昭和63年版 通信白書(資料編)

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6-8 その他の技術

(1)電話サービスの多様化技術

 ニーズの高度化・多様化に対応し,新しい電話サービスの実用化が進められている。

 

<3>-6-32表 電話サービスの多様化

 

(2)通信網の信頼性向上技術

 情報化の進展に伴い,そのインフラストラクチャーとして電気通信ネットワークの安全・信頼性対策がますます重要となってきており,その対策として,種々の技術的検討及び施策が進められてきた。
 難燃化ケーブル,非常用可搬形交換装置,孤立防止用衛星通信方式等の開発も行われている。電気通信技術審議会から「電気通信システムの安全・信頼性対策の在り方」についてのガイドラインが61年6月に答申され,これに基づき「情報通信ネットワークの安全・信頼性基準」が62年2月に制定されたが,今後はこれに沿って安全・信頼性対策が進められていくこととなろう。

(3)通信用電源

 電気通信ネットワークのディジタル化の進展に対応して,より高品質で信頼性の高い電力が必要とされるとともに,省資源・省エネルギーの見地から通信用電源システムの変換効率の向上,小型・軽量化も強く要望されている。

 

<3>-6-33表 通信用電源の技術開発

 

(4)通信用土木

 通信用ケーブル等を収容し保護するための通信土木施設には,管路,マンホール,ハンドホール,とう道等がある。これらに関しては,通信事業の進展に伴う量的拡大に加えて,光ファイバケーブル等の新しい技術の導入に伴って,今後とも社会環境との調和,信頼性の向上,経済性の向上等を図る必要があり,それらに対応した通信土木技術の開発が行われている。

 

<3>-6-34表 通信用土木の技術開発

 

(5)電波予報・警報

 通信総合研究所では,電波予報・警報業務の運用と関連研究のために,平磯支所において,太陽電波,地磁気等の観測及び短波伝搬状況の監理,国内5電波観測所(稚内,秋田,東京,山川,沖縄)と南極昭和基地において,電離層観測を定常的に行っている。これらの毎日の観測結果を基に,短波伝搬状況及び電波じょう乱予報を電話サービスにより速報するとともに,電波予報や太陽地球間物理研究に資するために,1か月の観測資料をまとめて,電離層月報として公表している。
 このたび,電離層観測の省力化とデータの均質化のために,電離層観測データの自動処理システムを開発した。これによって,観測からデータ処理及び提供まで完全に自動化され,均質データの迅速な利用が可能となった。

(6)周波数,時刻及び時間間隔の標準

 時間間隔及び周波数は,物理基本量の一つであることと,これらの標準が他の標準に比べ,高確度化が達成されていることから,科学,産業,通信,交通測地等多くの分野での利用も高度化しつつある。通信総合研究所では,国家標準である原子周波数標準及び標準時(協定世界時,日本標準時)を維持し,これらの高確度高安定化と精密計測及び国際比較法,標準電波その他による高精度供給並びに利用法等の研究開発を引き続き行っている。

(7)無線設備の較正・性能試験

 無線測定器の較正及び性能試験は,無線局検査用,型式検定用及び一般からの委託によるものなどを対象としており,較正範囲の拡大と精度の向上はますます必要となっている。

 

<3>-6-35 無線設備の較正・性能試験の処理件数(62年度)

 

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