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「四国コンテンツ映像フェスタ2015表彰式」及び「四国コンテンツセミナーin高知」を開催
≪地域コンテンツの効果的な発信で、四国をより元気に≫

 四国総合通信局は、四国情報通信懇談会及び四国情報通信協力会との共催で、平成28年1月20日(水)、高知市文化プラザかるぽーとにおいて「四国コンテンツ映像フェスタ2015表彰式」及び「四国コンテンツセミナーin高知」を開催しました。

会場の様子

 

 「四国コンテンツ映像フェスタ」は、地域のデジタル動画コンテンツ制作者に発表の場を設けることにより、人材育成と地域コンテンツ(地域の情報を含んだコンテンツ)流通の促進を図ることを目的に、デジタル動画コンテンツを募集するコンテストとして平成19年度から開催しており、今年度で9回目となります。
 今年度は「四国を元気にする」を作品テーマとし、「一般作品(原則180秒以内)」と「ワンショット作品(30秒以内)」について、アマチュア部門とプロ・セミプロ部門の部門別に平成27年5月15日から9月28日まで募集したところ、57作品の応募がありました。
 応募された作品は、平成27年10月10日から11月10日までインターネット上で公開し、一般の方々に視聴とWEB投票をしていただき、その中から高い評価を得た作品について、14名の審査委員が「創造性(アイデア)」、「技術性(テクニック)」及び「訴求力(アピール、特に四国を元気にする力)」などの項目で厳正な審査を行い、「最優秀賞」、「優秀賞」及び「特別賞」を決定しました。

 最初に、主催者を代表して、四国総合通信局 佐藤 裁也(さとう たつや)局長から、「今年は4月29日から30日にかけて、高松市においてG7香川・高松情報通信大臣会合が開催される。本会合は四国四県にとっても初のG7閣僚会議であり、きわめて有意義かつ大切な年である。一方、本日の四国コンテンツ映像フェスタは全国的に見ても屈指の取組であり、稀有な継続事例として発展している。この四国コンテンツ映像フェスタを継続してきたおかげで、四国ではコンテンツの中核となる人材が順調に育ってきている。今回、G7香川・高松情報通信大臣会合が四国で開催されることも一つの契機であるので、ぜひ四国コンテンツ映像フェスタで表彰される皆様には、様々なコンテンツを内外に発信していただきたい。」との開会あいさつがありました。

佐藤(さとう)局長の開会あいさつ

 

 第1部の表彰式では、今回の受賞作品を上映した後、白石 成人(しらいし なると)審査委員長(四国情報通信懇談会コンテンツ部会 代表幹事、株式会社愛媛CATV 常務取締役)から表彰状が授与されました。続いて、協賛団体である一般社団法人映像情報メディア学会、株式会社STNet、株式会社NTTドコモ四国支社からの副賞が、各賞の受賞者に贈呈されました。

白石(しらいし)審査委員長からの表彰状の授与

 

 表彰式の最後に、白石(しらいし)審査委員長から「四国コンテンツ映像フェスタは、回を重ねる毎に進化しており、応募作品はハイレベルになっている。今回は、審査委員の票が分散し点数が拮抗していたのが特徴。それは各作品の個性が発揮されていたからであり、さまざまな個性を持ったコンテンツが発信されるということが、地域の活性化につながっていく。今後も個性あふれるコンテンツが制作されることを期待する。」との総評がありました。

 「四国コンテンツ映像フェスタ2015」入賞作品の発表

四国コンテンツ映像フェスタ2015」受賞者の皆様

 

 第2部では、「四国コンテンツセミナーin高知」が開催され、コンテンツ業界の第一線で御活躍されている2名の講師をお迎えし、「地域コンテンツの効果的な発信で、四国をより元気に」をテーマに講演していただきました。

 最初に、株式会社ティー・ワイ・オー 早川 和良(はやかわ かずよし)専務取締役より、「地域の魅力を映像で伝えよう」と題し、地域の魅力を映像で伝えるには、それをどう語るかのストーリーのチカラと興味を抱かせる映像のチカラが必要であることから、石川県観光総合プロデューサーとして手がけたJR北陸新幹線キャンペーンや金沢市観光プロモーションCMを例に、どうやって映像で伝え地域活性化につなげるかについて講演していただきました。

 まず、広告の目的とは「人を動かすこと。」、テレビCMの目的とは「人をその気にさせること。○○したいという効果を生み出すこと。」とした上で、テレビCMの構成要素は「映像×言葉×音楽」であり、「これらの要素は足し算ではなく掛け算であることがポイント。人をその気にさせるには、映像だけでなく言葉や音楽の使い方がポイントになる。」と解説されました。

