 セルラーLPWA(無線設備規則第四十九条の六の九第一項及び第五項又は同条第一項及び第六項で定める条件に適合する無線設備をいう。)を使用する携帯電話(一の項又は二の項に掲げる電気通信役務を除く。)及び電気通信事業報告規則第一条第二項第十八号に規定するアンライセンスLPWAサービス
十二時間 三万
二時間 百万
 利用者から電気通信役務の提供の対価としての料金の支払を受けないインターネット関連サービス(一の項から三の項までに掲げる電気通信役務を除く。)
二十四時間 十万
十二時間 百万
 一の項から四の項までに掲げる電気通信役務以外の電気通信役務
二時間 三万
一時間 百万
二 電気通信事業者が設置した衛星、海底ケーブルその他これに準ずる重要な電気通信設備の故障により、当該電気通信設備を利用する全ての通信の疎通が二時間以上不能となる事故

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