|
6-7 各種通信システム(1)ファクシミリ通信 ファクシミリ通信については,端末〜端末間で会話形通信を行う一般のファクシミリ通信に加えて,一度ネットワークにファクシミリ信号を蓄積して通信を行うファクシミリ通信網システムが構築されている。この蓄積形通信により,同報通信,再呼等の多彩な機能の提供が可能となるとともに,メディア変換によりコンピューターファクシミリ間の通信も可能となった。
(2)ビデオテックス通信 ビデオテックス通信システムは,電気通信回線を利用して文字図形等による豊富な情報を提供するシステムである。 (3)テレテックス通信 テレテックス通信は,文書作成・編集機能及び通信機能を有する端末装置相互間の文書通信であり,ワードプロセッサに通信機能を付加して行う通信といえる。
郵政省では,58年11月に,CCITTが定めた欧文テレテックスの勧告を基に,日本語文書をも取り扱える日本語テレテックス装置に関する推奨通信方式を告示している。 (4)テレライティング テレライティングは,電話回線を用い,通話しながら同時に手書きの任意の文字・図形を伝送する新しい通信サービスである。 (5)電子メール通信 電子メール通信は,通信網の蓄積,転送機能を利用して,データ,文書,画像等のメッセージ情報を伝達,配布するものであり,しかも同報通信,時刻指定通信,メディア変換等高度な通信処理をも可能とするものである。 (6)パーソナル・コンピュータ通信 パーソナル・コンピュータは,これまでその多くが単体として使用されてきたが,最近では電気通信網を介して通信端末として利用しようとする動きがある。 (7)画像応答システム(VRS) 画像応答システム(VRS)は,プッシュホン又はキーパッドから画像センタを呼び出し,広帯域伝送路を介してセンタに蓄積されている各種情報を音声付カラー静止画又は動画でテレビジョン受像機に映し出す画像情報システムである。VRSは,必要な時に必要とする情報を画像センタから得ることができるのが特徴であり,患者に対する食事療法の指導教育など医療分野で実験的に利用されている。
(8)テレビ電話 現在,ISDN時代の有力な新サービスとして,各種機能の充実,経済化等システム全般にわたる技術開発,検討が行われており,64Kb/sで動画と音声を伝送する方式の開発が進められている。 (9)テレビ会議 テレビ会議は,双方向の映像,音声,ファクシミリ,書画カメラ等の通信手段を利用して,遠隔地間での会議や打合せ等を行うものである。CCITTにおいては,今研究会期(1984-1988年)から,テレコンファレンスの名称で研究が行われている。映像信号の符号化方式については,現在6.3Mb/s,1.5Mb/sのものが実用化されているが,さらに符号圧縮を行う384kb/s,56〜64kb/sのものについても研究開発,国際標準化作業が行われている。 (10)ディレクトリシステム ディレクトリは,「住所氏名録」と一般に訳される。通信分野におけるディレクトリシステムとは,通信対象(人,システム,プログラム,サービス等)に関する情報(通信に関連する各種属性)を蓄積・管理し,対象に関する名前等によりそれらを検策することのできるシステムである。ディレクトリシステムは,名前指定による自動接続,通信相手の認証,同報通信,転送電話,自動メディア変換等に利用することが考えられ,将来のインテリジェントな通信網の構築の基盤となるものである。ディレクトリシステムについては,1988年の勧告化に向けて,CCITTにおいてモデル,認証,サービスの定義,プロトコル等の標準化の作業が行われている。 (11)ホームバスシステム ホームバスシステムは,家庭内に現在ある,または今後導入されるであろう各種情報通信機器〔電話機,家電機器,AV(Audio Visual)機器,セキュリティ関連機器等を含む〕を共通の伝送路に接続して機器相互間を有機的に結びつけ,単に家庭内にとどまることなく,進展する社会の様々な機能と融合して,家庭をネットワークの一部と位置づけて,家庭内外のあらゆる情報をどこからでも,いつでも,だれでもが自由に選択できるシステムである。
|