 また、映像で魅力を伝えるポイントとして、「相手の魅力をみつけること」、「相手の魅力を見つけてもらうこと」、「魅力は一つに絞ること」、「魅力を感じるように表現すること」の4点を挙げ、「地域の魅力を紹介するだけではなく、映像を見た人に感情の変化を起こさせることが必要である。」「そのためには、いろいろと地域の魅力はあるけれども、映像にする場合は一つに絞ることも重要である。」と解説されました。

 さらに、さまざまなプロモーションビデオを紹介しながら、言葉で興味を持ってもらう例や、どうしても魅力を一つに絞れない場合等には、「串刺し」で複数の魅力を伝える手法について具体的に紹介されました。

早川(はやかわ)講師の御講演の様子

 

 次に、株式会社RCCフロンティアの三村 千鶴(みむら ちづる)制作・技術本部長兼制作部長が「映像の効果的な発信でイキイキ地域づくり」と題して、観光スポットなど旅行者向けの情報やカープファンに向けた最新情報などを動画やアプリを通じて発信してきた立場から、魅力あるコンテンツをどう創り出し、地域の活性化に結び付けるのかについて講演していただきました。

 まず、放送局にとってのコンテンツが幅広くなってきた現状について、テレビ・ラジオだけでなく、DVD、書籍、データ放送、アプリやウェブサイトの制作等々、メディアが多様化するに伴って海外への進出も視野に入ってきたことが報告されました。また、中国放送のこれまでの取組として、広島カープ関連の「動画配信サービス」、中国放送独自のコンテンツビジネススキームを開発した「課金システムの確立」、「自治体との協業」として広島市と連携した情報提供サービスであるHiroshima P2Walkerや宮島絵図ウォーカー、広島県と連携した映画「ももへの手紙」プロジェクト、さらにはアプリ開発やオンデマンド配信、スクープ投稿等の取組について紹介され、これまでの経験から「必要なコンテンツは、形を変えても残っていく。そのためには、どの視聴者層に訴えていくコンテンツなのかというイメージを明確化することが必要である。」と解説されました。

 また、ローカルの放送局の立場から、魅力あるコンテンツを制作していくキーポイントとして、「ローカルの視点(生活者のリアリティー)を持つこと」、「グローバルな視線(地球を裏側から見る)を持つこと」、「考え抜くこと」の3点を挙げ、ローカル局だからこそできることとして、「そこに住んでいるからこそ地域の魅力が再発見できるのだと思う。これまでの文化や伝統に新しい価値を加えて、これまでになかった新しい地域を創りあげるという視点で、住民や行政と協力しあいながら、コンテンツ作りを考えていきたい。」と述べられました。

三村(みむら)講師の御講演の様子

 

 その後、講演されたお二人に対する質疑応答が行われました。

 「コンテンツ制作に関するセンスはどうすれば伸ばすことができるか。また、映像×言葉×音声のうち、どのセンスが重要か。」との参加者からの質問に対し、早川(はやかわ)講師から「映像制作はチームワーク。自分ではセンスがないと思った作業は、センスのある人にやってもらえばよい。また、私は普段は言葉が苦手なので映像で考えることが多いが、言葉は論理性を持たせることができる。コンテンツについても言葉で試行錯誤しながら、設計図を作っていくことはとても重要な作業である。」とのアドバイスをいただきました。

 続いて、「中国放送の今後の海外展開」に関する質問に対しては、三村(みむら)講師から「海外向けのコンテンツについては、単にきれいな風景をきれいに撮影して届けるだけでは、ちょっと違うのかなと考えるようになった。外国人は日本人が考えていないところに興味があるもので、体験を好むようだ。日本ならではの体験ができるコンテンツを考えていきたい。」と回答いただきました。

 また、「アイデアに困ったときのルーティンはあるか。」の質問に対しては、お二人とも「秘訣はずっと一日中、そのことについて考え続けること。ただし、同じ所にいるのではなく、外に出て歩いたり、全然関係のないことをやってみたりしているうちに、インスピレーションが浮かんでくるもの。気分転換が大切である。」と同じ経験を語られ、質疑応答は終了しました。

質疑応答の様子

 

 最後に、閉会にあたり白石(しらいし)代表幹事から、「地域からの情報発信は、地域間競争の時代に入っている。これからは、オール四国で情報発信していくことが必要である。今回のセミナーで学ばせていただけるところは学ばせていただいて、地域活性化につながるコンテンツの配信に取り組んでいきたい。」とのあいさつがありました。

白石(しらいし)代表幹事の閉会あいさつ

 

 今回は表彰式には74名、セミナーには67名が参加されました。四国総合通信局では、今後もデジタル動画コンテンツ制作者の育成と地域コンテンツ流通の促進を図るために、継続してコンテンツ映像フェスタやコンテンツセミナーの開催を予定しています。ぜひ多くの方々にコンテンツ映像フェスタへの御応募やコンテンツセミナーに御参加いただき、コンテンツによる地域からの情報発信等の活動に貢献していただけるよう、関係機関と連携しながら積極的に取り組んでいきます。

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